JPS602042Y2 - 自動車用チルト式ステアリング装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車用チルト式ステアリング装置に関するも
のである。

自動車において、運転車の体格や好みに応じてステアリ
ングシャフトの角度を調整しステアリングハンドルを自
己に適した適正ドライビング位置とすることができるチ
ルト式ステアリング装置は既に開発されている。

上記のようなチルト式ステアリング装置は運転者が自分
で調整操作を行なうものであるから調整操作が極めて簡
単であり且つ調整後のステアリングシャフトのロックが
確実に行われ得るものであることが必要であり、例えば
第１図に示すようにステアリングシャフト１を軸受を介
して回転可能なるよう支持するステアリングコラム２を
その下方部でゴム等の弾性材よりなるブツシュを介して
車体側部材に支持すると共にコラム２の上方部をロック
操作機構Ａを介して車体側部材に上下移動調整可能なる
よう支持し、該ロック操作機構Ａを解除操作しステアリ
ングハンドル３をもって上下に移動させることによりコ
ラム２及びステアリングシャフト１がコラム２の上記下
方支持部Ｂを中心として上下方向に角度変位し、ステア
リングハンドル３の位置を適宜調整できるようにしたチ
ルト式ステアリング装置の上記ロック操作機構Ａとして
、従来は第３図に示すような構造のものを用いている。

即ち従来のロック操作機構は、第３図に示すように断面
はぼコ字状をなす車体側ブラケット１１の両側面部１１
ａ、 １１ ａに、ステアリングコラム２の外周部
に溶接等により固設した断面はぼコ字状のコラム側ブラ
ケット１２の両側面部１２ａ、１２ａをスライド可能な
る如くつき合わせ、該つき合せ面部にボルト１３を貫通
させ、車体側ブラケット１１のボルト挿通穴は上下方向
に延びるガイド溝１１ｂ、ｌｌｂとして、該ボルト１３
には両端部がコラム側ブラケット１２の両側面部１２ａ
、１２ａに当接する開胸１４を嵌装すると共に、ボルト
１３の先端ねじ部にロックナツト１５を螺合させ、該ロ
ックナツト１５にセレーション結合するロックレバ−１
６を設け、該ロックレバー１６を操作してロックナツト
１５を締め込むことにより両ブラケット１１．１２の両
側面つき合わせ部を押しつけ、該両側面つき合せ部のフ
リクションによりステアリングコラム３をロックし、ロ
ックレバ−１６によりロックナツト１５をゆるめること
によりガイド溝１１ｂの範囲内においてステアリングコ
ラム３を上下に移動させ得るロック解除状態とすること
ができるようになっている（例えば実開昭４９−５６６
２吋公報参照）。

上記のような従来構成においては、両ブラケット１１．
１２は支持剛性の面から剛性を下げることができず、従
って剛性の高い両ブラケット１１．１２のつキ合せ面を
ロックレバ−１６の低い締付トルクで固定できるように
する為には（操作を容易に行うようにする為には低い締
付トルクでロックできるようでなければいけない）、両
ブラケット１１．１２のつき合せ面部の精度をきびしく
する必要があり、製作上極めて厄介であるばかりか、蟻
装ラインでの組付作業が非常に面倒で手数がかかると言
う欠点を有している。

本考案は上記のような従来構造の欠点を解消しようとす
るものである。

本考案は第２図に示すように、車体側ブラケット１１の
両側面部１１ａ、ｌｌａ間に筒部材１４′を嵌装したボ
ルト１３′をかけ渡しウェルディングナツト１３ａ′に
ねじ込み固定する。

筒部材１４′の両端部はｌｌａ、ｌｌａの内側面に当接
して開胸としての機能を果す。

上記ボルト１３′及び筒部材１４′は、両側面１２ａｖ
１２ａが上記車体側ブラケット１１の両側面１１ａ、ｌ
ｌａの内側に間隔をもって対向するコラム側ブラケット
１２の上記両側面部１２ａ。

１２ａに設けたガイド溝１２ｂ、１２ｂを貫通し、筒部
材１４′の一端部近傍に設けたフランジ状のストッパ部
１４ａ′がコラム側ブラケット１２の一側面部１２ａの
外側面に当接し、該筒部材１４′の他端部に設けたねじ
部１４ｂ′にはロックレバ−１６′のロックナツト部１
６ｂ′が螺合し、ロックレバ−１６′の操作部１６ａ′
を回動操作してロックナツト部１６ｂ′を締め込むこと
により、該ロックナツト部１６ｂ′と筒部材１４′のス
トッパ部１４ａ′がコラム側ブラケット１２の両側面部
１２ａ、１２ａをその外側から挟みつけ、ストッパ部１
４ａ′、ロックナツト部１６ｂ′と両側面部１２ａ、１
２ａ間のフリクションにてステアリングコラム２をロッ
クするよう構成している。

ロックレバ−１６′の操作部１６ａ′を操作してロック
ナツト部１６ｂ′の締付けをゆるめるとステアリングコ
ラム２はガイド溝１２ｂ、１２ｂの範囲内で移動させ得
るロック解除状態とすることができることは言う迄もな
い。

尚第１図において４はラバーカップリング、５は中間シ
ャフト、６はジヨイント、７はピニオンシャフト、８は
ピニオン、９は該ピニオン８に噛み合うラック軸で、ス
テアリングハンドル３を回転すると、中間シャフト５、
ピニオンシャフト７が回転しピニオン８と噛み合うラッ
ク軸９が軸方向に摺動して転舵を行うようになっている
。

上記の構成を採る本考案によれば、車体側及びコラム側
ブラケットは互につき合わされることがないので両ブラ
ケット共精度はラフなものでよく、部品の製作が極めて
楽になると共に、筒部材とロックレバ−はあらかじめコ
ラム側ブラケットのガイイド溝部にセットしこれらをサ
ブアツシーの状態で決めておくことができるので、犠装
ラインでは筒部材内にボルトを通しウェルディングナツ
トにねじ込むだけの操作にて組付けることができ、蟻装
ラインでの組付作業性の著しい簡易化をはかることがで
きる。

又本考案ではロックレバ−位置の調整をボルトをゆるめ
て筒部材をストッパ部側から回転させることにより極め
て容易に行うことができるので、ロックナツト部とレバ
一部を一体に構成することができミ従来のロックナツト
とロックレバーヲセレーション結合させる構造のものに
比し部品数の削減、部品構造の簡単化及びコストダウン
をはかることができるもので、実用的効果極めて大なる
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す全体側面図、第２図イ
９口は第１図の上方支持部Ａの拡大側面図及び縦断面図
、第３図は従来構造を示す上方支持部の縦断面図である
。 １・・・・・・ステアリングシャフト、２・・・・・・
ステアリングコラム、３・・・・・・ステアリングハン
ドル、１１・・・・・・車体側ブラケット、１２・・・
・・・コラム側ブラケット、１１ａ、１２ａ・・・・・
・側面部、１２ｂ・・・・・・ガイド溝、１３′・・・
・・・ボルト、１４′・・・・・・筒部材、１４ａ’・
・・・・・ストッパ部、１４ｂ′・・曲ねじ部、１６′
・・・・・・ロックレバ−１１６ａ’・・・・・・操作
部、１６ｂ′・・・・・田ツクナツト部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ステアリングシャフトを回転可能に支持するステアリン
   グコラムにほぼコ字状断面をなすコラム側ブラケットを
   固着し、該コラム側ブラケットの両側面部にガイド溝を
   設け、車体側に固着したボルト及び該ボルトに嵌装した
   筒部材を上記ガイド溝に貫通させ、該筒部材に上記コラ
   ム側ブラケットの一側面部外側に当接するストッパ部を
   設けると共に、該筒部材に設けたねじ部に螺着したロッ
   クレバ−のロックナツト部がコラム側ブラケットの他側
   面部外側に当接し、該ロックナツト部をねじ込むことに
   よりコラム側ブラケット両側面部を筒部材のストッパ部
   とロックナツト部が挟みつけてステアリングコラム及び
   それに支持されたステアリングシャフトをロックするよ
   う構成したことを特徴とする自動車用チルト式ステアリ
   ング装置。