JPS599147B2 - 新抗生物質フオリポマイシンを含有する動物発育促進剤 - Google Patents

新抗生物質フオリポマイシンを含有する動物発育促進剤

Info

Publication number
JPS599147B2
JPS599147B2 JP56110158A JP11015881A JPS599147B2 JP S599147 B2 JPS599147 B2 JP S599147B2 JP 56110158 A JP56110158 A JP 56110158A JP 11015881 A JP11015881 A JP 11015881A JP S599147 B2 JPS599147 B2 JP S599147B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
folipomycin
foolipomycin
test
feed
antibiotics
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP56110158A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS5754590A (en
Inventor
守 新井
顕雄 鳥潟
玖允 深津
訓敏 北野
利明 松沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Sankyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sankyo Co Ltd filed Critical Sankyo Co Ltd
Priority to JP56110158A priority Critical patent/JPS599147B2/ja
Publication of JPS5754590A publication Critical patent/JPS5754590A/ja
Publication of JPS599147B2 publication Critical patent/JPS599147B2/ja
Expired legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fodder In General (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Compounds Of Unknown Constitution (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は家畜・家禽の発育促進剤に関するものである。
本発明者等は、栃木県小塙の土壌から分離した新放線菌
ストレプトミセス・リビドクラバタス( Strept
omyceslividocla■tus)ム3176
株が、新抗生物質フオリポマイシン(Pholipom
ycin)を生産し、これを家畜、家禽に投与するとき
顕著な発育促進効果を奏することを見出した。
従来、家畜、家禽の疾病を予防し同時に肥育、成長促進
、飼料要求率の改善を目的としてクロラムフエニコール
やオーレオマイシン等の抗生物質の投与がなされている
しかしながら、抗生物質の肉や卵中の残留性・耐性菌の
出現等を考慮するとき、吸収性の少ない薬剤の出現が望
まれる。フオリポマイシンは、経口投与するとき腸管か
らの吸収が少なく、食品衛生上の観点から極めて有利な
薬剤である。フオリポマイシンを生産する上記ム317
6株の菌学的性状は次のとおりである。
(1)顕微鏡下の観察では、良く分枝した基生菌糸から
長い気菌糸が伸長し、気菌糸は仮軸分岐をなす。
螺旋糸および輸生糸の形成は認められない。胞子の形状
は球形ないし楕円形であつて、その大きさは0.6〜0
.8×0.8〜1.1μであり表面は平滑である。
胞子は10〜50個の連鎖をなしているが、短い根棒状
の分枝を有する点に特徴があり、この分枝は2〜3個の
胞子からなる。鞭毛胞子および胞子嚢を有さず、胞子柄
の着生位置は気菌糸上である。
(2)各種培地に培養した結果は第1表のとおりである
(以下、特に記載のないかぎり28℃、2週間後の観察
)。
(3)黒3176株の生理的性質は第2表のとおりであ
る。
(4)Jff).3176株のプリドハム・ゴトリーブ
寒天培地上での炭素源の同化性は第3表のとおりである
以上の性状を要約すると、洗3176株は、ストレプト
ミセス属に属し、気菌糸は仮軸分岐をなし、多くの培地
上で青味がかつた灰色である。
胞子は球形ないし楕円形で、表面は平滑である。その最
も大きな特徴は、胞子の枝分れにあり、2〜3個の胞子
が混棒状に分枝している。以上の性質を有する既知菌株
を検索すると、ストレプトミセス・クラブリゲルス(S
treptOmycesclavuligerus)〔
インターナシヨナル・ジャーナル・オブ・システマチツ
ク・バクテリオロジ一(NternatiOnalJO
urnalOfSystematicBacteriO
lOgy)21巻4号326〜331頁(1971年)
〕がその胞子の着生形式から、最も近縁な菌株としてあ
げられる。
しかしながら、ストレプトミセス・クラブリゲルスは、
胞子の形は長方形ないし柱状であり、気菌糸の色調は多
くの培地上で薄黄緑色を呈し、かつ、D−グルコース、
D−フルクトース、シユクロース、L−ラムノースおよ
びラフイノース等の糖を利用しないことなどの点で黒3
176株と相違しており、両者は明らかに別異の菌であ
る。以上のとおり、屋3176株は新種と同定し、スト
レプトミセス・リビドクラバタス黒3176株と命名し
た。なお、本菌株は、通産省工業技術院微生物工業技術
研究所に寄託されており、その微生物寄託番号は第21
01号である。
以上、Jf).3176株について説明したが、放線菌
の諸性質は一定したものではなく、自然的・人工的に容
易に変異することは周知のとおりであり、本発明で使用
しうる菌株は、ストレプトミセス属に属し、フオリポマ
イシンを生産する菌株のすべてを包含するものである。
本発明の方法における培養は、一般放線菌における培養
方法に準じて行なわれ、液体培地中での振とう培養ある
いは通気攪拌培養によるのが好ましい。
培養成分としては、放線菌の栄養源として公知のものが
使用され、たとえば、炭素源としてグリセリン、グルコ
ース、マルトース、ラクトース、シユクロース、デキス
トリン、澱粉、糖蜜、大豆油、綿実油等が、窒素源とし
て大豆粉、落花生粉、棉実粉、魚粉、コーン・スチープ
・りカー、ペプトン、肉工キズ、イースト、イーストエ
キス、硝酸ソーダ、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウ
ム、硫酸アンモニウム、燐酸アンモニウム、尿素等が、
また、無機塩としては食塩、燐酸塩、炭酸カルシウムな
どが使用される。
また、必要に応じて微量の金属塩が添加される。また、
液体培養に際しては、シリコン油、植物油、界面活性剤
等が消泡剤として適宜使用される。
培地のPHは中性付近、培養温度は25〜30℃、特に
27℃前後が好ましい。培養の経過にともなつて培養液
中に生産されるフオリポマイシンの力価の経時的変化は
、試験菌として黄色ブドウ球菌および緑膿菌SANK7
386O株を用いるカツプ検定法により測定される。
通常96〜240時間の培養でフオリポマイシンの生産
量は最高に達する。
フオリポマイシンは培養液中の主として固形物部分に存
在する。
培養液からフオリポマイシンを採取するには、抗生物質
の採取方法として公知の種々の方法が適用されうる。
たとえば、培養終了後、培養液に酸を加えて酸性とし、
珪藻土等の沢過助剤を加えて▲過するとき、フオリポマ
イシンは酸性では比較的水に難溶であるので菌体および
珪藻土を含む固形物中に集あるから、この固形物中から
親水性の溶媒、たとえば、アセトン、メタノールおよび
これらと水との混合溶媒でフオリポマイシンを抽出する
ことができる。
また、培養沢液中あるいは菌体抽出液の有機溶媒留去残
液中に存在するフオリポマイシンは、゛酸性条件下、疎
水性の有機溶媒、たとえば、n−ブタノールなどで抽出
することもできる。
かくして得られたフオリポマイシンを含有する抽出液は
、減圧下溶媒を留去したのち、陰イオン交換樹脂の層を
通すとき、フオリポマイシンは酸性であるので樹脂層に
吸着され、これを適当な溶媒で溶出することができる。
また、塩基性の不純物を除去する目的で、陽イオン交換
樹脂を通過させることもできる。
ここに使用される陰イオン交換樹脂としては、たとえば
、ダウエツクス1×1(タウ・ケミカル社製)などの強
塩基性陰イオン交換樹脂、デユオライトA−2(ダイア
モンド・アルカリ社製)などの弱塩基性陰イオン交換樹
脂が、また、陽イオン交換樹脂としては、たとえば、ダ
ウエツクス50WX4(タウ・ケミカル社製)やアンバ
ーライトRl2O(ローム・アンド・ハース社製)など
の強酸性陽イオン交換樹脂等があげられる。
さらに、フオリポマイシンを精製する目的で、シリカゲ
ル、アビセル(微結晶セルロース、旭化成社製)、ジエ
チルアミノエチルセルロース(陰イオン交換セルロース
、セルバ社製)などを用いてクロマトグラフイ一に付す
ることもできる。さらに、また、フオリポマイシンが高
分子物質である点を利用して、透析による低分子不純物
の除去、セフアデツクスG−50(フアルマシア社製)
等を使用したゲル沢過法等の精製法によりフオリポマイ
シンを精製することもできる。このように、抽出および
精製されたフオリポマイシンを含有する水溶液を濃縮後
、凍結乾燥し、または、親水性の有機溶媒、たとえば、
アセトン等を添加し沈澱させることにより、フオリポマ
イシンを白色の粉末として得ることができる。
以下にフオリポマイシンアンモニウム塩の物理化学的性
状を記載する。(1)外観 白色粉末 (2)融点 明確な融点を示さず、250℃以上で徐々に褐変する。
(3)元素分析値 C:50.15%H:7.14%N:5.48%P:2
.33%(4)分子量 0.05M,.pH7.0の燐酸緩衝液中で、セフアデ
ツクスG−100(フアルマシア社製)を使用したゲル
沢過法によりフオリポマイシンの分子量測定値は510
0であつた。
(5)比旋光度 〔α〕=+6.00(C=1、H2O) (6)紫外部吸収スペクトル 第1図参照。
各溶媒中における極大吸収位置(λNllμ)および吸
光係数(E}?)は第4表のとおりである。(7)赤外
部吸収スペクトル 第2図参照。
臭化カリ錠で測定。(8)中性・塩基性・酸性の区別 酸性物質(PKa=4.37、9.43、H2O)(9
)溶解性:水に易溶。
メタノール、n−ブタノールに可溶。アセトン、クロロ
ホルム、エーテルに難溶。(代)呈色反応 トレンス反応は陽性。
エルソン・モルガン反応は疑陽性。ニンヒドリン、ベネ
デイクト、ビユレツト、ビアル、塩化第二鉄およびアン
スロンの各反応は陰性。ニンヒドリン反応はピリジン添
加加熱により陽性となる。(自)安定性 水溶液はPH4〜10で極めて安定である。
フオリボマイシン200μt/mlの水溶液を60℃で
30分間加熱するとき、PH6〜8では100%、PH
4およびPHlOでも90%の力価が残存していた。(
自)薄層クロマトグラフイ一 n−プロパノール:2Nアンモニア(7:3)を展開溶
媒とする上昇法の薄層クロマトグラフイ一におけるRf
値は、セルロース・クロマグラムシート6065(イー
ストマン・コダツク社製)では0.74、シリカゲル・
クロマグラムシート6060(イーストマン・コダツク
社製)では0.25であつた。
なお、検出法は黄色ブドウ球菌によるバイオオートグラ
フイ一または紫外部吸収法によつた。
次に、フオリポマイシンの生物活性について記載する。
(1)抗菌スペクトル 各種微生.物に・対するフオリポマイシンアンモニウム
塩の最小阻止濃度は第5表に示すとおりである。
なお、細菌は37℃で24時間(ミコバクテリウム ス
メグマチスのみ48時間)、酵母およびカビは28℃で
48時間培養後の最小阻止濃度をもつて判定した。
(2)毒性 マウスに対し、静脈内注射し、14日間観察したときの
フオリポマイシンアンモニウム塩のLD5O値は600
W19/I<gであつた。
また、ヒメダカに対する魚毒性は、200ppmの薬浴
中でなんら異常を認めなかつた。
(3)感染防御フオリポマイシンは、マウスの黄色ブド
ウ球菌感染防御実験において効果が認められた。
すなわち、平均体重約207のRFVL系マウス1群5
頭に、腹腔内注射により、黄色ブドウ球菌(スタフイロ
コツカス・アウレウス應 242)を1頭あたり1X
107細胞接種し、直後および4時間後の2回、フオリ
ポマイシンアンモニウム塩の滅菌食塩水を50、100
および2001!19/Kg皮下投与したときの生存マ
ウス※ミ 数は、それぞれ、O頭、1頭および5頭であ
つた。(1)〜(3)で示したとおり、フオリポマイシ
ンはグラム陽性および陰性細菌に対して強い抗菌力を示
し、とくK,薬剤耐性菌に対しても有効であり、しかも
極めて低毒性であるので、人間の治療用薬剤としても有
用である。
以上示した物理化学的および生物学的性質に類似の性質
を有する既知抗生物質を検索したところ、フオリポマイ
シンは、マカルボマイシン(MacarbOmycin
)、ジウマイシンA(DiumycinA)およびモエ
ノマイシン(MOenOmycjln)群の抗生物質に
最も類似している。
しかしながら、フオリポマイシンは、これらの既知抗生
物質とは、以下に記載する点で相違する。
(1)物理化学的性質フオリポマイシンおよび上記既知
抗生物質の主たる物理化学的性質は第6表のとおりであ
る。
第6表から明らかなように、フオリポマイシンはマカル
ボマイシン、ジウマイシンAおよび ニモエノマイシン
等の抗生物質と類似しているがそれらが、いずれも構成
糖として含有しているグリコースをフオリポマイシンは
含有しない点で明瞭に相違する。なお、構成糖の分析は
、各抗生物質を2N塩酸で150℃、3時間で加水分解
し、分解物をペーパークロマトグラフイ一(展開溶媒;
n−ブタノールリピリジン:水=6:4:3、下降法で
20時間展開)に付しておこなつた。
フオリポマイシンと類似の既知抗生物質としては、上記
以外に、プラジノマイシン(PmsinOmycin)
A,.BおよびC1モエノマイシンE,.F,.Gおよ
びH1ジウマイシンBll94O2RPl8O36RP
lll837RP等が知られているが、プラジノマイシ
ンはクロロホルムに可溶である点で、19402RPは
硫黄原子を含有する点で、またその他の抗生物質は紫外
部吸収スペクトルにおいて極大吸収を持たない点で、い
ずれもフオリポマイシンとは明瞭に異なる。
2)抗菌力比較試験 カツプ検定法による抗菌力の比較試験結果は第7表のと
おりである。
なおり価の表現は、それぞれの試験菌に対するフオリポ
マイシンアンモニウム塩の抗菌力を100としたときの
百分率で示した。第7表から明らかなように、フオリポ
マイシンは、物理化学的性質が類似する上記の他の抗生
物質とは抗菌力およびスペクトルが異なり、フオリポマ
イシンは、特にグラム陰性菌に対して強い抗菌力を示す
特徴を有している。
以上の物理化学的および生物学的諸性質の比較検討の結
果、フオリポマイシンは既知の抗生物質とは明確に区別
でき、新規な抗生物質であると判定した。
なお、上記引例の各抗生物質の出典は次のとおりである
(1)モエノマイシンA,.C,.D,.E,.F,.
G,.HOアンチマイクロピアル・エージエンツ・アン
ド.ヶモセラピィ(AntimicrObalAgen
ts関DChemOthrapy)−1965734〜
736、737〜742頁(1966)Oジヤーナル●
オプ・アンチバイオチツクス(JOurml」FAnt
ibiOtics)22巻12号597〜602頁(1
969)(2)マカルボマイシン Oジャーナル・オブ・アンチバイオチツクス23巻1号
48〜50頁(1970)(3)ジウマイシンA,.B Oジヤーナル・オブ・アンチバイオチツクス22巻10
号490〜493頁(1969)(4) 19402R
P0オランダ国特許第6802093号(1968)(
5)プラジノマイシンAsB,.C9ネーチャ一(Na
ture)213巻1092〜1094頁(1967)
(6) 8036RP 0南アフリカ国特許第65/6204号 (1966) (7) 11837RP 9第9回国際微生物会議抄録 (Abstractl9thInternatiOna
lCOngressfOrMicrObiOlOgy)
165頁(1966)次に、フオリポマイシンの製造法
を実施例で説明するが、フオリポマイシンの性状が本発
明によつて明らかにされたので、この性状に基いてフオ
リポマイシンの製造は種々の方法で実施することができ
る。
従つて、フオリポマイシンの製造法は実施例に限定され
るものではなく、本発明によつて明らかにされたフオリ
ポマイシンの性状に基いて、ストレプトミセス属に属す
るフオリポマイシン生産菌を用いて、公知の手段を施し
てフオリポマイシンを生産し、抽出し、精製する方法の
全てが包含されるものである。実施例 1 上記組成の培地(滅菌前PH7.2) 3001を入れ
た6001容培養タンク2基に、同じ組成の培地を用い
1001容タンクで28℃、24時間前培養した培養液
301ずつを接種し、通気量3001/分、回転数15
0回転/分、28±1℃で培養したとき、114時間で
フオリポマイシンの生産は最高に達した。
この培養液6401を硫酸でPH4,Oに調整し、珪藻
土40kgを加えてフイルタープレスで沢過した。
珪藻土を含む菌体に、アセトン濃度が80%になるよう
に無水アセトン3001を加え、フオリポマイシンを抽
出した。
フイルタープレスで分離した抽出残渣は、さらに80%
アセトン水3001を加えて再抽出した。抽出合併液5
801(フオリポマイシン含量57.87)を減圧下6
01まで濃縮し、アセトンを留去したのち、硫酸でPH
を2,5に調整し、35f!のn−ブタノールで2回抽
出をおこなつた。
この抽出液56f!に0.1Nアンモニア水37.51
を2回加え抽出し、フオリポマイシンをアンモニア水層
に転溶させた。この抽出液791を減圧濃縮し、1.1
9f!とした(フオリポマイシン含量22.67、収率
39.1%)。
この濃縮液をデユオライトA−2(0H型)31を充填
したカラムに吸着させ、6f!の水で洗浄後、0.1N
アンモニア水でフオリポマイシンを溶出した。
活性溶出液25.5f!を減圧濃縮し、1.621とし
、これを凍結乾燥してフオリポマイシンアンモニウム塩
の和粉末26.27を得た。
純度50.0%、収率22.6%o実施例 2 上記組成の培地(滅菌前PH7.O)151を301容
ジヤーフアーメンタ一に仕込み、120℃で30分間滅
菌し、冷却後、同じ組成の培地で前培養(培地500m
1を21容三角フラスコに入れ、ロータリーシューカー
で28℃、72時間培養)した種培養液750m1を接
種して、通気量201/分、回転数135回転/分、内
圧1.1kg/Cd,温度28±1℃で培養するとき、
240時間目にフオリポマイシンの生産量は150μ′
il/mlに達した。
このジャーフアーメンタ一3基分の培養液401を、珪
藻土を沢過助剤として沢過し、等量の水で洗浄した。
この珪藻土を含む菌体8,5k9に、75%メタノール
水を加えて懸濁、攪拌してフオリポマイシンを抽出し、
3回の抽出で361f)沢液を得た。
この抽出液を、ダウエツクス50W4(H型)1,91
を充填したカラムを通過させ、70%メタノール水で洗
浄し、合計401?.の通過液を得た。この液を、デユ
オライトA−2(酢酸型)2f!を充填したカラムに通
し、フオリポマイシンを吸着させた。カラムを21の7
0%メタノール水、ついで2′の水で洗浄したのち、0
.5Nアンモニア水でフオリポマイシンを溶出した。活
性溶出液2.491(活性収率58.5%)を減圧下、
濃縮乾固し、メタノールを加えて不溶の不純物を除去し
た。
メタノール可溶部84m1をアセトン21中に滴下して
フオリポマイシンを沈澱させた。
沈澱を集め、減圧下乾燥し、フオリポマイシンの粗粉末
12.77(純度27,1%、収率56.0%)を得た
この粗粉末をメタノールに溶解し、ワコーゲルC−20
0(シリカゲル、相光純薬工業社製)をクロロホルムリ
メタノール(6:4)で充填したカラム160m1に吸
着させ、31のクロロホルム:メタノール(6:4)で
不純物を除去し、ついでクロロホルムリメタノール(5
:5)でフオリポマイシンを溶出した。
活性溶出液を薄層クロマトグラフイ一でチエツクし、不
純物の少ない分画41を集め、濃縮乾固して2.077
(純度75.8%、収率25.6%)の粗粉末を得た。
この粗粉末を9m1の水に溶解し、DEAEセルロース
(0H型)200m1のカラムに吸着させ、PH9のア
ンモニア水11で洗浄後、0.01Nアンモニア水で溶
出し、薄層クロマトグラフイ一上単一のスポツトを与え
る活性分画1.061を集め、減圧下、濃縮乾固し、純
度97.0%のフオリポマイシンアンモニウム塩955
Tf9(収率15.1%)を得た。
このものをメタノール5m2に加温溶解し、冷却して得
られた沈澱を乾燥してフオリポマイシンアンモニウム塩
の純品475Tf9を得た。収率7.7%。上記の方法
で得られたフオリポマイシンは動物の発育促進剤として
使用される。
二すでに記載したとおり、フオリポ
マイシンは細菌類に対して強い抗菌力を示し、これら病
原菌による動物の疾病の治療や予防にも使用しうるが、
フオリポマイシンは、また、動物の発育促進の目的で有
利に使用することができる。すなわち、フ ニオリポマ
イシンを動物に経口的に投与すると、腸管からの吸収が
極めて少なく、組織への移行が少ないにもかかわらず、
動物の発育は顕著に促進される。このことは、畜産物で
ある卵や肉中へのフオリ (ポマイシンの移行および残
留性の小さいことを意味し、食品衛生上の観点からも極
めて有利である。
ここに動物の発育促進とは、増体率の向上、飼料要求率
の改善および産卵率の向上等を意味し、※※適用されう
る動物としては、たとえば、牛・馬・豚・羊・山羊等の
家畜類、鶏・七面鳥・家鴨等の家禽類、犬・猫・小鳥等
の愛玩動物等があげられる。投与方法は経口投与が好ま
しい。
飼料または飲料水に添加して投与することも、もちろん
でき、とくに飼料添加による投与方法は最も好ましい。
フオリポマイシンを飼料添加剤として使用するときは、
飼料に直接混入するほか、低毒性の賦形剤、ビタミン、
ミネラル、アミノ酸等の強化剤、マカルボマイシン・モ
エノマイシン等の抗生物質、ベクロチアミン、アンプロ
リユーム、ブキノレート、クロピドール等の抗コクシジ
ウム剤、あるいはリゾチーム等と配合して使用すること
もできる。フオリボマイシンは、精製品に限らず、培養
菌体またはその抽出・精製過程における任意の段階のも
のを使用することができる。フオリポマイシンの添加量
は、飼料等に対して通常、0.1〜10ppm(力価)
程度が最適であり、この程度の添加量では長期間連用し
ても何ら動物に悪影響を及ぼすことはない。
次に、本発明の動物発育促進剤の効果を実施例で説明す
る。
実施例 3 フローラ一の発育に対する効果(平飼試験)(1)供試
ヒナ小型フローラ一(ゴトウ606)の雄および雌ヒナ
で、各区雄15羽、雌15羽とした。
箭化後、翼帯をつけ、個体の体重を測定した。(2)供
試飼料供試した飼料の組成は第8表に示すとおりであつ
て、発育促進剤および抗生物質を含有しない。
(3)フオリポマイシンの添加濃度 供試飼料に、純度58.3%のフオリポマイシンアンモ
ニウム塩を2.5ppm(力価)添加した。
他に無添加対照区を設けた。(4)試験方法 初生ヒナの健康状態を調べ、健康ヒナについて体重を測
定し、試験区間に平均体重差のないように分け、1ケ月
間連続してフオリポマイシンを含有しもしくは含有しな
い飼料を給与して平飼試験をした。
各区30羽とし、飼料および水は自由採食させた。体重
は毎週、飼料の摂取量は給与時に測定した。(5)効果
の判定方法および結果 効果は、増体重および飼料要求率によつて判定した。
ただし、 である。
その結果を第9表に示す。
? 第9表から明らかなように、フオリポマイシン添加区で
は対照区と比較して増体効果が認められ、また、飼料要
求率も改善されている。
辷施例 4フローラ一の発育に対する効果(バタリ一試
験)バタリ一飼育をおこなつた以外は、全て、実施例3
と同一の条件で試験をおこなつた。
バタリ一飼育は,餌付時より電熱式金網底育ヒナ器に供
試ヒナを入れ、4週間連続飼育をした。
その結果を第10表に示す。実施例 5 フローラ一の発育に対する効果(野外試験)(1)供試
ヒナフランス産スチユードル(Studler)種で、
各区雌雄無鑑別で100羽とした。
誘化後、翼帯をつけ、個体の体重を測定した。(2)供
試飼料 供試した飼料は市販品(住友飼料社製)であつて、発育
促進剤および抗生物質を含有しない。
(3)フオリポマイシンの添加濃度供試飼料に、純度5
0%のフオリポマイシンアンモニウム塩を2,5ppm
(力価)添加した。
他に無添加対照区を設けた。(4)試験方法 傘型プロパン育ヒナ器を用いて2週令まで給温し、その
後8週令まで飼育した。
水および飼料は自由摂取させ、常法に従い、ニユーカツ
スル病および鶏痘ワクチンを接種した。(5)効果の判
定方法および結果 試験例1に準する。
ただし、育成率は、初体重測定後、最終体重測定までに
生残つたヒナの最初のヒナ数に対する巨分率を示す。そ
の結果を第11表に示す。
第11表から明らかなように、フオリポマイシン添加区
では、対照区と比較して、増体効果、飼料要求率が改善
されているのみならず、育成率も格段に向上している。
実施例 6 豚の発育に対する効果(平飼試験) (1)供試豚 生後32日目の交雑(バンプXランド)幼豚を各区8頭
とした。
飼育試験の前に個体の体重を測定した。(2)供試飼料 抗生物質を含まない市販飼料を使用した。
(3)フオリポマイシンの添加濃度 供試飼料に、純度50%のフオリポマイシンアンモニウ
ム塩を、最初の4週間は5p.p.m.(力価)添加し
、以後は2p.p.m.(力価)添加した。
(4)試験方法 幼豚の健康状態を調べ、健康幼豚について体重を測定し
、試験区間に平均体重差のないように分け,43日間連
続してフオリポマイシンを含有し、もしくは含有しない
飼料を給与して平飼試験した。
各区8頭とし、飼料および水は自由摂取させた。
体重は毎週、飼料の摂取量は給与時に測定した。(5)
効果の判定方法および結果 実施例3に準する。
その結果を第12表に示す。
第12表より明らかなように、フオリポマイシン添加区
では、対照区と比較して増体効果、飼料要求率が改善さ
れている。
【図面の簡単な説明】
第1図はフオリポマイシンアンモニウム塩の紫外部吸収
スペクトルを、第2図は同物質の赤外部吸収スペクトル
を、それぞれ示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 フオリポマイシンを有効成分とすることを特徴とす
    る動物発育促進剤。
JP56110158A 1981-07-15 1981-07-15 新抗生物質フオリポマイシンを含有する動物発育促進剤 Expired JPS599147B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP56110158A JPS599147B2 (ja) 1981-07-15 1981-07-15 新抗生物質フオリポマイシンを含有する動物発育促進剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP56110158A JPS599147B2 (ja) 1981-07-15 1981-07-15 新抗生物質フオリポマイシンを含有する動物発育促進剤

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7380773A Division JPS5716640B2 (ja) 1973-06-30 1973-06-30

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS5754590A JPS5754590A (en) 1982-04-01
JPS599147B2 true JPS599147B2 (ja) 1984-02-29

Family

ID=14528514

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP56110158A Expired JPS599147B2 (ja) 1981-07-15 1981-07-15 新抗生物質フオリポマイシンを含有する動物発育促進剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS599147B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPS5754590A (en) 1982-04-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DE2816608A1 (de) Antibiotisches n-acetyl-dehydro- thienamycin
US3949070A (en) New antibiotic substance, its preparation and its use as growth promoting agents
JP2535544B2 (ja) 抗生物質LL−E19020αおよびβ
US3912811A (en) Antibiotic pholipomycin and its preparation
US3700768A (en) Antibiotic am374 and method of production using streptomyces eburosporeus
DE3782169T2 (de) Verfahren zur herstellung von antibiotica 10381b.
JPS599147B2 (ja) 新抗生物質フオリポマイシンを含有する動物発育促進剤
US4670260A (en) Antibiotic for animal feeds
JPH0215085A (ja) ポリエーテル坑生物質
US5073369A (en) Efomycins as performance promoters in animals
JPS5831327B2 (ja) 動物用医薬組成物
RU2491942C1 (ru) Способ профилактики микотоксикозов и желудочно-кишечных заболеваний животных
KR800001472B1 (ko) 항생물질 마르티오마이신의 제조법
US5017561A (en) Antibotic 6270B and its use as an anticoccidiosis agent and a feed additive
JPS5921598B2 (ja) 抗生物質
KR900005858B1 (ko) 신규의 항생물질 6270의 제조법
KR100266471B1 (ko) 항생물질ll-e19020감마,및이의생산방법
JP2522528B2 (ja) 鳥類における慢性呼吸性疾患、家禽コレラ及び壊疽性腸炎を抑制する方法
CS203115B2 (en) Process for preparing antibiotic
JPS5950647B2 (ja) 動物成長調節剤
JPS58107141A (ja) 家畜の発育促進・飼料効率改善剤
Barbour et al. A non-motile Salmonella mutant (6, 7:−:−) and two serological variants encountered in Saudi Arabia
JPS625989A (ja) 新規抗生物質プラノチオシンbおよびその製造法
JPS6160840B2 (ja)
DE2017837A1 (de) Antibioticum AM 374 und seine Herstellung