JPS6020147Y2 - ピアノ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、鍵盤蓋を折り畳んだ状態で収納できるよう
にしたピアノに関するものである。

従来のアンプライト型のピアノにおいては、鍵盤上方を
左右方向に延びる奥丸に、鍵盤蓋を枢着し、開蓋状態で
は、鍵盤蓋を、その枢支部を中心に回動させて上前板に
もたせ掛けるようにしていた。

このような従来のピアノにおいては、ピアノ使用時に、
大きな鍵盤蓋が目の前に横たわり目障りであり、又、何
かの拍子に鍵盤蓋が鍵盤を覆う方向に回動した場合には
、鍵盤蓋と鍵盤との間に手を挾まれる恐れがあって危険
である。

特に、ピアノの本体側に譜面台が設けられたものにおい
ては、開蓋状態における鍵盤蓋が邪魔になるので譜面台
をあまり下方に設けることができず、従つて、譜面台に
載置された譜面が演奏者より離れて位置し、譜面が非常
に見にくくなると共に特に作曲などで譜面に符号・文字
などを記入する必要があるときには、非常に書きづらか
った。

この考案はこのような従来の事情に対処してなされたも
のであり、以下に実施例を示す図面を参照してその詳細
を説明する。

図中７はアップライト型のピアノ本体、８は左右一対の
腕木、９は鍵盤、１０は前記鍵盤９より上方の本体７前
面を覆う上前板であり、本体７の中央部分を除いた左右
両側に固定されている。

１１は前記上前板１０間の本体７前面を覆うように固定
された傾斜板であり、上方に行くに従って後方に傾斜し
ている。

１２は前記傾斜板１１の下端より前方に突出する譜面台
であり、前記傾斜板１１と同じ幅を有している。

１３は前記鍵盤９の上方を左右力向に延びる奥丸であり
、水平部１３ａとその水平部１３ａの後端より上方に延
びる起立部１３ｂとから構成されている。

１４は前記奥丸１３の起立部１３ｂの左右両端面よりそ
れぞれ略水平に外方に向かって延びる係合ビン、１５は
前記奥丸１３の水平部１３ａの左右両端面にそれぞれ形
成された保合溝であり、略水平に延びる水平溝１５ａと
その水平Ｒ１５ａの前後中間部分より下方に延び且つ奥
丸１３の下面に開口した開口部１５ｂとから構成されて
いる。

その開口部１５ｂは下床がりに形成されている。

１６は下端が前記左右一対の腕木８内側にそれぞれ枢着
されたレバーであり、その各上端には、前記各係合ピン
１４がそれぞれ係合可能な切欠１６ａが形成されている
。

１７は前記左右一対のレバー１６を連結するための連杆
、１８は前記左右一対の腕木８の内側よりそれぞれ略水
平に内方へ向かって突出する一対の支持ピンであり、そ
れぞれ前記各係合溝１５と係合可能である。

従って前記実大１３は、その前部が支持ピン１８と係合
溝１５とにより、又、後部がレバー１６と係合ピン１４
とにより前後方向に移動可能に支持され、実大１３の移
動量は、保合溝１５と支持ピン１８とにより規制される
。

１９は前記鍵盤９の前方側上方を開閉可能に覆う鍵盤蓋
であり、前方部１９ａと後方部１９ｂとに二分割され、
前方部１９ａは略り字状に形成され、前記鍵盤９の前面
を覆うための前面部１９ｃを有している。

２０は前記実大１３に鍵盤蓋１９の後方部１９ｂをその
上面側へ回動可能に取付けるための第一の蝶番、２１は
前記鍵盤蓋１９の後方部１９ｂに前方部１９ａをその内
面側へ回動可能に取付けるための第二の蝶番であり、そ
れにより鍵盤蓋１９は、第２図及び第４図に示すように
、実大１３の水平部１３ａ上に後方部１９ｂと前方部１
９ａとが折り重なるように畳むことができる。

２２は前記後方部１９ｂ下面の左右両側にそれぞれ設け
られた弾性体である。

尚、２３は座板であり、その座板２３、左右の上前板１
０、傾斜板１１及び譜面台１２は一体化されており、そ
れらが一体的にピアノの本体７前面部分に着脱自在に取
付けられる。

又、譜面は、傾斜板１１に倒しかけるようにして譜面台
１２上に載置される。

この時、譜面はその背面が完全に傾斜板１１により支持
されるため、譜面に符号等を記入するとき、譜面が安定
して記入しやすい。

更に、傾斜板１１及び譜面台１２がピアノの本体７側に
設けられているため、その横方向を非常に広く設定する
ことができ、又、上前板１０に譜面台１２上の譜面を照
らすように照明装置を取付ければ、一層譜面が読みやす
くなるものである。

以上のように構成されたものにおいて、ピアノを使用し
ていないときは、第３図に示すように鍵盤蓋１９が鍵盤
９の前方部上方を覆っている。

前面部１９ｃ下端に手を掛け、鍵盤蓋１９を第一の蝶番
２０を中心として回動させた後、実大１３上に後方部１
９ｂと前方部１９ａとを折り重ねて畳み（第３図鎖線で
示す）、次にこの状態で実大１３を後方に移動させると
、鍵盤９の前方部分が開放される。

この時、鍵盤蓋１９は、実大１３の水平部１３ａ上に、
後方部１９ｂと前方部１９ａとが折り重なるようにして
畳んであるため、譜面台１２が鍵盤９の直ぐ上に設けら
れていても、鍵盤蓋１９が譜面台１２の前方或いは傾斜
板１１の前方を遮ぎることがなく具合よい。

又、実大１３の前端、後方部１９ｂの後端及び第二の蝶
番などが、前面部１９ｃにより覆われるので、ピアノの
美観も向上するものである。

実大１３上に、後方部１９ｂと前方部１９ａとを折り重
なるようにして畳むとき、弾性体２２により鍵盤蓋１９
に傷が付くことが防止される。

前方部１９ａを掴んで実大１３を前方へ引き出し、その
後、後方部１９ｂ及び前方部１９ａを第−及び第二の蝶
番２０．２１を中心に回動させて展開すると、再び鍵盤
蓋１９により鍵盤９の前方部上方を覆うことができる。

実大１３の組み付けは、まずレバー１６の切欠１６ａに
係合ピン１４に係合させた後、支持ピン１８をその下床
がりの開口部１５ｂより挿入して保合溝１５内に係合さ
せれば、実大１３を前後方向に移動可能にピアノの本体
７に支持させることができる。

以上詳述したようにこの考案は、鍵盤蓋を略り字状の前
方部と平板状の後方部とに前後に二分割すると共に実大
上に後方部と前方部とが折り重ねて畳み得るように実大
と後方部及び後方部と前方部をそれぞれ蝶着し、少なく
とも鍵盤蓋を折り畳んだ状態で前記実大を、前後方向に
移動可能なようにピアノ本体上に支持したので、従来の
ようにピアノ使用時に、大きな鍵盤蓋が目の前に横たわ
って目障りになることがなく、又、使用中、鍵盤蓋が何
かの拍子に倒れて来て鍵盤蓋と鍵盤との間に手を挾むと
いった事故も未然に防止できる。

特に、譜面台を鍵盤の直ぐ上で、しかもピアノ本体上に
設けることができるため、従来のものと比べて譜面を演
奏者の手元に置くことができ、譜面が非常に見やすくな
ると共に作曲時などに譜面に符号などを記入しやすいな
ど、多くの効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を実施したピアノの斜視図、第２図は
その中央断面図、第３図は鍵盤を鍵盤蓋で覆った状態の
要部断面図、第４図は開蓋状態の要部断面図、第５図は
その要部のみを取出して示す斜視図である。 図において、９は鍵盤、 刃部１９ａ及び後方部１９ １３は実大、１９は前 すからなる鍵盤蓋であ る。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ピアノ本体の前壁より前方に突出し、且つ鍵盤上方を左
   右方向に延びる奥丸と、その鍵盤の前方側上方を開閉可
   能に覆う鍵盤蓋とからなるピアノにおいて、 前記鍵盤蓋を略り字状の前方部と平板状の後方部とに前
   後に二分割すると共に前記奥丸上に後方部と前方部とか
   折り重ねて畳み得るように奥丸と後方部及び後方部と前
   方部をそれぞれ蝶着し、少なくとも鍵盤蓋を折り畳んだ
   状態で前記奥丸を、前後方向に移動可能なようにピアノ
   本体上に支持したことを特徴とするピアノ。