JPS6020461B2 - 高強度高靭性を有する厚肉高張力鋼板 - Google Patents

高強度高靭性を有する厚肉高張力鋼板

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JPS6020461B2
JPS6020461B2 JP12908781A JP12908781A JPS6020461B2 JP S6020461 B2 JPS6020461 B2 JP S6020461B2 JP 12908781 A JP12908781 A JP 12908781A JP 12908781 A JP12908781 A JP 12908781A JP S6020461 B2 JPS6020461 B2 JP S6020461B2
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征一 渡辺
泰夫 大谷
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、板面内方向はもちろんのこと、特にこれに
直角な板厚方向においても高強度と高鰯性を有する厚肉
高張力鋼板に関するものである。
近年、特に天然資源の有効利用、完全利用の声がとみに
高くなってきており、水力発電関係の分野においても、
水資源の完全利用の立場から揚水発電所の建設が各地で
計画されるようになってきた。従来、揚水発電所の水圧
鉄管(ペンストック)の分岐部等の大型溶接構造物には
、高水圧等の多大な外力に耐えることが要求されること
から、構造用低合金高張力鋼の中でも特に強度の高い鋼
種であるHT70やHT80からなる超厚肉高張力鋼板
(板厚が20仇吻程度のもの)が使用されていた。
このHT70およびHT80は、熱間加工後、焼入れ・
競もどしの熱処理を経て必要な強度および籾性を付与さ
れるものであるが、例えば板厚が20仇舷程度の超厚肉
材になると、その焼入れ冷却速度は板陣が50〜75側
程度のものの燐ならし冷却速度と同等程度にしかならず
、中心部まできちんと焼き入れて良好な強度および靭性
を付与せしめることは至難の技であった。通常、高張力
鋼板は、板面内方向に主応力を受けて、これに直角な板
厚方向に主応力を受けないような都材として使用される
ものであるが、前述のような揚水発電所のペンストック
分岐部においては、板厚方向に主応力が加わるために、
安全性の観点から板厚方向に対して高軸性および高延性
を有することが要求されるので、中心部まで確実に焼き
を入れることの困難なHT70やHT80の麓厚肉材で
は、ペンストツク分岐部等のような板厚方向に主応力の
加わる部材として十分満足できる結果を得ることができ
なかった。
本発明者等は、上述のような観点から、板面内方向はも
ちろんのこと、これと直角な板厚方向においても高強度
と高靭性を有する厚肉高張力鋼板を得るために、特に構
造用低合金高張力鋼の強度および籾性に影響を与れる因
子に関して基本的考際を加えながら研究を行なった結果
、鋼材の強度および轍性はその焼入れ組識に依存すると
ころが大きく、これは板面内方向のみならずこれに直角
の板厚方向にも影響するところは同じであり、また、鋼
中のP(リン)等の不純物元素は結晶粒界に偏析して結
晶粒界を腕化させて鋼全体の級性を低下させるものであ
り、さらにMhS等は特に延性に悪影響を及ぼすもので
あることを改めて確認し、この強度および靭性に関連し
た隣入性の問題、そして、延性に関連した鋼質の問題を
鱗決すべ〈さらに研究を重ねたところ、‘aー 鋼中の
B(ホウ素)の添加量を特定の範囲に制限して、極厚肉
鋼板でも中心部まで十分に焼きが入るように暁入性をよ
り向上すること。
【b’鋼の基体成分自体の良好な焼入れ性を確保するよ
うに、基体を構成する成分の含有範囲を注意深く選定す
ること。{c’鋼中のSi含有量を低く抑えて不完全焼
入れ細識の級性を改良し、溶接性を確保するための焼入
れ性制限下でも必要な鋤性を確保すること。
‘d} 不純物元素を低減して延性の向上をはかること
。以上【a}〜{d}‘こ示す対策を組合わせることが
上記問題の解決に極めて有効であることを知見するに至
ったのである。
以下に、これら個々の対策の詳細について説明する。
【a} Bの添加量の制限 Bは徴量の添加で競入性を高めるので、従来、10〜3
瓜血の全B量を添加して鋼の暁入性を向上させていたが
、板厚が厚くなり、20仇舷程度に達すると、水焼入れ
してもその冷却速度は板厚50〜75脚の暁ならし冷却
速度と同等となるが、このような場合には冷却速度の速
い場合とは異なり、少ない全B量でも有効に焼入れ性を
向上できること。
BはN(窒素)と結合してBNを形成しやすいが、BN
を形成しては焼入れ性に寄与し得なくなる。
このため、Nを固定する目的でAIを添加するが、N量
:0.006%(以下%は重量%を意味するものである
)以下で、板厚:150〜30物価の鋼材を水焼入れす
るときの冷却速度範囲で、Bの効果の発揮されるsol
.AI−全B量の範囲は第1図に示すとおりである。第
1図は焼入れ性に及ぼすBとNとの影響を示す線図であ
り、sol.AI含有量及びB含有量が種々に変化した
ところの、C:0.08%、Si:0.05%、Mn:
1.45%、Cn:0.25%、Ni:0.25%、M
o:0.25%、V:0.04%、N:0.005%、
0:0.002%を含む厚さ:15仇舷の厚鋼板を90
0ooに加熱後水冷し、かつ630℃で焼戻して得られ
た試料について引張り試験並びにミクロ組識検査を行い
、このようにして得られた結果に基づいて作成されたも
のである。なお、第1図中の「Bの効果の有る範囲」と
は、降伏点が36k9/紘以上であって、かつミクロ組
識中にフェライトが存在せずベイナイト1相となる範囲
を示すものである。この第1図からも明らかなように、
全B量:0.00015%程度でもBの効果が発揮され
、従釆の薄肉の水焼入れのような冷却速度の大きい範囲
での全B量の下限値と比較すると著しく少ない母でも効
果が発揮される。このように、冷却速度が遅い場合によ
り少ない全B量でも暁入性に寄与するメカニズムは、第
2図に示すとおりであると考えられる。
すなわち、変態特性に効果のあるBは、固熔して粒界に
偏折しているB原子であるが、このB原子濃度は、ギプ
スの吸着式、rT=−声・(暑さ) r,:温度Tにおける粒界でのBの濃度、R:ガス定数
、 T:絶対温度、 6:粒界エネルギー、 C:全B濃度、 で表わされると仮定すると、薄肉の鏡入鋼は焼入れ冷却
速度が大きいために焼入れ途中でB原子の分布が変化す
る余裕はなく、粒界でのB原子濃度は焼入れ温度で決ま
るのに対して、肉厚が厚くなると冷却速度が遅くなるた
め暁入れ途中でB原子の分布は徐々に変化する。
いま、焼入れ加熱温度をT,、変態開始温度をLとし、
かつa希告が温度に依存せず一定であると仮定すれば、
両温度での粒界におけるB原子濃度の比を求めることが
できる。
すなわし、T,ご90000(117守K)、Lご55
0午0(82?K)、rTI/rT2ごTI/Lご1,
4 と求められる。
つまり、肉厚が厚い場合には、焼入れ途中にオーステナ
ィト粒界のB原子濃度は高くなる。このため、薄肉の焼
入れ鋼に比較して徴量の全B量で焼入れ性が向上するの
である。このような効果が認められるのは、極厚鋼板に
おいて顕著であり、800〜500qoの焼入れ冷却速
度が150〜40C/mjnの範囲である。そして、使
用する全B量が多くなると、遅い焼入れ冷却速度で焼入
れする場合に、冷却途中でオーステナィト粒界にB析出
物を生成してしまい、第3図に示すように、かえって焼
入れ性が低下するようになったり、鯛もどし中に粒界に
粗大炭化物を形成しやすく、強度や籾性の低下が大きい
ので添加使用する全B量を少なくした方が良いのである
。なお、第3図は、鋼の強度に及ぼす全B量の影響を示
した線図であり、B含有量を種々に変化させたところの
、C:0.08%、Si:0.05%、Mn:1.45
%、Cu:0.25%、Ni:0.25%、Mo:0.
25%、V:0.04%、N:0.005%、0:0.
002%、sol.MO.055%を含む厚さ:15仇
舷の厚鋼板を90000に加熱後水冷(冷却速度:15
qC/mjn)し、かつ630qoで暁戻して得られた
試料について測定したもので、降伏強度および引張り強
さは焼入れ性をも示すものである。‘b} 鋼の基体成
分自体の焼入れ性の確保Mn成分は、安価であり、しか
も焼入れ性向上効果を有する元素であるが、従来、Mm
‘ま焼入れ性を高めはするものの級性は必ずしも向上さ
せないと言われていた。
しかし、鋼中のN分を抑え、Bの添加量も少なくすると
ともに、さらにSi含有量を低くするという対策を併用
すれば、靭性を低下させることなく焼入れ性が向上し、
良好な強度および靭性を兼備した鋼を得ることが可能と
なる。一方、Ni成分は、溶接性を劣化することなく母
材の焼入れ性を高め、強度および轍性を向上させるので
積極的に利用するのが良い。
特に、Si含有量を低くすると、鋤性は改善されるもの
の強度の低下をもたらすこととなるが、第4図に示すと
ころの強度に及ぼすNi量の影響の関係図からも理解で
きるように、強度の低下をNiの添加によって補償する
こともできるのである。なお、第4図は、Ni含有量を
種々に変化させたところの、C:0.10%、Si:0
.08%、Mn:1.15%、Cu:0.25%、Cr
:0.75%、Mo:0.48%、V:0.04%、N
:0.005%、0:0.0020%、sol.山:0
.048%、B:0.0007%を含む厚さ:20Q収
の厚鋼板を900こ0に加熱後水冷し、かつ630oC
で暁戻して得られた試料についての測定結果に基づき作
成されたものである。
(c’低Si化による不完全焼入れ組識の籾性改良Si
含有量を下げると、第5図に示すところの衝撃値と焼入
れ冷却速度との関係に及ぼすSi、NiおよびC量の影
響から明らかなように、少々焼入れ冷却速度が遅くなっ
ても靭一性が劣化する勾配を小さくすることができるの
である。
Si含有量が0.20%以上含有されると、上記勾配が
大きくなり、厚肉物の中心部において大きく靭性が劣化
することとなるのである。なお、第5図は、C、Si及
びNi含有量を種々に変化させたところの、Mm:1.
22%、Cu:0.25%、Cr:0.75%、Mo:
0.45%、V:0.04%、N:0.005%、0:
0.002%、sol.AI:0.048%、B:0.
0007%を含む厚さ:20仇岬の厚鋼板を900℃に
加熱後水冷し、かつ筋0『0で競戻して得られた試料に
ついての測定結果に基づき作成されたものであり、第5
図の最上位の線はC:0.15%、Si:0.25%及
びNi:0.75%を含む燕C・高Niのもの、中位の
線はC:0.15%、Si:0.07%及びNi:2.
15%を含む高C・低Si・高Niのもの、そして下位
の線はC:0.10%、Si:0.09%及びNi:2
.07%を含む低C・低Si・高Niのものをそれぞれ
表わしている。
‘d} 不純物元素の低減N含有量を高めることは、B
Nを形成しやすくなり、焼入れ性を低下させるので好ま
しくない。
N量が多くても、sol.AI量を高めてAINを十分
に生成させればBの効果が発揮されるとの提案が、持関
昭50−15地0叫号公報および持関昭51−4032
5号公報を介してなされてはいるが、析出する山N自体
が強度および轍性に好ましくなく、むしろ、sol.N
やNの含有量はできる限り控え目にした方が良いという
ことがわかった。
N量が高い場合には、母材自体は確かにsol.Nを添
加してNをAINとして固定し得るが、溶接継手部ボン
ドは溶接熱サイクルを受けて山Nが固溶し、園溶Nが増
加するので籾性が確実に劣化するのである。また、S(
イオウ)量を下げることは、非金属介在物MnSの大き
さおよび個数を低減するのに有効である。
圧延によって板状に伸びたMhSは機械的性質の異方性
をもたらすものであり、例えば、板厚方向に引張試験を
行なうと、NhSに沿って剥離が生じ延性を低下させる
こととなり、また、同じく板厚方向に衝撃試験を行なう
と、MnSがクラック発生の応力集中源として働き、衝
撃値を劣化させるもととなるのである。したがって、板
厚方向に応力の加わる部材においては、S量に厳格な制
限を設ける必要がある。上記のようなMnSは、例えS
量を低くしても完全に生成を抑えることが困難であるが
、Ca成分を添加して硫酸物系介在物の組成を変えれば
、圧延加工によって圧延方向に板状に伸展するのを防止
でき、板厚方向の強度や鞠性の劣化を防止することがで
きる。
さらに、P量を下げることは、靭性および延性を改善す
るのに有効であり、特に偏析に起因する延性および鋤性
の低下を防止するのに顕著な効果を示すのである。
以上知見した事項を整理した結果、20仇収程度の厚肉
焼入れ焼戻し高級性高張力鋼に要求されるところの、焼
入れ速度が遅くなって焼きが入り難く籾性が劣化するの
を防止し、より改善された板厚方向の延靭性の付与とい
う問題を解決するためには、以下風〜脚に示すような、
特に凶〜血に示すような具体策を粗合せて実施すること
が不可決であるとの結論に達したのである。
すなわち、風 従来の焼入れ焼戻し鋼の場合よりも、B
の添加量を抑えて、競入れ性を向上させること。‘B’
Mnの含有量を高めて、焼入れ性の向上をはかること。
‘○ Si含有量を抑えて、焼入れ速度が遅い場合でも
、良好な靭’性を確保するようにすること。
皿 N含有量を抑えて、延性および轍性を確保するとと
もに、溶接継手部の鞠性をも確保すること。佃 S含有
量を抑えて、板厚方向の級性を確保し、必要に応じてC
aを添加してSによる級性の劣化を確実に防止すること
したがって、この発明は上記結論にもとづいてなされた
もので、厚肉高張力鋼板を、C:0.02〜0.20%
、Si:0.003〜0.150%、Mn:0.95〜
3.0%、P:0.0005〜0.010%、S:0.
0001〜0.0030%、Cu:0.05〜1.0%
、Ni:1.8〜4.5%、Cr:0.1〜1.5%、
Mo:0.05〜0.75%、V:0.005〜0.0
80%、Sol.AI:0.01〜0.10%、N:0
.0005〜0.0060%、0:0.0003〜0.
0030%、B:0.00015〜0.00120%を
含有するか、またはさらに、Ca:0.0005〜0.
0070%を含有し、残りが実質的にFeからなる組成
を有し、かつ、C+彰十酸弊 十C竿傘M傘十轡≦〇.65 C母き十竿多△静 十巻き十C繋十M髪)十解 十郎(%)≦0.34 を満足する成分組成で構成し、板面内方向はもちろんの
こと、特にこれに直角な板厚方向においても高強度と高
級性を有せしめたことに特徴を有するものである。
ついで、この発明の厚肉高張力鋼板の組成成分量を上記
のとおりに限定した理由を説明する。
{aI CC成分は、銅の強度を確保するためには0.
02%以上の含有量が必要であるが、その含有量が0.
20%を越えると第5図に示すように、焼入れ冷却速度
が遅くなった場合の級性劣化の勾配が大きくなり、鋤性
および溶接性が低下するようになることから、その含有
量を0.02〜0.20%と限定した。
‘b} Si Si成分は、鋼の強度を確保するためには0.003%
以上の含有量が必要であるが、第5図からも明らかなよ
うに、冷却速度が遅くなって不完全焼入れ組識となって
も良好な数性を確保するにはその含有量が0.150%
を越えないことが必要であり好ましくは0.05%以下
が適当である。
このように、銅の強度と焼入れ時の轍性の確保の両面か
らみて最適の性質が得られるように、その含有量を0.
003〜0.150%と限定した。【c’ MnMn成
分には、安価であるうえに焼入れ性を向上させる作用が
あり、鋼の低Si化によって超厚肉材中心部が不完全焼
入れ組識となっても良好な靭性を確保することが可能と
なるとはいうものの、少しでも焼きを良く入れることは
鋼材の強度および勤性の確保の上から不可欠であり、所
望の焼入れ性を得るためには0.95%以上の含有量が
必要である。
一方、3.0%を越えて含有せしめると、凝固時に濃厚
偏折部を生じ、溶接割れ等、水素に起因した割れを生じ
やすくなることから、その含有量を0.95〜3.0%
と限定した。‘d} P Pは偏析部において延性および鞠性低下の原因となるの
で、その含有量を0.010%以下に制限する必要があ
るが、その含有量を0.0005%未満とすることは、
溶解・精錬過程で多大のコストアップを招くことから、
含有量を0.0005〜0.010%と限定した。
{e} S Sは、鋼中においてMnSを形成し、圧延加工により板
状に伸展し、機械的性質の異方性、特に板厚方向の延性
および鞠性の低下をもたらす元素である。
Sの含有量を0.003%以下に制限することによって
、MnSのサイズおよび個数が低下し、良好な板厚方向
性能がもたらされるものであるが、0.0001%未満
の含有量とすることは精錬コストの上昇をもたらすこと
から、その含有量を0.0001〜0.0030%と限
定した。‘f} CuCu成分には、鋼の強度を向上す
る作用があるが、その含有量が0.05%禾満では前記
作用に所望の効果が得られず。
一方、1.00%を越えて含有させると靭性の低下およ
び溶接高温割れを正ずるようになることから、その含有
量を0.05〜1.00%と限定した。亀)Ni Nj成分には、溶接性を損わずに強度および級性を高め
る作用があるうえ、低Si鋼の有するところの、不完全
焼入れ組織でも鞠性が劣化しないが強度が大中に低下す
るという性質を補い、強度を向上させる作用があるが、
その含有量が1.8%未満では、低いSi量であるにも
かかわらず良好な強度および鋤性を確保するという効果
が得られず、一方、4.5%を越えて含有せしめるとコ
ストの上昇をもたらし、水圧鉄管等の用途には工業的な
価値を失なってしまうことから、その含有量を1.8〜
4.5%と限定した。
■)CrCr成分には、暁入性を高め、強度および靭性
を確保する作用があるが、その含有量が0.1%未満で
は前記作用に所望の効果が得られず、一方、1.5%を
越えて含有させると溶磁性の劣化をもたらすことから、
その含有量を0.1〜1.5%と限定した。
(i)Mo Mo成分には、焼入れ性を向上する作用があるが、その
含有量が0.05%未満では前記作用に所望の効果が得
られず、一方、0.75%を越えて含有させると靭性の
低下と溶接性の劣化をもたらすようになることから、そ
の含有量を0.05〜0.75%と限定した。
0)V V成分には、徴量の添加により蛾もどし軟化抵抗を高め
、焼入れ燐もどし後の強度を確保する作用があるが、そ
の含有量が0.005%未満では前記作用に所望の効果
が得られず、一方、0.080%を越えて添加すると靭
性の著しい低下を来たすようになることから、その含有
量を0.005〜0.080%と限定した。
仇)sol.山 sol.AI成分には、例え低N鋼といえども鋼中のN
と結合してNNを形成し、園溶N量を低下せしめて鞠性
の改善をもたらすとともに、Nと結合傾向の高いBが全
てBNとして析出することを防止する作用があるが、そ
の含有量が0.01%未満では前記作用に所望の効果が
得られず、一方、0.10%を越えて含有させると表面
傷が増大し、手入れコストの増大を招くので、その含有
量を0.01〜0.10%と限定した。
0)B B成分には、極厚肉村のように焼入れ冷却速度の遅い場
合に、第1図および第2図に示すよ− うに徴量添加で
焼入れ性を向上する作用があるが、その含有量が0.0
0015%禾満では前記作用に所望の効果が得られず、
一方、0.00120%を越えて含有させると、応力除
去燐鈍中にオーステナィト粒界に粗大な炭棚化物を生成
し、強度および轍性の急激な低下をもたらすので、全B
量を0.00015〜0.00120%と限定した。
(m)Ca鋼中のS含有量が例え低くても、若干の MhSが生成して板厚方向の性能をその分だけ劣化させ
る傾向にあるが、Ca成分には、その添加によって硫化
物系介在物の組成を変え、圧延加工によって圧延方向に
よって圧延方向に板状に伸展することを防ぐ作用がある
が、その含有量が0.0005%未満では前記作用に所
望の効果が得られず、一方、0.0070%を越えて含
有させると鋼の清浄度が低下し、逆に延性を低下せしめ
るようになることから、その含有量を0.0005〜0
.0070%と限定した。
(n)N Nは、溶接用高張力鋼では、母村においてはBの焼入れ
性向上への寄与を高めるためにも、また多量に山Nが生
成することに起因する熱間加工延性の低下を防止するた
めにも、さらに、溶接熱影響部においては嵐溶N量を低
減してボンド部靭性を改良するためにも低い方が良い。
N量が0.0060%を越えると前記のようなNに起因
する弊害が出るようになり「一方、0.0005%禾満
とすることは大きなコスト上昇をもたらすようになるこ
とから、その含有量を0.0005〜0.0060%と
限定した。(〇)〇 0は、鋼中において酸化物系介在物として存在するが、
その含有量が多いと延性の低下をきたす。
例えば0が高い場合にアルミナクラスターが生成するが
、これは圧延直角方向の延性の低下をもたらす。その含
有量が0.0030%を越えないようにすることにより
、前記のような、酸化物系介在物に起因する延性低下を
防止することができるが、一方、0.0003%より少
なくすることは精錬コストの大中な上昇をもたらすので
、その含有量を0.0003〜0.0030%と限定し
た。〇) C+篭第十Mn髪)十N葺き) 坪雌轡 の値、および、 C+等多十M篭き)+C昔多) 聡増十弊 十雛岬(%〉 の値 上記2式の値をそれぞれ0.65以下、および0.3少
よ下に設定したのは、それらの値を越えると通常200
00予熱で可能であった溶接施工が200℃を越えて予
熱しなければならなくなる。
これは現有の子熱装置を変更しなければならないことを
意味し、著しく不都合となる。溶接低温割れ性が悪化す
るとの理由からである。つぎに、この発明を実施例によ
り比較例を対比しながら説明する。
実施例 まず、第1表に示すような化学成分組成の本発明鋼A〜
Dと、比較鋼E〜日を、それぞれの通常の方法で溶製し
た。
つぎに、このようにして得られたところの600帆厚の
スラブを熱間圧延して第1表にそれぞれ示した板厚の厚
鋼板を得た。
圧延条件は、スラブを1250ooに加熱してから圧延
を開始し、圧延仕上げ温度を950qoとして圧延終了
後300qoまで放冷し、ついで650qoに5餌時間
加熱保持して脱水素処理をした後徐冷した。つぎに、得
られた厚鋼板に第1表に示した条件の熱処理を施こした
このようにして得られた熱処理厚鋼板について、その母
材の機械的性能および溶接継手性能を調査した結果を、
本発明鋼A〜日に関するものは第2表および第3表に、
比較鋼1〜L‘こ関するものは第4表に示した。
第が至4表に示した結果からも、本発明鋼板は比較鋼板
に比して、鞠性にすぐれていることが明白であり、特に
板厚方向においても高強度と高靭性を有していることが
明らかである。
上述のように、この発明によれば、板面内方向はもちろ
んのこと、特にこれに直角な板厚方向においても高強度
と高轍性を有する厚肉高張力鋼板を得ることができ、揚
水発電所の水圧鉄管等の設計や施行を容易とすることが
でき、かつ高い安全性を確保できる等、工業上有用な効
果がもたらされるのである。
計 十 計 十 計 十 ※ 十 雪l■ 十 操 十 ○ ■・ 事 出 器 〇 十 雲量三 十 計 十 記 十 鴎 十 計 十 雪 十 ※ 十 ○ 【l 旨 山 船 船 S 題 ○ 誓 ; N 蓮 篤 塵 産 〆 ※ 膚 母 l岬 登 ※ 類 欄 船 べ J 黍 ) ○ 姓 S N の Q 鰹 や 靴ロ 蓮 ト ※ ヤ 蜂 蝿 唇 ※ 母 船 斑 (注)※tは板厚を示す。
※y関先拘束割れ試験は、JISZ3158に従って
実施した。第 4 表
【図面の簡単な説明】
第1図は、Bの添加効果が認められるsol.Nおよび
B量の範囲を示した線図、第2図は冷却速度の遅い場合
に徴量Bが有効に働くメカニズムを示した模式図、第3
図は鋼の強度に及ぼす全B量の影響を示した線図、第4
図は鋼の強度に及ぼすNi量の影響を示す線図、第5図
は破面遷移温度と焼入れ冷却速度の関係に及ぼすSi、
NiおよびC量の影響を示した線図である。 舞l図 第2図 第3図 第4図 第5図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 C:0.02〜0.20%、Si:0.003〜0
    .150%、Mn:0.95〜3.0%、P:0.00
    05〜0.010%、、S:0.0001〜0.003
    0%、Cu:0.05〜1.00%、Ni:1.8〜4
    .5%、Cr:0.1〜1.5%、Mo:0.05〜0
    .75%、V:0.005〜0.080%、sol.A
    l:0.01〜0.10%、N:0.0005〜0.0
    060%、O:0.0003〜0.0030%、B:0
    .00015〜0.00120%を含有し、残りが実質
    的にFeからなる組成(以上重量%)を有し、かつ、C
    +(Si(%))/(24)+(Mn(%))/6+(
    Ni(%))/(40)+(Cr(%))/5+(Mo
    (%))/4+(V(%))/(14)≦0.65およ
    び、C+(Si(%))/(30)+(Mn(%))/
    (20)+(Cu(%))/(20)+(Ni(%))
    /(60)+(Cr(%))/(20)+(Mo(%)
    )/(15)+(V(%))/(10)+5B(%)≦
    0.34を満足することを特徴とする高強度高靭性を有
    する厚肉高張力鋼板。 2 C:0.02〜0.20%、Si:0.003〜0
    .150%、Mn:0.95〜3.0%、P:0.00
    05〜0.010%、S:0.0001〜0.0030
    %、Cu:0.05〜1.00%、Ni:1.8〜4.
    5%、Cr:0.1〜1.5%、Mo:0.05〜0.
    75%、V:0.005〜0.080%、sol.Al
    :0.01〜0.10%、N:0.0005〜0.00
    60%、O:0.0003〜0.0030%、B:0.
    00015〜0.00120%を含有し、さらにCa:
    0.0005〜0.0070%を含有し、残りが実質的
    にFeからなる組成(以上重量%)を有し、かつ、C+
    (Si(%))/(24)+(Mn(%))/6+(N
    i(%))/(40)+(Cr(%))/5+(Mo(
    %))/4+(V(%))/(14)≦0.65および
    、C+(Si(%))/(30)+(Mn(%))/(
    20)+(Cu(%))/(20)+(Ni(%))/
    (60)+(Cr(%))/(20)+(Mo(%))
    /(15)+(V(%))/(10)+5B(%)≦0
    .34、を満足することを特徴とする高強度高靭性を有
    する厚肉高張力鋼板。
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