JPS6018362Y2 - プルタブ紙付液体用紙容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、プルタブ紙付液体用紙容器に関するものであ
る。

従来、液体用紙容器の飲み口に関し、種々構造のものが
提案されているが、その一つに、紙容器本体に開口部を
設け、該開口部をプルタブ紙で密封してなるものがある
。

これは、プルタブ紙を剥離するだけで簡単に内容物を飲
むことができるものであるが、プルタブ紙の剥離におい
て種々の問題点がある。

例えば、プルタブ紙を剥離すると、紙容器本体の開口部
の周辺に紙の繊維が露出し、毛羽立って、不快感を与え
るということがある。

また、プルタブ紙の剥離に当って、プルタブ紙自身の強
度が問題になり、例えば、剥離時にプルタブ紙が破れ、
或は層間剥離等を起して紙容器本体の開口部が露出しな
いという欠点がある。

本考案者は、上記のようなプルタブ紙付液体用紙容器に
おけるプルタブ紙の剥離性、プルタブ紙の強度等を改良
すべく種々の検当の結果、プルタブ紙の構造を紙層に低
密度ポリエチレンの押出ラミネート層を介して高密度ポ
リエチレンまたはポリエチレンテレフタレート層を積層
し、更に、高密度ポリエチレンまたはポリエチレンテレ
フタレート層面にアンカーコーティング剤層を介して低
乃至中密度ポリエチレンの押出ラミネート層を積層した
構造とし、一方、紙容器本体の基材の構造をカップ原紙
に低密度ポリエチレンの押出ラミネート層を介して片面
にアンカーコーティング剤層を設けた金属箔を積層して
なる積層物の両面に低乃至中密度ポリエチレン層の押出
ラミネート層を積層した構造とし、かつプルタブ紙のポ
リエチレン層に基材の金属箔層に密着しているポリエチ
レン層を貼着することにより、基材の金属箔層とポリエ
チレン層間の接着強度がそれ以外の部分の層間接着強度
よりも相対的に低く層間剥離を生ぜしめることなく金属
箔界面でプルタブ紙を剥離できるものを構成することが
でき、また、プルタブ紙の強度はプルタブ紙に高密度ポ
リエチレンまたはポリエチレンテレフタレート層積層す
ることにより改良できることを見いだし、かかることよ
って本考案を完成したものである。

上記の本考案について以下に詳しく説明する。

先ず、本考案のプルタブ紙液体用紙容器の構成に一つい
てその一例をあげて図面を用いて説明すると、本考案に
おいては、第１図に示すように、紙容器本体１に、その
上蓋または底蓋等を構成する基材２に飲み口に相当する
開口部３を設け、該開口部３にプルタブ紙４を貼着して
プルタブ紙付液体用紙容器Ｐを構成するものである。

而して、本考案において、上記のプルタブ紙の基本構成
は、第２図に示すように例えば、片艶すラシクラフ１〜
紙等の紙層１１とフィルムないしシート状の高密度ポリ
エチレンまたはポリエチレンテレフタレート層１２とを
、低密度ポリエチレン１４を用いて押出ラミネ・−トシ
、更に、上記の高密度ポリエチレンまたはポリエチレン
テレフタレート層１２面に、例えば、イソシアネート系
等のアンカーコーティング剤１５を介して、低乃至中密
度ポリエチレンを押出ラミネートしてポリエチレン層１
３を形成して製造するものである。

本考案において、必要な場合には、更に、上記の紙層の
表面に、文字、図形、絵柄等の印刷層を形成することも
できる。

上記のプルタブ紙において、紙層１１は、主に印刷適性
、強度附与等を目的とするものであり、また、高密度ポ
リエチレンまたはポリエチレンテレフタレート層１２は
、主に、プルタブ紙を剥離するときの紙切れ防止等のた
めに、上記の紙層の強度附与を目的とするものであり、
更に又、ポリエチレン層１３は、主に、紙容器本体の開
孔部を構成する基材との接着性付与等を目的とするもの
であり、更に又、低密度ポリエチレン層１４は紙層１１
と高密度ポリエチレンまたはポリエチレンテレフタレー
ト層１２とを接着させることを目的とするものである。

又、アンカーコーティング剤層１５は高密度ポリエチレ
ンまたはポリエチレンテレフタレート層１２と低密度ポ
リエチレン層１４との接着を強力にすることを目的とす
るものである。

次に又、上記の本考案において、紙容器本体の開口部を
構成する基材について説明すると、第３図に示すように
、例えば約３００Ｐ／ｄのカップ原紙３２と例えば、片
面に予めチタン系等のアンカー・コーティング剤３５を
塗布したアルミニウム箔等の金属箔３３とを低密度ポリ
ヱチ１／ン層３６を用いて押出ラミネー１−シ、更に、
上記で得た積層物の両面に、低乃至中密度ポリエチレン
を用いて、押出ラミネートして、カップ原紙３２の上に
ポリエチレン層３１、他方、金属箔３３の面にポリエチ
レン層３４を設けて本考案の紙容器の開口部を構成する
基材とするものである。

上記の基材において、ポリエチレン層３１は、主にカッ
プ成形性、例えば、耐水性等内容物の保護、ヒートシー
ル性等を目的とし、又、カップ原紙３２は、主に、カッ
プ的強度附与、紙カップの成型性の附与等を目的と１７
、また、金属箔３３は、内容物の保護、プルタブ紙の剥
離時の外観効果附与等を目的と、更に又、ポリエチレン
層３４は、主にプルタブ紙との接着、カップの成型性、
金属箔の酸化防止、耐水性等の内容物保護等の目的をは
たすものである。

又、低密度ポリエチレン層３６はカップ原紙と金属箔３
３とを接着させることを目的とするものであり、又、ア
ンカーコーティング層３５は低密度ポリエチレン層３６
と金属箔３３との接着を強力にすることを目的とするも
のである。

次に上記の本考案において、上記のプルタブ紙と紙容器
本体の開口部を構成する基材とを貼着して該開口部を密
封すると共に内容物を飲むときに、プルタブ紙を剥離す
る構成を説明すると、第４図に示すよ−）に、先ず、プ
ルタブ紙を構成するポリエチレン層１３と、紙容器本体
の開口部を構成する基材の金属箔に密着しているポリエ
チレン層３４とをヒートシール等により強固に密着させ
て開口部３を密封し、この状態において市場に供給する
。

而して、本考案においては、第５図に示すように、上記
でプルタブ紙を貼着した紙容器からプルタブ紙を剥離す
る場合には、その端辺をつまんで剥離すると、プルタブ
紙のポリエチレン層１３と基材のポリエチレン層３４と
は両者共同質のものであるから強固に密着しており、他
方、金属箔３３εポリ工チレン層３４とは異質でその接
着性が弱いので、基材を構成する金属箔層３３の面から
剥離して、該金属箔層３３面が露出して剥離する。

かかることによって、本考案においては、基材の開口部
が開口して、内容物の飲み口になるものである。

上記のような本考案においては、下記のような種々の利
点がある。

（イ）剥離性が良好である。

（ロ）剥離部にＡＩ等の金属箔面が露出する為、従来の
紙の繊維がでるものに比較（７て見ばえが良い。

（〕→ プルタブ紙そのものが強度が向上している為、
開口部が露出しないというｌ・ラブルがなくなる。

（コ）材Ｆ１は主に、紙とＰＥだけからなっており、焼
却が容易である。

（ホ）プルタブ紙が紙からなっている為、従来の金属缶
のプルタブと異り、手を切ったりする事がなく安全であ
る。

【図面の簡単な説明】 第１図は、本考案のプルタブ紙付液体用紙容器の構成を
示す概略的断面図、第２図は、本考案におけるプルタブ
紙の構成を示す概略的断面図、第３図は、本考案におけ
る紙容器本体の開口部を構成する基材の構成を示す概略
的断面図、第４図と第５図は、本考案におけるプルタブ
紙と基材とを貼着腰次にプルタブ紙を剥離するときの構
成を示す断面図である。 １・・・・・・紙容器本体、２・・・・・・基祠、３・
・・・・・開目部、４・・・・・・プルタブ紙、１１・
・・・・・紙層、１２・・・・・・高密度ポリエチレン
またはポリエチレンテＩ／フタレート層、１３・・・・
・・ポリエチレン層、３１・・・・・・ポリエチレン層
、３２・・・・・・カップ原紙、３３・・・・・・金属
箔層、３４・・・・・・ポリエチレン層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 開口部にプルタブ紙を貼着してなるプルタブ紙付液体用
   紙容器において、プルタブ紙を、紙層に低密度ポリエチ
   レン層を介して高密度ポリエチレンまたはポリエチレン
   テレフタレート層を積層し、更に、高密度ポリエチレン
   またはポリエチレンテレフタレート層面にアンカーコー
   ティング剤層を介してポリエチレン層を積層して構成し
   、紙容器本体の開口部を構成する基材を、カップ原紙に
   低密度ポリエチレン層を介して片面にアンカーコーティ
   ング剤層を設けた金属箔をそのアンカーコーティング剤
   層面をカップ原紙の方へ向けて積層して積層物を得、該
   積層物の両面にそれぞれポリエチレン層を積層して構威
   し、かつ、上記プルタブ紙のポリエチレン層と上記の基
   材の金属箔層に密着しているポリエチレン層とを貼着さ
   せてなるプルタブ紙付液体用紙容器。