JPH0419605Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、レコードプレーヤに使用するトーン
アーム装置に関するものである。

〔考案の技術的背景〕

トーンアーム装置には、カートリツジを取付け
たヘツドシエルを交換できるユニバーサル型と、
ヘツドシエルを固定したインテグレーテツド型と
があるが、いずれも、トーンアーム本体を水平回
動体に上下方向回動自在に支持し、この水平回動
体を取付体に水平方向回動自在に支持した構造が
一般的で、レコードプレーヤに組付ける場合に
は、レコードプレーヤのキヤビネツトに形成した
孔に取付体を上方から挿入してねじなどで固定し
ている。

〔背景技術的の問題点〕 ところで、レコード再生時の音質を変えるのに
最も安価な方法は、カートリツジを変えることで
あるが、インテグレーテツド型ではカートリツジ
の交換が全くできず、ユニバーサル型でも交換で
きるカートリツジの重量はそのトーンアーム本体
のバランス調節範囲及び針圧調節範囲によつて限
定されており、これより重かつたり、軽かつたり
するカートリツジに交換することはできないとし
いう欠点が有つた。

また、オート機構を備えたレコードプレーヤで
は、トーンアーム装置の水平回動体の下端部にオ
ート機構の関連部品が取付けられるが、この場
合、レコードプレーヤに対するトーンアーム装置
の組付けは、プレーヤ内部のオート機構との関係
で、比較的に早い段階で行なわれるため、レコー
ドプレーヤの組立中にトーンアーム装置を損傷す
ることが多く、しかも、キヤビネツトに形成する
孔（の大きさ）も大きくなるため、キヤビネツト
の強度が低くなり、ハウリングも起こしやすくな
つていた。

〔考案の目的〕

本考案は、上述したような点に鑑みなされたも
ので、トーンアーム本体と水平回動体とを着脱自
在とし、これによつて、上述したような様々の問
題を解消するものである。

〔考案の概要〕

本考案のトーンアーム装置は、取付体と、この
取付体に水平方向回動自在に支持され上部に両側
１対の軸支片を平行状に突設しかつこの両側１対
の軸支片の上部に互いに水平一直線状に連通する
軸支孔を形成するとともにこの各軸支孔から軸支
片の縁部にスリツトを形成した水平回動体と、こ
の水平回動体の各軸支片の軸支孔に上記スリツト
を介して着脱自在に支持された水平支軸と、この
水平支軸に上下方向回動自在に支持されたトーン
アーム本体とを具備したことを特徴とするもので
ある。

〔考案の実施例〕

本考案のトーンアーム装置を、図面に示す一実
施例に基づいて詳細に説明する。

図において、１はレコードプレーヤのキヤビネ
ツトで、このキヤビネツト１の下面に突設された
複数の突部２の下端部に、取付体としての取付板
３がねじ４で水平状に取付けられ、この取付板３
の中央部に形成された孔５に、取付板３の下面に
取付けられた支持片６が配設され、この支持片６
にピボツトねじ７が下方から螺通されて上記孔５
に垂直状に突設されているとともに、このピボツ
トねじ７がナツト８により固定され、さらに、こ
のピボツトねじ７の上方に、上記取付板３の上面
に取付けた支持片９の先端部が配設され、この支
持片９にもピボツトねじ１０が上方から螺通され
て上記下方のピボツトねじ７に向かつて同軸垂直
状に突設されているとともに、このピボツトねじ
１０がナツト１１により固定されている。

また、１４は水平回動体で、この水平回動体１
４中央部は厚肉状に形成され、その上面及び下面
には複数のボールを保持したボールベアリング部
１５，１６が設けられ、この各ボールベアリング
部１５，１６に上記各ピボツトねじ１０，７の先
端を係合することによつて、水平回動体１４が上
記取付板３に水平方向回動自在に支持されてい
る。

そして、上記水平回動体１４の上部に両側１対
の軸支片１９が平行状に突設され、この１対の軸
支片１９が上記キヤビネツト１に形成した孔２０
を介してキヤビネツト１上に突出され、さらに、
この両側１対の軸支片１９の上部に互いに水平一
直線状に連通する軸支孔２１が形成されていると
ともに、この各軸支孔２１から軸支片１９の上端
縁部に着脱用のスリツト２２がしだいに拡巾する
テーパ状に形成され、このスリツト２２と対称的
に各軸支孔２１から下方に弾性保持用スリツト２
３が形成されている。

また、２６は水平支軸で、この水平支軸２６の
両端部には複数のボールを保持した径大のボール
ベアリング部２７が設けられており、この両端の
ボールベアリング部２７間の部分が上記水平回動
体１４の各軸支片１９の軸支孔２１に、上記テー
パ状のスリツト２２を介して着脱自在に、水平状
に支持されている。

また、３０はトーンアーム本体で、このトーン
アーム本体３０は、断面が倒コ字状のブラケツト
部３１の前部及び後部にパイプ３２，３３を設
け、前部のパイプ３２の先端部には接続具３４を
介して図示しないヘツドシエルが取付けられ、さ
らに、このヘツドシエルに図示しないピツクアツ
プカートリツジが取付けられており、後部のパイ
プ３３には図示しないバランスウエイトなどが挿
着されている。

そして、上記トーンアーム本体３０のブラケツ
ト部３１の両側部にはピボツトねじ３７が外方か
ら螺通されて互いに水平一直線状に対向して突設
されているとともに、この両側のピボツトねじ３
７がナツト３８により固定されており、この両側
のピボツトねじ３７の先端部を上記水平支軸２６
の両端のボールベアリング部２７に係合すること
によつて、トーンアーム本体３０が上下方向回動
自在に支持され、これによつて、トーンアーム本
体３０のパイプ３２の先端部に接続具３２及びヘ
ツドシエルを介して取付けたカートリツジが、上
下左右に自由に動いてレコードの音溝をトレース
できるようになつている。

また、上記水平回動体１４の両側下部には支持
筒４１が下方に向けて平行状に取付けられ、この
両側１対の支持筒４１が上記取付板３に形成した
円弧状の孔４２を介して取付板３下に突設されて
いるとともに、この支持筒４１の下端部にトーン
アーム本体３０の位置検出及び回転駆動などのオ
ート機構の関連部品４３が支持されている。

したがつて、この状態では、トーンアーム本体
３０及び水平回動体１４の重量がピボツトねじ７
に加わるとともに、このピボツトねじ７にオート
機構の関連部品４３が支持筒４１を介して吊下げ
状に加わるので、トーンアーム装置の可動部分の
全重量がピボツトねじ７に重心が安定した状態で
一点支持され、さらに、トーンアーム本体３０
は、いわゆるジンバルサポート方式となるので、
トーンアーム本体３０の水平及び垂直の回動が極
めてスムーズになる。

そうして、水平支軸２６と水平回動体１４がス
リツト２２を介して着脱自在なので、組立に際し
ては、オート機構、取付板３及び水平回動体１４
部分の組立調整と、水平支軸２６及びトーンアー
ム本体３０部分の組立調整とを独立的に行なうこ
とができ、しかも、これらの組立物を独立的のレ
コードプレーヤに組付けることができるので、組
立、調整、組付が容易となり、この際の損傷事故
も少なくなり、そして、この実施例のようなイン
テグレーテツド型の場合、トーンアーム本体３０
部分の交換により、カートリツジを交換してグレ
ードアツブができ、ユニバーサル型の場合でも、
トーンアーム本体３０部分の交換により、カート
リツジの選択範囲を拡大でき、さらに、修理等の
サービス性も向上でき、その上、目的に応じて数
種のトーンアーム本体３０部分を用意しておけ
ば、これを変えるだけで数種の製品ができる。

また、組付に際して、トーンアーム本体３０部
分だけをキヤビネツト１の上方から水平回動体１
４の軸支片１９に組付ければよいので、キヤビネ
ツト１の孔２０は水平回動体１４の軸支片１９を
突出できる程度の小さなものでよく、キヤビネツ
ト１の強度が低下しないので、ハウリングも防止
できる。

〔考案の効果〕

上述したように、本考案のトーンアーム装置
は、トーンアーム本体を上下方向回動自在に支持
する水平支軸と取付体に水平方向回動自在に支持
される水平回動体とが着脱自在なので、インテグ
レーテツド型の場合には従来不可能であつたカー
トリツジの交換をトーンアーム本体の交換で行な
うことができ、ユニバーサル型の場合にも、カー
トリツジの交換に際しての選択範囲を拡げること
ができ、また、保守サービス性も向上し、さら
に、トーンアーム本体部分と水平回動体部分の組
立、調整及び組付も別個にできるので、製造が容
易で、この際の損傷事故も少なくなり、そして、
部品の共通化、標準化も可能となり、ハウリング
も防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のトーンアーム装置の一実施例
を示す斜視図、第２図はその縦断面図、第３図は
その要部の分解斜視図である。 ３……取付体としての取付板、１４……水平回
動体、１９……軸支片、２１……軸支孔、２２…
…スリツト、２６……水平支軸、３０……トーン
アーム本体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 取付体と、この取付体に水平方向回動自在に支
   持され上部に両側１対の軸支片を平行状に突設し
   かつこの両側１対の軸支片の上部に互いに水平一
   直線状に連通する軸支孔を形成するとともにこの
   各軸支孔から軸支片の縁部にスリツトを形成した
   水平回動体と、この水平回動体の各軸支片の軸支
   孔に上記スリツトを介して着脱自在に支持された
   水平支軸と、この水平支軸に上下方向回動自在に
   支持されたトーンアーム本体とを具備したことを
   特徴とするトーンアーム装置。