JPS598796Y2 - スカム回収装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は円形沈澱池におけるスカム回収装置に関する
。

汚泥処理等における濃縮沈澱池においては、濃縮された
汚泥が沈澱するとともにスカムが浮上する。

このため、沈澱池の中央に設けた垂直な回転軸に水平な
アームを固定し、このアームの下側に鋼板又はゴム板等
の柔軟な材料から戊るスカム掻寄板を設け、かつ、沈澱
池の上部にその中央から周壁に亙るトラムを形或し、ア
ームとともに掻寄板を水面に接触させて回転させること
により、スカムをトラフ内に掻寄せ、このスカムを、ス
カムボックスを経て排出している。

ところで、濃縮沈澱槽においては、処理汚泥の種類によ
ってスカムの性状が変化し、水面上のスカム層の厚さが
異なる。

しかし、従来のトラフは、スカムが越流する壁の高さが
一定で、その壁の上縁よりスカム層の下面がかなり下位
となっており、しばしばスカムの回収もれが生じている
。

この考案は、アームの回転方向におけるトラフの前壁の
上縁の高さを調節可能として種々の汚泥処理のスカム回
収率の向上を図ったスカム回収装置を提供するものであ
る。

以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて説明する
。

第１図に示すように、円形濃縮沈澱池１の中央にモータ
等で駆動される垂直の回転軸２が設けられ、この回転軸
２の外周にはセンターウエル３が形威され、ウエル３に
は曝気槽４からの導入管５が連通されており、この導入
管５を通ってウエル３内に原水が流入する。

沈澱池１の周壁１′の上部内面には越流トラフ６が形威
され、この越流トラフ６のさらに内側にはトラフ６への
スカム流人阻止板７が設けられている。

上記回転軸２の上部には水平のアーム８が固定され、こ
のアーム８の下部に鋼板又はゴム板等から或るスカム掻
寄板９が設けられ、掻寄板９の両端縁はウエル３および
阻止板７に接し、回転軸２の回転により、アーム８とと
もに掻寄板９が水面に接触して回転する。

また、沈澱池１の上部にはウエル３から周壁１′に至る
トラフ１０が形或され、トラフ１０の周壁１′側にはス
カムボックス１１が設けられ、このボックス１１の下部
にスカム排出管１２が接続されている。

トラフ１０のボックス１１への排出口にパッキング１３
を介在してゲート板１４を開閉自在に設け、このゲート
板１４に直角３角堰１５等の堰を形或し、その内面に水
位測定用目盛１６を設ければ、トラフ１０からボックス
１１に流出するスカム量を測定することができる。

上記アーム８の回転方向におけるトラフ１０の前壁１７
（第４図において下側）には全長に亙り調節板１８がパ
ッキング１９を介して当てがわれ、この調節板１８には
複数の上下方向の長孔２０が形戊され、前壁１７から突
出したボルト２１を長孔２０に挿し通し、このボルト２
１にナット２２をねじ込んで、前壁１７に調節板１８を
ボルト締めする。

ボルト２１を長孔２０内の任意の位置に位置させて締め
付ければ、調節板１８の前壁１７上縁からの突出度合を
調節することができ、調節板１８の上縁は常時水面より
少し下位に位置される。

すなわち、その上縁はスカム層の下面とはは゛同一高さ
に位置される。

トラフ１０の後壁２３の上縁はパイプ２４で構或されて
おり、このパイプ２４の上面は水面（スカム層の上面）
より少し上位に位置されている。

なお、長”ＪＬ ２０を前壁１７に形或し、ボルト２１
を調節板１８に設けてもよいことは勿論である。

さらに、回転軸２の下部には沈澱物掻寄せアーム２５が
設けられており、この掻寄せアーム２５により、沈澱池
１の底部中央に形戒された汚泥溜２６に沈澱物が掻寄せ
られて排泥管２７により排出される。

なお、図中２８はセンターウエル３のサポートである。

この考案のスカム回収装置は以上のように構或され、回
転軸２の回転により、掻寄板９が水面（スカム層）に接
触して回転すると、スカムが調節板１８の上縁を越流し
てトラフ１０内に掻寄せられて、スカムの回収が行なわ
れる。

集められたスカムはボックス１１に集められたのち排出
管１２に流出する。

以上のように、この考案のスカム回収装置によると、ス
カム掻寄板のアームの回転方向におけるトラフの前壁に
調節板を取付け、調節板の上縁と水面とのクリアランス
を調節可能としたので、スカムの性状が変化し水面上の
スカム層の厚さが異なっても、調節板の上縁をスカム層
の下面とほぼ同一高さとすることかで゛き、トラフにス
カムのみを確実に全く越流させることができる。

したがって、この考案の装置は、種々のスカム性状に対
応することができるので、あらゆる汚泥処理のスカム回
収を効率よく行なうことができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のスカム回収装置の実施例の切断正面
図、第２図は第１図の要部拡大部分図、第３図は第２図
のＸ−Ｘ線断面図、第４図は第２図の平面図である。 １・・・・・・沈澱池、１′・・・・・・周壁、２・・
・・・・回転軸、８・・・・・・アーム、９・・・・・
・スカム掻寄板、１０・・・・・・トラフ、１７・・・
・・・前壁、１８・・・・・・調節板、２０・・・・・
・長孔、２１・・・・・・ボルト、２２・・・・・・ナ
ット。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）円形沈澱池の゛中炎に垂直の回転軸を設け、水面
   に摺接するスカム掻寄板が設けられた水平なアームを上
   記回転軸に固定し、沈澱池の上部にその中央部から周壁
   に至るスカム取出用トラフを形戊し、上記アームの回転
   方向におけるトラフの前壁に、その上縁から全長に亙っ
   て突出する調節板を取付け、この調節板の突出量を調節
   可能にしたことを特徴とするスカム回収装置。
2. （２）上記前壁に全長に亙って調節板を当てがい、この
   調節板又は前壁に複数の上下方向の長孔を形威し、各長
   孔にボルトを挿し通して前壁に調節板をボルト締めし、
   前壁から調節板の突出量を調節可能としたことを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項に記載のスカム回収
   装置。