JPS6019736Y2 - ケ−ブル貫通部 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はケーブル貫通部の改良に係り、特に耐候性を改
善したケーブル貫通部を得んとするものである。

従来、ケーブル貫通部としてはケーブル類が床、壁等を
貫通する貫通孔を、そのままの状態にしておくと該ケー
ブルに火災が発生した場合該貫通孔があたかも吹きぬき
構造を呈し、該ケーブルは容易に延焼し大事に至らしめ
るものであった。

従って、上記のケーブル貫通孔を密封して火災による延
焼を防止する構造のものが種種提案されているものであ
る。

その１例として第１図に示す如くケーブル類２が床、壁
１等を貫通する貫通孔内にロックウール等の耐火シール
材３を充填し、該床、壁の上下面に珪酸カルシウム板等
の耐火板４をボルト５により取付け、該耐火板とケーブ
ルとの間の間隙部に耐火性非硬化型パテ状混和物６を充
填密封しているものである。

而して封口材として非硬化型性物質を使用する理由は、
封口材として硬化型耐炎性物質にてケーブル貫通孔を密
封した場合には、ケーブルは該耐炎性物質にて固定され
るため振動等によりケーブルが動揺するとしても、該耐
炎性物質がこれに追随することが出来ず、ケーブルと該
耐炎性物質との接する部分においてケーブルに損傷をあ
たえると共に耐炎性物質に亀裂等を発生せしめ剥離する
おそれがあった。

然しなから、非硬化型耐炎性物質を使用するとしても通
常経時変化により徐々にその表面から硬化現象をおこし
前記の如き状態となり、長期使用にたえないものであっ
た。

本考案はかかる欠点を改善せんとして鋭意研究を行った
結果、長期使用するも経時変化を生じない耐炎性物質に
てケーブル貫通孔を密封するケーブル貫通部を見出した
ものである。

即ち本考案はケーブル類が床、壁等を貫通する貫通孔を
封口材にて密封するケーブル貫通部において、該封口材
として耐火性非硬化型パテ状混和物と３０〜６唾量％の
鉛粉を含有せる室温硬化型パテ状混和物との複合耐火性
物質を、該パテ状混和物を内側面にして設けたものであ
る。

又本考案は上記室温硬化型パテにおいて、その中に鉛粉
を３０〜６唾量％好ましくは４０〜５唾量％含有せしめ
て形成してもよく、鉛粉を含有することにより耐放射線
性に優れた性能を発揮せしめることができるものである
。

なお鉛粉量を３０〜６唾量％に限定した理由は３唾量％
未満ではその効果が薄く、印重量％を越えても著しい向
上が認められず、且つ混和が困難となるためである。

このように本考案は粘土状を有する非硬化型耐炎性物質
と堅い硬化型耐炎性物質とを複合せしめ、且つ硬化型耐
炎性物質を外側面として設けているものである。

従って地震等によりケーブル類が動揺するも非硬化型パ
テ状混和物はこれに追随しうるため、ケーブル類の動揺
に伴って生ずる圧力により該混和物に亀裂等を発生する
ことなくケーブル類によく密着し、ケーブル類に損害を
及ぼすことがなく、ケーブル類にパテ混和物がよく密着
し、その外側を硬化型パテにて包被しているためいかな
る災害が発生するもケーブル貫通孔を密封し長期に亘り
何等異常を呈することなく保護せしめることができるも
のである。

更に硬化型耐炎性物質内に鉛粉が含有されているため原
子炉用壁又は床のケーブル貫通孔を密封するに極めて好
適である。

本考案の１例を図面により詳細に説明する。

第２図に示す如く、ケーブル類２が床、壁１等を貫通す
る貫通孔内にロックウール等の耐火シール材３を充填腰
該床、壁の上下面に珪酸カルシウム板等の耐火板４をボ
ルト５により取付け、該耐火板とケーブルとの間の間隙
部に耐火性非硬化型パテ状混和物６例えばダンシールＰ
（古河電工社製商品名）を充填し、更にその外側に厚さ
２ｒＩｒ！ｎ程度に室温硬化型パテ７例えばＲＴＶシリ
コーン（信越化学社製ＫＥ４５）を塗布して本考案ケー
ブル貫通部をえたものである。

而して、本考案ケーブル貫通部と前記の如〈従来のケー
ブル貫通部について、その封口材にアーク釘穴つエザオ
メータを照射して耐候性試験を行った。

その結果は第１表に示す通りである。上表より明らかの
如く、本考案における封口材は内側の非硬化型耐炎性物
質に何等異状を認めず長期に亘るも封口材として優れた
性能を発揮することが出来るものである。

又、本考案において室温硬化型パテ中に鉛粉を含有せし
めたものにより上記の如くケーブル貫通孔を密封した場
合には耐放射線性を著しく改良することが出来るもので
あり、例えばＲＴＶシリコーン中に鉛粉を体積比にて３
％（４）、１２％（Ｂ）及び５７．３％（Ｃ）と夫々添
加したものを厚さ５ｍに塗布したものについて放射線を
照射し、その劣化状態を測定した。

その結果は第２表に示す通りである。以上詳述した如く
本考案によれば、耐候性に優れた封口材を使用しうるた
め長期に亘り安心してケーブル貫通孔を密封し、火災又
は地震が発生するも延焼を防止し且つ振動により封口材
がこれに追随し何等憂えることなく貫通孔を十分に密封
することが出来る。

又特に封口材の表面部分に鉛粉を含有せしめることによ
り耐放射線性を著しく改善しうる等顕著な効果を有する
。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のケーブル貫通部の概略説明図、第２図は
本考案ケーブル貫通部の概略説明図である。 １・・・・・・ケーブルを貫通する床又は壁体、２・・
・・・・ケーブル、３・・・・・・充填材、４・・・・
・・耐火板、６・・・・・・非硬化型耐炎性物質、 ７・・・・・・硬化型耐炎性物質。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ケーブル類が床、壁等を貫通する貫通孔を封口材にて密
   封するケーブル貫通部において、該封口材として耐火性
   非硬化型パテ状混和物と３０〜６唾量％の鉛粉を含有せ
   しめた室温硬化型パテ状混和物との複合耐火性物質を、
   該非硬化型パテ状混和物を内側面にして設けたことを特
   徴とするケーブル貫通部。