JPH0480108B2 - - Google Patents
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- JPH0480108B2 JPH0480108B2 JP63304512A JP30451288A JPH0480108B2 JP H0480108 B2 JPH0480108 B2 JP H0480108B2 JP 63304512 A JP63304512 A JP 63304512A JP 30451288 A JP30451288 A JP 30451288A JP H0480108 B2 JPH0480108 B2 JP H0480108B2
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- Japan
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- alloy
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- wear resistance
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Landscapes
- Manufacture Of Alloys Or Alloy Compounds (AREA)
- Conductive Materials (AREA)
Description
産業上の利用分野
この発明は、例えばシリンダー、ベーン等の摺
動部材、その他熱膨張係数が小さく耐摩耗性およ
び熱伝導性の要求される自動車用部品や各種機械
部品等に使用される耐摩耗性及び熱伝導性に優れ
た低熱膨張アルミニウム合金に関する。 従来の技術 従来、この種のアルミニウム合金としては、耐
摩耗性を向上させるための元素としてSiを添加し
たAl−Si系アルミニウム合金が良く知られてい
るところであり、一般に多く用いられている。 発明が解決しようとする課題 ところが、耐摩耗性の向上のために、Siの添加
量を増加すると、耐摩耗性が向上し、熱膨張係数
が低下する反面、鋳造性、切削性および鍛造性が
低下するという問題があり、自ずからその添加量
がせいぜい30%程度以下に制約を受けるものであ
つた。 この発明はこのような事情に鑑み、Siの含有量
の制限範囲の中で更に一層耐摩耗性等の機械的性
質に優れ、かつ熱伝導性や熱膨張性等の物理的性
質に優れたアルミニウム合金を提供することを目
的としてなされたものである。 課題を解決するための手段 而して、この発明は鋭意研究の結果、Siによる
硬質粒子のほかに、Al3Ni金属間化合物を分散さ
せたものとし、同時にCu及びMgを共存させるこ
とによつて、耐摩耗性及び熱膨張性の充分な改善
をはかりつゝ、同時に熱伝導性、鋳造性、切削性
および鍛造性の改善をはかりうることを見出し、
かゝる知見に基づいて完成し得たものである。 即ち、この発明の第1は、 Ni:15%を超え、30%以下 Si:4〜30% Cu:2〜5% Mg:0.3〜2% を含有し、残部Al及び不可避不純物からなる耐
摩耗性及び熱伝導性に優れた低熱膨張アルミニウ
ム合金である。 そして又、第2の発明は、上記第1発明の必須
含有元素Si,Ni,CuおよびMgのほかに、 Cr:0.01〜1% Mn:0.01〜1% Zr:0.01〜0.5% V :0.01〜0.1% Ti:0.01〜1% Zn:0.01〜5% Fe:0.01〜5% のうちの1種または2種以上 を含有し、残部Al及び不可避不純物からなる耐
摩耗性及び熱伝導性に優れた低熱膨張アルミニウ
ム合金である。 なお、この明細書において、「%」はいずれも
「重量%」を示すものである。 上記合金添加元素の意義とその含有量の限定理
由は次のとおりである。 即ち、Niは、Al3Ni金属間化合物を形成して合
金中に分散し、主として耐摩耗性の向上および熱
膨張係数の低下に寄与するものであり、その含有
量が15%以下では上記効果に未だ不十分であり、
30%をこえて過多に含有すると、粗大な金属間化
合物を生成し、切削性を劣化する。特に好ましい
含有量は、20〜25%程度である。 Siは耐摩耗性および強度を向上させると共に、
熱膨張係数を低下させるものであり、4%未満で
は用途によつては充分な効果が得られず、30%を
超えると切削性、特に切削工具寿命が劣化する。
特に好ましい含有量は、10〜20%程度である。 Cu及びMgは、いずれも強度を高めるためのも
のであり、Cuが2%未満、およびMgが0.3%未
満ではこの効果が少なく、逆にCuが5%を超え、
あるいはMgが2%を超える場合には、粗大な晶
出物が生成し、かえつて機械的性質が劣化する。
特に好ましい含有量は、Cuにおいて2.5〜4.5%、
Mgにおいて0.5〜1.5%程度である。 Cr,Mn,Zr,V,Ti,Zn,Feは、いずれも
合金の機械的性質の改善に効果を有するものであ
り、この発明においてはこの添加効果の点で相互
に均等物として評価しうるものである。いずれも
その個々の含有量が0.01%より少ないときは、上
記効果の実現に不十分であり、逆に規定値をこえ
て過多に含有(Cr,Mn,Ti:1%超、Zr:0.5
%超、V:0.1%超、Zn,Fe:5%超)しても、
上記効果が飽和し、他に格別有益な効果を奏しな
い。 ところで、本発明合金は加圧凝固法により好適
に製造されるものである。この加圧凝固法を説明
すると次のとおりである。即ち、本発明合金を溶
解し、その溶湯を加圧凝固用金型に注湯して加圧
凝固せしめることにより、欠陥のない結晶粒の均
一かつ微細なビレツトの作成を行うものである。
加圧凝固用金型は、これに押出機のコンテナを利
用するものとしても良い。即ち、アルミニウム合
金溶湯を直接コンテナに注入し、ステムで加圧し
つつ凝固させるものとしても良い。もちろん、こ
の場合、上記コンテナの前面は盲ダイスを付設し
て塞ぎ、加圧凝固中の溶湯の吹き出しを防ぐもの
とすることが必要である。また上記注湯に際して
は前記金型を予め300〜350℃程度に加熱しておく
ものとすることが望ましい。これによりビレツト
に一層微細な組織を得ることを可能にする。即ち
300℃程度未満であると、注湯後前記アルミニウ
ムの凝固が直ぐに開始してしまい、加圧凝固によ
る効果が十分に達成され難い。一方、350℃を越
える高温に加熱しておくと、冷却速度が遅くな
り、晶出物が成長して上記微細化効果を十分に達
成し難いものとなる傾向がみられる。注湯後すぐ
さま前記金型内の溶湯を加圧ピストンにより加圧
し、凝固を進行せしめることによつてビレツトを
作成する。即ち加圧凝固法によつてビレツトを作
成する。この際の加圧力は50Kgf/cm2以上であれ
ば良く、望ましくは500〜1000Kgf/cm2程度とす
るのが良い。この加圧力の大小はビレツトの品質
にさして大きな影響を与えるものではない。しか
しながら、50Kgf/cm2未満では加圧凝固法による
鋳造割れ防止および結晶粒の微細化効果に不十分
であり、反面例えば1500Kgf/cm2を超えるような
高圧を付加しても、それに要するエネルギーの増
大に見合う効果の比例的向上を見ることができな
いためむしろ無益である。このように、所定の加
圧状態下においてアルミニウム合金を凝固させる
ことにより、鋳造割れを生じさせることなく、か
つ晶出物の小さなビレツトを作成し得る。上記加
圧凝固法により作成したビレツトは、次にこれを
押出加工して所期するアルミニウム合金材とす
る。ここに、ビレツトは一旦冷却された固相状態
のものを用いても良いが、好ましくは前記加圧凝
固の進行により、ビレツトの温度が押出し加工に
適する温度、例えば液相温度の約1/2程度にまで
低下し半溶融状態となつた時点で加圧凝固工程を
終了し、すぐさまそのまま押出機のコンテナに装
填して押出しを開始するものとなすことが奨励さ
れる。このような手順を採用することにより、押
出し加工に際してのビレツトの加熱工程を省くこ
とが可能となり、その加熱に要するエネルギーお
よび時間を節約し、合金押出し材の製造能率の向
上および製造コストの低減の利益を享受しうる。 発明の効果 この発明に係るアルミニウム合金は、下記の実
施例の参酌によつて明らかなように、その合金組
成の限定事項の範囲からそのいずれか1以上が逸
脱する比較合金に比べて、Si含有量が制限されて
いるにもかかわらず耐摩耗性、熱伝導性および低
熱膨張性の点につき優れた効果を実現し得るもの
である。 実施例 第1表に示す本発明合金及び比較合金のそれぞ
れについて、その溶湯を液相温度+100℃に加熱
した加圧凝固用金型に注湯し、1000Kgf/cm2の加
圧下で凝固させてビレツトを作成し、このビレツ
トを押出温度490℃にて直径12mmの丸棒に押出加
工し、490℃×6時間の再溶体化処理後水冷し、
180℃×7時間の時効処理を施したものを供試材
とした。 そして、この各供試材につき、耐摩耗性、熱伝
導率及び熱膨張係数を調べた。その結果を第2表
に示す。 なお、耐摩耗性の試験は、回転円板による大越
式摩耗試験機を用いて、負荷荷重:2.1Kg、摩擦
距離:600m、摩擦速度:3.67m/S、相手材:
FC−30(JIS)、試験面:エメリペーパー1200番仕
上げ、の試験条件で摩擦した場合の供試材の比摩
耗量を測定することによつて評価した。
動部材、その他熱膨張係数が小さく耐摩耗性およ
び熱伝導性の要求される自動車用部品や各種機械
部品等に使用される耐摩耗性及び熱伝導性に優れ
た低熱膨張アルミニウム合金に関する。 従来の技術 従来、この種のアルミニウム合金としては、耐
摩耗性を向上させるための元素としてSiを添加し
たAl−Si系アルミニウム合金が良く知られてい
るところであり、一般に多く用いられている。 発明が解決しようとする課題 ところが、耐摩耗性の向上のために、Siの添加
量を増加すると、耐摩耗性が向上し、熱膨張係数
が低下する反面、鋳造性、切削性および鍛造性が
低下するという問題があり、自ずからその添加量
がせいぜい30%程度以下に制約を受けるものであ
つた。 この発明はこのような事情に鑑み、Siの含有量
の制限範囲の中で更に一層耐摩耗性等の機械的性
質に優れ、かつ熱伝導性や熱膨張性等の物理的性
質に優れたアルミニウム合金を提供することを目
的としてなされたものである。 課題を解決するための手段 而して、この発明は鋭意研究の結果、Siによる
硬質粒子のほかに、Al3Ni金属間化合物を分散さ
せたものとし、同時にCu及びMgを共存させるこ
とによつて、耐摩耗性及び熱膨張性の充分な改善
をはかりつゝ、同時に熱伝導性、鋳造性、切削性
および鍛造性の改善をはかりうることを見出し、
かゝる知見に基づいて完成し得たものである。 即ち、この発明の第1は、 Ni:15%を超え、30%以下 Si:4〜30% Cu:2〜5% Mg:0.3〜2% を含有し、残部Al及び不可避不純物からなる耐
摩耗性及び熱伝導性に優れた低熱膨張アルミニウ
ム合金である。 そして又、第2の発明は、上記第1発明の必須
含有元素Si,Ni,CuおよびMgのほかに、 Cr:0.01〜1% Mn:0.01〜1% Zr:0.01〜0.5% V :0.01〜0.1% Ti:0.01〜1% Zn:0.01〜5% Fe:0.01〜5% のうちの1種または2種以上 を含有し、残部Al及び不可避不純物からなる耐
摩耗性及び熱伝導性に優れた低熱膨張アルミニウ
ム合金である。 なお、この明細書において、「%」はいずれも
「重量%」を示すものである。 上記合金添加元素の意義とその含有量の限定理
由は次のとおりである。 即ち、Niは、Al3Ni金属間化合物を形成して合
金中に分散し、主として耐摩耗性の向上および熱
膨張係数の低下に寄与するものであり、その含有
量が15%以下では上記効果に未だ不十分であり、
30%をこえて過多に含有すると、粗大な金属間化
合物を生成し、切削性を劣化する。特に好ましい
含有量は、20〜25%程度である。 Siは耐摩耗性および強度を向上させると共に、
熱膨張係数を低下させるものであり、4%未満で
は用途によつては充分な効果が得られず、30%を
超えると切削性、特に切削工具寿命が劣化する。
特に好ましい含有量は、10〜20%程度である。 Cu及びMgは、いずれも強度を高めるためのも
のであり、Cuが2%未満、およびMgが0.3%未
満ではこの効果が少なく、逆にCuが5%を超え、
あるいはMgが2%を超える場合には、粗大な晶
出物が生成し、かえつて機械的性質が劣化する。
特に好ましい含有量は、Cuにおいて2.5〜4.5%、
Mgにおいて0.5〜1.5%程度である。 Cr,Mn,Zr,V,Ti,Zn,Feは、いずれも
合金の機械的性質の改善に効果を有するものであ
り、この発明においてはこの添加効果の点で相互
に均等物として評価しうるものである。いずれも
その個々の含有量が0.01%より少ないときは、上
記効果の実現に不十分であり、逆に規定値をこえ
て過多に含有(Cr,Mn,Ti:1%超、Zr:0.5
%超、V:0.1%超、Zn,Fe:5%超)しても、
上記効果が飽和し、他に格別有益な効果を奏しな
い。 ところで、本発明合金は加圧凝固法により好適
に製造されるものである。この加圧凝固法を説明
すると次のとおりである。即ち、本発明合金を溶
解し、その溶湯を加圧凝固用金型に注湯して加圧
凝固せしめることにより、欠陥のない結晶粒の均
一かつ微細なビレツトの作成を行うものである。
加圧凝固用金型は、これに押出機のコンテナを利
用するものとしても良い。即ち、アルミニウム合
金溶湯を直接コンテナに注入し、ステムで加圧し
つつ凝固させるものとしても良い。もちろん、こ
の場合、上記コンテナの前面は盲ダイスを付設し
て塞ぎ、加圧凝固中の溶湯の吹き出しを防ぐもの
とすることが必要である。また上記注湯に際して
は前記金型を予め300〜350℃程度に加熱しておく
ものとすることが望ましい。これによりビレツト
に一層微細な組織を得ることを可能にする。即ち
300℃程度未満であると、注湯後前記アルミニウ
ムの凝固が直ぐに開始してしまい、加圧凝固によ
る効果が十分に達成され難い。一方、350℃を越
える高温に加熱しておくと、冷却速度が遅くな
り、晶出物が成長して上記微細化効果を十分に達
成し難いものとなる傾向がみられる。注湯後すぐ
さま前記金型内の溶湯を加圧ピストンにより加圧
し、凝固を進行せしめることによつてビレツトを
作成する。即ち加圧凝固法によつてビレツトを作
成する。この際の加圧力は50Kgf/cm2以上であれ
ば良く、望ましくは500〜1000Kgf/cm2程度とす
るのが良い。この加圧力の大小はビレツトの品質
にさして大きな影響を与えるものではない。しか
しながら、50Kgf/cm2未満では加圧凝固法による
鋳造割れ防止および結晶粒の微細化効果に不十分
であり、反面例えば1500Kgf/cm2を超えるような
高圧を付加しても、それに要するエネルギーの増
大に見合う効果の比例的向上を見ることができな
いためむしろ無益である。このように、所定の加
圧状態下においてアルミニウム合金を凝固させる
ことにより、鋳造割れを生じさせることなく、か
つ晶出物の小さなビレツトを作成し得る。上記加
圧凝固法により作成したビレツトは、次にこれを
押出加工して所期するアルミニウム合金材とす
る。ここに、ビレツトは一旦冷却された固相状態
のものを用いても良いが、好ましくは前記加圧凝
固の進行により、ビレツトの温度が押出し加工に
適する温度、例えば液相温度の約1/2程度にまで
低下し半溶融状態となつた時点で加圧凝固工程を
終了し、すぐさまそのまま押出機のコンテナに装
填して押出しを開始するものとなすことが奨励さ
れる。このような手順を採用することにより、押
出し加工に際してのビレツトの加熱工程を省くこ
とが可能となり、その加熱に要するエネルギーお
よび時間を節約し、合金押出し材の製造能率の向
上および製造コストの低減の利益を享受しうる。 発明の効果 この発明に係るアルミニウム合金は、下記の実
施例の参酌によつて明らかなように、その合金組
成の限定事項の範囲からそのいずれか1以上が逸
脱する比較合金に比べて、Si含有量が制限されて
いるにもかかわらず耐摩耗性、熱伝導性および低
熱膨張性の点につき優れた効果を実現し得るもの
である。 実施例 第1表に示す本発明合金及び比較合金のそれぞ
れについて、その溶湯を液相温度+100℃に加熱
した加圧凝固用金型に注湯し、1000Kgf/cm2の加
圧下で凝固させてビレツトを作成し、このビレツ
トを押出温度490℃にて直径12mmの丸棒に押出加
工し、490℃×6時間の再溶体化処理後水冷し、
180℃×7時間の時効処理を施したものを供試材
とした。 そして、この各供試材につき、耐摩耗性、熱伝
導率及び熱膨張係数を調べた。その結果を第2表
に示す。 なお、耐摩耗性の試験は、回転円板による大越
式摩耗試験機を用いて、負荷荷重:2.1Kg、摩擦
距離:600m、摩擦速度:3.67m/S、相手材:
FC−30(JIS)、試験面:エメリペーパー1200番仕
上げ、の試験条件で摩擦した場合の供試材の比摩
耗量を測定することによつて評価した。
【表】
【表】
【表】
【表】
上記第2表の結果に示されるように、本発明合
金は、比較合金に比べ、熱伝導率を維持しつつ、
耐摩耗性および低熱膨張性のいずれも併せて改善
しうるものであることを確認し得た。
金は、比較合金に比べ、熱伝導率を維持しつつ、
耐摩耗性および低熱膨張性のいずれも併せて改善
しうるものであることを確認し得た。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 Ni:15%を超え、30%以下 Si:4〜30% Cu:2〜5% Mg:0.3〜2% を含有し、残部Al及び不可避不純物からなる耐
摩耗性及び熱伝導性に優れた低熱膨張アルミニウ
ム合金。 2 Ni:15%を超え、30%以下 Si:4〜30% Cu:2〜5% Mg:0.3〜2% を含有し、かつ、 Cr:0.01〜1% Mn:0.01〜1% Zr:0.01〜0.5% V :0.01〜0.1% Ti:0.01〜1% Zn:0.01〜5% Fe:0.01〜5% のうちの1種または2種以上 を含有し、残部Al及び不可避不純物からなる耐
摩耗性及び熱伝導性に優れた低熱膨張アルミニウ
ム合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63304512A JPH02149632A (ja) | 1988-11-30 | 1988-11-30 | 耐摩耗性及び熱伝導性に優れた低熱膨張アルミニウム合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63304512A JPH02149632A (ja) | 1988-11-30 | 1988-11-30 | 耐摩耗性及び熱伝導性に優れた低熱膨張アルミニウム合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02149632A JPH02149632A (ja) | 1990-06-08 |
JPH0480108B2 true JPH0480108B2 (ja) | 1992-12-17 |
Family
ID=17933928
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63304512A Granted JPH02149632A (ja) | 1988-11-30 | 1988-11-30 | 耐摩耗性及び熱伝導性に優れた低熱膨張アルミニウム合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH02149632A (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05311302A (ja) * | 1991-10-22 | 1993-11-22 | Toyota Motor Corp | 高温強度および耐摩耗性に優れた低摩擦アルミニウム合金 |
DE69311412T2 (de) * | 1992-03-04 | 1998-01-02 | Toyota Motor Co Ltd | Hitzebeständiges Aluminiumlegierungspulver, hitzebeständige Aluminiumlegierung und hitzebeständiges und verschleissfestes Verbundmaterial auf Basis von Aluminiumlegierung |
EP0566098B1 (en) * | 1992-04-16 | 1997-01-22 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Heat resistant aluminum alloy powder, heat resistant aluminum alloy and heat and wear resistant aluminum alloy-based composite material |
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JPH02149632A (ja) | 1990-06-08 |
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