JPS6017110Y2 - 磁気テープカートリッジ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、本体ケースの前面にテープ保護用前蓋を開
閉自在に回動枢支した形態の磁気テープカートリッジに
係り、これが不使用時に前蓋を閉蓋姿勢にロックする手
段に改良を加えたものである。

すなわち、ビデオ磁気テープカートリッジでは、その本
体ケースの前面にテープ保護用の前蓋を有する。

そして、この前蓋を閉蓋付勢するとともに、不使用時に
は閉蓋姿勢にロックし、以ってケース前面に一部導出し
た磁気テープを被覆して保護するようになっている。

かかる前蓋の閉蓋ロック手段は、従来一般に、本体ケー
スの前方左右の一方の隅部に組込まれていた。

ところが、該当部位にはテープガイド部材が必然的に配
置されるので、元来スペース的に余裕がない。

そのため、従来では狭いスペース内でテープガイド部材
を避けて前蓋の閉蓋ロック手段を組付けなければならず
、その組付作業が面倒にして困難であり、機構的にも無
理があった。

とくに磁気テープカートリッジの小型化を進める場合に
は、もはやスペース的に組付は不可能であり、現状の配
置構成ならびに機構では対応できない問題を含んでいた
。

この考案は、かかる事実に着目して、前蓋の閉蓋ロック
手段の配設位置および具体的構成に新規な変更を加え、
従来の不具合を一挙に解消せんとするものである。

以下、その詳細を図面に基づき説明する。

図において、１は本体ケースであり、これはプラスチッ
ク製の上下ケースｌａ、ｌｂからなる。

この上下ケースｌａ、ｌｂは蓋合わせ状に重ねたのち、
四隅部および前方中央部の合計５箇所において上ケース
側からタッピングねじ２をねじ込んで締結されている。

本体ケース１の内部左右には一対のテープリール３，３
が可回転に収納配置され、これらリール３，３に磁気テ
ープ４が巻かれている。

その磁気テープ４は、本体ケース１の前方左右隅部に設
けたテープガイド部材５．６．７に案内されて、一方の
リール３からケース前面に導出されたのち他方のリール
３に巻取られる。

そして、磁気テープカートリッジの不使用時には、本体
ケース１の前面に回動枢支したテープ保護用前蓋９でケ
ース前面に導出した磁気テープ部分の外側が被覆されて
保護され、記録再生装置つまりビデオ本機側に装填され
たときには、この前蓋９が上向きに開いてケース前方に
磁気テープ４が引き出せる基本構造になっている。

上ケース１ａには、前後の中央部に左右横長の透明窓１
０が設けられ、この透明窓１０を介して左右の各リール
３へのテープ巻量が同時にのぞき見ることができる。

各テープリール３は上下にフランジ１１．１２を有し、
その下フランジ１２の外周に角形係合歯１３が連続形成
されており、第５図に示す如く、上ケース１ａの内面に
固定したリール押えばね１４で不必要に浮き上がらなモ
、）ように下向きに押圧付勢されている。

すなわち、リール押えばね１４はステンレス鋼薄板など
から略■字形ないしは略Ｕ字形に型抜き形威されたもの
で、その中央基部が上ケース１ａに固定され、その両自
由端部が各テープリール３，３のハブ中心を上方からそ
れぞれ押圧している。

本体ケース内の後方の左右隅部には、第４図に示すよう
に、両テープリール３，３に作用する一対のリールブレ
ーキ手段１６．１６が組込まれている。

第６図および第７図において、そのリールブレーキ手段
１６としては、本体ケース１の底壁１７つまり下ケース
１ｂの該当部位に支軸１９を垂直に立設するとともに、
その近傍に透孔２０を明け、ブレーキ片２１の基端のボ
ス部２１ａを該支軸１９に上方から水平回動自在に嵌合
し、更に該支軸１９に捩りばね２０を嵌装する。

そして、捩りばね２０でブレーキ片２１を、その中間部
２１ｂが前記透孔上を跨ぎ、ブレーキ片先端２１ｃが各
テープリール３の係合歯１３に係合する姿勢に押圧付勢
し、以って磁気テープカートリッジの不使用時には、各
テープリール３の回転を阻止してテープたるみの生じる
のを防止する。

一方、磁気テープカートリッジをビデオ本機に装填する
と、ビデオ本機側の基準ピンを兼ねたブレーキ解除ピン
２２が前記透孔２０に突入してき、このピン２２がブレ
ーキ片２１の中間部２１ｂにこれを押しのけるように接
当作用してブレーキ片２１を捩りばね２０に抗して第６
図仮想線で示すブレーキ解除位置に強制回動し、これで
ブレーキが解除されて各テープリール３が自由回転状態
になるものとした。

本体ケース１の後方中央部位には、ケース底壁１７に誤
消去防止片２４を設けた。

ケース底壁１７の内面には誤消去防止片２４の外周を囲
む画壁２５を高く立設し、誤消去防止片２４を下方から
ケース内部側に押して折り取ったとき、該画壁２５で折
り取られた誤消去防止片２４がケース内の磁気テープ４
やテープリール３に触れることなくケース外に出るよう
にした。

また、磁気テープカートリッジの上下向きおよび前後向
きを逆にしてビデオ本機側に装填するトラブルを防止す
るために、ケース底壁１７の下面には前方中央より図上
右側に若干ずれた位置に凹み２６を前縁から後方に向け
て形威し、磁気テープカートリッジが正しく装填された
ときにはビデオ本機側の誤装填防止片が前記凹み２６に
嵌入して正しく作動するものとした。

本体ケース１の前方の左右隅部には、ケース底壁１７に
ランプ挿入孔２７．２７をそれぞれ透設し、磁気テープ
カートリッジをビデオ本機に装填したとき、ビデオ本機
側のランプが各挿入孔２７に入り、該ランプからの光が
磁気テープ４の両端に接続した透明リーダーテープを透
過して本体ケース外に出てビデオ本機側のセンサー２８
．２８に達し、磁気テープ４の始端と終端とがそれぞれ
検出できるものとした。

なお、ケース底壁１７の内面には各ランプ挿入孔２７の
周縁から遮光周壁２９を立設し、この遮光周壁２９で前
記透明窓１０を介して本体ケース内に入射した強い光が
センサー光路に至るのを遮り、センサー２８が誤作動す
るのを防止している。

さて、前蓋９であるが、これは垂直の前壁３０と、該前
壁３０の上縁に連設した水平の上壁３１と、左右両端に
連設した側壁３２．３２とを有し、両側壁３２．３２の
内面に枢軸３３．３３が対向状に突設されている。

上ケース１ａの左右側壁の前方に軸受孔３４，３４が穿
設してあり、この軸受孔３４，３４に前蓋９の枢軸３３
，３３をそれぞれ外側から遊嵌することにより、前蓋９
を上ケース１ａに枢軸３３を支点として回動自在に枢支
する。

そして、図上左側の枢軸３３には、第２図および第８図
に示すように、捩りばね３５のループ部を嵌装し、該ば
ね３５の一端を前蓋側に、他端を上ケース側にそれぞれ
係止し、捩りばね３５で前蓋９をその前壁３０が磁気テ
ープ４の前面外側を覆う閉蓋姿勢に弾圧付勢した。

但し、第８図口および八に示す如く、上ケース１ａの左
右の各側壁３６には前記枢軸３３を軸受孔３４にスムー
ズに案内嵌合させるために、上端から該軸受孔３４に至
る傾斜案内面３６ａを形成しである。

そのうえで、磁気テープカートリッジの不使用時に前蓋
９を閉蓋姿勢に維持するロック手段３７を、本体ケース
内の前方中央部位に配設した。

第９図ないし第１２図において、そのロック手段３７と
しては、まず該当部位のケース底壁１７の内面に支軸３
８を垂直に立設するとともに、該支軸３８の後方に近接
させて底壁１７に操作孔３９を透設した。

上ケース１ａの前縁には支軸３８の立設位置よりも図上
右側に僅かに位置をずらして切欠部４０を形成した。

前蓋９の上壁３１からは該切欠部４０に嵌入して本体ケ
ース内に延出する係止片４１を連設した。

この係止片４１は上面の補強リブ４２で充分に補強し、
その延出端が前蓋９の回動枢支点よりもケース内方側に
あるよう長さを設定した。

そして、組付部材としてロック具４４と捩りばね４５と
を用意した。

ロック具４４は基端に円筒状のボス部４６を有し、該ボ
ス部４６から作用部４７が連設され、該作用部４７の中
間から受止め部４８が連設されたものとし、そのボス部
４６を支軸３８に上方から水平回動自在に嵌合支持した
。

しかるのち、支軸３８に捩りばね４５のループ部を嵌装
し、その一端をロック具側に、他端をケース底壁側にそ
れぞれ係止し、捩りばね４５のばね圧により平面視にお
いてロック具４４の作用部４７が操作孔３９の上方を跨
ぎ、その受止め部４８が係止片４１の延出端の下方に部
分的にラップするようロック具４４を弾圧付勢するもの
とした。

但し、ロック具４４の受止め部４８はその上面４８ａが
前蓋９の閉蓋状態において係止片４１の延出端の下面４
１ａに優生の間隙を以って近接対向するよう高さを設定
した。

また、ロック具４４の作用部４７には操作孔３９と対向
する下面部分を傾斜面５０に形成した。

更に、作用部４７の下面は先端の突起５１のみがケース
底壁１７に摺接し、また受止め部４８の下面も連設基部
の球状突起５２と先端側の球状突起５３のみがケース底
壁１７に摺接するようにして、ロック具４４の回動時に
おけるケース底壁１７との摺接抵抗が可及的に小さくな
るものとした。

また、前述の誤装填防止用凹み２６が形成された箇所の
ケース底壁１７の内面は隆起しているので、具体的には
受止め部４８の一方の球状突起５３のみはこの隆起部５
５の平滑面上を摺接し、他方の球状突起５２が該隆起部
５５に突き当ってロック具４４の捩りばね４５による回
動を規制した。

なお、前述の各支軸１９および３８に嵌装した捩りばね
２０および４５は、上ケース１ａの内面から垂設した押
え部材によってそれぞれ抜止め状に押え込まれている。

次に、前蓋９の作動を説明すると、磁気テープカートリ
ッジの不使用時には、ロック具４４が捩りばね４５で第
１０図の実線で示すロック位置に弾圧付勢されており、
ロック具４４の受止め部４８が前蓋９から連設した係止
片４１の延出端の下方にあって、受止め部４８の上面４
８ａが係止片４１の延出端の下面４１ａに近接対向して
いる。

したがって、前蓋９を上向きに開く外力が加わっても、
係止片４１が受止め部４８に接当係止され、係止片４１
が折損しない限り前Ｍ９は開かず、前蓋９の前壁３０で
ケース前面に導出した磁気テープ４がよく保護される。

だが、磁気テープカートリッジを記録再生装置に押込み
装填すると、第１１図に示すように、記録再生装置側の
ロック解除部材５６がケース底壁１７に透設の操作孔３
９に突入してき、ロック解除部材５６の先端力伯ツク具
４４の作用部４７の傾斜面５０に接当作用し、これでロ
ック具４４が捩りばね４５に抗して第１０図の仮想線で
示すロック解除位置まで支軸周りに強制回動させられ、
ロック具４４の受止め部４Ｂが係止片４１の下方、つま
り回動軌跡から外れ、前蓋９が上開き可能な状態となる
。

実際には磁気テープカートリッジの押下げにともない、
記録再生装置側の固定レバー５７が第１２図に示す如く
、前蓋９の前壁下端に接当して前蓋９がこれを閉じ付勢
する捩りばね３５に抗して開くことになる。

磁気テープカートリッジを記録再生装置から抜くときは
、前述の開蓋動作と全く逆に作動し、ます前蓋９が捩り
ばね３５で閉蓋姿勢に復帰し、次いでロック解除部材５
６が操作孔３９から抜けるにともない、ロック具４４が
捩りばね４５で元のロック位置に復帰し、閉蓋ロックが
かかる。

なお、本考案は図示例のものに限られない。

例えば、前蓋９の閉蓋ロック手段３７の配設位置は第４
図において本体ケース１の前方中央より左側の基準孔５
８が透設された位置であってもよい。

その際、この基準孔５８を前述の操作孔３９として利用
してもよいこと云うまでもない。

また、図示例ではロック具４４の作用部４７に傾斜面５
０を形成して、該傾斜面５０にロック解除部材５６が接
当作用することにより、ロック具４４をロック解除位置
に回動するようにしたが、傾斜面５０を省略して作用部
４７に切欠きを設け、該切欠きと操作孔３９の孔縁との
間にロック解除部材５６が楔状に押し入るようにしてロ
ック具４４をロック解除位置に押しやるようにしてもよ
い。

その他、支軸３８や操作孔３９の位置関係、ロック具４
４の形状もスペースに合わせて自在に設計変更できる。

以上説明したように、この考案によれば、本体ケース１
の前方に前蓋９の閉蓋ロック手段３７を配設し、ロック
具４４が前Ｍ９の前壁３０の上部から連設した係止片４
１の延出端に係合して前蓋９を閉蓋ロックするようにし
た。

したがって、ロック具４４が前蓋９の左右の一側壁３２
に係合していた従来形態のものと異なり、単に構造が新
規であるに止まらず、閉蓋ロック手段３７を本体ケース
１の前方の適当なデッドスペースを利用して配設するこ
とができるから、閉蓋ロック手段３７が無理なく組付け
られ、作動の確実を期すことができ、かつ磁気テープカ
ートリッジの小型化にも即応できる利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る磁気テープカートリッジの外観斜
視図、第２図はその平面図、第３図はその底面図である
。 第４図は本考案の構成部材のひとつである本体ケースを
構成する下ケースの平面図、第５図は本体ケースを構成
する上ケースの内面を示す平面図である。 第６図および第７図はリールブレーキ手段を示しており
、このうち第６図は平面図、第７図は縦断正面図である
。 第８図イは本考案の構成部材のひとつである前蓋の枢支
構造を示す縦断正面図、第８図口とハは上ケースの該当
部位の側壁の形状を示す側面図と縦断正面図°である。 第９図ないし第１２図は本考案の構成部材のひとつであ
る前蓋の閉蓋ロック手段を示しており、このうち第９図
は斜視図、第１０図は平面図、第１１図は第１０図にお
けるＡ−Ａ線断面図、第１２図は第１０図におけるＢ−
Ｂ線断面図である。 １・・・・・・本体ケース、１ａ・・・・・・上ケース
、１ｂ・・・・・・下ケース、３・・・・・・テープリ
ール、４・・・・・・磁気テープ、５，６，７・・・・
・・テープガイド部材、９・・・・・・前蓋、１０・・
・・・・透明窓、１２・・・・・・テープリールの′下
フランジ、１３・・・・・・係合歯、１４・・・・・・
リール押えばね、１６・・・・・・リールブレーキ手段
、１７・・・・・・本体ケースの底壁、１９・・・・・
・支軸、２０・・・・・・透孔、２１・・・・・・ブレ
ーキ片、２２・・・・・・ブレーキ解除ピン、２４・・
・・・・誤消去防止片、２５・・・・・・画壁、２６・
・・・・・誤装填防止用凹み、２７・・・・・・ランプ
挿入孔、２９・・・・・・遮光周壁、３０・・・・・・
前蓋の前壁、３１・・・・・・前蓋の上壁、３２・・・
・・・前蓋の側壁、３３・・・・・・枢軸、３４・・・
・・・軸受孔、３５・・・・・・捩りばね、３７・・・
・・・前蓋の閉蓋ロック手段、３８・・・・・・支軸、
３９・・・・・・操作孔、４０・・・・・・切欠部、４
１・・・・・・係止片、４４・・・・・・ロック具、４
５・・・・・・ばね部材（捩りばね）、４６・・・・・
・ロック具のボス部、４７・・・・・・ロック具の作用
部、４Ｂ・・・・・田ツク具の受止め部、５０・・・・
・・傾斜面、５６・・・・・・ロック解除部材、５７・
・・・・・固定レバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体ケース１の前面にテープ保護用の前Ｍ９が開閉自在
   に回動枢支された磁気テープカートリッジにおいて、本
   体ケース１の前方に設けた支軸３８に筒状のボス部４６
   と作用部４７と受止め部４８とを備えたロック具４４を
   嵌合支持して、ロック具４４０ツク位置とロック解除位
   置とにわたって回動自在にするとともに、ばね手段でロ
   ック具４４をロック位置に挿圧付勢しており、不使用時
   にはロック位置に挿圧付勢されたロック具４４の受止め
   面４８に閉じ姿勢にある前蓋９の係止片４１が接当干渉
   して該前蓋９の開き回動を阻止し、磁気記録装置に装填
   したときに磁気記録装置側のロック解除部材５６がロッ
   ク具４４の作用部４７に接当作用することにより、ロッ
   ク具４４が支軸側りに回動変位して、ロック具４４の受
   止め面４８が前蓋９の係止片４１から外れ前Ｍ９のロッ
   クが解除されるようにしたことを特徴とする磁気テープ
   カートリッジ。