JPS59841Y2 - 水平出力装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案のテレビジョン受像機の画面に発生するノンギン
グ妨害を軽減した水平出力装置を提供することを目的と
する。

一般に使用されているテレビジョン受像機の水平出力装
置の一例を第１図に示す。

第１図において１は水平出力トランジスタ、２は共振用
コンデンサ、３は５字補正用コンデンサ、４は偏向ヨー
ク、５はダンパーダイオード、６はフライバックトラン
ス（以下Ｆ、 Ｂ、Ｔ、と略す）７はＦ、Ｂ、Ｔ、６の
１次巻線、８はＦ、Ｂ、Ｔ、６の１次巻線７をさらに巻
き上げたダンパー巻線、９はＦ、Ｂ、Ｔ、６の高圧巻線
、１０は高圧整流ブロックである。

これとは別に従来の水平出力装置では、図示していない
が水平出力トランジスタ１の出力部と同タップでダンパ
ーダイオードを接続したものもあるが、この場合は水平
出力トランジスタ１の出力パルス波形に、第２図０１に
示すように段差が発生し、この段差が、偏向電流に妨害
を発生させ、テレビジョン受像機の画面上に輝度むらと
なって現われる欠点がある。

これに対して現在では第１図に示したようにＦ、Ｂ、Ｔ
、６の１次巻線７にダンパー巻線を付加してダンパーダ
イオード５を接続し、前記水平出力トランジスタの出力
の段差を無くしているものが多い。

ところがＦ、Ｂ、Ｔ、６の１次巻線７をダンパー巻線８
の分だけ巻き上げているため、ダンパー期間に第３図Ｃ
２に示すようなリンギング電圧が発生する。

第３図のＣ２の部分を拡大した波形を第４図に示す：図
中縦軸は電圧、横軸は時間を表わし、ａは帰線期間、ｂ
は走査期間である。

走査期間すにおけるリンギング電圧は水平出力トランジ
スタ１の出力パルスの電圧に比較して５〜７％の割合で
発生している。

このようにリンギング電圧と水平出力トランジスタ１の
出力パルスの電圧との割合が大きいために、テレビジョ
ン受像機の画面上にリンギング妨害が発生し、特に画面
を暗くしたとき、即ちビーム電流を小さくしたときには
画面に黒い縦縞が表われるなど画質の劣化の要因となっ
ていた。

本考案は上記の欠点を解消するもので、即ちリンギング
電圧を十分小さくすることによって画質の改善をはかる
水平出力装置を提供するものである。

以下本考案の一実施例を第５図以下の図面にもとづいて
説明する。

なお、従来と同一の素子については同一の番号を付し、
説明を省略する。

第５図は本考案の一実施例の構成図である。

その特徴とするところは、Ｆ、 Ｂ、 Ｔ、 ６のダン
パー巻線８と並列に、ダンパーダイオード５と同極性に
配置したダイオード１１．コイル１２とコンデンサ１３
の直列回路を各々接続して構成した点にある。

以下に動作を説明する。

第５図において、水平出力トランジスタ１が動作すると
、水平出力トランジスタ１の出力は第６図に示すような
波形となり、ダンパー期間すに発生していたリンギング
がほとんど無くなる。

この理由は、Ｆ、 Ｂ、 Ｔ、６の１次巻線７に巻き上
げたダンパー巻線８の両端に発生するリンギング電圧が
、ダイオードの順方向特性（ＩＦ ＶＦ特性）によっ
て吸収されるためである。

さらに述べるとダイオードの順方向電圧を越えるリンギ
ング電圧が、ダンパー巻線８に発生すると、ダイオード
１１が導通しリンギング電圧は、ダイオード１１の順方
向電圧値にクランプされ、周波数の高いリンギング電圧
が残る。

前記周波数の高いリンギング電圧に、コイル１２とコン
デンサ１３からなる直列回路を共振させることにより、
この直列回路は前記リンギング周波数において最低のイ
ンピーダンスになるために°リンギング電圧が吸収され
、その結果リンギング電圧はより小さくなる。

第６図のＣ３の部分の波形を拡大すると第７図のように
なる。

第７図において縦軸は電圧、横軸は時間を表わし、ａは
帰線期間、ｂは走査期間を示す。

測定によれば走査期間すのリンギング電圧は水平出力ト
ランジスタ１の出力パルスに比較して０．３〜０．６％
の割合まで小さくなり、従来の装置による５〜７％の割
合と比較すると約１０分の１の大きさになる。

したがってテレビジョン画像へのリンギング妨害は極め
て少なく、たとえビーム電流を小さくしてもほとんど目
立たなくすることができる。

また、ダイオード１１の順方向電圧値を越えるリンギン
グ電圧だけ、ダイオード１１を導通させるため消費電力
が少ないという長所もある。

上記実施例からも明らかなように本考案は、ダンパー巻
線を有するフライバックトランスで問題となっていたダ
ンパー期間のリンギング妨害を、ダンパー巻線と並列に
接続したダイオードの順方向電圧でクランプして小さく
し、さらにコイルとコンデンサとの直列回路をダイパー
巻線の両端に並列に接続し、リンギング電圧の周波数に
共振させることによって、ダンパー巻線に発生するリン
ギング電圧をより小さくできるため従来のテレビジョン
受像機の画面上でめだっていたリンギング妨害が解決で
きると同時に、ダンパー巻線の両端に接続したダイオー
ドの順方向電圧値を越えるリンギング電圧だけ、ダイオ
ードを導通させるため消費電力が少ないという効果を有
する実用的価値の高い水平出力装置を提供するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の水平出力装置の一例を示す構成図、第２
図及び第３図は従来装置の水平出力トランジスタの出力
波形図、第４図は第３図の出力波形の部分拡大図、第５
図は、本考案の水平出力装置の一実施例を示す構成図、
第６図は本実施例の水平出力トランジスタの出力波形図
、第７図は第６図に示した出力波形の部分拡大図である
。 １・・・・・・水平出力トランジスタ、２・・・・・・
共振用コンテ゛ンサ、３・・・・・・Ｓ字補正用コンテ
ツサ、４・・・・・・偏向ヨーク、５・・・・・・ダン
パーダイオード、６・・・・・・フライバックトランス
、７・・・・・・１次巻線、８・・・・・・ダンパー巻
線、９・・・・・・高圧巻線、１１・・・・・・ダイオ
ード、１２・・・・・・コイル、１３・・・・・・コン
テ゛ンサ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. １次巻線とこの１次巻線をさらに巻き上げたダンパー巻
   線を有するフライバックトランスと、前記フライバック
   トランスの１次巻線に出力端が接続された水平出力トラ
   ンジスタと、前記水平出力トランジスタの出力端にそれ
   ぞれ接続された偏向ヨークおよび共振用コンデンサと、
   前記ダンパー巻線に接続されたダンパーダイオードとを
   備え、前記ダンパー巻線とダンパーダイオードの接続点
   と前記水平出力トランジスタの出力端との間に、コイル
   とコンデンサの直列回路およびダンパーダイオードと同
   極性方向のダイオードとを接続したことを特徴とする水
   平出力装置。