JPS6015176Y2 - 渦電流式指示計器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は磁性体と誘導板を用いた渦電流式指示計器の改
良に関するものである。

従来の渦電流式の指示計器は例えば第１図に示す如く、
駆動される主軸３に永久磁石７及び誘磁板８を固定し、
また指針５を取付けた指針軸４には誘導カップ９を固定
したものであるが、かかる構造の渦電流式指示計器では
漏洩磁気が多いため、必要な発生トルクを得るためには
強力で高価な例えばアルコニ磁石を使用しなければなら
ないことから、コストが高くなり経済性が悪いものであ
った。

また上記渦電流式指示計器を小型化しようとすれば、指
示系の慣性モーメントの関係から針振れが発生し易くな
る欠点があった。

本考案はかかる欠点を解消するためになされたもので、
従来の性能を維持しながらも小型することができ、更に
大巾なコストダウンを可能ならしめた渦電流式指示計器
を提供するものである。

以下に本考案を第２図に示す実施例に基いて詳細に説明
する。

２は計器枠で、この計器枠２には軸受１４が固定され、
この軸受１４により支持される主軸３が計器枠２内に貫
通されており、この主軸３には断面−形状の誘導カップ
９が固定されている。

４は計器枠２貫通支持されている指針軸であって、この
指針軸４の計器枠２内側端部には磁性体１２が固定され
ている。

この磁性体１２は例えば成形容易であるプラスチックマ
グネットを素材として成形し、その周囲には前記誘導カ
ップ９の周縁部が遊嵌される環状溝１３が形成されてい
る。

この環状溝１３の周壁にはその周方向に多極に着磁され
た磁極の磁気回路が構成されていると共に、その環状溝
１３の外方周壁には温度補償用制磁板１５が添設されて
いるものである。

５は指針軸４の他端に固定された指針、１０はヘアース
プリング、１１は計器文字板である。

本実施例において、主軸３が回転すると誘導カップ９の
外周部に渦電流が発生腰この渦電流によって磁性体１２
には回転トルク発生する。

この磁性体の回転トルクと指針系のヘアースプリングの
トルクが釣合ったところで規定の指示をするものである
。

尚前記実施例における渦電流式指示計器は指針軸４と指
針５を備えた指示機構が備えられているが、これに限る
ものではなく例えば指針５に代えてディスクドラム等の
表示部材を用いて指示値を指示するものであってもよい
。

本考案の要旨とするところは磁性体１２であって、この
磁性体１２は適度の比重をもち、更に射出成形のため複
雑な形状に成形することが可能なプラスチックマグネッ
トを用いているために、その磁性体１２が小型にしても
指示系の慣性モーメントを従来と同様に得ることができ
る。

またその磁性体１２は射出成形により複雑な形状に形成
することができるために、磁気回路を最も効率よく働か
せることができ、そのため、磁性材も安価なフェライト
等をベースにした材料で充分な発生トルクが得られる効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の渦電流式指示計器を示した一部切欠正面
図、第２図は本考案よりなる渦電流式指示計器の実施例
を示した一部切欠正面図である。 ２・・・・・・計器枠、３・・・・・・主軸、４・・・
・・・指針軸（副軸）、５・・・・・・指針（指示部材
）、７・・・・・・永久磁石、８・・・・・・誘磁板、
９・・・・・・誘導カップ、１０・・・・・・ヘアース
プリング、１１・・・・・・文字板、１２・・・・・・
磁性体、１３・・・・・・環状溝、１４・・・・・・軸
受、１５・・・・・・温度補償用制磁板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 計器枠２に駆動源からの回転が伝達される主軸３、およ
   び指示部材５が装着される副軸４を前記両軸３，４の軸
   線が一直線上に位置するようにそれぞれ枢支し、前記副
   軸４に、外周に前記副軸４と同心円状の環状溝１３を有
   し、かつ粉末磁性材を結合してなる磁性体１２を固着し
   、前記主軸３に誘導カップ９の外周端部が前記環状溝１
   ３内に嵌入するように固着し、さらに前記計器枠２と副
   軸４との間に副軸４を取巻くヘアースプリング１０を設
   けてなる渦電流式指示計器