JPS6015964Y2 - トロコイド系歯車減速装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はトロコイド系歯車減速装置、例えば曳１サイ
クロ減速機″（登録商標）の内歯歯車（外ピン）の支持
機構に関するものである。

この種の減速機の内歯歯車は外枠内周面に等間隔に円筒
状のピン（外ピン）を配設した構成を採している場合が
多いが、従来、このピンの支持は両端支持構造成は一部
を外枠内周面に突出させた埋設構造となっている。

このため、前者においてはピンに曲げ力が加わるためピ
ン径を大きくしたり、外枠にピン支持のための加工を施
す必要等があり、後者においてはピンが外枠に埋設され
ているため円滑に回転せず、ピン（外ピン）と外歯歯車
（曲線板）とがすべり接触することとなり動力損失を生
じたり撓付き事故を起す等の不具合を免れなかった。

この考案は上記に鑑みてなされたものであって、外枠内
周面に等間隔に配設した外ピンを外枠から自重等により
抜は出る程度に遊嵌すると共に、カバーの外枠側側面に
環状突起部を設け、外ピンが所定量（α）以上抜は出る
のを防止した構造とすることにより外枠内周面に外ピン
を遊嵌支持したものである。

以下、この考案を″サイクロ減速機″（登録商標）に実
施した実施例について説明する。

１は入力軸で一端に曲線板（外歯歯車）２．２’が偏心
体３及び軸受４，４′を介して装着されている。

５．５１・・・は外ピンで外枠６の内周面に等間隔に設
けた円弧状８７，７’・・・に回動自在に遊嵌されてい
る。

該外枠６は左右のカバー８，８′間に固着され、前記曲
線板２，２１を内装している。

９．９１は左右のカバー８，８１の外枠６側側面に突出
した環状突起部で、それぞれ前記外ピン５．５１の端部
下方まで延びており、外ピン５゜５１ との間に適当な
隙間αが設けられている。

１０は出力軸で前記入力軸１側に内ピン１１，１１１・
・・が等間隔に突設されており、該内ピン１１゜１１１
・・・は前記曲線板２，２１に等間隔に穿孔された内ピ
ン孔１２．１２” ・・・に嵌挿されている。

１３．１３” 、１４．１４’は軸受、１５，１５１は
オイルシールである。

この考案は以上の如き構成である。

次にその作用を説明する。

適宜の駆動装置例えば電動機（図示せず）より入力軸１
を回転させると偏心体３を介して装着された曲線板２，
２１ も回転する。

この時、曲線板２，２１は外ピン５，５１・・・と偏心
噛合しているため曲線板２，２１は揺動運動（自転しな
がら公転）するが、曲線板２，２１の歯数は外ピン５，
５１・・・の本数よりも１又は複数何歩なくなっている
ため曲線板２，２１は１−３／Ｐ（Ｐ：曲線板の歯数、
Ｓ：外ピンの本数）で減速回転する。

従って、出力軸１０は曲線板２，２１に嵌挿された内ピ
ン１１．１１’・・・を介して減速回転する。

以上は公知のトロコイド系歯車減速装置と同じ作用であ
るが、本考案においては外ピン５，５１・・・は外枠６
に遊嵌し、かつ両端部をカバー８，８１の突起部９，９
１て抜は止めした構成となっているため外ピン５，５１
・・・は該外ピン５，５１・・・と曲線板２，２１ と
の噛合時には曲線板２，２１は外枠６に押付けられ乍ら
円滑に回転すると共に、外ピン５，５１・・・と曲線板
２，２１ との非噛合時には外ピン５，５１・・・は自
重等により曲線板２．２１側に抜は出ようとするが、環
状突起部９．９１により突は止めされているため抜は出
ることはない。

以上述べた通り、この考案によれば外ビンが外枠に遊嵌
されており、該ピンと曲線板（外歯歯車）とは円滑に回
転噛合するため動力損失を少なくできると共に、外ピン
の保持は外枠に加工した円弧状の溝と環状突起部のみで
行なうので部品点数も少なく、加工も容易である等の効
果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す正断面図、第２図は
第１図の要部の詳細図、第３図は第２図Ｘ−Ｘ線に沿う
側断面図でａは噛合状態図、ｂは非噛合状態図である。 ５．５１・・・・・・外ピン、６・・・・・・外枠、７
，７１・・・・・・円弧状溝、８，８１・・・・・・カ
バー ９，９１・・・・・・環状突起部、α・・・・・
・隙間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外枠の内周面に等間隔に円弧状溝を設け、該溝に外ピン
   を遊嵌すると共に、外枠の両側に配設したカバーの外枠
   側側面に外ピンとの間に隙間αを持って環状突起部を形
   成したことを特徴とするトロコイド系歯車減速装置。