JPS601974Y2 - バリカン研ぎ器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は手動用のバリカン研ぎ器に関する。

バリカンの上刃と下刃の摺接面、すなわち歯面ばそれぞ
れきわめて曲率半径の大きい凹球面をなす逃げ角が設け
られているので、従来からバリカンの研ぎ直しには、逃
げ角の凹球面に対応する高精度の凸球面を猛威した砥石
で研摩しなければならず、このような砥石面を形成する
ことは非常な熟練を必要とする上に、研ぎ直しにより砥
石面が摩耗変形するので、屡々砥石面を適正な凸球面に
修正しなければならない等の問題点があり、バリカンの
研ぎ直しは専門業者に専ら依頼しなければならなかった
。

更に上刃には下刃の案内溝に嵌合する案内用のピンが植
設されているが、研ぎ直しの都度、ピンを取外す必要が
あり、研ぎ直しはきわめて面倒であった。

この考案はこのような従来の問題点を解決し、専門の研
摩業者でなくても容易にバリカンの研ぎ直しができ、し
かも適正な凸球面が摩耗することなく長期にわたり使用
できるバリカン研ぎ器を提供しようとするもので、表面
を高精度な所望の凸球面とした研ぎ器本体の表面に研摩
紙（本案では研摩布を含むものとする。

以下同じ）を貼付することにより研摩紙の表面を本体に
倣った正確な凸球面に猛威せしめ、研摩紙が摩耗すれば
新しい研摩紙と交換することにより常に正しい凸球面の
研摩面を形成することを可能としたバリカン研ぎ器に関
するものである。

以下この考案の実施例を図面について説明すると、第１
図乃至第３図において、研ぎ器本体１は合成樹脂製で長
方形の板状をなし、その上下の表面２，３は第２図に誇
張して示しであるように、バリカンの歯面の凹球面をな
す逃げ角と等しい曲率半径をもった凸球面に高精度に研
摩仕上されている。

後述するようにこの凸球面は直接バリカンに接触するこ
とはないので、摩耗のおそれはなく、高硬度は必要でな
いので、研ぎ器本体１は加工容易で、低廉な合成樹脂製
で十分であるが、希望により金属製にしても差支えない
。

この研ぎ器本体１の表面には長手方向の案内溝４が穿設
されている。

この案内溝４は第５図に示すバリカンの下刃５の摺接面
に設けられた上刃６の案内用のピン７が嵌合する上刃案
内溝８とほぼ等しい溝幅に形成されており、この案内溝
４には第３図に示すような真ちゅう製の案内レール９が
着脱自在に嵌着されるようになっている。

この案内レール９は案内溝４に挿入されたとき、本体１
の表面から僅かに突出するようになっており、第５図で
明らかなように、下刃５の上刃案内溝８の中に嵌合する
ようになっている。

研ぎ器本体１の表面には裏面に接着剤層を設けた研摩紙
１０が貼着されるようになっており、この研摩紙１０に
は本体の案内溝４にほぼ等しい窓穴１１があけられてい
て、窓穴１１を本体の案内溝４に合わせて貼着されるよ
うになっている。

１２は本体の表面に表示された案内線で、この案内線１
２に研摩紙１０の端を合せて貼着すると、窓穴と案内溝
４を合わせるのに便利である。

尚実施例では上表面２には粗相の研摩紙１０を貼着し、
下表面３には仕上用の研摩紙１０を貼着するようにしで
ある。

第１図のように本体１を軸１３で回転自在に支承する枠
１４を設けると、粗研摩に続いて仕上研摩をするのに本
体を上下に反転するだけでよいが、枠１４は必ずしも必
要でない。

１５は本体の滑り止めと安定化のためのゴム突起である
。

尚、研摩紙を貼着する凸球面をなす表面は片面でもよい
が、実施例のように上下の両表面とすると、１個の本体
で粗研摩と仕上研摩ができるので便利である。

この研ぎ器でバリカンを研ぐには、まず研ぎ器本体１の
表面に研摩紙１０の窓穴１１を案内溝４に合わせて貼着
しておく。

そして上刃６を研ぎ直すときは、第４図のように上刃の
ピン７を窓穴１１を通して案内溝４に挿通し、第１図に
おいて上下方向に上刃を研摩紙１０に指先で押えながら
往復させると、研摩紙の表面は本体の凸球面と等しい所
望の凸球面となっているので、上刃の歯面ば正確な凹球
面に研摩される。

下刃５を研ぎ直すときは第５図のように案内レール９を
案内溝４に嵌着し、下刃５の上面にある上刃案内溝８を
突出した案内レールにかぶせて、上刃と同様に第１図に
おいて、研摩紙に歯面を押し付けながら上下方向に往復
運動をさせると、歯面ば研摩紙に倣って所望の凹球面に
正確に研ぎ直される。

研摩により研摩紙の表面が摩耗すれば、研摩紙を剥して
新しい研摩紙と貼り替ればよく、この考案によると研摩
紙を交換するだけで常に研ぎ器本体の高精度の凸球面に
等しい凸球面の研摩面を研摩紙に形成することができる
ので、従来のように砥石の修正をする必要は全くない。

また案内溝４および案内レール９を利用することにより
ピン７を外すことなく、正確に研ぎ直しできるので、バ
リカンの使用者は誰でも、何等の熟練を必要とせず迅速
かつ容易にバリカンを正確に研ぎ直すことができる。

しかも研摩紙を交換するだけで済むので研ぎ器の維持費
もきわめて低廉でよいなど多くの利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の平面図、第２図は第１図
のＡ−Ａ線における断面図、第３図は案内レールの斜視
図、第４図、第５図はそれぞれ第１図のＢ−Ｂ線におけ
る拡大断面図で、第４図は上刃の研摩状態を示す断面図
、第５図は下刃の研摩状態を示す断面図である。 １・・・・・・研ぎ器本体、２・・・・・・表面、３・
・・・・・表面、４・・・・・・案内溝、５・・・・・
・下刃、６・・・・・・下刃、８・・・・・・上刃案内
溝、９・・・・・・案内レール、１０・・・・・・研摩
紙、１１・・・・・・窓穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バリカンの歯面の逃げ角に等しい凸球面からなる表面に
   、長手方向にバリカンの下刃の上刃案内溝とほぼ等しい
   溝幅の案内溝を設けた研ぎ器本体と、本体の案内溝にほ
   ぼ等しい窓穴を有し裏面に本体に着脱可能の接着剤層を
   設け、窓穴を案内溝に合せて本体に貼着される研摩紙と
   、本体の案内溝に表面から突出して着脱可能に嵌着され
   る下刃研摩用の案内レールとを具えたことを特徴とする
   バリカン研ぎ器。