JPS60174847A - 鉄基焼結部材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は鉄基焼結部材に関する。

〔発明の技術的背景〕

一般に機械装置において部品同志が摺接する摺接部では
、部品の摩耗を抑制するために油潤滑が広く行なわれて
いる。

例えば、冷蔵庫などに用いられるロータリコンゾレツサ
では、図面で示すようにシリンダ１の内部に設けたロー
タ２が、シリンダ１の内周面に回転しながら摺接し、ま
たシリンダ１の孔部１＆に設けた仕切ベーン３が、往復
移動しながら孔部１ａに摺接する。このため、シリンダ
１における内周面と孔部１ａは、潤滑油を供給して油潤
滑を行なっている。

しかして、従来ロータリコングレツサのシリンダは、摩
耗の点を・考慮して耐摩耗性を有する金属例えば鋳鉄で
形成したり、あるいは摺動面に二硫化モリブデンを被着
するなどの処理を施して形成している。しかしながら、
これらの材料は自己潤滑性が不充分であり、油潤滑を充
分生かすことができず、シリンダの摩耗を確実に抑制で
きないという問題があった。

〔発明の目的〕

本発明は前記事情に基づいてなされたもので、優れた自
己潤滑性を有する鉄基焼結部材を提供することを目的と
するものである。

〔発明の概要〕

本発明の鉄基焼結部材は、フェライトと・り−ライトか
らなる基地組織中に、鉄酸化物と遊離黒鉛が分散してな
るものである。また、表面に青銅等の銅合金を溶浸した
ものは更に潤滑性が改善される。

本発明の鉄基焼結部材において、基地組織はフェライト
とノ母−ライトからなる硬さと靭性な合わせ備えたもの
である。鉄酸化物は、焼結体を水蒸気処理すること（；
より基地組織の空孔部分に形成される。この鉄酸化物は
優れた耐凝着性を有するとともに、基地組織の空孔な封
じて油溜りをつくるので、潤滑油の保油性に優れている
。なお、鉄酸化物は基地組織の空孔な封することにより
、焼結体に気密性を与えている。

また、基地組織中に分散して生成析出される遊離黒鉛は
、固体潤滑剤として自己潤滑性に優れている。基地組織
中に分散する鉄硫化物は、固体潤滑剤として自己潤滑性
に優れている。従って、本発明の焼結合金は、固体潤滑
剤の潤滑作用と潤滑油の保油性の組合せにより、優れた
自己潤滑性を有している。

本発明の焼結部材において、黒鉛は焼結過程で一部が基
地に固溶してパーライトを形成し、他の部分は遊離黒鉛
として基地中に分散して生成析出される。基地に固溶す
る黒鉛は、０．２ｗｔチ以上で充分な効果を示し、この
効果は０．９チまで脆化を生じることなく維持できる。

好ましくは０．３〜０．８ｗ１％　の範囲がよい。遊離
黒鉛として生成する黒鉛は、０．５　ｗ　ｔ　４以上で
充分な効果を示し、この効果は３　’ｗ　ｔ　％　まで
脆化を生じることなく維持する。好ましくは０．７〜２
．５ｗｔ俤の範囲がよい。なお遊離黒鉛を形成する黒鉛
は、基地に固溶させる黒鉛に比して粉末粒径が大きいも
のを使用する硫黄は、焼結過程で基地中に分散して鉄硫
化物として生成析出される。

なお、硫黄を少量添加することも効果があるが、この場
合は硫黄は０．０５％以上で充分な効果を示し、この効
果は２．０チまで強度低下をきたすことなくあられれる
。好ましくは０．０１〜１．５チの範囲がよい。

なお、他にＣｕ　、Ｎｉ　、Ｍｏなどを０．１〜１０チ
の範囲で添加することも効果がある。これらは強度の向
上に役立つものである。

本発明の鉄基焼結部材を製造するためには、所定成分の
粉末を混合して原料粉末とし、この原料粉末を加圧成形
し、さらに焼結を行なう。

さらに、得られた焼結体に水蒸気処理を行なう。

本発明の鉄基焼結部材は、ロータリコンプレッサにおけ
るシリンダ、仕切ベーンを形成するのに適している。そ
の他に摺接部を有する機械部品を形成するために広く利
用できる。

〔発明の実施例〕

（１）本発明を、ロータリコンプレッサ用シリンダを製
造する場合に適用した一実施例について説明する。

重量比で粒度−１００メツシユの黒鉛粉末０．０５〜３
％（重量％、以下同じ）、粒度−３２５メツシユの黒鉛
粉末０．２〜０．９％、残り一１００メツシュの鉄粉末
に、ステアリン酸亜鉛１％を添加してＶミキサにて５〜
３０分間混合した。次いで、混合粉末を成形圧３〜７ト
ン／信２で加圧して、シリンダ形状の粉末成形体を成形
した。この粉末成形体をエンドサーミックガス雰囲気中
にて、温度１０５０〜１１５０℃、時間５〜４５分の条
件で焼結した。さらに、得られた焼結体を、温度６００
℃、蒸気圧１　”Ｐ　／ａｒｔ”（Ｄ過熱蒸気圧中にて
３時間水蒸気処理を施して、シリンダを製造した。

このシリンダをロータリコンプレッサ用として、その内
部にロータを設けるとともに、孔部に仕切ベーンを設け
、ロータリコンプレッサを構成して運転した。なお、シ
リンダの内周面および孔部には潤滑油を少量給油した。

その結果、シリンダの内周面と孔部は良好に潤滑が行な
われ、摩耗運転音及び振動が大変少なかった。

（２１実施例１と同様にして得られたコングレッサー用
のシリンダーの仕切ベーンの孔部１ａに常法により青銅
を溶浸したものを用いロータリコンプレッサを構成して
運転したところ、孔部の潤滑性が改善され摩耗が著しく
少なくなった。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明によれば、固体潤滑剤の潤滑
作用と、潤滑潤油の保油性とが組合された優れた自己潤
滑性を有す墨鉄基焼結部材を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の焼結部材を適用したシリンダを備えたロ
ータリコンゾレツサを示す概略的断面図である。 １・・・シリンダ、２・・・ロータ、３・・・仕切ベー
ン。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）　フェライトとノや一ライトからなる基地組織中
   に、鉄酸化物と遊離黒鉛が分散してなることを特徴とす
   る鉄基焼結部材。
2. （２）表面に銅合金を溶浸してなる特許請求の範囲第１
   項に記載の鉄基焼結部材。