JPS596281Y2 - トロコイド系歯車減速機

Info

【考案の詳細な説明】本考案はトロコイド系歯車減速機に関するものである。

さらに詳しくいえば、トロコイド系内接式遊星歯車減速
機において、トロコイド系歯車を出力軸に固定し、これ
と噛み合う内歯歯車である外ローラをすべて一定の関係
で偏心運動を行わせ、トロコイド系歯車とかみ合わせて
減速機構を構或させた減速機を提供しようとするもので
ある。

従来トロコイド系歯車を使用した機械としてｉトロコイ
ド系内接式遊星減速機とｉｉトロコイドポンプがある。

前者は入力軸の一部を偏心させ、これに噛合うトロコイ
ド系歯車よりなる曲線板に偏心公転運動を与え、固定さ
れた外ピン、又は外ローラと噛合せることによって得ら
れる曲線板の自転のみを低速軸によって出力として取出
すものである。

又後者はトロコイド系歯車を入力軸に固定し、これと噛
合う外ピン又は外ローラを配した内歯と偏心した一定心
間距離のまま回転を与え、両者間の歯間間隙の変化を利
用してポンプ作用・を生ヒさせるものである。

本考案は叙上の機械に利用されている如きトロコイド系
歯車を出力軸に固定し、これと噛合う外ピンに公転を与
えて減速出力を得ようとするものである。

以下実施例について説明する。１は入力軸で、ケーシン
グ２に取付けられた軸受３により支持されている。

３は出力軸で、ケーシング２内にとりつけられた軸受４
，５によって支持されている。

６は入力軸１の端に固着された歯車、７は歯車６と噛合
い円周上に等ピッチで配された小歯車である。

８は小歯車７に固定された軸で、ケーシング２内に回転
可能に支持され、偏心量ｅを有する外ローラ９がこれに
とりつけられている。

１０はトロコイド系歯車で出力軸３に取付けられ、上記
外ローラ９と噛合っている。

なお前記入力軸１の先端１１は出力軸３の先端に設けら
れた凹孔内に回転可能に軸支されている。

今入力軸１を回すと、入力側歯車６→小歯車７→外ロー
ラ９と回転は伝えられる。

すると外ローラ９・・・は従来のトロコイド系内接式遊
星歯車減速機における曲線板自体が偏心運動するのと同
様の動きをなし、外ローラ９のクランク軸の１回転でト
ロコイド系歯車１０を１歯宛回転させることかで゛きる
。

本考案によれば、１質量の大きなトロコイド系歯車１０を出力軸３に固
定したので、歯厚が大でしかも全体構或のコンパクトな
減速機を得ることができる。

２小質量の外ローラ９に揺動運動を行わせる丈である
から、小異性モーメントの小さな減速機が得られる。

３小径の外側の部分が偏心運動する機構であるから、
減速機の中心部にスペースの余裕ができ、中空軸減速機
が可能となった。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る減速機の縦断面図、第２図は第１
図のＩＩ矢視断面図。図において：１・・・人力軸、２・・・ケーシング、３
・・・軸受、４，５・・・軸受、６・・・歯車、７・・
・小歯車、８・・・軸、９・・・外ローラ、１０・・・
トロコイド系歯車、１１・・・（入力軸の）先端。

【実用新案登録請求の範囲】