JPS6011772Y2 - バインダの刈取装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は刈取殻稈の倒伏防止装置を設けたバインダの刈
取装置に関するものである。

バインダの刈取装置は倒伏した圃場の殻稈を垂直状態に
引起す引起し装置と、引起された殻稈の根元部を刈取る
刈刃とを備えている。

そして、この刈刃としては、従来からバリカン状のもの
が用いられているが、刈刃本体ならびにその駆動装置の
構造が複雑であり、また泥やわら屑などが詰って機能を
害し易いなど多くの欠点を有しているので、これに代る
ものとして回転型刈刃の開発が進められている。

この回転型刈刃は、回転円板とその外周部に配設された
複数個の刃体とを備え、円板の回転により刃体とその周
回軌跡上に設けた受刃との間で殻稈を刈取るようにした
ものであって、刈取られた殻稈は受刃上に起立し、パッ
カによって結束通路へ押し出されて結束される。

一方、殻稈の刈取作業は、圃場の外周部から中心部に向
って螺旋状に刈取られて行くいわゆる回り刈りで行なわ
れることが多い。

この場合、圃場の端部で大回りをすると刈残りが発生す
るので、例えば左へ回る場合には端部を少し行き過ぎて
から後進によって右側へ出て出直すという回り方をしな
ければならず、特に走行輪が一輪の場合にはその必要が
ある。

したがってこの間、機台は殻稈のないところを走行する
ことになり、刈取装置を停止させずにこの回行動作を行
なうと次のような不具合があった。

すなわち、前述したごとく回転型の刈刃で刈取られた殻
稈は、受刃上に起立し、パッカによって結束通路へ押し
出されて結束されるが、この場合に上記のごとく殻稈の
搬送が途絶えると、受刃上に起立する殻稈に対して後続
する殻稈がないのにパツカのみが動作することになり、
したがって起立していた殻稈は、その株元が受刃上から
刈刃の手前へ落ち込んで倒伏する。

この結果、回行が終った場合には倒伏した殻稈を起して
殻稈の流れを整えてやらないと刈取りを再開することが
できず、きわめて面倒な作業である。

そこで止むを得ず回行時には刈取装置を停止させること
になるが、停止のタイミングが難しく、あるいはこれを
怠ったりすることもあってこれまた面倒な作業である。

本考案は以上のような点に鑑みなされたもので、回転型
刈刃との間で殻稈を刈取る受刃の端縁に突片を設けて刈
取殻稈の株元が未刈稈側へ逆流するのを規制することに
より、機台回行時における刈取、結束動作を装置運転の
ま）円滑に行なわせて収穫作業の能率向上を計ったバイ
ンダの刈取装置を提供するものである。

以下、その構成等を図に示す実施例により詳細に説明す
る。

第１図ないし第３図は本考案に係る刈取装置を示し、第
１図はその要部の平面図、第２図は受刃の平面図および
そのＡＡ断面図である。

図において、バインダの前部には第１図にその要部を示
す刈取装置１が配設されている。

この刈取装置１の引起し装置２は、上端部を後方へ傾倒
させて立設されたチェーンケース３と、その内部に張架
された引起しチェーン（図示せず）を備えており、引起
しチェーンには、複数個のラグ４が一定間隔で配設され
ている。

そして圃場の殻稈５は、引起しチェーンとともに走行す
るラグ４によって垂直状態に引起されながら図に矢印Ｂ
で示す方向へ搬送される。

一方、殻稈５の搬送径路の両側に地面に対接して設けら
れた一対のそり（図示せず）のうち、殻稈搬送方向Ｂに
向って左側のそり上には、結束装置の駆動部を収納した
チェーンケース６が配設されており、このチェーンケー
ス６に植設されたボルト７の上端部には、ガイド支板８
が殻稈５の根元部刈取高さに水平状に取付けられている
。

さらにこのガイド支板８には、搬送される殻稈５の根元
部を案内する殻稈ガイド９がその基端を固定され、殻稈
５の搬送径路に沿って延設されている。

そして、殻稈５の搬送径路終端のや）斜め後方には、図
示しない駆動装置によって駆動されて図に矢印Ｃで示す
方向へ回転する刈刃軸１０が上方から懸垂されており、
この刈刃軸１０には、スターホイル１１と刈刃１２とが
スターホイルを上にして上下に配設されている。

このうちのスターホイル１１は放射方向へ突出する３個
の掻込み片を備えており刈取前後の殻稈５の穂先部と根
元部との中間部を刈取位置および結束通路方向へ掻込む
ように構成さている。

また、刈刃１２は前記ガイド支板８とほぼ同一水平面上
に位置して刈刃軸１０の下端部に螺着された円板１３と
、その周縁部に一定間隔で配設された８個の刃体１４と
によって構成されている。

このうちの刃体１４は、正三角形状に形成されており、
その３辺には、それぞれ端縁へ向って尖鋭となる刃部が
形成されていてその端縁には表面から鍛造によって形成
された鋸刃が設けられている。

また、刃体１４は、その２辺を円板１３の周面から放射
方向へ突出させて取付けられており、回転方向に対して
先行する側の突出辺が他方の突出辺よりも長く突出する
ごとくその取付は角度が設定されている。

そして、前記ガイド支板８には、はＳ゛三角形状に形成
された受刃１５が、周回してくる刃体１４の表面に裏面
に摺接させて取付けられており、その−側端縁１５ａは
、円板１３と同心円弧状に形成されて円板１３の周縁に
近接して位置され、また、刈取前の殻稈５に対向する側
の端縁１５ｂは周回してくる刃体１４とＶ字状をなすご
とく形成されている。

そして、この端縁１５ｂには、刈取殻稈５に対向する突
片１６が設けられており、刈取後受刃１５上に起立する
殻稈５の株元が刈取前の殻稈５の方へ逆流するのを規制
するごとく構成されている。

以上のごとく構成された刈取装置１の動作を説明する。

機台の進行とともに搬送径路へ導かれた殻稈５は、引起
し装置２によって穂先部を引起されながら根元部を殻稈
ガイド９に沿わせて搬送される。

搬送された殻稈５は、搬送終端部において殻稈ガイド９
から解放されるとともに、穂先部が刈刃軸１０上に位置
するように傾斜した殻稈５は、根元部とその上方の茎稈
部とを回転する刃体１４とスターホイル１１とでそれぞ
れ刈取位置へ導かれ、根元部を刃体１４と受刃１５とで
切断される。

この場合、刃体１４と受刃１５とが互に摺接してＶ字状
に形成されていて、この■字形が刃体１４の周回で狭め
られることによって殻稈は良好な切れ味をもって切断さ
れる。

そして、刈刃１２の回転により順次に周回してくる刃体
１４によって連続して刈取られた殻稈５は、受刃１５上
で起立して図示しないフェンダにもたれかかり、穂先部
と根元部との中間部を掻込むスターホイル１１と図示し
ないパツカとの協働により矢印Ｂで示す搬送方向に対し
直交する結束通路へ押し出されて結束されたのち機外へ
放出される。

そして、圃場の端部に達して回行する場合には、刈取装
置１を運転しながら前述したような回行方法によって回
行する。

すると、回行する間、殻稈５の搬送が途絶え、刈取り後
受刃１５上に起立した殻稈に対して後続する殻稈がなく
なりパツカのみが運動するので、受刃１５の殻稈は、そ
の株元が刈取り前の殻稈５の位置へ逆流しようとする。

しかしながら、受刃１５の殻稈流人側端縁１５ｂには、
突片１６が設けられているのでこの逆流が規制され、受
刃１５上の殻稈は株元を突片１６によって受は止められ
た姿勢で受刃１５上に起立させたま）機台の回行が行な
われる。

そして、回行が終ると殻稈５の搬送が再開され、搬送さ
れた殻稈５が刈刃１２によって刈取られると、前記受刃
１５上に起立している殻稈と合流して結束が行なわれる
。

第４図は本考案の他の実施例としての受刃１５の断面図
であって、本実施例においては突片１６Ａが受刃１５の
上面に対して鋭角をなすごとく傾斜して形成されている
。

こうすることにより、殻稈の逆流規制が確実となり、ま
た刈取殻稈の受刃１５へ向っての乗越えが容易になる。

以上の説明により明らかなように、回転型刈刃を備えた
バインダの刈取装置において、刈刃との間で殻稈を刈取
る受刃の端縁に突片を設けることにより、受刃上に起立
する殻稈は、この突片によって株元の移動を規制される
ので、後続する殻稈がなくても未刈取部へ逆流すること
がなく、シたがって、刈取装置を運転したま）機台を回
行させても回行中および回行後の刈取再開時に刈刃周辺
で殻稈の移動が渋滞することがなく、刈取装置の運転を
断接する必要がなくて刈取作業の能率が著しく向上する
。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案に係るバインダの刈取装置
を示し、第１図はその要部の平面図、第２図ａは受刃の
平面図、同図すは図ａの触断面図、第３図は本考案の他
の実施例としての受刃の断面図である。 １・・・・・・刈取装置、５・・・・・・殻稈、１２・
・・・・・刈刃、１３・・・・・・円板、１４・・・・
・・刃体、１５・・・・・・受刃、１６・・・・・・突
片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転円板とその外周部に配設した複数個の刃体とからな
   る回転型刈刃と、前記刃体の周回部に一部を臨ませて水
   平状に配設され刃体との間で殻稈を刈取る受刃とを備え
   るとともに、前記受刃の刈取殻稈流入側の端縁に刈取殻
   稈の株元が逆流するのを規制する突片を設けたことを特
   徴とするバインダの刈取装置。