JPS60146629A - ワイヤカツト放電加工用電極線 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （技術分野〕 本発明は、ワイヤカット放電加工に用いられる電極線に
関するものである。

（背景技術〕 ワイヤカット放電加工（以下、単に放電加工と称す〕法
とは、被加工体と線状の加工電極（以下、電極線と称す
）との間に放・電を行なわせ、該電極線と被加工体とを
相対的に移動させて被加工体を所望の形状に切断加工す
るものであり、従来から実施されている方法である。

この放電加工法において、線状の電極線としては、通常
直径が０，０５〜０．２５ｍｍＪｌ’の長尺の線を準（
ｌｉｉｉ　Ｌ／、放電加工部分に順次新しい線を供捨し
て使用している。

従来、電極線として次のような線が使用されているが、
それぞれ次のような欠点がある。

黄銅線（例、６５％Ｃｕ−３５％Ｚｎ合金〕、硬銅線、
タングステン線は放電加工速度が小さい。

この対策として、亜鉛を被覆した黄銅線又は鋼線が使用
される。この場合、亜鉛は放電加工時の放電を安定化し
、放電加工速度が大で、仕上がり表面状態、寸法精度等
は良好であるが、表面の耐食性が悪く、長期保存後、特
に高温、高湿度下で保存後、使用した場合、腐食のため
、放電加工速度が小となり、被加工体の仕上がり表面状
態、寸法精度も悪くなるので、長期保存に耐えない欠点
があった。

（発明の開示） 本発明は、上述の欠点を解消するため成されたもので、
耐食性が良く、長期保存した場合でも、放電加工速度、
被加工体の仕上がり表面状態、寸法精度が低下せず、又
表面潤滑性に優れ、放電加工使用時の送りをスムーズに
行ない得るワイヤカット放電加工用電極線を提供せんと
するものである。

本発明は、金属又は合金より成る芯線と、その上に被覆
された亜鉛又は亜鉛合金より成る被覆層と、さらにその
上に施されたリン酸亜鉛皮膜とより成ることを特徴とす
るワイヤカット放電加工用電極線である。

以下、本発明を図面を用いて実施例により説明する。図
は本発明電極線の実施例を示す断面図である。図におい
て、１は金属又は合金（例、銅、又は合金等）より成る
芯線、２は亜鉛又は亜鉛合金エリ成る被覆層、３は最外
層に施されたリン酸亜鉛皮膜である。

本発明において、芯線は、例えば銅もしくはその合金、
その他の金属又は合金より成るものである。銅又は銅合
金の場合、純銅、Ｃｕ−Ｚｎ合金（例、６５％Ｃｕ−３
５％Ｚｎ合金等）、Ｃｕ−５ｎ合金等が用いられる。

又被覆層は、純亜鉛又はＺｎを５０％以上含有する合金
（例、Ｚｎ−１５％Ａ６．　’Ｚｎ−１０％Ｓｎ、Ｚｎ
−５％ｌ−１％Ｃｕ　−８％Ｓｎ合金等）より成ること
が好ましい。被覆層の全体に対する断面積比は５０％以
下が好ましく、これにより放電加工時の放電が安定化し
、加工速度が向上する。５０％を越えると強度が低下す
る。

又リン酸亜鉛皮＋ｙは、リン酸塩処理液により処理され
た皮膜であり、皮膜組成は主としてＺｎ３（ＰＯ４）２
−４Ｈ２０である。ここでＰ／Ｚｎ（原子数比）は０．
５〜１．０の範囲におさまるものが好ましく、密な結晶
を有し、耐食性に優れたものが得られる。

リン酸亜鉛皮膜を形成する方法としては、リン酸処理液
に浸漬するか、被処理材表面に上記液をスプレーする方
法が採られる。

処理液としては、通常用いられるリン酸塩処理液で、例
えば次のような組成のものが用いられる。

（実施例） 黄銅線（Ｃｕ６５％−Ｚｎ８５％合金）の周りに厚さ１
０μｍのＺｎを被覆し、直径０．２　ｍｒｎの従来の電
極線を作成した。

この線に処理液としてボンデライト３１１２（日本バー
力ライジング■、商品名）６０ｙ／βに浸漬し、リン酸
亜鉛処理して、最外層にリン酸亜鉛皮膜を形成し、本発
明による電極線を作成した。

得られた電極線について下記の条件で放電加工試験を行
なった。

その結果、本発明によるもっけ、従来品に比し加工速度
が平均５％速く、２０朋／分であった。

又同じ電極線について、９５％塩水噴霧試験を２４時間
および４８０時間行なった後、上述と同じ条件で放電加
工試験を行なった。

２４時間後では、加工量を同じにした場合、従来品では
〃１１１時間が平均１００分であったが、本発明による
ものでは平均８５分であり、優れた特性を示した。

４８０時間後では、従来品は頻繁に断線し、使用不可能
であったのに対し、本発明によるものは塩水噴霧試験前
とほとんど変らず、加工速度２０朋／分で加工すること
ができた。

従って本発明による電極線は耐食性に優れ、塩水噴霧４
８０時間後も放策加工特１９ミが劣化しないことが分っ
た。

（発明の効果） 上述のように構成された本発明の放電加工用電極線は次
のような効果がある。

（イ）金属又は合金より成る芯線と、その上に被覆され
た亜鉛又は亜鉛合金より成る被覆層と、さらにその上に
施されたリン酸亜鉛皮膜とより成るから、リン酸亜鉛皮
膜は電気の不良導体であるため、局部電池作用による錆
の伝播を防心する働らきがあるため、耐食性を向上させ
、長期間内部の亜鉛又は亜鉛合金被覆層が変化せず、放
電加工時の放電を安定化するので、長期保存後、特に高
温、高湿度の悪環境下での保存後でも、放電加工速度、
被加工体の仕上がり表面状態、寸法精度がほとんど変化
せず、優れた特性を保持する。

（ロ）火花放電によって加工片を切断する機械において
、電極は通常ワイヤカット加工片の間に火花放電をふ・
こす電気パルス発生器に接触された金属製ワイヤによっ
て構成されているガイド部材と駆動部材によって電極線
が迅速に縦方向にほどかれて、機械加工に送られるワイ
ヤの部分は常に新しくされ、必要な機械加工通路に従っ
て加工片を切断するようにゆっくり移動される。このよ
うな使用において、本発明における最外層のリン酸亜鉛
皮膜　”は潤滑性に優れるため、上述の機械加工による
ワイヤの送りをなめらかにでき、放電〃ロエ速度を速く
することができる。

【図面の簡単な説明】

図は本発明電極線の実施例を示す断面図である。 ｌ・・・芯線、２・被覆層、３・　リン酸亜鉛皮膜。 フ ２ ３

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 （１）金属又は合金より成る芯線と、その上に被覆され
   た亜鉛又は亜鉛合金より成る被覆層と、さらにその上に
   施されたリン酸亜鉛皮膜とより成ることを特徴とするワ
   イヤカット放電加工用電極線。 （２）リン酸亜鉛皮膜が、リン酸塩処理液に浸漬して作
   成されたものである特許請求の範囲第１項記載のワイヤ
   カット放置加工用電極線。 （８）リン酸亜鉛皮膜が、リン酸塩処理液をスプレーし
   て作成されたものである特許請求の範囲第１項記載のワ
   イヤカット放電加工用電極線。