JPS6013263Y2 - 電動機の固定子 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、主にエンジン始動用として使用される電動機
の固定子の改良構造に関する。

従来この種の電動機の固定子では、各ポールコアに巻か
れたフィールドコイルＦ□〜Ｆ、は第１図のように結線
されるのが一般であった。

しかしこの結線方式だと４極の場合、隣合うポールコア
間の全体で４箇所の空間のうち３つの空間には、隣合う
フィールドコイルを接続するための渡り線が存在するこ
ととなり、このため小型のものでは固定用のスルーボル
トを上記ポールコア間の空間を利用して挿通させること
が困難であった。

すなわち、固定用スルーボルトは最底２個必要で、少な
くとも１つは渡り線が存在する部分を通さなければなら
ず、その挿通が渡り線によりじゃまされていた。

特に巻線作業の自動化のために細い丸線を何本か束ねて
これを連続的にポールコアに順次巻きつけていくもので
は、隣合うフィールドコイル間の渡り線部を、コイル巻
きつけ後に成形してスルーボルトの挿通を可能にするよ
うなことも実際には不可能で、スルーボルトをヨーク内
部へ貫通させることが事実上不可能であった。

そこで、本考案は、フィールドコイルの結線方式を変更
することにより、隣合うポールコア間の空間のうち少な
くとも２箇所には渡り線が存在しないようになし、スル
ーボルトの挿通を可能にすることを目的としたものであ
る。

第２図に示すエンジン始働電動機の回路において、本考
案ではフィールドコイルＦ３．Ｆ２．Ｆ３゜Ｆ４をＦ□
とＦ２の組、およびＦ３とＦ４の組の２組に分け、各紙
白のコイルとおしを接続すると共に、一方の組をアーマ
チュアＡの一方のブラシＢに接続し、他方の組を同アー
マチュアＡの他方のブラシＢ′に接続している。

つまり両組のフィールドコイルをアーマチュアＡを介し
て接続している。

なお、第２図で、１はバッテリ、２はキースイッチ、３
，４はマグネットスイッチのプルインコイル、ホールデ
ィングコイルである。

上記各フィールドコイルＦ１〜Ｆ４は、第３図の如く、
円筒状ヨーク１０の内周に固定された各々のポールコア
１１に巻かれるが、上記結線方式では第１のフィールド
コイルＦ１が巻かれたポールコア１１と、第３のフィー
ルドコイルＦ３が巻かれたポールコア１１との隣り合う
コア間には、渡り線部はなくなる。

また第２のコイルＦ２が巻かれたコアと第４のコイルＦ
、が巻かれたコアとの間にも渡り線はなくなる。

しかして、これらの渡り線がないポールコア間にスルー
ボルト１３を通すことにより、スルーボルト１３が渡り
線により邪魔されるとなく、その挿通が可能となる。

以上のように本考案によれば、ヨーク内にスルーボルト
を通すことが容易に可能で、電動機の小型化が可能であ
る。

なお、本考案において組をなすフィールドコイルはこれ
らを連続した線で形成しても良いし、各コイルを巻いた
後渡り線により接続しても良い。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の電動機の結線を示す図、第２図は本考案
になる電動機の結線を示す図、第３図は第２図の結線に
よる固定子の模式図である。 １０・・・・・・ヨーク、１１・・・ポールコア、１３
・・・・・・スルーボルト、Ｆ□〜Ｆ、・・・・・・フ
ィールドコイル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円筒状のヨークと、このヨークの内周に設けられた複数
   のポールコアと、この各ポールコアに巻装されたフィー
   ルドコイルとを有し、隣り合うポールコア間に形成され
   る空間のうちいずれかに固定用のスルーボルトが挿通さ
   れる電動機の固定子において、前記複数のポールコアの
   うちの一部の隣合うポールコアに巻かれたフィールドコ
   イルを互いに接続もしくは連続した線から構威し、残り
   のポールコアに巻かれたフィールドコイルを同様に接続
   もしくは連続した線から構威し、これら両組のフィール
   ドコイルを固定子内に配置されるアーマチュアを介して
   接続するようになし、前記一方の組のフィールドコイル
   が巻かれたポールコアと他方の組のフィールドコイルが
   巻かれたポールコアとの間の空間に、上記スルーボルト
   を挿通ずるようになしたことを特徴とする電動機の固定
   子。