JPS6018679Y2 - ばね装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、コイルばねにおいて、圧縮使用時における
座屈現象を防止し、荷重方向転換機構としても使用でき
る構造簡ルで安価なばね装置に関するものである。

従来コイルばねにおいて、コイル巻数の多いものや、コ
イルピッチの大きいもの、あるいはコイル径に比して、
自由高さの高いばねは、圧縮使用時に座屈現象を生じた
り、また機構上および性能上より、引張りばねの代りに
荷重方向転換機構にて使用する場合は一層座屈現象を起
こしやすい。

一方、コイル径に比して自由高さの低い単なる円錐コイ
ルばね等は通常の圧縮使用時において何等座屈現象を起
さないので、これらのコイルばねはこの考案の対象外で
ある。

このために、コイルばねの座面の研磨を行ない、両座面
の平行度および座面に対するコイル部の直角度の精度を
上げたり、またコイルの自由巻数の選択により偏荷重を
少なくするなどの方法や、さらには第１図に示すように
コイルの内側、または外側に案内となる芯金や、パイプ
を設けたり、コイルの両座面に受は金を設けたりする対
策も採られてきた。

しかしながら上述のいずれの場合も機構的に複雑となり
、加工工数も増加してコストアップの原因になるなどい
まだに満足すべきものがなかった。

この考案は、上述の点に着目してなされたものであり、
コイルばねの任意の位置に、部分的な小径部を形威し、
この小径部に案内棒を挿入したばね装置により、座屈現
象を防止すると共に、特別な減衰用部材を用いずに微振
動を吸収する機能を有する安価なばね装置を提供せんと
するものである。

以下、この考案の実施例を第２図ないし第３図にもとづ
いて具体的に説明する。

図において、符号１はコイルばねであり、所定のコイル
径りおよび自由長１を有しており、上記コイルばね１の
自由長１の任意の位置には１個もしくは複数個の小径部
２を形成する。

上記小径部２のコイル径ｄは案内棒３が挿入されるに充
分な径を有しておれば良いものであり、上記コイルばね
１の一端から、少なくともコイル径りに接する頭部３ａ
を有する案内棒３が挿入されると共に、上記案内棒３は
コイルばね１の座板４に形成した案内孔４ａに貫通され
るように構成される。

第３図はこの考案による他の実施例を示すものであり、
所定のコイル径りおよび自由長ｌを有するコイルばね１
の任意の位置に複数個の小径部２を形成すると共に、上
記コイルばね１の一端側もしくは両端側に必らず小径部
２を有するように形成し、上記コイルばね１の上端部よ
り案内棒５を挿入する。

このとき上記案内棒５の上端に一体形モールドの頭部５
ａを形威し、この頭部５ａをコイルばね１の上端小径部
２に係止させて挿入するものである。

以上のような構造において、圧縮使用時におけるコイル
ばね１はその小径部２と案内棒３とが共働して座屈現象
を防止するものである。

以上のように、この考案によるばね装置は、コイルばね
の座面を研磨する必要もなく、コイルばねの両端受は金
も必要でない等構造簡単であり、案内棒も任意の径に設
定できるなどのために如何なる使用状態でも座屈現象は
起らない。

また案内棒を引張る方向に荷重を掛けると、すなわち荷
重方向転換機構としても使用できるものであり、すなわ
ち圧縮ばね、あるいは引張りばねとして有効である。

さらに、コイルばねの小径部と案内棒との摩擦により減
衰効果を生じるために特別な減衰用部品など必要とせず
、微振動を吸収し、荷重方向転換も簡易構造で可能であ
る。

なおコイルばねおよび案内棒の表面にビニールなどの樹
脂をコーティングすれば一層防振効果をあげることがで
きるものであり、異音発生も防止できるなど実用上の効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の実施例を示すばね装置の断面図、第２図
はこの考案によるばね装置を示す断面図、第３図はこの
考案による他の実施例を示す断面図である。 １・・・・・・コイルばね、２・・・・・・小径部、３
・・曲案内棒、３ａ・・・・・・頭部、４・・・・・・
座板、４ａ・曲・案内孔、５・・・・・・案内棒、５ａ
・・・・・・頭部、Ｄ・・曲コイル径、ｄ・・・・・・
小径部コイル径、１・・・・・・自由長。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コイルばねと、該コイルばねに挿入して一端側をコイル
   ばねの上端に係合させ他端側をコイルばねの下端に当接
   する座板の案内孔を貫通して取付けた案内棒とからなり
   、上記コイルばねの一部に上記案内棒と共働して座屈を
   防止する小径部を形成したことを特徴とするばね装置。