JPS601892Y2 - ワイヤガイドの角度調整装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は溶接トーチの電極と溶接ワイヤとの相対位置
を調整するためのワイヤガイドの調整装置に係り、特に
角度調装置に関するものである。

従来、この種の装置として第１図に示すものがあった。

図において、溶接トーチ１には、電極２と溶接ワイヤ３
の相対位置を調整するための上下調整装置４、左右調整
装置５、及び角度調整装置６が配設されている。

これらの調整装置によって上記電極２と溶接ワイヤ３と
の相対位置を調整するには、上下調整装置４のつまみ７
を回転させると、このつまみ７と連動するねじ（図示せ
ず）が回動され、このねじと螺合し、かつ、左右調整装
置５に連結された腕８が上下する。

なお、ねじの両側には一対のガイドバー９が設けられて
いるので、左右調整装置５は回転することなく、上下に
摺動できる。

次に、左右調整装置５のつまみ１０を回転させると上記
と同様ねじ結合された角度調整装置６の腕１２が、ガイ
ドバー１１により回転することなく、左右に摺動される
。

さらに、角度調整装置６の腕１２に設けられた円弧状の
長穴１３によりワイヤガイド１４に保持された溶接ワイ
ヤ３が適切に位置するように位置決めした後、ガイドホ
ルダー１５をねじ止めする。

上記のように構成された角度調整装置６では必要に応じ
て長穴１３に沿って摺動する回り止め突起が設けられる
。

このように第１図に示すものにおいてはねじ止め後には
確実に固定されるが、ガイドホルダー１５の固定は手作
業であるため角度の微調整ができにくいという欠点があ
った。

この欠点を除去するために、第２図に示す装置が提案さ
れている。

第２図に示す溶接トーチ１の調整装置において、ワイヤ
ガイド１４の上下、及び左右方向の調整は第１図に示し
た上下調整装置４及び左右調整装置５と同様に構成され
た装置によって行なわれる。

次いで、角度を調整するには、角度調整装置６のつまみ
１６を回転させると、このつまみ１６と連動するねじ１
７が回動し、腕１８が回転軸１９を支点として回動し、
この腕１８に取付けられたガイドホルダー１５により溶
接ワイヤ３の挿入角度が調整される。

なお、つまみ１６と腕１８との間に設けられた圧縮コイ
ルばね２０は、腕１８が開く方向に付勢力を与えるとと
もに溶接ワイヤ３送給時の振動等によるつまみ１６の緩
め止めの役割を果している。

上記のように構成された第２図に示す溶接トーチ１の角
度調整装置６ではつまみ１６を回転することにより、ワ
イヤガイド１４の角度を容易に微調整することができ、
第１図に示す装置に比較してすぐれた利点を有している
。

しかし乍ら、第１図、第２図に示すいずれの装置におい
ても、ワイヤガイド１４が完全に角度調整装置６に固定
されるものであるため、溶接中、外乱によりアーク長が
最初の設定より長くなった時、溶接ワイヤ３が被溶接物
よりアーク長が長くなった距離だけ離れる。

又、逆にアーク長が短くなった時は、溶接ワイヤ３が被
溶接物に突込みすぎるという、いずれの場合にも溶接結
果に欠陥が出やすい状態になる。

この考案は、上記従来のものの欠点を除去するためにな
されたもので、ワイヤガイドを規制した回転角だけ付勢
装置、例えばねじによって１方向だけに自由に回転させ
ることにより、アーク長の変動に対する溶接ワイヤ挿入
位置の変動を容易にした装置の提供を目的としている。

以下この考案の一実施例を第３図について説明する。

溶接トーチ１には、電極２と溶接ワイヤ３の相対位置を
調整する上下調整機構４、左右調整装置５は従来装置と
同様に構成されているのでその説明を省略する。

次に、２１゛は上記左右調整装置５に装着されたブロッ
ク、２２は上記ブロック２１に軸２３を支点として回転
するように構成されたアーム、１５は上記アーム２２の
先端部に装着されるワイヤガイド１４のホルダー、２３
は被溶接物を示している。

又、２４は上記軸２３を介して上記アーム２２と連結す
るレバーで、後述する■形状の溝内を回転角θだけ回転
する。

２５は上記レバー２４とブロック２１との間に配設され
る付勢位置、例えばばねで、このばね２５により、上記
レバー２４が付勢されて上記ブロック２１に形成される
■形状の溝２６内を回転し、溶接ワイヤ３と被溶接物２
３を常時押圧する。

即ち、溶接ワイヤ３ばばね２５により、被溶接物２３に
常に接触軸することになる。

なおこのばね２５の付勢力は、溶接ワイヤ３が被溶接物
２３に軽く接触する程度のものである。

この考案による装置は次のように構成されており、次に
その動作について説明する。

即ち、被溶接物２３の断面形状が第４図の様にゆるやか
なＵ形状を、ストロークＬのオシレートをして溶接する
場合、溶接ワイヤ３は被溶接物２３の上面に沿って上下
動する。

図中Ｓは被溶接物２３のＵ形状の深さであるが、この考
案による装置の様に溶接トーチ１を一定位置で固定し、
溶接ワイヤ３を上下動させる場合は、アーク長が変動し
ても溶接結果に悪影響を及ぼさない２ｒｒｒｍ以内であ
る。

又、第５図の様に溶接進行方向に対腰被溶接物２３がＳ
だけ段付となっているものについても、上述の様に溶接
ワイヤ３は被溶接物２３に軽く接触し被溶接物２３と溶
接ワイヤ３の距離は常に零に保たれる。

以上詳述したように、この考案の装置によれば、電極と
被溶接物間の距離、すなわちアーク長が多少変動しても
、ワイヤガイドをそれに追従させることができ、また被
溶接物が段付となっていても溶接ワイヤを常に被溶接物
に押い付けているので、溶接ワイヤが被溶接物より浮き
上がったり、突込みすぎたりすることがない。

従って溶接結果を良好に出来る装置が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図、及び第２図は従来のワイヤガイド調整装置を示
す図、第３図はこの考案の一実施例によるワイヤガイド
調整装置を示す図、第４図はこの考案による装置を用い
た溶接実施例図、第５図はこの考案による装置を用いた
他の溶接実施例図である。 図中、１は溶接トーチ、２は電極、３は溶接ワイヤ、４
は上下調整装置、５は左右調整装置、１４はワイヤガイ
ド、２１はブロック、２４はレバー、２５はばね、２６
は溝である。 なお、図中同一符号は同−又は相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 溶接部に向って送給される溶接ワイヤを案内するワイヤ
   ガイドの回転角度を調整し、上記溶接部への送給角度を
   調整するものにおいて、溶接トーチに保持され、上記ワ
   イヤガイドを予め規制した角度内で回転できるよう保持
   するブロックと、溶接ワイヤと被溶接物とが常時接触す
   るようワイヤガイドを付勢する付勢装置とを備えたこと
   を特徴とするワイヤガイドの角度調整装置。