JPS6018177Y2 - 圧力調理器の圧力調整弁 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、圧力鍋、圧力釜等の圧力調理器において、調
理時に、調理器本体内部より放出される蒸気の状態によ
り、調理器本体内部が所定の蒸気圧に達したことを検知
する圧力調整弁の改良に関するものである。

従来、この種の圧力調整弁は、第１図に示すように、圧
力調理器の蓋１の上面適所に通気筒２を取付け、該通気
筒２の上端開口部３を通常閉塞する弁体４を備えた規定
重量の重錘５を冠着し、該重錘５の上記通気筒２の開口
部３に対応する側壁に、第２図に示す如く接線方向を互
に異にする一対の蒸気抜孔６を穿設し、重錘５の上端に
摘み７が固着される。

なお、Ｓは重錘５の離脱防止用スプリング、Ｐはバッキ
ング、Ｎはナツトである。

而して、調理器本体内部が所定の蒸気圧に達すると、蒸
気は通気筒２を通って弁体４に作用し、重錘５をもち上
げて開口部３を開放し、蒸気抜孔６より外部へ放出され
る。

この際、蒸気放出音により所定の蒸気圧に達したことを
感知しうると共に、蒸気抜孔６は接線方向を異にして設
けられているので、該孔６への蒸気の吹付は及び該孔６
からの放出により重錘５に回転力が付与されるため、重
錘５の回転により所定の蒸気圧に達したことを検知する
ことができる。

また、図示しないが、蓋に組込まれている筒体が所定蒸
気圧により上昇して外部に表示するものもある。

しかしながら、上記の蒸気放出音は低く、また重錘の回
転成いは筒体の上昇があっても、何れも調理人が調理場
所より離れている場合には、蒸気の放出音或いは重錘の
回転、筒体の上昇を知ることが困難であり、その結果、
応々にして被調理物を規定時間以上加熱し過ぎてしまい
所望の調理をすることができないという欠点があった。

本考案は上記の点に着目して威されたもので、その目的
とするところは、重錘にリード、笛等の発音体を備えた
カバーを回動可能に嵌合し、必要に応じてリード、笛等
の振動に伴う高音を発生させる如くセットし、調理人が
調理場所より離れていても、その発生音で調理器本体内
が所定の蒸気圧に達していることを確実に知りうる圧力
調整弁を提供することにある。

次に、本考案の構成を図面に示した一実施例に基づき説
明する。

第３図において、１乃至６及びＳ、Ｐ、Ｎは第１図に示
した従来例と同一部品であるので説明を省略するが、本
考案は第４図に示す重錘の摘み及び第５図に示す笛鳴り
カバーの構成に特徴を有するものである。

すなわち、第４図において、８は重錘５の上端に形成さ
れた円柱状摘みにして、該摘み８の上端に形成した鼓状
面９を挾んで左右一対の扇形凸部１０が対向形成されて
いる。

また第５図において、１１は円筒状の笛鳴りカバーにし
て、上記重錘５に形成されている一対の扇形凸部１０間
の回動を許容する如く嵌合され、その外周壁には直径方
向に対向して一対の発音体カバー１２乃び蒸気排出孔１
３が形成され、カバー１２内に上方を自由端としたリー
ド、笛等の発音体１４が片持式に取付けられている。

１５は笛鳴りカバー１１の上端に螺合取付けられたコ字
形の笛鳴りカバー摘みにして、上記発音体カバー１２の
形成位置と直交状態に形成されている。

而して、重錘５の上部より笛鳴りカバー１１を嵌合する
に当っては、笛鳴りカバー摘み１５を重錘摘み８に形成
されている扇形凸部１０間の鼓状面９上に載置する。

このとき、笛鳴りリード１１の蒸気排出孔１３及びリー
ド、笛等の発音体１４の自由端は重錘５の蒸気抜孔６と
同一レベル位置となるように構成されている。

したがって、第６図ａに示す如く笛鳴りカバー摘み１５
を時計方向に回動して各扇形凸部１０の左下側壁及び右
上側壁に当接させたときは、リード、笛等の発音体１４
の自由端部は重錘５の蒸気抜孔６に対向し、また第６図
すに示すように反時計方向に回動して各扇形凸部１０の
左上側壁及び右下側壁に当接させたときは、リード、笛
等の発音体１４の自由端部は蒸気抜孔６より離脱し、蒸
気排出孔１３が蒸気抜孔６と対向するようになる。

本考案の圧力調整弁は以上のような構成よりなるので、
調理人の都合により、リード、笛等の発生音で調理器本
体内が所定の蒸気圧に達したことを知る必要がある場合
には、笛鳴りカバー１１の摘み１５を上記した如く第６
図ａの状態に回動セットする。

この状態で調理を始め、調理器本体内が所定蒸気圧に達
すれば、蒸気は通気筒２を通って重錘５をもち上げ、開
放された開口部３より蒸気抜孔６を通って外部に放出さ
れるが、この際に、笛鳴りカバー１１は重錘５と共に回
転し、かつ蒸気抜孔６に対向したリード、笛等の発音体
１４を振動させ、その発生音をもって調理人に所定蒸気
圧に達したことを報知する。

そして、発音体の発生音で調理人が所定蒸気圧に達した
ことを知り、その音を止める場合には、笛鳴りカバー１
１の摘み１５を逆回動して上記した如く第６図すの状態
にすれば、蒸気抜孔６と蒸気排出孔１３との対向で低い
蒸気の放出音と笛鳴りカバー１１の回転のみとなる。

また、発音体１４の発生音を必要としないか或いは発生
音が近隣の迷惑となるような場合には、上記の第６図す
の状態に笛鳴りカバー１１を回動セットして調整を始め
れば、蒸気の低い放出音と笛鳴りカバー１１の回転によ
って所定蒸気圧に達したことを知ることができる。

以上のように、本考案に圧力調整弁は、従来における重
錘からの蒸気放出音と重錘の回転とにより、調理器本体
内の蒸気圧が所定値に達したことを検知していた不都合
を、リード、笛等の発音体を備えた笛鳴りカバーを重錘
に嵌合し、笛鳴り状態と単なる蒸気放出音の状態とに必
要に応じて任意に回動セットして、所定蒸気圧に達した
ことを検知することができるように改善したものである
から、被調理物を規定時間以上加熱し過ぎることなく、
所望の調理をすることを可能とした実用的価値の極めて
高いものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の圧力調整弁の縦断面図、第２図は第１図
の■−■線断面図、第３図は本考案に係る圧力調整弁の
一実施例を示す縦断面図、第４図は重錘の斜視図、第５
図は笛鳴りカバーの斜視図、第６図は重錘に笛鳴りカバ
ーを嵌合した平面図で、ａは笛鳴り状態に、ｂは笛鳴り
を止めた状態に夫々セットした図である。 ２・・・・・・通気筒、４・・・・・・弁体、５・・・
・・・重錘、６・・・・・・蒸気抜孔、８・・・・・・
重錘摘み、９・・・・・・鼓状面、１０・・・・・・扇
形凸部、１１・・・・・・笛鳴りカバー １２・・・・
・・発音体カバー、 １３・・・・・・蒸気排出孔、 １４・・・・・・ 発音体、 １５・・・・・・笛鳴りカバー摘み。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 調理器の蓋の上面適所に取付けられた通気筒と、該通気
   筒の上端に冠着され、接線方向を互に異にして延び外部
   へ開口する一対の蒸気抜孔及び摘みを有する重錘と、該
   重錘に嵌合され、リード、笛等の発音体を内装した一対
   の発音体カバー、一対の蒸気排出孔及び摘みを有する笛
   鳴りカバーとよりなり、上記重錘摘みの上端に一対の扇
   形凸部を対向形威し、該扇形凸部間を選択的に左右回動
   する上記笛鳴りカバー摘みとにより、リード、笛等によ
   る笛鳴り形及び蒸気抜孔による放出音形に任意にセット
   可能としたことを特徴とする圧力調理器の圧力調整弁。