JPS6015224B2 - 風向変更装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は空気調和機（以下空調機とする）の吹出口の風
向変更装置に関し、複数枚の羽根によって周期的に風向
を変更する際、各々の羽根の変更の位相をずらせること
によって室内の快適性を向上させることを目的とする。

従来、空調機の吹出口からの空調空気が室内の居住者に
直接当ることを緩和するために設けられた吹出風向の周
期変更装置は上記羽根が単一のものが多く、又複数枚の
羽根を有していても、その変更の位が同一であったため
に次の様な欠点があった。すなわち、第７図に示す様な
室内において暖房時壁掛型の空調機１の吹出方向をＡ方
向からＢ方向迄周期的に変更させることによって、吹き
出された空調空気が上記室内の斜線部Ｃの範囲を周期的
に移動すれば、上記斜線部Ｃの床面付近の室温は、上記
空調機１が強風量で運転されているときは第８図イ線で
示す室内設定温度に対して口線の様に変化する。このわ
けは空調機１の吹出方向Ａ方向のとき上記吹出空気は室
内の斜線部Ｃに直接流れ込み床面付近の室温を上昇させ
ることによるものである。しかしこの場合には人体に風
が直接当ることによる不快感を程する。吹出方向がＢ方
向のときは上記吹出空気は室内の天井面付近を主として
暖めることになるので上記斜線部Ｃの床面付近の室温は
下降する。しかしこの場合は上記の様な風による不快感
を程することはない。この様に吹出方向に周期的に変更
することによって上記室温はある程度の変動を行なうわ
けであるが、空調機１を強風量で運転しているときは吹
出空気の吹出温度も低く、風量も大きいため上記吹出空
気の室内における到達距離は長く、上述した様に夙によ
る不快感は生ずる上記室温の変動はさほど大きくはない
。しかし空調機はその送風機による騒音等の面から通常
弱風量運転で使用される場合が多く、今、使用者が空調
機１を強風量運転から弱風量運転に変更したとすれば、
吹出風量が減少し、吹出温度も上昇するため上記到達距
離は短か〈なる。

その結果、上記室内の斜線部Ｃの床面付近の室温は第８
図ハ線の様に変化することになる。すなわち、弱風量運
転時空調機１の吹出方向がＡ方向のときは、上記斜線部
の床面付近には強風量運転時に比して高温の空調空気が
流れ込むため、斜線部Ｃの床面付近の室温は上昇し、第
８図ハ線で示す様な上限のピークとなる。しかしこの場
合には吹出風量が少ないため強運転時の様な風による不
快感は軽減されている。Ｂ方向のときは上記到達距離の
減少した高温の吹出空気は室内の天井面付近に停滞し、
天井からロスする割合は強風量運転時に比べて大きくな
るため、斜線部Ｃの床面付近の室温は下降して同ハ線で
示す様な下限のピークを記録する様になる。この様に、
従来例においては強風量運転時には風による不快感が、
叢風量運転時には室温の変動が大きくなることによる不
快感が生ずることになるものである。

本発明は吹出方向の周機的変更を行なう羽根を複数枚設
け、さらにそれら各々の変更の位相をズラせることによ
って上記従釆の欠点を解消するものである。

以下本発明の一実施例ついて第１図〜第４図に基づいて
説明する。第１図において１は壁掛型の空調機本体で、
その吹出口２には、複数枚の羽根３，４が直列に配列さ
れ、各羽根３，４を支持する回動軸５，６が各々駆動部
７，７′に連結されている。第２〜３図は駆動部７の詳
細を示したものであるが、駆動部７′の詳細部分も同様
である。８は駆動部７に内蔵されるステップモータを示
す。

図においてシャフト９，９′には一部に突起１１，１１
′を持つカム１０，１０′が固定されており、ステップ
モータ８の回転によって突起１１，１１′が回動する際
にマイクロスイッチ１２，１２′の接点１３，１３′（
図示せず）に接触し、ステップモータ７の回転方向を反
転させる。従って上記羽根３（羽根４も同様）が周期的
に回敷して吹出方向は第７図における室内のＡ方向から
Ｂ方向迄周期的に移動する。このとき、羽根３と４の水
平面に対する角度を９０度ずらせておけば、羽根３と４
が９０度の位相差をもって周期的に回動することになる
。尚、この実施例においては２ケのモータを使用してい
るが、勿論、単一のモータ及びカム等の機構を用いても
よい。本発明の効果について説明すると、暖房時空調機
１を強運転し上記羽根３，４の水平面との成す角度に位
相差なく、両羽根３，４が共にＡ方向を向いておれば、
第６図における室内平面ａ，ｂの床面付近の室温は第８
図における口線の上限のピークと同様に第４図では二線
の上限のピークで表わされる。

ところが上記羽根３，４の位相差が９０度であり、羽根
３がＡ方向を、羽根４がＢ方向を向いていれば、室内平
面の半分ａの床面付近の室温はホ線の上限のピークで表
わされる。なぜなら、吹き出される空調空気の温度は位
相差が無い場合に比して等しいが、Ａ方向に向う吹出空
気量は全体の約半分になって、主としてａの床面付近で
吹き出されたと考えることができるからである。さらに
両羽根３，４が各々回動して羽根３がＢ方向を、羽根４
がＡ方向を向いたときには上記ａの床面付近の室温は不
糠の下限のピークで表わされることになる。なぜならＡ
方向に向う吹出空気量は主としてｂの床面付近に吹き出
されたと考えることができるがａの床面付近にも拡散す
るためである。以上の場合には温度変化の振幅が減少す
る池床面付近への吹出空気量も相対的に減少したことに
なるので人体に直接風が当ることによる不快感も軽減さ
れる。同様に、ｂの床面付近の室温はホより９０度の位
相差をもってへの様に変化する。又「叢風量運転におい
ても、第５図に示す様に全体的な温度の振幅は強風量時
に比して大きいが、上記両羽根３，４の位相差がない場
合のト線で示す温度変化に比して位相差がある場合には
チ，１′の様に振幅がかなり減少した形で示される。従
ってａ，ｂを合成した室温はほとんど変動のない快適な
状態を提供する。以上説明した様に本発明の風向変更装
置は吹出方向に位相差をつけることによって周期的風向
変更時の室温の振幅を小さくすることができるばかりか
、吹き出した風が人体に直接当ることによる不快感をも
軽減する効果が得られるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の風向変更装置の一実施例を示す正面図
、第２図及び第３図はそれぞれ上記風向変更装置のモー
タ駆動部の正面図及び側面図、第４図及び第５図はそれ
ぞれ本発明の効果を示す時間と温度の関係特性図、第６
図は室内平面を半分づつ分割したことを示す平面図、第
７図は空調機より室への風向を示す略断面図、第８図は
従来例による時間と室温の関係特性図である。 １……空気調和機、２・…・・吹出口、３，４・・・・
・・羽根、５，６…・・・回動軸、７，７′駆動部、８
……ステツフ。 モータ。第１図 第２図 第３図 第４図 第５図 第６図 第７図 第８図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 吹出口と、この吹出口に水平面に対する角度に位相
   差を設けてなつた複数の方向に風向を指向させ、かつこ
   の送風流が互いに干渉するように直列に配設した複数枚
   の羽根と、前記羽根を支持する回動軸と、この回動軸を
   周期的に駆動する駆動部とからなる風向変更装置。 ２ 位相差を９０度にしたことを特徴とする特許請求の
   範囲第１項記載の風向変更装置。