JPS6012435Y2 - キャビネット支持具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はキャビネット支持具に関する。

更に詳しくは家具、事務室用大型備品として用いられる
キャビネット（飾り棚、陳列用戸棚、吊戸棚等）を壁に
懸架するキャビネット支持具であって、懸架する際、水
平状態で取り付けるための微調整ができるキャビネット
支持具に関するものである。

キャビネット、特に吊戸棚は部屋の壁に取り付ける場合
、例えば第７図の背面斜視図で示すように長孔１０２を
あけた壁かけ用フック２５，２５ａをキャビネット１０
１の背面の左右に固定し、壁２６に釘１０３．１０３ａ
を打ち、上記長孔２５．２５ａをこれに引っ掛けてキャ
ビネット１０１を懸架するようにしてなるものである。

しかし、従来このような構造のものは、フック２５゜２
５ａのキャビネット１０１での固定高さや、壁側の釘１
０３，１０３ａを打ち込んだ高さ位置等のちょっとした
狂いにより、壁２６に懸架したキャビネット１０１を正
面から眺めたとき、傾いていてみばえのよくない取り付
は方となることは時々経験するところである。

そこで、これを水平状態の取り付けに修正するには釘１
０３，１０３ａを打ち直したり、フック２５．２５ａの
固定高さを変えたりしなければならず、甚だ厄介で手間
を要するものである。

本考案はこのような不都合を解決した部材で、内部に垂
直摺動する中子を内蔵した中空六面体の構造及びこれに
付属する螺子からなっていて、キャビネットをフックを
介して壁に懸架する際に、水平状態で取り付けるための
微調整ができる機能を持ったキャビネット支持具である
。

以下、本考案の一実施態様例を添附図面に基いて説明す
る。

第１図〜第２図は本考案のキャビネット支持具の主要部
分となる中空六面体でキャビネット背面右側上隅部に取
り付けられるものを示す。

中空六面体は例えば硬質プラスチック、金属、又は硬質
木材など強度のある材料からなっており、正面１即ちキ
ャビネットの後方からみた面とこれに相対する曲面形状
をなす背面２即ちキャビネットの内部に臨む面にはガイ
ド穴３が相対する位置に穿たれており、これには螺子４
が挿入され、中空六面体内に内蔵される後記中子５を経
て貫通するようになされている。

正面１の上縁及び側縁には、後記のキャビネット上板２
１及び側板２３に設けられる溝部２２．２３’にはめ込
まれるフランヂ部６及び６′が正面１と同一平面上に設
けられる。

この両フランジ共上記上板、側板にはめ込まれた際の補
強の目的で、図示するよう複数個のリブ７を設けてもよ
い。

一方、正面１の下縁及びキャビネット側板側とは反対側
の側縁にはフランジ８及び９が正面１の面よりはキャビ
ネット背面板の厚みだけ低い面として設けられ、キャビ
ネット背面板の内側に密着させるようになされている。

又、前記側板２３に接する一側面１０には側板２３に螺
着されるセットピン１１が中空六面体と一体に備えられ
ている。

次に、本考案の中空六面体をなすキャビネット支持具は
その底面１２に穴１３が穿たれ、これには後記の中子５
の垂直摺動を行なわせるための螺子１８が挿入されるよ
うになされている。

更に、内部の空胴部分には隔壁１４及び１４′が上板２
１に対して垂直方向に設けられ、これら隔壁と正面１と
一側面１５によって囲まれる空間部に、上板２１に対し
て垂直方向に摺動自在なサイコロ型の中子５が内蔵され
ており、これには前記隔壁１４に縦方向、即ち、中子５
の垂直摺動と同一方向に設けられる凸条１６と嵌合する
凹溝１７が刻設されると共に、底面１２の穴１３から挿
入される螺子１８に螺合する上板２１に対して垂直な螺
設孔１９と、正面１及び背面２に相対して設けられてい
るガイド穴３，３′を貫通する螺子４に螺合する底面１
２に対し水平な螺設孔２０とが立体的に直交して穿設さ
れている。

尚、後記のように壁側のフックを引っ掛けるので前記の
うち螺子４は、その頭部の径は大きく、且つ全体として
頑丈な金属材質のものが望ましい。

以上のような構造とすることによって、底面１２の穴１
３から挿入される螺子１８と螺設孔１９の螺合によって
のみ、中子５は上下垂直に摺動可能となり、所定の位置
に調整されたならば正面１及び背面２のガイド穴３，３
′を貫通し、中子５の螺設孔２０と螺合して、中子と共
に上下に移動していた螺子４をキャビネットの内側から
緊締することによって中子５は螺子４の軸方向の力によ
って強固に固定される。

以上の説明はキャビネット背面右側上隅部に取付けられ
るものについて述べたが、キャビネット背面左側上隅部
に取付けられるものは、上記と対称の構造即ち、セット
ピン及びフランヂ部が逆の位置に設けであるだけでその
他の部分は上記と同一の構造である。

次に本考案のキャビネット支持具の取り付は及び使用態
様について説明する。

第３図及び第４図において、２１はキャビネット上板で
、２３はこれと垂直方向に設けられる一つの側板、２４
は背面パネルである。

先ず、本考案になるキャビネット支持具の主体となる中
空六面体をキャビネット背面近くに、その正面１がキャ
ビネットの後方を向くようにし、前記セットピン１１を
螺着させるべき螺合孔を側板２３の内側にあけ螺着させ
る。

この際、側板２３には背面パネル２４の側縁が嵌入する
凹溝２３′が設けられていて、正面１のフランヂ部６′
がこの凹溝の上方部にはめこまれ、これに固定される。

次に、キャビネットの背面に右側上隅部に正面１の前記
フランヂ部８及び９を除いた大きさ、形状と同一の切り
とり部の設けられている背面パネル２４が、前記側板２
３に設けられた溝２３′に直角にはめこまれ、これによ
り正面１が現われるようにされる。

次に、背面パネル２４の上縁が嵌入するようにした凹溝
２２を有する上板２１が前記側板２３と直角に接して取
付けられ、このとき正面１のフランヂ部もこの凹溝２２
の一部にはめこまれ、かくして、本考案のキャビネット
支持具は、正面１のフランヂ部６，６′によりキャビネ
ットの上板２１、側板２３と、又側面１０のセットピン
１１により側板２３とそれぞれ固定される。

このようにして、左右対称のキャビネット支持具が、キ
ャビネット背面の左右側上隅部に２個取付けられる。

第５図はキャビネットの一例として観音開きのとびらを
設けた吊戸棚を、本考案のキャビネット支持具を用いて
壁に懸架したときの部分破断全体正面図、第６図は同じ
く側面図を示す。

これらの図に基いて、本考案のキャビネット支持具の使
用状態を説明する。

先ず、吊戸棚１０１の正面とびら２７を開き、背面パネ
ル２４の内面左右側上部に本考案のキャビネット支持具
Ａ、 Ｂを前記の要領で取り付ける。

あらかじめ、壁２６に互いに略々同一高さに固定しであ
るフック２５，２５ａに第６図のごとくキャビネット支
持具Ａ及びＢのそれぞれの螺子４の頭を引っ掛けて吊戸
棚１０１本体を壁２６に懸架する。

次に吊戸棚１０１の上板２１上に、例えば水準器をのせ
、吊戸棚１０１が水平状態に懸架されているか否かをチ
ェックする。

このとき仮に、傾いていて向かって右側が低いとすれば
、先ず螺子４をゆるめ、その頭とキャビネット支持具の
正面１との間でのフック２５の緊締を解く。

その後キャビネット支持具Ａの図示しない中子５と係合
する螺子１８のみを回して、微調整することにより、キ
ャビネット支持具Ａの本体を上方へ押し上げる。

言い換えれば、キャビネット１０１の右側を上方へ押し
上げる。

このとき、キャビネット１０１の重量の半分は螺子４を
介してフック２５の先端で支えられている。

しかし一旦水準器でチェックの結果水平状態が得られた
ならば、螺子４を締め付けて、その頭とキャビネット支
持具Ａの正面１とでフック２５を緊締するために螺子４
の軸方向に作用する力によってキャビネット１０１は強
固に支えられる。

反対に、キャビネット１の右側が高くて傾斜した取り付
けとなった場合は、上記の要領で、螺子４を緩めた後は
、螺子１８のみの微調整により、キャビネット支持具Ａ
の本体を下方へ押し下げる。

又、上記と同様キャビネット１０１の左側が、低いか、
或いは高く、そのため水平状態の取り付けとなっていな
いときは同様に左側に設けたキャビネット支持具Ｂを上
下に押し上げ、押し下げる微調整操作を螺子１８を回す
ことによって行なえばよい。

以上のべたとおり、本考案のキャビネット支持具は上下
自由に摺動する中子を内蔵する堅牢な中空六面体からな
り、該中子には、立体的に直交する２個の螺設孔が設け
られていて、これに付属する螺子により中子を摺動、或
いは固定するような構造としたので、壁に、水平状態で
見ばえよくキャビネットを懸架しようとする際に、簡単
な操作により、微調整が可能であり、従来のように厄介
な手間を要することなく、取り付けができるという利点
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は一部断面を表わした本考案のキャビネット支持
具を示す図でＡは正面図、Ｂは背面図、Ｃは平面図、Ｄ
は底面図、Ｅは左側面図、Ｆは右側面図、第２図は中子
をとりだした全体斜視で、第３図、第４図、第５図、及
び第６図は使用状態を示す図、第７図はキャビネットを
壁に懸架する場合の従来の方法を示す斜視図である。 １・・・・・・正面、３，３′・・・・・・ガイド穴、
４・・・・・・螺子、５・・・・・・中子、６，６’・
・・・・・フランヂ部、８゜９・・・・・・フランヂ部
、１１・・・・・・セットピン、１３・・・・・・穴、
１６・・・・・・凸条、１７・・・・・・凹溝、１８：
・・・・・螺子、１９・・・・・・螺設孔、２０・・・
・・・螺設孔、２１・・・・・・上板、２３・・・・・
・側板、２４・・・・・・背面パネル、２５ｔ２５ａ・
・・・・・フック、２６・・・・・・壁。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 上面に対して垂直方向に摺動自在な中子を内蔵する
   と共に、−側面には相接する側板に螺着されるセットピ
   ンを一体に備え、底面には中子：を垂直に摺動させるた
   めの螺子を挿入する穴を：有し、又正面と背面には中子
   を固定させるため１の螺子を貫通するガイド穴を相対し
   て有する中空六面体及びこれに付属する螺子からなり、
   前記中子には底面の穴から挿入される螺子に螺合する螺
   設孔と正面及び背面のガイド穴を貫通する螺子に螺合す
   る螺設孔とが立体的に直交して穿設されてなるキャビネ
   ット支持具。 ２ 中空六面体が硬質プラスチックよりなる実用新案登
   録請求の範囲第１項記載のキャビネット支持具。 ３１中空六面体の背面が曲面をなす実用新案登録請求の
   範囲第１項記載のキャビネット支持具。 ４：中空六面体の正面周縁に補強フランチを設けてなる
   実用新案登録請求の範囲第１項記載のキャビネット支持
   具。 ５：中空六面体に内蔵される中子が、該中空六面体内の
   隔壁に設けられる凸条と摺動自在に嵌合する凹溝を有す
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載のキャビネット支
   持具。