JPS599396Y2 - ト−ンア−ムの取付治具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、レコードプレーヤにおいて、プレーヤ基板に
適確にトーンアームを取り付けるための取付治具に関す
る。

従来、利用者がトーンアームを購入して、プレーヤ基板
上に取り付けるにあたってはターンテーブルセンターと
上記トーンアームの水平回転中心が明示されている型紙
によりトーンアームの水平回転中心位置を上記プレーヤ
基板上に求めて適切と思われる取付位置を見つけ出すよ
うにしていた。

しかし、キャビネットが小さいプレーヤにあっては、ア
ーム後端に取り付けたウェイトバランサ等がアーム回動
に伴なって、キャビネットに設けたフード等にあたって
しまう危険があるので、上記トーンアームの取付位置の
選定にあたり、上記回動によりアーム後端が描く軌跡や
、ウェイトバランサの位置に注意を払う必要があった。

このことを厳密に正確に行なうには、アーム後端部およ
びウェイトバランサの軌跡の図面作図のような面倒な作
業が必要とされるが、多くの場合にあつ・では、適切と
思われる位置の見当をつけ、幾分大きめの穴をあけるこ
とにより調整を行なっていた。

即ち、例えば、実際に取り付けてみて、ウェイトを前方
のカートリッジをつりあわせるために後端部に持ってき
たところ、フードにあたってしまったという場合には、
幾分大きめの穴に取り付けていたトーンアームの水平回
転軸をずらすことで解決していたのである。

アームの水平回転中心とカートリッジの針先を結ぶ実効
長（以下実効長という）と上述したターンテーブルセン
ターとトーンアームの水平回転中心のピッチ（以下トー
ンアームの取付ピッチという）との差を一般にオーバー
ハングと称しているが、上記したようにトーンアームの
水平回転軸をずらせてしまうと、当然に該オーバーハン
グ量も設計通りに得られなくなってしまい、トラッキン
グ・エラーが増大することとなり歪率を増大させてしま
うこととなる。

上記のように、従来の型紙を使用した方法はあらかじめ
取付位置を決めて取り付けた後に再び該位置の微調整を
必要とし、はなはだ面倒であり、しかも該微調整はなお
演奏上最適ではないので、上述したように音の歪を生じ
てしまい種々の欠点を持つものであった。

本考案は上記のことに対して、トーンアームの取付けピ
ッチを知るための取付ピッチ指示板と、アーム後端長さ
とウエイトバランサ外径寸法を知るためのアームのバラ
ンサー側指示板と、上記画板を水平回動自在に結合する
トーンアームの水平回転中心検索用ポンチ棒と、上記取
付ピッチ指示板に設けた回転角度指示目盛と、上記アー
ム後端指示板の前方に形或した角度目盛指針とよりなる
トーンアームの取付治具に関する。

以下に本考案の一実施例を付図について説明する。

第１図は、本考案にか０るトーンアームの取付治具１の
一実施例の説明図である。

２，３はそれぞれ扁平なトーンアーム取付ピ゛イチ指示
板、及びトーンアームのウェイトバランサ側指示板であ
り、取付治具１は、上記指示板２，３とこれらに貫通し
て設けたトーンアーム水平回転中心検索用ポンチ棒４で
構威され、上記両指示板２，３は上記ポンチ棒４に、水
平回動自在に結合される。

指示板２は、ターンテーブル挿入用孔６と上記ポンチ棒
４間を示すトーンアームの取付ピツチ５を確保するため
の検索用指示板で、利用者はターンテーブルスピンドル
をターンテーブル用孔６に挿入し、検索用ポンチ棒４の
先端４′の描く軌跡を追うことにより、所定のピツチ５
の得られる基板７上の適切な位置を検索できる。

ウェイトバランサー側指示板３は、トーンアームのセン
ターからトーンアームの後端までの長さ８を知るための
測定用指示板で、その後端部３′はウェイトバランサの
外径にあわせて巾９を指示するために袖部３′，３“を
設け、図示のように丁字形とする。

上記指示板３の先端１０は指針に構威し、取付ピッチ指
示板２に設けたアーム回動範囲指示目盛１１と対応させ
て、ウェイトバランサの後端部のプレーヤーキャビネッ
ト内での運動範囲を決定するのに使用する。

尚、上記指示目盛１１の目盛はトーンアームがレスト状
態である場合、あるいは音溝の最内周の位置を示すもの
である。

次に本考案のトーンアーム取付治具１を使用してトーン
アームの取付位置を決定する方法を第２図〜第４図につ
いて説明する。

．ｉ）第２図に示すように、トーンアーム取付ピッチ指
示板２のターンテーブル用孔６をターンテーブルセンタ
ー上のターンテーブルスピンドル１２に挿入する。

ｉｉ）検索用ポンチ棒４をターンテーブル１３に沿って
プレーヤー基板７上に動かす。

ｉｉｉ）利用者は適当と思われる位置に見当をつけて上
記ポンチ棒を止め、ウェイトバランサー側指示板３を上
述したアーム回動範囲指示目盛１１に指示された、アー
ムの回動範囲を上記指示板３の指針１０で読み取りなが
らポンチ棒４を回動輪として水平に試みに回動させる。

ここで、第２図の位置は、ポンチ棒４の位置がうしろよ
りで、この位置にトーンアームを取り付けるとウェイト
バランサがレスト状態でフード１４に接触することを示
す。

第３図の位置は、ポンチ棒４の位置が前よりで、該位置
に取付位置を決定すると、トーンアームがスピンドル１
２に近づいた時ウエイトバランサがフード１４に接触す
る場合を示す。

ｉｖ）上記ｉｉｉ）の試みを行なって、最終的には第４
図に示すような、アーム後端指示板３を回動させても、
その後端部３′の袖部３“，３“がフード１４にあたら
ないトーンアームの位置１５を探し出し、該位置を適切
な取付位置と決定し、検索用ポンチ棒４の先端４′によ
りプレーヤー基板７にポンチングする。

上記のようにして得られた位置は、取付ピッチが正確な
ばかりでなく、トーンアームの実効長に対し、適切なオ
ーバハングを提供する。

従来のような取り付けの結果、ウェイトバランサがフー
ドに接触することがわかって多少のズレを持たせて調整
しなおすという２度手間が省け、また該ズレによるオー
バーハングのくるいも生じない。

また、アーム後端部及びウェイトバランサの運動範囲を
目見当で判断していた従来の型紙による方法に較べ、当
然その検索速度も速くなる。

本考案にか・るトーンアームの取付治具は、トーンアー
ムの取付ピッチ指示板と、ウェイトバランサー側指示板
をポンチ棒により水平回動自在に結合して、全く物理的
にトーンアームのプレーヤーキャビネット内での運動範
囲を明示するような構或としたので、勘に頼っていた型
紙による方法に較べて、トーンアームの取付位置が迅速
かつ正確にわかり、しかも、上記型紙による方法による
と時として必要であった、調整のしなおしが不要となり
、取り付けピッチにズレを起す原因が解消され、オフセ
ット角の正確に出ている最近のトーンアームに対し設計
通りのオーバーハングを与えることができ、トラッキン
グエラーも最小となり、製品の保証する最低の歪率が得
られるのでその効果は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にか）るトーンアームの取付治具を説明
する斜視図、第２図〜第４図は該取付治具を用いてトー
ンアームの取付位置を検索する場合の説明図でそれぞれ
トーンアームセンターが後側の、前側の、及び適確な取
付位置にあることを示オー １・・・・・・トーンアームの取付治具、２・・・・・
・トーンアーム取付ピッチ指示板、３・・・・・・バラ
ンサー側指示板、４・・・・・・トーンアームセンター
検索用ポンチ棒、５・・・・・・トーンアーム取付ピッ
チ、６・・・・・・夕一ンテーブルスピンドル挿入用穴
、７・・・・・・プレーヤ基板、８・・・・・・アーム
後端長さ、９・・・・・・ウエイトバランサ外径、１０
・・・・・・指針、１１・・・・・・アーム回動範囲指
示目盛、１２・・・・・・ターンテーブルスピンドル、
１３・・・・・・ターンテーブル、１４・・・・・・フ
ード、１５・・・・・・トーンアーム中心取付位置。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）一端にターンテーブルスピンドル挿入孔を、他端
   にトーンアーム取付位置決定用の孔を設け、両孔の間隔
   を取付ピッチとしたトーンアーム取付ピッチ指示板と、
   レコードプレーヤのキャビネットのフード内を適切に作
   動するようにした上記アームのバランサー側指示板と上
   記二つの指示板を水平回動自在に結合するトーンアーム
   水平回転中心検索用ポンチ捧とよりなるトーンアーム取
   付治具。
2. （２）上記取付ピッチ指示板の上記検索用ポンチ棒に近
   接した部分にトーンアームの回動指示範囲を設け、上記
   アームのバランサー側指示板の前側先端の指針を上記指
   示範囲に対応して設けた上記アームの回動範囲指示目盛
   をもつ実用新案登録請求の範囲第１項記載のトーンアー
   ム取付治具。