JPS595940Y2 - デンジシヤクソウチ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は電磁石装置に関する。

いわゆるキープリレーのように、可動鉄心を往動させる
ためのセット用コイルと、可動鉄心を復動させるための
リセット用コイルなどのような、複数個のコイルを重ね
合せる構造の電磁石装置においては、各コイルを巻装し
た各コイルスプールが軸方向に連結されている。

そのために、第２図に示すように、コイルスプール１ａ
，１ａのつば１１ａ，１１ａが互いに重なる部分の幅ｄ
だけスペースが無駄に使われ、その結果電磁石装置が不
必要に大きくなる原因になっていた。

また、コイルスフ゜−ルｌａ，ｌａの中空洞内１０ａを
可動鉄心が移動する構造の電磁石装置では、従来、可動
鉄心動作時において、可動鉄心とコイルスプールとの内
側面とが衝突することを防止して、両者の摩耗を防止す
るために、テフロンシ一トなどを筒状に曲げてコイルス
プール内面に挿入するなどの手段がとられていた。

しかしながら、コイルスプール内にシートなどの別部材
をとりつけることは部品数や組立工数が増えてコスト高
となるのみならず、そのシートの抜け防止を施こさなけ
ればならないから構造が複雑となり、がっ大型化する欠
点か”あった。

また、シートを筒状に曲け゛たときにできるシートの重
なりのために鉄心が偏在し、均等に固定鉄心に吸引され
ないため、うなりの原因にもなっていた。

また可動鉄心の駆動時に筒状物の一部が折れ曲がり、こ
の部分に可動鉄心がすれて摩耗し、シート材料の粉が磁
極面上に付着してうなりを生じさせたり電流増大を生じ
たりする原因にもなっていた。

さらに、コイルスプールは規格品として或型されている
ため、コイルの形状や巻き長さは、コイルスプールの規
格に合わさねばならず、任意に変えることが出来ないと
いう欠点があった。

この考案は、特殊な材料でコイルスプールを形或するこ
とによって、無駄なスペースを要しない安価でかついか
なる形状の巻きコイルからでも構威されうる電磁石装置
を提供しようとするものである。

実施例につき、以下図面にもとづいてこの考案を説明す
る。

第１図は、２個の巻きコイル２，２の中空洞２００を可
動鉄心３が移動する形式の電磁石装置の一都を構威する
コイル部４を示している。

このコイル部４は、いわゆるボビンレスコイル２，２、
すなわちコイル線の被覆絶縁材例えば樹脂を熱加工によ
って僅かに溶解し、互いの隣接部を溶着させて中空円筒
型に形或したコイルと、ボビンレスコイル２，２間に挾
まれた、例えば打ち抜きによってコイル中空洞と同じか
若干大きい切欠円を中央に有する薄層の絶縁材５、例え
ばベークライトと、ボビンレスコイル２の中空洞内面２
０に密着したコイルスプール１とによって構戒されてい
る。

この熱膨張チューブ１としては、熱膨張性と優れた電気
絶縁特性を有し、耐熱，耐湿，耐摩耗性でかつ低摩擦係
数を有し、しかも弾性を有している材料、例えば淀川化
戒株式会社製の商品名ヨドフレックスＰＴ６０００が使
用される。

熱膨張チューブ１を中空洞２００の内面２０および上端
面２１，下端面２１に密着させるには、あらかじめボビ
ンレスコイル２よりも若干長めの円筒状チューブをボビ
ンレスコイル２の中空洞に挿入し、ついで、例えば高温
（１６０〜１７０℃）の炉内を通過させて膨張させ、ボ
ビンレスコイル２の中空洞内面２０に密着させる。

一方のボビンレスコイル２の上方及び他方のボビンレス
コイル２の下方から外部に突出していたチューブの上，
下端部もそれぞれ膨張してボビンレスコイル２：２の上
端面２１，下端面２２におおいかぶさるように密着する
。

また、加工前にボビンレスコイル２の外径よりも大なる
内径を有する熱収縮チューブをボビンレスコイル２に外
装し、そののち熱収縮チューブを加熱してボビンレスコ
イル２の外周面をコーティングすると、ボビンレスコイ
ル２は中空洞内面２０からは熱膨張チューブ１で補強さ
れるとともに、外周面側から熱収縮チューブで補強され
るのでボビンレスコイル２はさらに強固に固定される。

本考案によれば、複数個のコイルを軸方向に連結して電
磁石装置を構或するにさいして、コイルにボビンレスコ
イルを用い、コイル間の絶縁材として薄層のものを用い
るとともに、各コイルの中空洞に加熱により膨張する熱
膨張チューブを挿通し、これを連結されたボビンレスコ
イルの両端面および中空洞の内面に密着させたため、熱
膨張チューブによって前記複数個のボビンレスコイルを
互いに固定できるとともに、前記中空洞内面に密着させ
た熱膨張チューブにより、前記中空洞を移動する可動鉄
心を案内することができる。

また、前記ボビンレスコイルを熱膨張チューブで固定し
たことにより、コイルスプールを用いないですみ、つば
部の重なりによる無駄なスペースがなくなり電磁石装置
を小型化できる。

さらに、コイルスプール等の形状に左右されずにコイル
の大きさを選択できるので、用いられる場所に応じたコ
イルの大きさを設定できることになり実用的価値の高い
電磁石装置を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の１実施例の電磁石装置におけるコイ
ル部の断面側面図、第２図は従来の電磁石装置のコイル
スプールの側面図である。 １・・・・・・熱膨張チューブ、２・・・・・・ボビン
レスコイル、５・・・・・・絶縁材、２０・・・・・・
中空洞内面、２００・・・・・・中空洞。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コイルを軸方向に複数個連結する構造の電磁石装置にお
   いて、可動鉄心が移動する中空洞を有する複数個のボビ
   ンレスコイルと、前記中空洞の内径以上の内径を有する
   切欠円を中心に有し前記複数個のボビンレスコイル間に
   配置される薄層の絶縁材と、前記複数個のボビンレスコ
   イルの軸方向の長さと前記絶縁材の厚さとを加算した長
   さよりも長い加熱により膨張する熱膨張チューブとを有
   し、この熱膨張チューブを前記中空洞と切欠円とに挿通
   して前記熱膨張チューブと前記連結されたボビンレスコ
   イルの両端面および中空洞内面に加熱膨張によって密着
   することにより、前記複数個のボビンレスコイルを互い
   に固定するとともに、前記中空洞内面に密着した熱膨張
   チューブにより前記可動鉄心を案内するようにしたこと
   を特徴とする電磁石装置。