JPS6011771Y2 - 刈刃のわら屑巻付き防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はバインダ等において穀稈を刈取る回転型刈刃の
軸芯部にわら屑等が巻付くのを防止する装置に関するも
のである。

バインダやコンバインは圃場の殻稈を刈取る刈取装置を
備えており、この刈取装置は、圃場の殻稈を掻き分ける
分草体と、その後方にあって倒伏した殻稈を起立させる
引起し装置と、引起された殻稈の根元部を刈取る刈刃等
によって構成されている。

そして、従来における刈刃は、並列する多数の三角刃を
備えた上下一対の固定刃と移動刃とからなり、移動刃を
固定刃に摺接させて往復動させるバリカン状のものであ
ったが、刈刃本体ならびにその駆動装置の構造が複雑で
あるばかりでなく、固定刃と移動刃との間に泥やわら屑
などが詰って機能を害することが多かった。

そこで、これらの欠点を除去するために、円板の外周部
に数個の刃体を配設し、円板を回転させることにより刃
体とその周回軌跡上に設けた受刃との間で殻稈を刈取る
ようにした回転型の刈刃の開発が進められている。

そして、この種の回転型刈刃は回転体であるために、刈
取りに際してわら屑等が円板の軸芯部に巻付いて回転を
低下させたり、負荷を増大させたりする虞があるので、
これらの巻付きを防止する必要があり、このためにはわ
ら屑等が軸芯部に侵入するのを完全に遮断しなければな
らない。

本考案は以上のような点に鑑みなされたもので、刃体を
取付けた回転円板上にそのボスを囲繞するごとき巻付き
防止管を回転自在に支承させ、かつ巻付き防止管と刈取
られて結束通路へ向う殻稈の通路とをカバーで遮断する
ことによりわら屑等が回転円板の軸芯部に巻付くのを防
止して刈取機能の向上を計った刈刃のわら層巻付き防止
装置を提供するものである。

以下、その構成等を図に示す実施例により詳細に説明す
る。

第１図ないし第３図は本考案に係るわら層巻付き防止装
置をバインダの刈取装置に実施した例を示し、第１図は
これを実施したバインダの刈刃近傍を示す平面図、第２
図はおなじく刈刃の平面図、第３図は第２図のＡＡ断面
図である。

これらの図において、機台の前部には、第１図にその要
部を示す刈取装置１が配設されている。

この刈取装置１の引起し装置２は、上端部を後方へ傾倒
させて立設されたチェーンケース３と、その内部に張架
された引起しチェーン（図示せず）を備えており、引起
しチェーンには、複数個のラグ４が−定間隔で配設され
ている。

そして圃場の殻稈５は、引起しチェーンとともに走行す
るラグ４によって垂直状態に引起されながら図に矢印Ｂ
で示す方向に搬送される。

一方、殻稈５の搬送径路の両側に地面に対接して設けら
れた一対のそり（図示せず）のうち、殻稈搬送方向Ｂに
向って左側のそり上には、結束装置の駆動部を収納した
チェーンケース６が配設されており、このチェーンケー
ス６に植設されたボルト７の上端部には、ガイド支板８
が殻稈５の根元部刈取高さに水平状に取付けられている
。

さらに、このガイド支板８には、搬送される殻稈５の根
元部を案内する殻稈ガイド９がその基端を固定され、殻
稈５の搬送径路に沿って延設されている。

そして、殻稈５の搬送径路終端のやや斜め後方には、図
示しない駆動装置によって駆動されて図に矢印Ｃで示す
方向へ回転する刈刃軸１０が上方から懸垂されており、
この刈刃軸１０には、スターホイル１１と第２図および
第３図に詳細を示す刈刃１２とが、スターホイル１１を
上にして上下に配設されている。

このうちの、スターホイル１１は放射方向へ突出する３
個の掻込み片を備えており、刈取前後の殻稈５の穂先部
と根元部との中間部を刈取位置および結束通路方向へ掻
込むように構成されている。

そして、刈刃１２は、前記ガイド支板８とほぼ同一水平
面上に位置して刈刃軸１０の下端部に螺着された円板１
３とその周縁部に一定間隔で配設された８個の刃体１４
とによって構成されている。

このうちの円板１３の軸芯部には、上方へ向って円形状
に膨出されたボス１５が形成されており、このボス１５
の基部には環状の凹溝１６が形成されている。

また、刃体１４は、正三角形状に形成されており、その
３辺には、それぞれ端縁へ向って尖鋭となる刃部１４ａ
が形成されていて、その端縁には表面からの鍛造によっ
て形成された鋸刃１４ｂが設けられている。

また刃体１４の円板１３へ装着するための３個の取付は
孔は、三角形の頂点位置に穿設されているので、このう
ちのいずれか２個を選択して取付けることにより、３個
の鋸刃１４ｂを摩耗に応じて順次に振替えて使用するこ
とができる。

また、刃体１４は、その２辺を円板１３の周面から放射
方向へ突出させて取付けられており、回転方向に対して
先行する側の突出辺が他方の突出辺よりも長く突出する
ごとくその取付は角度が設定されている。

このように形成された刈刃１２の凹溝１６には、円筒状
に形成された巻付き防止管１７がボス１５を囲繞するご
とく係入されて回動自在に支承されており、無負荷時に
は刈刃１２とともに回転し、負荷がかかったときには停
止するごとく構成されている。

また、刈刃１２とスターホイル１１との間の殻稈搬送径
路側には円板１３と同心半円弧状に形成されて巻付き防
止管１７と刈取られて結束通路へ向う殻稈の通路との間
を遮断するカバー１８が後方の機体側から突設されたア
ーム１９によって支持されて設けられている。

そして、前記ガイド支板８の刈刃１２に対向する端縁は
、円板１３と同心円弧状に形成されており、この端縁と
刃体１４の先端周回軌跡との間には、わずかな間隙が設
けられている。

また、ガイド支板８には、はぼ三角形状に形成された受
刃２０が、裏面を刃体１４の表面と摺接させるごとく取
付けられており、その−側端縁は、円板１３と同心円弧
状に形成されて円板１３の周縁に近接して位置されてい
る。

以上のごとく構成された刈取装置１の動作を説明する。

機台の進行とともに搬送径路へ導かれた殻稈５は、引起
し装置２によって穂先部を引起されながら根元部を殻稈
ガイド９に沿わせて搬送される。

搬送された殻稈５は、の搬送終端部において殻稈ガイド
９から解放されるとともに、穂先部が刈刃軸１０上方に
位置するように傾斜した殻稈５は、根元部とその上方の
茎稈部とを回転する刃体１４とスターホイル１１とでそ
れぞれ刈取り位置へ導かれ、根元部を刃体１４と受刃２
０とで切断される。

この場合、刃体１４と受刃２０とが互に摺接してＶ字状
に形成されていて、このＶ字形が刃体１４の周回で狭め
られることによって殻稈は良好な切れ味をもって切断さ
れる。

そして、刈刃１２の回転により順次に周回してくる刃体
１４によって連続して刈取られた殻稈５は、受刃２０上
で起立して図示しないフェンダにもたれかかり、穂先部
と根元部との中間部を掻込むスターホイル１１と、図示
しないパツカとの協働により矢印Ｂで示す搬送方向に対
し直交する結束通路へ押し出されて結束されたのち機外
へ放出される。

このような刈取動作においては、引起し装置２による引
起し時に殻稈５が触れ合うことによってわら屑が発生し
たり、また雑草が巻き込まれたりする。

そしてこれらのわら屑などは、カバー１８を設けたこと
によって刈刃１２の軸芯部へ侵入するのを阻止される。

さらにこのカバー１８の上下には、回転体としてのスタ
ーホイル１１と刈刃１２が配設されているので、これら
との間に間隙を設けなければならず、したがってわら屑
などの一部はこの間隙からカバー１８の内部へ侵入する
。

そして侵入したわら屑などは、刈刃１２とともに回転し
ている巻付き防止管１７に巻付いたり振り回されたりす
るだけで刈刃軸１０やボス１５に巻付くことがない。

さらにわら屑などが多くなって巻付き防止管１７に対す
る負荷が増大すると、巻付き防止管１７が停止するので
、おなじく刈刃１２の軸芯部にわら屑などが巻付く虞が
ない。

以上の説明により明らかなように、本考案によれば、バ
インダ等における回転型刈刃の回転円板上にそのボスを
囲繞するごとき巻付き防止管を回転自在に支承させ、か
つ巻付き防止管と刈取られて結束通路へ向う殻稈の通路
とをカバーで遮断することにより、刈取搬送時に発生す
るわら屑等の大部はカバーによって遮断され、またカバ
ーの上下の間隙からカバー内部へ侵入したわら屑等の一
部は巻付き防止管に巻付くかあるいはその負荷によって
巻付き防止管を停止させるので、刈刃の軸芯部に巻付く
ことがなく刈取機能が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案に係る刈刃のわら層巻付き
防止装置を示し、第１図はこれを実施したバインダの刈
刃近傍を示す平面図、第２図はおなじく刈刃の平面図、
第３図は第２図のＭ断面図である。 ５・・・・・・殻稈、１２・・・・・・刈刃、１３・・
・・・・円板、１５・・・・・・ボス、１７・・・・・
・巻付き防止管、１３・・・・・・カバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転円板とその外周部に配設された複数個の刃体とから
   なる回転型刈刃において、前記回転円板上にそのボスを
   囲繞するごとく円筒状に形成された巻付き防止管を回転
   自在に支承させるとともに、この巻付き防止管と刈取ら
   れて結束通路へ向う殻稈の通路とをカバーによって遮断
   したことを特徴とする刈刃のわら層巻付き防止装置。