JPS6016855B2 - 自転車用一体型前ホ−ク材の油圧バルジ成形法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は自転車用の一体式前ホーク材の製作方に関し、
特に一本所要長さの溶接鋼管材より、クラウン別ち肩部
と２本の脚とを一体となるように製作する油圧バルジ成
形法に関するものである。

省資源・省力・省エネルギー時代における自転車部品業
界においても、これらの三つの目的に合致する部品の製
作法の導入こそ、極めて重要であると考えられる。一般
に公知の自転車の前ホークは、上方中央部にホーク・ス
テムを挿入固着すべき貫通孔を具えたホーク・クラウン
即ち肩部と、この肩部の左右の両端に固着する２本のさ
や、即ち脚とから成るものであり、ステムを加えると、
４個の部品よりできている。

本発明は所要長さとして、約９瓜次の長さの脚部２本が
設置できるように、同一方向且つ同一平面上において、
約９０度の角度で折曲げ、肩部と両脚とを一体として成
る前ホーク材を得ようとするものである。

本発明において、所要の目的を達するに好適な材料とし
ては、一般に市場で入手容易の溶接鋼管、即ち管軸に平
行に溶接されている溶接継目（第１図のｌａ）を有する
鋼管（第１図の１）を用いる。

この鋼管の鋼の組成は、ＣＯ．１２％以下、Ｓｉｏ．３
５％以下、Ｍｎｏ．２５−０．６０％、ＰＯ．０４０％
、残部はＦｅより成るものであり、更にその物理的性態
としては、抗張力３２−４２ｋ９／地、伸び３０一４０
％、プリネル硬度８０−１２０を有する。一般に公知の
前ホーク材は、第８図に示す通り、ステム、クラウン、
２個の脚より成ることは、上述の通りであるが、これら
の４個の部品の内、ステムと脚とは管状構造で、比較的
製作は容易で、問題とするような点は少ないであろうが
、クラウン即ち肩部の製作法としては、次の二方法が公
知である。

‘１’予め設計され、且つ製作され所要の肩部に合致す
る鋳型を、利用し金属鍵造法で作る。

■ 肩部全体となるべき一枚の金属シート打抜素材に対
し、プレス絞り加工を数回ほどこし、更に最終的に溶接
工程を行い所要の肩製品を作る。

次に前ホーク製品を作るには、以上の何れかの方法で製
作した肩製品に対し、上方にステムを〜下方に同方向で
２本の脚を夫々ろう接・溶接等により接合し、前ホーク
完成品を得るのであるが〜何れかの方法によるも、多数
工程を必要とし、全体の製作コスト上昇は必然的である
。

本発明の具体例を添付図面について説明する。

第１図に示す溶接継目ｌａを有する比較的長い溶接鋼管
１をとる。管材の長さは、例えば成人用自転車にあって
は、ホーク脚の長さを夫々４０肌とし、肩部の幅を約１
０肌とすれば、合計で９０弧となる。即ち管材の長さ９
瓜枕で、管外径が２２．２−２３．４肋で、管肉厚が１
．４一１．８柵という標準サイズの管材を出発材料とす
る。但し、本発明はこのサイズのみに限定するものでは
ない。上述のサイズの管材１を本発明の第一工程におい
て、第２図に示す管材２とする。

この管材２は、その中央部より左右両端部２ｂ，２ｃに
向ってテーパ−状に縮小する。管村２の全長は９０伽で
あるから、その半分即ち４反秋の長さの１′２乃至３′
４に亘つて、テーパー状に管径を公知のロータリ式プー
パ−・スウェージング機械にかけて縮小する。一例をあ
げると、管材２の中央部の外径が２２．２−２３．４柳
から、管端が約半分の１２肋まで縮小する。

本発明においては、どの程度まで管径を縞４・させるか
は問題とするものではなく、テーパー状に縮小させれば
よいのである。次に第二工程として、管材２の両テーパ
一部分を除く長さの部分、即ち約２５−４＆机こ亘つて
、断面が第６図に示す楕円又は卵形状になるように、押
圧して変形するのであるが、この変形加工もスウェージ
ング機械によって行われる。

こうして得られた楕円のサイズの一例をあげれば、長径
が２８肋、短径が２仇岬となっている。但し卵形断面サ
イズは不明である。上述のように第２図に示す管材２は
、その両端部分２ｂ，２ｃが夫々テ−パー状円形断面（
第５図）と、中央部３ａが楕円断面（第６図）とを具え
ているものであるが、この第２図の側面図における管材
２は、第６図の断面形状の見える位置、即ち楕円の長径
を側面から見た図である。

上述の第一及び第二工程を実施する場合、管材の縦状溶
接継目ｌａが、管材のどの位置にあっても虫分ないので
あるが、しかし次の第三工程を行うに当って、継目ｌａ
は管材２を平面上に設置して上方から押圧加工を実施す
る時、継目ｌａが平面と接するように置く。

即ち継目ｌａの位置が、管材２の下方則ち底部を占める
ように置く。

管材２の溶接継目ｌａを下方に設置してから、第三工程
として、管村２の中央部分の長さ１２弧に亘つて変形加
工をほどこす。第三工程の変形加工によって得られる管
村３の断面は第７図に示してあるが、略言すると、凹状
楕円である。このように管村３の中央部分が凹んだ状態
を、第３図の側面図として図示してあるが、この第３図
について説明する。

換言すれば第２図の管材２の位鷹を約９０度回転して、
第３図の管材３を設置して、中央部３ａの長さ１２肌を
、スウェージング機械又はプレス機械にかけて、断面が
第７図に示すように変形加工を行う。中央部３ａにおい
て、その凹面が上方を向いているように加工する。第３
図に示す管材３は、両端部分がテーパー状円筒となって
居り、中央部分の断面が、楕円となっているものとする
。次に本発明の第四工程は、第４図で示す２本の脚２ｂ
，２ｃと、クラウン部分となる上部３ａとを具えた一体
型前ホーク素材４を製作するにある。

第７図の変形楕円断面が示すように、管材３の中央部３
ａの凹部を上方に向けている位置に、管材３を加工台の
上に設置し、その縦状溶接継目ｌａを凹部の下方位置を
占めるように留意し、中央部３ａの両端を、同一方向且
つ同一平面上に、夫々向き合う位置を占めるように、約
９０度折曲げる。この折曲げ方法は、一方の脚を始めに
折曲げて後、他方の脚を折曲げる２工程方式でもよいし
、または２本の脚を同時に一度で折曲げる１工程方式を
とるも任意とする。

而して新曲げ方法は公知の方法を用いる。次に第五工程
として油圧バルジ成形法を利用する。

第１２図は公知のアーチ形フレーム形式の油圧バルジ成
形機２１の概念図を示し「図において、アーチ２２の中
央より垂直方向に油圧で上下動するラム２３を吊下げ、
このラム２３は分割式金型１０の上型１８に固着し、そ
の下型１７は成形機２１のベッド２６に設置される。

ラム２３の両側には、油圧で水平状に互いに向き合う方
向に動くラム２４と２５とを設け、管材を内部にセット
して密閉した割型１０１こ対し、ラム２３，２４，２５
等によりベッド２６にしっかりと固定し、油圧により所
要の膨出成形を行うものである。

因みに第１２図において、左側のラム２４は第１３図の
油圧回路図におけるピストン３５と同じであり、且つ右
側のラム２５はピストン５ａと同じである。油圧バルジ
成形法の一例は特公昭５３−１２４６０号公報により提
起されている。

岡持許によれば、一本の管材を凹溝付割型内にセットし
、高圧作動油を管村の両端より導入し、管軸の一方に２
個（又は３個）の膨出突起部を膨出成形するが、本発明
において利用する油圧バルジ成形法の油圧回路は、第１
３図に示す回路となる。

即ち上記の特許公報の図面とは次の３点が異なる。１
管材４は同一方向に両脚２ｂ，２ｃを有する。

，２ 管材４に作動油を導
入する両脚の開口２つは同一方向にならんでいるので「
給油配管３２ｂのみを用い、その給油配管３２ｂの先端
は２つに分れて、両閉口から夫々給油されることになる
。

３ 従って給油配管３２ａは、シリンダー３０１こ設置
されているピストン３５のみを駆動する作動油を供給す
る。

第９図は第４図に示すように、成形した両脚付管材４を
凹溝付割型１０（第１０図）の凹溝付下型１７内に挿入
セットして、第五工程の油圧バルジ成形法を施こす主要
部を示すもので、第９図において、管村４をセットした
凹溝付下型１７の上に、同じく凹溝付上型１８を密着し
、この上型１８は垂直上下動ラム２３に固着しているの
で、バルジ成形機２１のベッド２６上に下型１７と共に
固定されている。

第１０図は下型１７と上型１８とから成る分割式金型、
即ち割型１０を示すものであり、割型１０は第１０図に
示すように、関口１０ａを具え、この関口１０ａの中へ
第１１図のマンドレル１９が挿入できる。

マンドレル１９は一端にフランジ２０を具え、他端１９
ａは凹陥部１９ａを有する。この凹陥部１９ａは第９図
の断面図に示す通り、管材４の上部３ａのほぼ中央部に
、バルジ成形法によって膨出するステム１３（第８図）
の受口１４ａと合致する。換言すれば、受口１４ａは雄
型で、マンドレル１９の凹陥部１９ａは雌型と云う相互
関係を保持する。

受口１４ａの高さは大体５〜１山肌の範囲にあり、実際
の操業に当ってその高さを定めることができる。第９図
に関して本発明のバルジ成形法について更に述べると、
管村４は両脚を具え、一方の脚の端部にある関口部から
、他方の脚にある開ロ部に至るまで中空であるから、空
気が充満している。

今、一方の脚の関口からバルジ成形用の作動油を、常圧
で図の矢印の方向に注入し、他方の脚の関口をゆるく閉
じ、管材４内に作動油が充満し、管材内の空気は外部へ
逃げる。第１３図は第１２図のベッド上に設置した割型
の下型の平面図であり「左右の位置は同じである。バル
ジ成形法における作動油の流れを第１３図について述べ
ると、給油ポンプ３３から供給される油は配管３２ｂを
通り、シリンダー３０ａの中にあるピストン３５ａ即ち
ラム２５の中の油通路を通り、２つに分れて、管材４の
両脚にある開□から管材内へと送りこまれる。

管材４の内部に作動油が充満すると、両脚閉口部はピス
トン３５ａにより密着密封され、高圧ポンプ３４により
管材４内の圧力が上昇する。この時、シリンダー３０内
のピストン３５則ちラム２４はマンドレル１９を押圧す
る。上記のバルジ特許の開示によると、管材４内の作動
油の圧力値は、９５０〜１２００ｋ９／地に達すると、
管材４の上部中央に、第９図において点線で示すステム
受口１４ａが、高圧油によって膨出成形される。割型１
０内にセットされた管材４は、割型１０に加えられる垂
直ラムの加圧力と一対の水平ラムが加える加圧力と、管
材内に働らく高圧作動油との綜合圧力により、マンドレ
ルの凹陥部へと膨出成形し、所要のステム受口が成形さ
れる。

ここにマンドレル１９の作用について述べると、第１１
図に示すように、フランジ２０を有する円筒状のもので
、フランジ２０のない一端は雌型の凹陥部１９ａを備え
ており、この凹陥部１９ａは第９図に示すように、ステ
ム受口１４ａとほぼ合致できるようになっている。

これによりステム受口１４ａはマンドレル凹陥部１９ａ
によって、所要の外形となるように調節される。高圧作
動油を利用する油圧バルジ成形方法並びにその機械及び
油圧回路については、上記の特許に開示されている通り
である。

本発明の方法によって製作された前ホーク材は禾成品で
あり、その完成品１２は第８図に示すものであるが、上
方からステム１３、このステム受○１４ａ、一体構造肩
部１４、両脚１５，１６、ホーク爪１５ａ，１６ａより
成る。

未成品より最終完成品を製作する各工程については省略
する。上述のように本発明は一体構造による均一規格完
成品を高能率且つコストで量産し、市場に供給できるメ
リットを有する。図面の岡単な説明 図面は本発明方法を示すもので、第１図は本発明の出発
材料の斜視図、第２〜４図は出発材料に夫々スウェージ
ング加工をほどこして成る成形素材の模式図、第５〜７
図は夫々の断面図、第８図は完成品の模式図、第９図は
管材をセットする分割金型の下型の平面図、第１０図は
分割金型の見取図、第１１図は金型にセントするマンド
レルの斜視図、第１２図は油圧バルジ成形機の説明図、
第１３図は管材をセットした下型に対し、油圧バルジ成
形を施こす油圧回路の説明図である。

１…管材、３ａ…管材の中央部、１２…完成品、１０・
・・割型、１７・・・同下型、１８・・・同上型、１９
…マンドレル、１４ａ…ステム受口、２１…油圧バルジ
成形機、２２・・・アーチ形フレーム、２３・・・垂直
上下動ラム、２４，２５・・・水平勤ラム、２６…ベッ
ド、３０，３…シリンダー、３５，３５ａ…ピストン、
３３・・・給油ポンプ、３４・・・増圧ポンプ。

第１図 第２図 第３図 第４図 第５図 第６図 第７図 第８図 第９図 第１０図 第１１図 第１２図 第１３図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 管軸に平行な縦状溶接継目を有し、所定長さの溶接
   鋼管の両端部分と、その中央部分を含む部分とに三分し
   、第一工程において、該鋼管の該両端部分が、テーパー
   状円筒体となるように加工し、第二工程において、該中
   央部分の円形断面を楕円断面となるように加工し、第三
   工程において、該中央部分の該楕円断面の上半部が凹状
   となるように加工し、第四工程において、該中央部分の
   該凹状楕円断面を上方に向けて、該中央部分のみを残し
   、該テーパー状両端部分を該上方向きとは正反対の向き
   に、同一方向且つ同一平面上にあるように、夫々約９０
   度に折曲げ、該テーパー状両脚を成形し、第五工程にお
   いて、該第一乃至第四工程により成形した該テーパー状
   両脚付管体を、上型下型とから成る割型内に挿入セツト
   し、該割型を油圧バルジ成形機のベツド上に水平状に設
   置し、該管体の両脚の開口より作動油を常圧で注入し、
   該管体内の空気を追出し、然る後に該作動油の圧力を９
   ５０〜１２００ｋｇ／ｃｍ＾２に増大し、該油圧バルジ
   成形機の垂直上下動ラム並びに一対の水平動ラムの加圧
   力を該割型に加え、一方の水平動ラムは凹陥部付マンド
   レルを押圧し、夫々の該ラムの加圧力により、該管材の
   中央部分にステム受口を膨出成形することを特徴とする
   自転車用一体型前ホーク材の油圧バルジ成形法。