JPS597528Y2 - エンジンのブレザ弁付ブレザ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はエンジンのブレザ弁付きのブレザ装置に関す
る。

この種のブレザ装置では、基本的にブローバイガス案内
路で予備的にオイル分離を行なった後、この案内路の終
端に形或したブレザ弁室で、最終的なオイル分離を行う
。

ところが、このままではブローバイガスが間欠的にブレ
ザ弁を押し開いてはブレザ弁室に勢い良く噴出し、ブロ
ーバイガス中のオイル及び一旦分離されたオイルも吹き
あげられて、外部に放出され、ブレザ性能が悪い。

これを補うため、従来では、ブレザ弁室を大きくしなけ
ればならなかった。

この考案は上記の問題点を解消するものであって、ブレ
ザ弁室をその奥端側に向って下り傾斜状に配設される仕
切板で二室に区切り、弁口から噴き出すガスが直接ガス
出口へと移動するのを防ぐとともに、ガスで吹き上げら
れたオイルも仕切板で受け止めて、ガス出口へ飛び込ま
ないようにするものである。

以下この考案の実施例を図面に基き説明する。

第１図は横型水冷ディーゼルエンジンの要部破断正面図
、第２図は第１図ＩＩ − ＩＩ線断面図である。

図において１はクランクケース、２はギヤケース、３は
両ケース１，２によって区画されるギヤ室である。

このギヤ室３は、クランクケース１の前壁に通設したガ
ス穴４及びオイル穴５を介してクランク室と連通されて
いる。

そしてその内部にクランクギャ、カムギャ、バランサギ
ャなどのタイミングギャ群６、及び燃料噴射ポンプ７等
を収容している。

ギヤ室３の上部には、ブローバイガス案内路８が横長状
に形或されるとともに、この案内路８の奥終端にブレザ
弁室９が形或されている。

これらは、それぞれギヤケース２の周壁とこのケース２
内面に突設した壁Ｂ ａ ，ｇ ａとで区切られている
。

第２図及び第３図に示すように、ブレザ弁室９はクラン
クケース１側に向って開口されており、この開口を塞ぐ
小判形のカバー（区画壁）１０で、前記のブローバイガ
ス案内路８から区画されている。

カバー１０には弁口１２が透設されているとともに、そ
のブレザ弁室９側の面に弁口１２を開閉するリード弁型
のブレザ弁１１が装着してある。

また、ブレザ弁室９の上壁及び底壁の閉口縁端には、ガ
ス出口１３及びオイル流下溝１４がそれぞれ形威されて
いる。

Ｐはブローバイガスをガス出口１３からエアクリーナに
導く導管である。

上記のようなブレザ装置において、弁口１２がら噴出す
るガスによってオイルが吹き飛ばされ、ガス出口１３か
ら排出されるのを防ぐために、ブレザ弁室９に仕切板１
５を配設している。

この仕切板１５は、第４図に示すように略々矩形の薄鋼
板（実施例では板厚０．２ｍ／ｍ位）の左右両側縁から
爪片１６を上下交互に折起し、各爪片１６の間及び奥端
縁にそれぞれガス通口１７を形或してなる。

この仕切板１５は、ブレザ弁１１の上側からブレザ弁室
９の奥端下部に向う下り傾斜状に配設されて、ブレザ弁
室９を膨張室１８とこれより幾分小さめの容積のガス出
口室１９とに区切っている。

この状態で、前記の爪片１６がブレザ弁室９の両側に膨
出するネジボスを弾性変形した状態で扶持し、かつ仕切
板１５の奥端縁が上記弁室９の奥端に膨出するボスに係
合することにより、仕切板１５の取付姿勢が保持されて
いる。

尚、ブローバイガス案内路８の奥端凹部の最低位個所に
は、ギヤ室３に通じるオイル戻し穴２０が形或されると
ともに、ギヤで飛散されたオイルが入り込むのを防ぐた
めに、同穴２０に遮閉板２１を挿嵌している。

以下作用を説明する。

クランク室内のブローバイガスは、ガス穴４、ギヤ室３
、ブローバイガス案内路８を順に介して、弁口１２から
膨張室１８内に移動する。

ブローバイガスに含まれるミスト状オイルの大半は、上
記の案内路８で周壁に付着してガスから分離する。

また、弁口１２から噴出するガスは、膨張室１８で膨張
して減圧され、ガス通口１７からガス出口室１９側へ流
入する。

このガス噴出時に、仕切板１５がガス出口室１９側へ膨
らんで、ガスの減圧を助長する。

また、ガスに含まれるミスト状のオイルは、噴出時の慣
性力でガスから分離され、主として仕切板１５に付着し
、その板面に沿って流下する。

そして、ガス噴出時に吹き上げられたオイルは、仕切板
１５及び周壁に付着して流下する。

この分離オイルの一部がガス出口室１９側へ流入する可
能性があるが、ガスはガス通口１７を通過するとき流れ
の方向を大きく変えながらガス出口１３へと移動するの
で、ここでもオイルは分離され、その排出が防止される
。

尚、上記の流下オイルはオイル流下溝１４及びオイル戻
し穴２０を介してギヤ室３へ戻される。

上記実施例の変形例として、ブレザ弁１１を、ディスク
弁型に変更すること、仕切板１５をカバー１０に固定す
ることなどが考えられる。

以上説明したようにこの考案では、ブレザ弁室を仕切板
で区切って、弁口から間欠的に勢い良く噴き出すオイル
混りのブローバイガス、及びこれで吹き上げられる分離
後のオイルを仕切板で遮って、これらが直接ガス出口か
ら吹出されるのを防ぐようにするとともに、仕切板を下
向きに傾斜させて、ガス流及びオイルをガス出口とは反
対側の膨張室の内底壁へと案内し、ガス出口側へ移動し
にくい構造にしてあるから、オイルがブレザ装置から外
部へ排出されるのを防止して、エンジンのオイル消費を
大幅に低下させられる。

これによりブレザ弁室を小形に形威して、ブレザ装置を
高性能にすることができる。

また、実施例に示すように仕切板を爪片のネジボスなど
への弾接により装着するものでは、仕切板を追加するだ
けで設計変更を行わずに既存エンジンに適用でき、簡単
かつ安価に実施できる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示し、第１図はエンジンの要
部破断正面図、第２図は第１図ＩＩ −ＩＩ線断面図、
第３図は第２図ＩＶ−ＩＶ線断面図、第４図は仕切板の
斜視図である。 ８・・・・・・ブローバイガス案内路、９・・・・・・
ブレザ弁室、１０・・・・・・区画壁（カバー）、１１
・・・・・・ブレザ弁、１２・・・・・・弁口、１５・
・・・・・仕切板、１６・・・・・・爪片、１７・・・
・・・ガス通口、１８・・・・・・膨張室、１９・・・
・・・ガス出口室。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １．ブローバイガス案内路８の終端にブレザ弁室９を形
   成し、この両者８，９間の区画壁１０にブレザ弁１１を
   装着し、ブレザ弁１１の上側からブレザ弁室９の奥端下
   部に向って下り傾斜状に仕切板１５を配設して、ブレザ
   弁室９を仕切板１５より下側の膨張室１８と上側のガス
   出口室１９との二室に区切り、仕切板１５の周縁部に上
   記画室１８．１９を連通ずるガス通口１７を形威した事
   を特徴とするエンジンのブレザ弁付ブレザ装置。 ２６実用新案登録請求の範囲第１項に記載のエンジンの
   ブレザ弁付ブレザ装置において、仕切板１５をブレザ弁
   室９に嵌脱自在に弾支させたもの。 ３．実用新案登録請求の範囲第１項又は第２項に記載の
   エンジンのブレザ弁付ブレザ装置において、仕切板１５
   を弾力性を有する薄板で形或したもの。