JPS6012132Y2 - 複写機の定着装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、一対のローラ間に複写紙を通過させて定着す
るようにした複写機の定着装置に関し、特に前記ローラ
の外周面にオフセットを防止するためのシリコンオイル
などのオフセット防止剤を塗布するようにした定着装置
に関する。

第１図を参照して先行技術を説明する。

熱ローラ１および圧ローラ２を備える熱定着装置３にお
いて、熱ローラ１にはたとえばフェルトから成る供給部
材４によってオイルパン５から吸い上げられたシリコン
オイルが供給されており、このシリコンオイルの熱ロー
ラ１への塗布量はブレード部材６によって規制されてい
る。

ところがこの先行技術では、オイルパン５の熱ローラ１
に臨む側壁５ａには供給部材４を押え板７とによって支
持するための支持部８が熱ローラ１に向けて斜め上方に
延設されている。

そのため、供給部材４からにじみ出たシリコンオイルが
支持部８の外周を伝って落下し、オイルパン５の下方が
汚れることがあり、著しい場合には定着後の複写紙が汚
れることがある。

本考案は上述の技術的課題を解決し、オフセット防止剤
の落下を阻止した定着装置を提供することを目的とする
。

以下、図面によって本考案の実施例を説明する。

第２図は本考案の一実施例の斜視図である。この定着装
置は熱定着装置であって、相互に平行な上下一対の熱ロ
ーラ１１および圧ローラ１２を備える。

上方の熱ローラ１１は図示しない駆動力伝達手段を介し
て矢符１３の方向に回転駆動され、下方の圧ローラ１２
は熱ローラ１１に従動して回転する。

熱ローラ１１内には加熱用ヒータ１４が同心に挿通され
ており、その加熱用ヒータ１４は図示しない接続端子を
介して電源に接続される。

転写工程後の複写紙１５は、矢符１６で示すように搬送
されて来て、前記両ローラ１１，１２間を通過すること
によって熱定着される。

複写紙の搬送方向１６に沿って、前記両ローラ１１，１
２よりも下手側には、シリコンオイルなどのオフセット
防止剤を貯留したオイルパン１７が配置されており、こ
のオイルパン１７から供給部材１８によって吸い上げら
れたオフセット防止剤が熱ローラ１１の外周面に塗布さ
れる。

このオフセット防止剤の熱ローラ１１への塗布量は、熱
ローラ１１の回転方向１３に沿って供給部材１８よりも
下流側に配置されたブレード部材１９によって規制され
る。

第３図は第２図の切断面線■−■から見た断面図であり
、第４図は第２図の平面図である。

上部が開放したオイルパン１７は、熱ローラ１１のほぼ
全長に沿って平行に配置され、その両端部１７ａ、１７
ｂは、定着装置の図示しない側板にそれぞれ固定される
。

この支持部材２０は、オイルパン１７の底部に固定され
る水平部２１と、水平部２１から上方に延びる立上り部
２２と、立上り部２２の上端部から屈曲して熱ローラ１
１に向けて斜め上方に延びる傾斜部２３とから威る。

傾斜部２３の下面とオイルパン１７の熱ローラ１１に臨
む側壁１７ｃの上端部との間には、間隙２４が形成され
、側壁１７ｃの内面と立上り部２２との間には間隙２５
が形成される。

この支持部材２０は、剛性を有する材料たとえば鉄板や
合成樹脂板によって形成される。

供給部材１８は第６図示のような形状を有し、耐熱性お
よび含浸性を有する材料たとえばフェルトから成る。

この供給部材１８は、基本的にはシート部４０と、延在
部４３と、この延在部４３とシート部４０との境界付近
の折り曲げ部２８とを含む。

シート部４０は、熱ローラ１１の軸線に沿って定着すべ
き複写紙１５の全幅にわたって支持部材２０上に載置さ
れ、そのシート部４０の下端部４１はオイルパン１７内
に延びてオフセット防止剤２６中に浸漬される。

シート部４０の上端部４２は傾斜部２３から突出して、
熱ローラ１１の外周面に摺接する。

延在部４３は熱ローラ１１の軸線方向両端部付近におい
て、その軸線方向に直角方向に延在している。

延在部４３のシート部４０との境界付近における折り曲
げ部２８では、延在部４３は熱ローラ１１から離れる側
、即ち熱ローラ１１よりもシート部４０に関して反対側
（上方）に折り曲げられる。

供給部材１８はオフセット防止剤２６を毛管現象によっ
て吸い上げて、熱ローラ１１の外周面に供給する。

シート部４０の上部には、支持部材２０の立上り部２２
および傾斜部２３に対応して屈曲した押え板２７が載置
される。

この押え板２７は熱ローラ１１の軸線に沿って前記支持
部材２０よりも長く延設されており、その長手方向両端
部２７ａ、２７ｂはシート部４０の端部よりも熱ローラ
１１の軸線方向外方に突出される。

押え板２７の両端部２７ａ、２７ｂの上面は折り曲げ部
２８で折り曲げられた延在部４３によてそれぞれ覆われ
る。

延在部４３および押え板２７の上面に沿って屈曲し、熱
ローラ１１の軸線に沿って相互に近接する方向に延びる
一対の当て板２９が、相互間に開口部３０を形成して設
けられる。

これらの当て板２９は複数のねじ部材３１によって押え
板２７上に固定される。

しかもねじ部材３１は押え板２７、シート部４０を貫通
して支持部材２０に螺着されており、それによってシー
ト部４０が支持部材２０および押え板２７間に挟持され
る。

また押え板２７には、ねじ部材３１が貫通する長孔３２
が形成されており、したがって押え板２７の位置を熱ロ
ーラ１１に近接あるいは離反自在に調節することができ
る。

押え板２７は、シート部４０の上端部４０が熱ローラ１
１の外周面に当接するように、前記ねじ部材３１によっ
て固定される。

なお押え板２７は、シート部４０の熱ローラ１１へのの
摺接を可能とするべく、わずかに撓むことを許容する材
料たとえば黄銅板などから戊る。

ブレード部材１９は、たとえばゴムから戒り、熱ローラ
１１の回転方向１３に沿って供給部材１８よりも下流側
で熱ローラ１１に摺接するとともに折り曲げ部２８に当
接する。

しかもブレード部材１９の熱ローラ１１との摺接位置は
熱ローラ１１の軸線を含む鉛直面よりも回転方向１３に
沿う上流側に位置される。

ブレード部材１９は支持板３３の道端部に固定されてお
り、支持板３３は定着装置の図示しない側板に支持され
たステー３４に固定される。

シート部４０と、延在部４３とはシート部４０の上端部
４２から下方に傾斜して固定される。

ブレード部材１９およびシート部４０間における熱ロー
ラ１１の外周面上には、熱ローラ１１の軸線に沿う両端
を折り曲げ部２８によって規制されて、オフセット防止
剤の貯留部３５が形成される。

したがって供給部材１８から熱ローラ１１の外周面に供
給されるとともにブレード部材１９によって規制されて
余ったオフセット防止剤は貯留部３５に貯留される。

なお、当て板２９の前記貯留部３５寄りの側部には、相
互に近接するにつれて下方に傾斜した傾斜案内部３６が
それぞれ形成されている。

そのため貯留部３５からあふれたオフセット防止剤は、
押え板２７上を傾斜案内部３６に沿って流下し、開口部
３０を経てオイルパン１７内に戻される。

このような定着装置によれば、供給部材１８のシート部
４０の下面は支持部材２０によって支持されており、し
かも支持部材２０はオイルパン１７の側壁１７ｃの上方
に間隙２４を形成してオイルパン１７内に延設されてい
る。

そのため供給部材・２０を伝ってオイルパン１７内に案
内される。

したがってオフセット防止剤がオイルパン１７の下方に
落下することはない。

本考案の他の実施例として、第５図で示すような支持部
材３７で供給部材１８の下面を支持してもよい。

すなわち、この実施例では支持部材３７はオイルパン１
７の側壁１７ｃの上方でオイルパン１７の上方位置まで
延設される。

このようにしても供給部材１８からにじみ出たオフセッ
ト防止剤をオイルパン１７内に確実に導くことができる
。

なお、この実施例では支持部材３７がオイルパン１７あ
るいは定着装置の図示しない側板で支持される。

以上のように本考案によれば、供給部材の一方のローラ
の軸線方向両端部付近において延在部がローラの軸線の
直角方向に延びているので、この延在部によってオイル
パン内のオフセット防止剤の毛管現象による吸い上げ力
が増大される。

したがって一方のローラの全長にわたってオフセット防
止剤を充分な量を塗布することが可能になる。

また、シート部の上端部が一方のローラ外周面に接触し
て、その供給部材から一方のローラ外周面上ににじみ出
たオフセット防止剤は、折り曲げ部および延在部によっ
て吸引される。

したがって前記一方のローラの両端部からオフセット防
止剤が滴下することが避けられ、もう１つのローラおよ
び定着装置付近が滴下したオフセット防止剤により汚損
することが防がれる。

さらにまた、シート部と、延在部とは、シート部の一方
のローラと接触する接触位置から下方に傾斜しているの
で、余分なオフセット防止剤は供給部材からオイルパン
内に戻り、不所望に周囲を汚損することはない。

【図面の簡単な説明】

第１図は先行技術を示す断面図、第２図は本考案の一実
施例の斜視図、第３図は第２図の切断面線■−■から見
た断面図、第４図は第３図の平面図、第５図は本考案の
他の実施例の断面図、第６図は供給部材１８の平面図で
ある。 １１・・・・・・熱ローラ、１２・・・・・・圧ローラ
、１７・・・・・・オイルパン、１７ｃ・・・・・・側
壁、１８・曲・供給部材、２０，３７・・・・・・支持
部材。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１） 一対のａ−ラ間に複写機を通過させるととも
   にいずれか一方のローラの外周面に摺接する供給部材を
   オイルパン内のオフセット防止剤中に浸漬し、前記供給
   部材から前記外周面にオフセット防止剤を供給するよう
   にした複写機の定着装置において、 前記供給部材は、下端部がオイルパンのオフセット防止
   剤に浸漬されており、上端部が前記一方のローラの外周
   面に摺接するシート部と、シート部のローラの軸線方向
   両端部において、前記ローラの軸線方向とは直角方向に
   延びる延在部とを含み、 この延在部はシート部との境界付近における折り曲げ部
   で折り返し、 シート部と延在部とはシート部の前記一方のローラとの
   接触位置から下方に傾斜していることを特徴とする複写
   機の定着装置。
2. （２）ローラど供給部材との接触位置の近傍にローラの
   周面に接触するブレードを設けたことを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の複写機の定着装置。