JP2009280902A - 銅を含んだ複合ベイナイト系の鋼材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高価な合金元素の添加量を最小化すると共にBの添加なしに低費用で溶接性に優れた高強度及び高靭性の鋼材を提供する。
【解決手段】重量%で、C:0.05−0.1%、Si:0.01−0.5%、Mn:1.5−2.5%、Ni:0.5%以下、Cu:1.0−2.0%、Cr:0.5%以下、Mo:0.5%以下、Nb:0.01−0.05%、V:0.01−0.1%、Ti:0.01−0.03%、Al:0.05%以下で、残りはFeとその他不可避な不純物からなり、Ceqが0.3乃至0.6で、Pcmが約0.3以下で、粒状ベイナイト、変質上部ベイナイト、下部ベイナイトの3相で構成された銅を含む複合ベイナイト系の鋼材。
【選択図】図1
【解決手段】重量%で、C:0.05−0.1%、Si:0.01−0.5%、Mn:1.5−2.5%、Ni:0.5%以下、Cu:1.0−2.0%、Cr:0.5%以下、Mo:0.5%以下、Nb:0.01−0.05%、V:0.01−0.1%、Ti:0.01−0.03%、Al:0.05%以下で、残りはFeとその他不可避な不純物からなり、Ceqが0.3乃至0.6で、Pcmが約0.3以下で、粒状ベイナイト、変質上部ベイナイト、下部ベイナイトの3相で構成された銅を含む複合ベイナイト系の鋼材。
【選択図】図1
Description
本発明は複合ベイナイト系の鋼材及びその製造方法に関するもので、より詳細には銅(Cu)を含みながら高強度(high strength)及び高靭性(high toughness)を有する複合ベイナイト系の鋼材、及び制御圧延と加速冷却を用いたその製造方法に関するものである。
現在、建築用、造船用、海洋構造用、ラインパイプ用や機械構造用に用いられる鋼材の場合、耐久性を向上させるために優れた溶接性と共に高強度と靭性が求められている。
一般的に高強度及び高靭性の鋼材を製造する微細組織学的接近法には、下部ベイナイト(lower bainite)、焼き戻しラスマルテンサイト(tempered lath martensite)、2相(dual phase)組織等を形成させる方法が代表的である。下部ベイナイト組織は制御圧延と加速冷却により製造されて転位密度が高く、結晶学的にサイズが小さくて優れた強度と靭性の組み合わせを有すると評価されている。この際、加速冷却の条件によりラスマルテンサイトが一部含まれることがある。しかし、下部ベイナイト組織をうまく形成させるためには、Ni、Cr、Mo等の高価の合金元素を多量に添加し、冷却速度と変体温度を適切に制御しなければならないという困難さがある。
焼き戻しマルテンサイト組織は、ラスマルテンサイトを一定の温度で焼き戻して下部ベイナイトとラスマルテンサイトのメリットを結合させることで、優れた強度と靭性の組み合わせを確保することができる。最近、焼き戻しの間に2次相の析出を用いて広い焼き戻しの温度範囲で強度の減少を最小化する方法が知られている。しかし、焼き戻しマルテンサイト組織は一般的に降伏比が高く、更なる焼き戻し工程により費用が増加し、生産性が著しく落ちるという短所がある。
2相組織は、フェライトとオーステナイトの2相領域区間における圧下と急冷を通して相対的に柔らかいフェライトと均一に分布された硬いマルテンサイトで構成される。自動車用鋼板に用いられる2相組織とは異なって、上記の2相組織はマルテンサイトの体積分率が50%以上で、フェライトとオーステナイトの2相領域区間における圧下によりフェライトの転位密度が高く、微細な析出物が分散されて優れた強度と靭性の組み合わせを得ることができる。しかし、2相領域区間における圧下のために仕上げ圧延温度が低くなるため、生産性が低下し、費用が多少増加する。
上記3つの微細組織を製造する方法のうち、下部ベイナイト組織を形成するための制御圧延と加速冷却は、他の製造方法に比べて製造過程が比較的単純で、生産性に優れた経済的なものと知られている。特に、最近、多量の合金元素と共にホウ素(B)を添加して下部ベイナイト組織に基づく高強度及び高靭性の鋼材が開発されている。これらは高靭性と共に引張強度が900MPa以上の優れた機械的特性を示している。
しかし、下部ベイナイト組織に基づくこれら鋼材の場合、Ni、Mo、Cr等の高価の合金元素が多く添加され、硬化能を高めるために添加されるBの含量を数ppm単位で調節しなければならない等の短所がある。また、産業的に溶接性を表すために広く用いられるCeq(炭素当量)とPcm(溶接割れ感受性指数)値を低くし、溶接性を向上させて生産原価を減らすためにはNi、Mo、Cr等の合金元素の添加量を最小化する必要がある。即ち、溶接性に優れた高強度及び高靭性の鋼材は高価の合金元素の添加量が高く、Bの含量を正確に調節しなければならないという困難さがある。
従って、本発明が成そうとする技術的課題は、高価の合金元素の添加量を最小化すると共にBの添加なしに低費用で溶接性に優れた高強度及び高靭性の鋼材を提供することにある。また、本発明が成そうとする他の技術的課題は上記の鋼材を製造する方法を提供することにある。
上記技術的課題を達成するための本発明の高強度及び高靭性の鋼材は、重量%で、C:0.05−0.1%、Si:0.01−0.5%、Mn:1.5−2.5%、Ni:0.5%以下、Cu:1.0−2.0%、Cr:0.5%以下、Mo:0.5%以下、Nb:0.01−0.05%、V:0.01−0.1%、Ti:0.01−0.03%、Al:0.05%以下で、残りはFeとその他不可避な不純物からなり、Ceqが0.3乃至0.6で、Pcmが約0.3以下で、粒状ベイナイト、変質上部ベイナイト、下部ベイナイトの3相で構成される。この際、上記粒状ベイナイトの体積分率は40−60%であることができる。
上記他の技術的課題を達成するための本発明の高強度及び高靭性の鋼材の製造方法は、先ず、重量%で、C:0.05−0.1%、Si:0.01−0.5%、Mn:1.5−2.5%、Ni:0.5%以下、Cu:1.0−2.0%、Cr:0.5%以下、Mo:0.5%以下、Nb:0.01−0.05%、V:0.01−0.1%、Ti:0.01−0.03%、Al:0.05%以下で、残りはFeとその他不可避な不純物からなり、Ceq(炭素当量)が0.3乃至0.6で、Pcm(溶接割れ感受性指数)が約0.3以下の元素からなるスラブを1,150oC以上で再加熱する。その後、再加熱されたスラブをオーステナイトが再結晶化される温度とその以下で熱間圧延する。上記熱間圧延された鋼材を20oC/秒以上の速度で400oC以下まで急冷させる。次いで、上記冷却された鋼材を常温まで空冷させる。
本発明の複合ベイナイト系の鋼材及びその製造方法によると、Cuを1.0−2.0重量%で含んだ鋼材を制御圧延し加速冷却して粒状ベイナイト、変質上部ベイナイト、下部ベイナイトの3相で構成された複合ベイナイト系の高強度高靭性の鋼材を製造することにより、Ni、Cr、Mo等の高価の合金元素を多く添加せず、Bの添加なしに更なる焼き戻し処理を省いた低費用の経済的な方法により900MPa以上の引張強度と100J以上の高い靭性を確保することができる。
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。以下に説明する実施例は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲が以下に述べる実施例に限定されるものではない。本発明の実施例は、当分野において通常の知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
以下、本発明の実施例では、高強度及び高靭性を有する複合ベイナイト系の鋼材とそれを製造する方法に分けて説明する。上記鋼材と製造方法は以下のような主要な特性を有する。
本発明による複合ベイナイト系の高強度及び高靭性の鋼材は、重量%でBの添加なしに1.0−2.0%のCuを含み、その他にC、Si、Mn、Ni、Cr、Mo、Nb、V、Ti及びAl付加物の一部または全てをFeと共に含んで構成される。このとき、上記鋼材は引張強度が900MPa以上で、常温でシャルピーV−ノッチ衝撃試験により測定された靭性が100J以上であることを特徴とする。
本発明による複合ベイナイト系の高強度及び高靭性の鋼材は、Bの添加なしに1.0−2.0重量%のCuを含んだスラブを再加熱してから制御圧延と加速冷却により製造され、これにより粒状ベイナイト(granular bainite)、変質上部ベイナイト(degenerate upper bainite)、下部ベイナイト(lower bainite)の3相組織で構成された複合ベイナイト系の高強度及び高靭性の鋼材を得ることができる。
<複合ベイナイト系の鋼材>
本発明の鋼材は、下記のような組成を有し、ここでは各々の組成による数値限定の理由を共に説明する。この際、%は重量%を示し、Ceq(炭素当量)とPcm(溶接割れ感受性指数)は下記のように定義される。
Ceq=C%+Mn%/6+(Cr%+Mo%+V%)/5+(Ni%+Cu%)/15
Pcm=C%+Si%/30+(Mn%+Cu%+Cr%)/20+Ni%/60+Mo%/15+V%/10+5B%
本発明の鋼材は、下記のような組成を有し、ここでは各々の組成による数値限定の理由を共に説明する。この際、%は重量%を示し、Ceq(炭素当量)とPcm(溶接割れ感受性指数)は下記のように定義される。
Ceq=C%+Mn%/6+(Cr%+Mo%+V%)/5+(Ni%+Cu%)/15
Pcm=C%+Si%/30+(Mn%+Cu%+Cr%)/20+Ni%/60+Mo%/15+V%/10+5B%
(1)炭素(C):0.05−0.1%
Cの含量が0.1%より多いと溶接性が悪くなり、0.05%以下の場合は50%の体積分率の粒状ベイナイト組織で、900MPa以上の引張強度を確保することが困難である。
Cの含量が0.1%より多いと溶接性が悪くなり、0.05%以下の場合は50%の体積分率の粒状ベイナイト組織で、900MPa以上の引張強度を確保することが困難である。
(2)シリコン(Si):0.01−0.5%
脱酸及び強度向上のために添加し、0.01%以下の場合は脱酸効果が不十分で、0.50%より多く添加されると靭性と溶接性が低下する。
脱酸及び強度向上のために添加し、0.01%以下の場合は脱酸効果が不十分で、0.50%より多く添加されると靭性と溶接性が低下する。
(3)マンガン(Mn):1.5−2.5%
低いC含量により減少した硬化能を補償してベイナイト系組織の形成を促進し、強度を向上させるために1.5%以上を添加し、靭性と溶接性の低下及び偏析を防ぐために2.5%以下に制限される。
低いC含量により減少した硬化能を補償してベイナイト系組織の形成を促進し、強度を向上させるために1.5%以上を添加し、靭性と溶接性の低下及び偏析を防ぐために2.5%以下に制限される。
(4)ニッケル(Ni):0.5%以下
強度と靭性の向上に効果的な元素だが、多く添加されると費用が増加するため、熱間圧延中に表面割れに対するCuの有害な効果を減らすために0.5%以下で少量添加される。
強度と靭性の向上に効果的な元素だが、多く添加されると費用が増加するため、熱間圧延中に表面割れに対するCuの有害な効果を減らすために0.5%以下で少量添加される。
(5)銅(Cu):1.0−2.0%
本発明の重要な特徴を有するようにする合金元素で、強度と靭性を向上させる役割をする。固溶強化及び析出強化の効果を増加させる目的で1.0%以上添加されるが、多く添加されると溶接性が低下するため2.0%以下に制限される。
本発明の重要な特徴を有するようにする合金元素で、強度と靭性を向上させる役割をする。固溶強化及び析出強化の効果を増加させる目的で1.0%以上添加されるが、多く添加されると溶接性が低下するため2.0%以下に制限される。
(6)クロム(Cr):0.5%以下
Mnのように、低いC含量でも十分な硬化能を確保するために添加され、多く添加されると靭性と溶接性が低下するため0.5%以下に制限される。
Mnのように、低いC含量でも十分な硬化能を確保するために添加され、多く添加されると靭性と溶接性が低下するため0.5%以下に制限される。
(7)モリブデン(Mo):0.5%以下
硬化能を増加させる元素で、多く添加されると靭性と溶接性が低下するため0.5%以下に制限される。
硬化能を増加させる元素で、多く添加されると靭性と溶接性が低下するため0.5%以下に制限される。
(8)ニオビウム(Nb):0.01−0.05%
熱間圧延中に炭化物や窒化物を析出させてオーステナイトの結晶粒を微細化し、強度と靭性を向上させる。0.01%以下では効果が非常に少なく、0.05%より多く添加されると靭性が低下する。
熱間圧延中に炭化物や窒化物を析出させてオーステナイトの結晶粒を微細化し、強度と靭性を向上させる。0.01%以下では効果が非常に少なく、0.05%より多く添加されると靭性が低下する。
(9)バナジウム(V):0.01−0.1%
炭化物または窒化物を形成して強度の増加に寄与する。0.01%より少ないと効果が少なく、0.10%より多いと靭性と溶接性が低下する。
炭化物または窒化物を形成して強度の増加に寄与する。0.01%より少ないと効果が少なく、0.10%より多いと靭性と溶接性が低下する。
(10)チタニウム(Ti):0.01−0.03%
0.01%以上添加されると析出物を形成して強度の向上に寄与するが、0.03%より多いと析出物が粗大化し、靭性が低下する。
0.01%以上添加されると析出物を形成して強度の向上に寄与するが、0.03%より多いと析出物が粗大化し、靭性が低下する。
(11)アルミニウム(Al):0.05%以下
脱酸剤として添加され、0.05%より多く添加されると、鋼の清浄度と靭性が落ちる。
脱酸剤として添加され、0.05%より多く添加されると、鋼の清浄度と靭性が落ちる。
(12)その他不可避に添加される不純物であるリン(P)、硫黄(S)、窒素(N)等は最小化されるのが好ましい。この際、不可避に添加される不純物にはホウ素(B)は含まれない。
本発明による複合ベイナイト系の鋼材は、Bは本質的に含まれていないため硬化能を調節するためにBの含量を数ppm単位で調節する必要がない。また、上記鋼材はCeqが0.3−0.6で、Pcmが0.3以下になるようにするのが好ましい。
<複合ベイナイト系の鋼材の製造方法>
図1は、本発明による複合ベイナイト系の高強度及び高靭性の鋼材を製造する工程を時間と温度に沿って説明した図である。
図1は、本発明による複合ベイナイト系の高強度及び高靭性の鋼材を製造する工程を時間と温度に沿って説明した図である。
図1を参照すると、複合ベイナイト系の鋼材の製造方法は、重量%で、C:0.05−0.1%、Si:0.01−0.5%、Mn:1.5−2.5%、Ni:0.5%以下、Cu:1.0−2.0%、Cr:0.5%以下、Mo:0.5%以下、Nb:0.01−0.05%、V:0.01−0.1%、Ti:0.01−0.03%、Al:0.05%以下で、残りはFeとその他不可避な不純物で構成される鋼のスラブを通常1,150oC以上で2時間程度再加熱する。その後、オーステナイトが再結晶化される温度とその以下で熱間圧延する。これは制御圧延段階に該当する。熱間圧延された鋼材を20oC/秒以上の速度で400oC以下まで急冷させる。これは加速冷却段階に該当する。次いで、冷却された鋼材を常温まで空冷させる。
上記制御圧延段階では、再加熱された鋼のスラブをオーステナイトが再結晶化される温度とその以下で、各々50%以上の圧下を加えて熱間圧延する。これは加速冷却の前にオーステナイトの結晶粒を微細化させ、オーステナイトの内部に転位や変形帯のような欠陥を生成させてオーステナイトからフェライトへの変体を促進させることにより最終的な微細組織の結晶学的サイズも減少させて強度と靭性を向上させるためである。この際、全ての熱間圧延はAr3以上の温度で仕上げられる。
加速冷却段階は、熱間圧延された鋼材をAr3以上の温度で20oC/秒以上の速度で400oC以下まで急冷させる過程である。上記過程中にオーステナイトから粒状ベイナイトと変質上部ベイナイトが主に形成され、急冷される仕上げ温度によって下部ベイナイトとマルテンサイトが一部形成される。その後、冷却段階は急冷された鋼材を常温まで空冷させる段階で、この過程中に主に下部ベイナイトが形成される。
上記のような過程に従って製造された鋼材の微細組織は、粒状ベイナイト、変質上部ベイナイト、下部ベイナイトの3相で構成された複合ベイナイト系組織で、粒状ベイナイトの体積分率は40−60%である。
上記粒状ベイナイトは、島状マルテンサイト(MA、martensite−austenite constituent)相を含み、等軸状のベイナイト結晶粒で構成されている。一方、残りの変質上部ベイナイトと下部ベイナイトは粒状ベイナイトが形成されてから上記加速冷却段階、または常温冷却段階において主に形成される。上記変質上部ベイナイトは通常の上部ベイナイトと異なって、ラス形態のベイナイトの結晶粒の間に炭素が濃縮された残留オーステナイトやマルテンサイト、またはMA相のような金属相が存在すると知られている。上記下部ベイナイトは通常知られているようにラス形態のベイナイトの結晶粒の内部に微細に分散された炭化物が析出されている。
このような本発明によると、高価の合金元素の添加量を減らすと共にBの添加なしに1.0−2.0重量%の銅を含み、粒状ベイナイト、変質上部ベイナイト、下部ベイナイトで構成された3相の複合ベイナイト系の高強度及び高靭性の鋼材の製造が可能である。
以下では実施例を通して本発明をより詳細に説明する。
<実施例>
表1は、本発明が適用された発明材と、上記発明材と比較される比較材の化学組成、冷却速度及び冷却終了温度を示す。表2は、表1の発明材と比較材の機械的性質を比較したものである。図2は、本発明の実施例による複合ベイナイト系の高強度及び高靭性の鋼材の微細組織の一事例を示す写真である。
表1は、本発明が適用された発明材と、上記発明材と比較される比較材の化学組成、冷却速度及び冷却終了温度を示す。表2は、表1の発明材と比較材の機械的性質を比較したものである。図2は、本発明の実施例による複合ベイナイト系の高強度及び高靭性の鋼材の微細組織の一事例を示す写真である。
表1によると、発明材1及び2と比較材3乃至7の合金を記載のように組成される100mmの厚さの鋼材にし、1,150oCで2時間程度再加熱してからオーステナイトが再結晶化される温度とその以下で、各々60%程度の圧下を加えて15mmの厚さまで熱間圧延した。次いで、上記熱間圧延された板材をAr3以上の温度で20oC/秒以上の速度で500oC以下まで冷却させてから常温まで空冷して試片を製造した。
上記のように製造された試片を用いて常温で強度とシャルピーV−ノッチ衝撃エネルギーを測定し、その結果を表2に示した。
図2には、本発明による複合ベイナイト系の高強度高靭性の鋼材を製造するために約300oCまで急冷して製造された発明材1の代表的な微細組織を図示した。
図2によると、発明材1は粒状ベイナイト、変質上部ベイナイト、下部ベイナイトの3相で構成された複合ベイナイト系組織からなり、粒状ベイナイトの体積分率は40−60%である。
上記表2で分かるように、発明材1乃至2は引張強度が900MPa以上、衝撃エネルギーが100J以上で強度と靭性の組み合わせが優れている。しかし、本発明の組成範囲には符合するが、冷却終了温度が400oC以上で本発明の冷却終了温度から外れた比較材3は粒状ベイナイトと変質上部ベイナイトの2相で構成され、引張強度が900MPa以下、衝撃エネルギーが100J以下と示され、強度と靭性の組み合わせが非常に劣悪であった。
また、Cuの含量が1.0重量%以下で本発明の組成範囲から外れるが、400oC以下の冷却終了温度で急冷して製造された比較材4乃至7は粒状ベイナイトの体積分率が70%以上と示され、衝撃エネルギーは120−140Jと多少高かったが、引張強度は900MPaと大きく至らなかった。
従って、本発明によると、引張強度が900MPa以上、衝撃エネルギーが100J以上の機械的性質を確保するためにはCuの含量を1.0−2.0重量%にし、冷却終了温度を400oC以下で製造して粒状ベイナイト、変質上部ベイナイト、下部ベイナイトの3相で構成された複合ベイナイト系組織を形成する必要がある。
以上、本発明は好ましい実施例を挙げて詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で当分野において通常の知識を有する者により様々な変形が可能である。
Claims (3)
- 重量%で、C:0.05−0.1%、Si:0.01−0.5%、Mn:1.5−2.5%、Ni:0.5%以下、Cu:1.0−2.0%、Cr:0.5%以下、Mo:0.5%以下、Nb:0.01−0.05%、V:0.01−0.1%、Ti:0.01−0.03%、Al:0.05%以下で、残りはFeとその他不可避な不純物からなり、Ceqが0.3乃至0.6で、Pcmが約0.3以下で、粒状ベイナイト、変質上部ベイナイト、下部ベイナイトの3相で構成された銅を含む複合ベイナイト系の鋼材。
- 前記粒状ベイナイトの体積分率は、40−60%であることを特徴とする請求項1に記載の銅を含む複合ベイナイト系の鋼材。
- 重量%で、C:0.05−0.1%、Si:0.01−0.5%、Mn:1.5−2.5%、Ni:0.5%以下、Cu:1.0−2.0%、Cr:0.5%以下、Mo:0.5%以下、Nb:0.01−0.05%、V:0.01−0.1%、Ti:0.01−0.03%、Al:0.05%以下で、残りはFeとその他不可避な不純物からなり、Ceq(炭素当量)が0.3乃至0.6で、Pcm(溶接割れ感受性指数)が約0.3以下の元素からなるスラブを1,150oC以上に加熱する再加熱段階と、
前記再加熱されたスラブをオーステナイトが再結晶化される温度とその以下で熱間圧延する制御圧延段階と、
前記熱間圧延された鋼材を20oC/秒以上の速度で400oC以下まで急冷却させる加速冷却段階と、
前記冷却された鋼材を常温まで空冷させる冷却段階からなることを特徴とする銅を含む複合ベイナイト系の鋼材の製造方法。
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