JPS599032Y2 - 布帛の処理装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は布帛の処理装置に関し、更に詳しく述べるなら
ば長尺無端状に形或された布帛を拡布状態において循環
させながら、処理液と接触させて処理するようにした布
帛処理装置に関する。

従来、布帛等の繊維製品を長尺無端状で処理する装置と
しては、ウインス染色機や液流染色機が知られている。

これらの装置では、通常、リール又はロールに布帛等を
エンドレス状にして吊下げ、吊下げ部分を大きな浴槽中
に浸漬し、この状態で布帛等を循環させながら浴槽内を
通過せしめて処理したり、あるいはジェット噴流又はオ
ーバーフロー流により布帛等を循環させながら布帛等を
一時滞溜させ得る滞溜槽内を蛇行状に通過させて処理し
ていた。

しかるに、かかる装置においては、浴比即ち布帛等の被
処理材料と処理液との重量比が１：２０〜１：３０と大
きくなり、染料や助剤類を多量に要したり、水及び蒸気
等をも大量に要することとなって不経済であるとともに
、廃液量も大きくなりその処理にも多くの困難がある等
の欠点があったのである。

このような問題を解消するべく、最近になって、布帛等
の低浴比処理装置が開発され、実用化されるようになっ
てきたけれども、これらの装置はいずれも布帛等がロー
プ状の状態で循環処理されるものであった。

しかるに、かかるロープ状において布帛等を処理する装
置では、布帛等を高速で移行することができ、かつ材料
に対する揉布効果が得られる利点がある反面、処理液量
が少ない場合即ち浴比を極端に小さくする場合には布帛
等の移送がスムーズに行われず、シワが発生し易く、ま
た後工程への移行前にスカツチャー等を用いて布帛等の
ねじれを直しつつ、拡布しなければならない等の問題が
あった。

本考案の目的は、低浴比においても上記の如き問題が生
ぜず、極めて効率的に布帛を処理することのできる装置
を提供することにある。

本考案によれば、即ち、長尺無端状に形威された布帛を
処理槽内において循環させる間に、前記亦帛を前記処理
槽底部の処理液と接触させて処理するようにした布帛の
処理装置が提供されるのであって、この装置は、前記処
理槽底部の処理液の液面より上方に設けられた、前記布
帛をこの処理液から引き上げる際に拡布するための拡布
装置と、前記拡布装置の下流に設けられ、この拡布装置
を介して移送された布帛を別途処理液に浸漬させるため
の処理液貯溜槽と、前記処理液貯溜槽の下流に設けられ
、この貯溜槽を通過した布帛に対して前記処理槽底部か
ら導出された処理液を噴射するためのシャワーノズルと
、このシャワーノズルの下流に設けられた、布帛を駆動
し、移送するための駆動ロールと、及び前記駆動ロール
の下方に配置され、布帛を順次に前記処理槽底部の処理
液中に移行し、浸漬せしめるための少なくとも１つの布
受けスクレー又は布受けローターと、を含んでなること
を特徴とする。

以下、本考案に係る装置の好ましい態様について、添付
図面を参照しながら詳しく説明する。

第１図において、１は断面がほぼ円形の密閉タンクで、
布帛２の出入口３が設けられている。

４は駆動ロールで、補助ロール４′と１対になっており
、布帛２をタンク１の底部の処理液中から引き上げ、こ
れを移送する駆動源となるものである。

５，５′は１対のエキスパンダーロールで、前記処理液
中より引き上げられた布帛２を拡布する。

このエキスパンダーロールは曲りエキスパンダーロール
であってもよく、あるいはスクリューエキスパンダーロ
ールであってもよい。

前記駆動ロール４とエキスパンダーロール５，５′の間
には、移送されてきた布帛をここで別途に処理液に浸漬
せしめるための処理液貯溜槽６が設けられ、布帛２は案
内ロール７によりこの貯溜槽６内に案内され、内部の処
理液中に浸漬される。

また、この貯溜槽６と駆動ロール４の間にはシャワーノ
ズル列８，８′が付設され、布帛２に対して処理液が噴
射される。

次いで、駆動ロール４を経て落下する布帛２は、この駆
動ロールの下方に設けられた布受けローター′９の布受
けプレート１０上に堆積し、ローター９の回転とともに
、タンク１の底部にある処理液貯溜部１１に送られ、こ
こでこの処理液に浸漬される。

尚、この処理液貯溜部には巣板１２が設けられている。

一方、タンク１の底部には処理液吸込み配管１３が接続
されており、バルブ１４を介してポンプ１７に連結され
ている゛。

また、処理液貯溜槽６の底部においても配管１５が接続
されており、バルブ１６を介してポンプ１７に連結され
ている。

そして、ポンプ１７に吸入された処理液は熱交換器１８
及び調整弁１９を介して前記シャワーノズル列８，８′
に供給される。

以上の如く構威された本考案装置によって、処理液中か
ら引き上げられた布帛２はエキスパンダーロール５，５
′により拡布され、処理液貯溜槽６、シャワーノズル列
８，８′、そして駆動ロール４を経て循環処理されるの
である。

第２図に示す装置においては、駆動ロール４から落下し
た布帛２は２つの傾斜スクレー１０ ａ及び１０ ｂを
介して、タンク１底部の多孔板からなるスクレー１２上
に落下する。

この態様においては、傾斜スクレー１０ａ，１０ｂの傾
斜角は調節可能に構威されるのが好ましく、またそれら
の下方部分は処理液の貯溜が可能なように構或されてい
てもよい。

以上の如く構威された本考案装置によれば、■ 浴比を
１：５以下として処理することが可能となり、 ■ 染料、助剤等の使用量を大巾に節減することができ
、 ■ 水及び蒸気の消費量を削減でき、 ■ また廃液量が少なくなり、必要な廃液処理の労力等
が削減でき、 ■ 処理布帛のシワ発生がほとんどなく、■ スカツチ
ャ等の設備の必要性がなくなり、■ 液流によって布帛
を強制的に揉むことがないために、布帛の損傷がほとん
どない、 等の極めて多大の利点が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る装置の好ましい一態様を模式的に
示す断面図であり、第２図は本考案に係る装置の他の態
様を模式的に示す断面図である。 １・・・・・・処理タンク（処理槽）、４・・・・・・
駆動ロール、５，５′・・・・・・エキスパンダーロー
ル、６・・・・・・処理液貯溜槽、８．８’・・・・・
シャワーノズル、９・・・・・・布受けローター、１０
ａ ，１０ ｂ・・・・・・布受けスクレー、１７・
・・・・・ボンプ、１８・・・・・・熱交換器。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. １．長尺無端状に形或された布帛を処理槽内において循
   環させる間に、前記布帛を前記処理槽底部の処理液と接
   触させて処理するようにした布帛の処理装置であって、 前記処理槽底部の処理液の液面より上方に設けられた、
   前記布帛をこの処理液から引き上げる際に拡布するため
   の拡布装置と、 前記拡布装置の下流に設けられ、この拡布装置を介して
   移送された布帛を別途処理液に浸漬させるための処理液
   貯溜槽と、 前記処理液貯溜槽の下流に設けられ、この貯溜槽を通過
   した布帛に対して前記処理槽底部から導出された処理液
   を噴射するためのシャワーノズルと、 このシャワーノズルの下流に設けられた、布帛を駆動し
   、移送するための駆動ロールと、及び前記駆動ロールの
   下方に配置され、布帛を順次に前記処理槽底部の処理液
   中に移行し、浸漬せしめるための少なくとも１つの布受
   けスクレー又は布受けローターと、 を含んでなることを特徴とする布帛の処理装置。
2. ２．前記拡布装置が１対の曲りエキスパンダーロール又
   はスクリューエキスパンダーロールであることを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項記載の装置。