JPS596280Y2 - 金属ｖベルト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は機械式完全無段変速機等の主要要素である金属
■ベルトに関するものである。

１対のＶプーりにＶベルトを挾んで動力を伝達するもの
に於いて、■ベルトがゴム等を利用したものでは引張応
力、圧縮応力の制限から高いトルクを伝達することはで
きない。

従来も高いトルクを伝達する目的の金属Ｖベルトが提案
されている。

これは■断面の多数の金属コマを帯鋼を通してエンドレ
ス状に連結してなるものである。

しかしこの金属Ｖベルトのコマと■プーりとの接面は線
又は点接触であって、使用中面圧によって■ベルトが破
壊される虞れがあった。

また金属■ベルトの帯鋼が伸び、コマはたるみ側ではコ
マ同志によって押されて移動することになり、かつ帯鋼
の伸びによってコマ間隔が開くため伝達効率が低下する
欠点があった。

本考案は前記従来の欠点を解消するために提案されたも
ので、ピン結合した隣接リンク間に多数のＶ形金属板ブ
ロックを保持することにより、Ｖプーり巻付け時にはリ
ンクの作用によって該金属板ブロックを■プーりに押し
付ける力を発生させて、高い伝達効率を得ることができ
る金属■ベルトを提供せんとするものである。

以下本考案の実施例を図面について説明すると、第１図
は本考案の金属■ベルト１を■プーリ２，３間に掛け渡
してなる伝達装置を概略的に示すものである。

なお、図面ではＶベルト１を表面がフラットで連続した
平ベルト状に示してあるが、これは伝達状態を概念的に
示したもので、実際には第４図、第５図及び第６図に示
す側面及び上下面の形状を有するものである。

先ず第２図〜第６図に示す第１実施例について説明する
と、第２図は薄板（実施例では約１ｍｍ）を集積したＶ
形金属板ブロック４、第３図はリンク５の夫々正面図で
ある。

ブロック４は両側部に■ベルトのＶ形傾斜面４ａを有し
、下部に凹部４ｂが形威されている。

またリンク５は上部に腕部５ａ、下部に脚部５ｂを有し
、該腕部５ａと脚部５ｂの中央部を両側が下方に向け狭
くなるようテーパ６ａを付した連結部６で連結しており
、該連結部６の両側と腕部５ａ及び脚部５ｂ間にコ字状
空間７，７が形或されている。

また腕部５ａの両側部には円形穴の外側の１部８が欠け
た連結穴９が形威されており、該連結穴９には湾曲面を
背中合せに２枚のピン１０，１１を挿入して隣接リンク
５，５同志を屈曲可能に連結する。

なお、ピン１０，１１はこの形状でなく、普通の連結ピ
ンでもよい。

またブロック４及びリンク５には一般の鋼材、炭素鋼等
が用いられる。

前記Ｖ形金属板ブロック４は、前記リンク５のコ字状空
間７が隣接リンクと共に形威した矩形状穴に多数重ねら
れて挿入されており、該ブロック４の下部の凹部４ｂに
は撓み板１２が挿入されて該ブロツ久４のガタ防止と、
両側部への抜け出し防止を計っている。

さて以上の構造の各部品が第４図の如く組付けられて金
属Ｖベルト１を構或しており、該ベルト１は直線部Ａで
は撓み板１２は撓まず、リンク５の連結部６両側のテー
パ６ａ部と最外側のブロック４間には隙間１３が出来て
ガタになっているが、■ベルト１が湾曲部Ｂに来ると撓
み板１２が第４図の１２′の如く撓み、前記隙間１３は
消失する。

この時リンク５の腕部５ａがブロック４を矢印Ｐなる力
で下方に押し、これによりブロック４の■形傾斜面４ａ
をＶプーりの■溝面に押し付ける力を発生する。

なお、この場合ブロック４はＶプーりの中心方向に移動
するのではなく、横方向に撓んで逃げることになる。

また湾曲部Ｂではピン１０． １１は湾曲した背中合せ
の接点１４で転動し、リンク５の傾きがスムーズに出来
るようになっている。

第７図〜第９図は第２実施例を示し、■形金属板ブロッ
ク４の重ね合せの中央部に湾曲した板ばねブロック１５
．１６を背中合せになるように介装したもので、他は第
４図の実施例と同じである。

この場合は直線部Ａでも湾曲部Ｂでも連結部６の側面と
ブロック４間には隙間はなく、常にガタは無いようにな
っている。

第１０図は第３実施例、第１１図は第４実施例を示し、
先ず第１０図は第４図のＶ形金属板ブロック４に代え、
第１２図に示す両面に横方向の突部を有する波形のＶ形
金属板ブロック４′を取付け、直線部でも第４図のよう
な連結部６とブロック４′間の隙間が形威されないよう
にし、湾曲部ではブロック４′の波形が変形するように
なっている。

第１１図はＶ形金属板ブロック４と波形のブロック４′
を１枚置きに配設したものであるが、第１０図と作用効
果に於いて差異はない。

第１３図及び第１４図は第５実施例及び第６実施例を示
し、先ず第１３図は、第１２図のブロック４′では横方
向に波形が形或されていたものを、第１５図の縦方向に
波形が形威された金属板ブロック４“とじ、このブロッ
ク４″を両側のブロック４，４間に配設したものである
。

第１４図はブロック４とブロック４″をｌ枚置きに配設
したものであるが、これらは何れも第１０図のものと作
用効果に於いて差異は認められない。

以上詳細に説明した如く本考案は、互いに離間して位置
する腕部と脚部及びこの両者を結ぶ連結部とからなり、
略工字状を呈するリンクがその腕部にて互いにピン結合
しエンドレス状に連鎖して形或されており、連鎖され互
いに隣接するリンク間に腕部と脚部と連結部とにより画
定された空間に、両側が■ベルトの傾斜面に形或された
多数のＶ形金属板ブロックを重ねて挿着したことにより
、■プーりに巻掛けられた時互いに隣接するリンクが屈
曲すると多数のＶ形金属板ブロックもリンクに習ってく
の字形に屈曲し、その位置を変位することになり、各々
のＶ形金属板ブロックが■プーりの■溝面に圧接され、
接触面が増大することにより伝達効率が向上される。

又、互いに隣接するリンクが屈曲する時、リンクの作用
によってＶ形金属板ブロックを■プーりに押し付ける力
を発生させて、高い伝達効率を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す金属■ベルトを■プーり
間に掛け渡した状態の概略を示す斜視図、第２図は本考
案に於ける■実施例のＶ形金属板ブロックの正面図、第
３図は同リンクの正面図、第４図は第２図のブロックを
用いた金属■ベルトの側断面図、第５図は第４図のＸ矢
視図、第６図は第４図のＹ矢視図、第７図、第１０図及
び第１１図は夫々他の実施例を示す金属■ベルトの側断
面図、第８図は第７図に於けるブロック重合体の斜視図
、第９図は第７図に於ける板バネブロックを示す斜視図
、第１２図は第１０図及び第１１図に用いる波形ブロッ
クの斜視図、第１３図及び第１４図は夫々他の実施例を
示す金属■ベルトの平面図、第１５図は第１３図及び第
１４図に用いる金属ブロックの斜視図である。 図の主要部分の説明、１・・・金属■ベルト、４・・・
Ｖ形金属板ブロック、４ａ・・・■ベルトの傾斜面、５
・・・リンク、５ａ・・・腕部、５ｂ・・・脚部、６・
・・連結部、７・・・リンクに形或された空間、１０．
１１・・・ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 互いに離間して位置する腕部と脚部及びこの両者を結ぶ
   連結部とからなり、略工字状を呈するリンクがその腕部
   にて互いにピン結合しエンドレス状に連鎖して形威され
   ており、連鎖され互いに隣接するリンク間に腕部と脚部
   と連結部とにより画定された空間に、両側が■ベルトの
   傾斜面に形或された多数のＶ形金属板ブロックを重ねて
   挿着したことを特徴とする金属■ベルト。