JPS6017088B2 - 光フアイバ接続部の補強部材および補強方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、光伝送用ファィバ心線接続部の補強部材およ
び補強方法に関するものである。

光フアィバの接続方法として、接続すべき２本の光フア
イバのプラスチック被覆をむき、２本のフアィバ心線を
突合わせてアーク放電などによって熱融着する方法があ
る。

この場合、光フアイバの機械的強度保持の役割を有する
光ファィバのプラスチック被覆層を除去して熱融着を行
うので、光フアィバ接続後に被覆層の除去部分を補強す
る必要がある。この接続部の補強方法として「本発明者
は「加熱すると径万向に収縮する熱収縮チューブと「
この熱収縮チューブの内側に配置された熱溶融接着剤チ
ューブと、熱収縮チューブと熱溶融接着剤チューブとの
間に、熱収縮チューブおよび熱溶融接着剤チューブを加
熱可能にチューブの鞠方向に延在して挿入された電気抵
抗発熱体とを具備し「熱溶融接着剤チューブに光フアィ
バを挿通可能にした補強部村を用い、融着接続された光
フアィバ接続部を熱溶融援着剤チューブに挿適し「次い
で電気抵抗発熱体に通電して、熱収縮チューブを加熱し
てその蓬方向に収縮させると共に熱溶融接着剤チューブ
を加熱熔融させて接着剤層とななし、熱収縮チューブ内
に光フアィバ接続部および電気抵抗発熱体を含んだ状態
でこの光フアィバ接続部を接続剤層と一体化させる補強
方法を先に提案した。

しかし、この方法においても、加熱一体化するときに、
収縮チューブの内側に気泡が残留することがあるので「
温度変化により「気泡部において光フアィバの突出しが
起こり、光フアィバが断線するという問題点があった。

本発明の目的は「これらの欠点を除去するため、熱収縮
チューブと熱溶融接着剤との間に３本以上の棒状電気抵
抗発熱体を集合して縦添えすることによって、加熱によ
り収縮された熱収縮チューブ内に熱溶融接着剤チューブ
が熔融して形成される接着剤層内部に発生する気泡を容
易に除去し、温度変化による光フアィバの断線のおそれ
がない良好な補強部材を提供することにある。本発明の
他の目的は、上述の補強部材を用いて、現場での光フア
ィバの後続部の補強を、発生した気泡を容易に除去しな
がら、簡便かつ短時間に行うことができ、しかも補強後
に温度変化によりフアィバ心線が断線するおそれがない
ようにして、上述した従釆の欠点の解決を図った光フア
ィバ接続部の補強方法を提案することにある。本発明補
強部材は、加熱により蚤方向に収縮可能な熱収縮チュー
ブと、該熱収縮チューブの内側に配置された熱溶融接着
剤によるチューブとト前記熱収縮チューブと前記熱溶融
接着剤チューブとの間に、前記熱収縮チューブおよび前
記熱溶融穣看剤チューブを加熱可能に前記チューブの函
方向に延在し、かつ集合して挿入された少くとも３本の
棒状電気抵抗発熱体とを具備し、前記熱溶融接着剤チュ
ーブに光フアィバを挿通可能にしたことを特徴とするも
のである。本発明方法は、加熱により蓬方向に収縮可能
な熱収縮チューブと〜該熱収縮チューブの内側に配置さ
れた熱熔融接着剤によるチューブと、前記熱収縮チュー
ブと前記熱溶融接着剤チューブとの間に、前記熱収縮チ
ューブおよび前記熱熔融接着剤チューブを加熱可能に前
記チューブの軸方向に延在し、かつ集合して挿入された
少くとも３本の棒状電気抵抗発熱体とを具備しも前記熱
溶融接着剤チューブに光フアィバを挿通可能にした補強
部材を用い、前記融着接続された光フアィバ接続部を前
記熱溶融接着剤チューブに挿通し「次いで前記電気抵抗
発熱体に通電して「前記熱収縮チューフを加熱してその
蚤方向に収縮させると共に前記溶融接着剤チューブを加
熱溶融させて、接着剤層となし、収縮した熱収縮チュー
ブ内に前記光フアィバ接続部および前記電気抵抗発熱体
を含んだ状態で前記光フアィバ接続部を前記接着剤層と
一体化させること特徴とするものである。

ここで、前記電気抵抗発熱体は、炭素繊維ャーンとなし
も前記電気抵抗発熱体を熱熔融接着剤で被覆するのが好
適である。

前記熱収縮チューブと前記熱溶融接着剤チューブとの間
に、前記棒状電気抵抗発熱体と集合して「剛性細榛を配
置することもできる。本発明において用いられる熱収縮
チューブの素材としては、ポリエチレン、エチレンープ
ロピレン共重合体などのポリオレフイン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ弗化ビニリデンなどの弗素系樹脂、シリコーン
樹脂どを使用できるが、特にこれらに限定されるもので
はない。

熱溶融接着剤としては、ポリオレフィン系、ポリァミド
系、ポリ塩化ビニル、ポリエステル系、ポリビニルアセ
タール系、ポリウレタン系、ポリスチレン系、アクリル
系、ポリビニルェステル系、フルオロカーボン系、ポリ
ェーテル系、ポリアセタール系、ボリカーボネート系、
ポリサルホン系、ジヱン系、天然ゴム系、ク。

ロブレンゴム、ポリサルフアィド系、これらポリマの変
性物またはこれらポリマとその変性物の混合物を使用で
きるが、これらに限定されるものではない。電気抵抗発
熱体としては、炭素繊維、ニクロム系合金線、鉄一クロ
ムーアルミニウム系合金線、タングステン線、モリブデ
ン線、白金線、炭化珪素繊維などまたはそれらを束ねた
ものを用いることができる。剛性細榛としては、ステン
レス線、ピアノ線などの金属、ガラス繊維、カーボン繊
維などで強化された熱硬化樹脂からなる細榛（ＦＲＰ細
榛）、またはガラスやセラミックの細綾などを用いるこ
とができるが、特にこれらに限定されるものではない。

以下、図面を用いて実施例について本発明を詳細に説明
する。

第１図は本発明補強部村の一実施例の横断面図、第２図
は第１図示の補強部材を用いて、本発明方法を実施して
得られた補強部の縦断面図である。

ここで、補強部材は、加熱すると蓬方向に収縮する熱収
縮チューブ１と、その内側に配置され、加熱すると溶融
する熱溶融接着剤によるチューフ２と、これらチユーブ
ーと２との間に、これらチューブの軸万向に延在して、
集合して縦添えされ、これらチューブ１および２を加熱
可能な複数本、例えば４本の棒状電気抵抗発熱体３と、
これら棒状電気抵抗発熱体３を被覆した熱熔融接着剤層
４と、チューブーと２との間に、熱溶融接着剤層４を被
覆した棒状電気抵抗発熱体３と集合して配置された剛性
細榛５とより構成され、チユーフ２内の空所１川こは光
フアィバの接続部を挿通可能とする。

熱収縮チューブーを、ここでは、長さ６仇岬、内径２．
５肋、厚さ０．２側のポリエチレンチューブとした。

その収縮率は５０％であった。熱溶融接着剤チューブ２
はナイロン１２からなり、長さ６仇舷、外径１．６側、
厚さ０．２肋とした。電気抵抗発熱体３としては、ナイ
ロン１２を被覆した炭素繊維ャーン、ベスフアィトＨＭ
−６０００（東邦レーヨン（株）、商品名）を使用した
。剛性細榛５としては、１．０磯径のピアノ線（長さ６
仇吻）を使用した。次に、この補強部材を用いた本発明
補強方法についてその手順を第２図を参照して説明する
。

まず最初に、第１図の補強部材の空所１川こ光フアィバ
を予め挿適しておき、次にプラスチック被覆層７，８お
よび９を除去した光フアィバ裸線６を融着接続する。次
に藤着接続前に予め挿入されていた補強部材を、これが
光フアイバの融着接続部６Ａの両端のプラスチック被覆
層、すなわち一次被覆シリコーン層７、シリコーン緩衝
層８および二次被覆ナイロン層９を覆うように配置する
。最後に、電気抵抗発熱体３の両端に４Ｖの直流電圧を
印加すると、熱溶融接着剤４およびチューブ２が溶融し
て接着剤層２′になるとともに、熱収縮チューブ１が径
方向に収縮し、３硯秒〜６の砂で、第２図示のように、
光フアィバ接続部６Ａおよび電気抵抗発熱体３を、熱収
縮チューブーの内部に含んだ状態で、これら部分１，２
′および３は光フアィバの融着接続部６Ａと一体化する
。第３図は、第１図示の本発明補強部材に対する比較例
を示し、ここではナイロン１２による４本の電気抵抗発
熱体３を集合させずに分散してチューブーと２との間に
配置する。

残余の配置は第１図の場合と同様である。この比較例で
は、加熱時に熱収縮チューブ１が局部的に収縮し、発生
した気泡の排出径路がなくなるので、このチューブ１内
に気泡が残留した。これに対し、第１図のようにナイロ
ンに被覆電気抵抗発熱体３を３本以上、例えば４本集合
して縦添えして配置すると、電気抵抗発熱体３間のすき
間を通って、内部の気泡が容易に排出され、気泡のない
補強部を形成することができた。

上述した本発明の実施例および比較例の補強部の温度試
験（一２０ｑｏ〜十６０ｑ○，６時間／１サイクル）を
実施したところ、比較例の補強部については１０〜２０
サイクル後に光フアィバが断線したが、本発明の実施例
の補強部については３０サイクル後においても光フアィ
バの断線は認められず、伝送損失の変化もｏ．ｏ４船以
下／１接続点であった。

以上説明したように、本発明によれば、熱収縮チューブ
内に挿入した電気抵抗発熱体によって内側から加熱して
熱収縮チューブを収縮せしめるとともに、熱溶融接着剤
を熱溶融せしめて一体化する際に、熱溶融接着剤を被覆
した棒状の電気抵抗発熱体を３本以上集合して縦添えす
ることによって、加熱時に「熱収縮チュ−プ内部の気泡
が溶融した接着剤層から容易に排出されるので、補強部
に気泡が残留せず、温度変化により光フ・アィバの突出
しが起こらず、従って光フアィバの断線が種こらない信
頼性の高い補強部を形成できる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明補強部材の一実施例を示す横断面図、第
２図は第１図示の補強部材を用いて本発明補強方法によ
り形成された補強部を示す縦断面図、第３図は本発明補
強部材に対する比較例を示す縦断面図である。 １・・・・・・熱収縮チューブ、２・・・・・・熱溶融
接着剤チューブ、２′・・・・・・接着剤層、３・・・
・・・電気抵抗発熱体、４・・・・・・熱溶融接着剤層
、５…・・岡山性細榛、６・・・・・・光フアィバ裸線
、７・…・・一次被覆シリコーン層、８…・・・シリコ
ーン緩衝層、９・・・・・・二次被覆ナイロン層、１０
・・・・・・空所。 第１図 第２図 第３図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 加熱により径方向に収縮可能な熱収縮チユーブと、
   該熱収縮チユーブの内側に配置された熱溶融接着剤によ
   るチユーブと、前記熱収縮チユーブと前記熱溶融接着剤
   チユーブとの間に、前記熱収縮チユーブおよび前記熱溶
   融接着剤チユーブを加熱可能に前記チユーブの軸方向に
   延在し、かつ集合して挿入された少くとも３本の棒状電
   気抵抗発熱体とを具備し、前記熱溶融接着剤チユーブに
   光フアイバを挿通可能にしたことを特徴とする光フアイ
   バ接続部の補強部材。 ２ 特許請求の範囲第１項記載の補強部材において、前
   記電気抵抗発熱体は、炭素繊維ヤーンとなし、前記電気
   抵抗発熱体を熱溶融接着剤で被覆したことを特徴とする
   光フアイバ接続部の補強部材。 ３ 特許請求の範囲第１項または第２項に記載の補強部
   材において、前記熱収縮チユーブと前記熱溶融接着剤チ
   ユーブとの間に、前記棒状電気抵抗発熱体と集合して、
   剛性細棒を配置したことを特徴とする光フアイバ接続部
   の補強部材。 ４ 加熱により径方向に収縮可能な熱収縮チユーブと、
   該熱収縮チユーブの内側に配置された熱溶融接着剤によ
   るチユーブと、前記熱収縮チユーブと前記熱溶融接着剤
   チユーブとの間に、前記熱収縮チユーブおよび前記熱溶
   融接着剤チユーブを加熱可能に前記チユーブの軸方向に
   延在し、かつ集合して挿入された少くとも３本の棒状電
   気抵抗発熱体とを具備し、前記熱溶融接着剤チユーブに
   光フアイバを挿通可能にした補強部材を用い、前記融着
   接続された光フアイバ接続部を前記熱溶融接着剤チユー
   ブに挿通し、次いで前記電気抵抗発熱体に通電して、前
   記熱収縮チユーブを加熱してその径方向に収縮させると
   共に前記熱溶融接着剤チユーブを加熱溶融させて、接着
   剤層となし、収縮した熱収縮チユーブ内に前記光フアイ
   バ接続部および前記電気抵抗発熱体を含んだ状態で前記
   光フアイバ接続部を前記接着剤層と一体化させることを
   特徴とする光フアイバ接続部の補強方法。