JPS6019092Y2 - エレベ−タ非常停止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、エレベータ非常停止装置の改良に関するも
のである。

エレベータの非常停止装置は、エレベータが下降運転中
故障して規定値より過速したときエレベータを非常停止
させるものである。

このような従来のエレベータ非常停止装置を第１図〜第
３図によって説明する。

かご室１ａと、これを載置するかご枠１ｂとからなるか
ご１は、主索２によって吊られガイドシュ３によりガイ
ドレール４に案内され昇降する。

ガイドシュ３はエレベータの乗心地をよくするため詳細
は図示していないが弾性体を介して、第１図、第２図の
Ａ−Ａ’、Ｂ−Ｂ’の方向に規定距離だけ移動可能にか
ご１に取り付けられている。

エレベータ昇降路の頂部および下部に設置された調速機
５．張り車６に無端に巻き掛けられた調速機ロープ７は
、非常停止装置８のレバー機構９を介してかご１に連結
され、かご１とともに通常は移動している。

かご１が下降中故障して規定値より過速すると調整機５
が動作し調速機ロープ７を把持するが、かご１はなお下
降するので非常停止装置８のレバー機構９を介して制動
くさび１０はかご１に対して上方に引き上げられる。

制動くさび１０は引き上げられるとガイドレール４に接
し、さらに、ストッパ面１１に当るまでかご１に固定さ
れたピン１２に枢軸されたくわえ金１３のガイドレール
４と対向する部分１３Ａを所定量押し広げて上昇する。

このときのくわえ金１３の後端１３Ｂに設けられた押し
ばね１４は圧縮される。

このため制動くさび１０は押しばね１４の力によってガ
イドレール４に圧着され、そこに生じる摩擦力によって
かご１は非常停止される。

１５は平常運転時の制動くさび１０とガイドレール４と
の隙間を左右均等に保つためのくわえ金１３の位置を決
めるストッパボルドで、はぼくわえ金１３に接触してか
ご１に固定されている。

１６は押しばねからなる誤動作防止ばねでレバー機構９
に抵抗力を与えるもので、規定の力以下ではレバー機構
９を動作させないようにして、平常運転時のエレベータ
の加減速時の起動停止ショックで非常停止装置８が誤動
作するのを防止するものである。

上記のような従来の非常停止装置８において、かご１が
下降中に地震等によってかご１に第２図に示すＡ−Ａ’
力方向横揺れが生じた場合に、かご１はガイドシュ３の
弾性体のストロークａ（第３図参照）だけ水平方向に移
動する。

このとき制動くさび１０とガイドレール４の隙間が少な
くなり、制動くさび１０がガイドレール４に接触するこ
とがある。

接触するとくわえ金１３はストッパボルド１５により変
位が規制されているので、制動くさび１０は強くガイド
レール４に押圧され、制動くさび１０とガイドレール４
の間に発生する摩擦力が前記レバー機構９の誤動作防止
ばね１６による抵抗力より大きくなり、制動くさび１０
がくわえ金１３とがイドレール４との間に噛み込んで、
かご１に対して上方にくさび作用により移動する。

すなわち、非常停止装置８の誤動作が生じることがあっ
てエレベータ乗客に無用な不安感を与ね、エレベータが
復旧するまでビルの交通機能に支障を与える不具合があ
った。

この考案は上記欠点を解消するためになされたもので、
非常停止装置のくわえ金の平常時の位置を決めるストッ
パボルドを弾性支持することにより、地震時の非常停止
装置の誤動作を防止することを目的とするものである。

以下第４図によってこの考案の一実施例を説明する。

第４図において、１７はくわえ金１３の振れを規制する
ストッパで、ストッパボルド１８、押しばね１９、ばね
座２０により構成されている。

ストッパボルド１８ばかご１に設けられた穴ＩＣに移動
可能に取り付けれており、くわえ金１３より規定の力以
上で押されると変位するようになっている。

今、地震等でかご１がガイドレール４に対してガイドシ
ュ３の弾性体のストロークａだけ横移動して第４図の左
側の制動くさび１０がガイドレール４に接触すると、制
動くさび１０はくさび作用によってくわえ金１３とガイ
ドレール４の間に噛み込もうとするが、くわえ金１３は
制動くさび１０から押されて第４図の一ピン１２を中心
にしてストッパボルド１８を押して時計回りに回転する
。

すなわち、制動くさび１０とガイドレール４の間に生じ
る押圧力は、ストッパ１７の押しばね１９の力によって
規定値以下に定められる。

従って、前記誤動作防止ばね１６でレバー機構９に与え
る抵抗力を、制動くさび１０とガイドレール４の間に生
じる摩擦力より十分大きくすれば、制動くさび１０がガ
イドレール４に接触しても制動くさび１０はかご１に対
して上方に移動しないので、非常停止装置８の誤動作は
防止できる。

上記ではストッパ１７を押しばね１９で支持しているが
、押しばね１９に代わりに板ばねとかゴム等の弾性体を
使用しても同様の効果が得られる。

また、ストッパ１７をくわえ金１３に設けてもよい。

以上説明したようにこの考案は、制動くさびが常時はガ
イドレールの両側面に対して他の部材より狭い所定の空
隙を隔てて保持され、作動時にはガイドレールの両側面
に接触するとともに、制動くさび作用についてガイドレ
ールを挟圧する非常停止装置において、一対のくわえ金
の左右両方への振れを規制するストッパを、付勢を有す
る弾性体で支持したものである。

これにより地震等によってかごに横揺れが生じ、制動く
さびがガイドレールに接触してもくわえ金が制動くさび
より押されて逃げるので、制動くさびとガイドレールの
間の押圧力を小さくできる。

すなわち、制動くさびとガイドレニル間の摩擦力を誤動
作防止ばねで非常止めレバー機構に与える抵抗力より小
さくできるので、制動くさびがガイドレールに接触して
も制動くさびはかごに対して上方に移動しないので非常
停止装置の誤動作は未然に防止できる。

また、ストッパを、制動くさびのガイドレール挟圧方向
の振れの方向に移動可能なストッパボルドと、このスト
ッパボルドを所定の力で付勢しておく弾性体と、この弾
性体の付勢力を調整するために前記ストッパボルドに螺
合したばね座とにより構成したので、ばね座を回動する
ことで弾性体による付勢力を簡単に、しかも微細に調整
できる等の実用的効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はエレベータの全体概略図、第２図は従来の非常
止めくわえ金部分の平面図、第３図は従来の非常止め制
動くさび部分の正面図、第４図はこの考案の一実施例に
なる非常止めくわえ金部分の平面図である。 図中、１はかご、３はガイドシュ、４はガイドレール、
５は調速機、７は調速機ローブ、８は非常停止装置、９
はレバー機構、１０は制動くさび、１２はピン、１３は
くわえ金、１４は押しばね、１５はストッパボルド、１
６は誤動作防止ばね、１７はストッパ、１８はストッパ
ボルド、１９は押しばね、２０はばね座である。 なお、図中の同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 常時はガイドレールの両側面に対して他の部材より狭い
   所定の空隙を隔てて保持され、作動時には前記ガイドレ
   ールの両側面に接触しかつくさび作用によって前記ガイ
   ドレールを挟圧する一対の制動くさびと一対のくわえ金
   とを備えた非常停止装置において、前記一対のくわえ金
   の前記制動くさびのガイドレール挟圧方向の振れを規制
   するストッパを、前記振れの方向に移動自在で、かつ前
   記一対のくわえ金を前記振れ方向にはさむように設けた
   一対のストッパボルドと、このストッパボルドをくわえ
   金の前記振れ方向へはさむよう付勢している弾性体と、
   一端をかごの一部に当接した前記弾性体の他端に当接し
   、この弾性体の付勢力を調整するために前記ストッパボ
   ルドに螺合したばね座とにより構成したことを特徴とす
   るエレベータ非常停止装置。