JPS595523Y2 - 合板

Info

【考案の詳細な説明】この考案は合板に関するものである。

合板、特に三層合板は、床材等として用いられるもので
ある。

このような三層合板は、従来から水分変化に伴なう反り
を考慮して表面および裏面に同樹種で、かつ同じ厚みの
単板を用いて構成されてきた。

例えば、表面−芯材−裏面の樹種の構成は、ラワン−ラ
ワン−ラワン、シナ−ラワン−シナ、カバーラワン−カ
バのように構成され、厚み構成は、１．２−４．２−１
．２ｍｍ、０．８−１．７−０．８ｍｍのように
構成されていた。

この場合、芯材には、均質で安価なラワンが主に用いら
れる。

しかしながら、このような三層合板は、裏面にも比較的
高価な樹種の単板を用いるため、コストが高かった。

そこで、この考案の目的は、安価な合板を提供すること
にある。

つぎに、この考案を詳しく説明する。

この考案者等は、第１図に示すよ−う−に、芯材１の表
面および裏面にそれぞれ樹種の異なる単板２．３を貼着
して構成された合板４の反りの防止について研究を重ね
た結果、表面単板２および裏面単板３の厚さの比を表面
単板２および裏面単板３の比重の比に等しく設定すると
、反りが防止できることを見いだした。

すなわち、この考案者等は、表面単板２の比重ρ、と裏
面単板３の比重ρ８の比（ρＦ／ρＢ）と、表面単板２
の厚さＦと裏面単板３の厚さＢの比（Ｆ／Ｂ）と、合板
４の反りとの関係について研究を重ねた結果、第２図の
直線で囲まれている斜線部分内では、反りが殆んど起ら
ないことを見いだした。

すなわち、表面単板２の比重ρ１と裏面単板３の比重ρ
８との比（ρＦ／ρＢ）が０．９〜１．３の範囲内では
、表面単板２の厚さＦと裏面単板３の厚さＢの比（Ｆ／
Ｂ）が０．９〜１．４であれば反りが殆んど起らない。

そして、この関係は、前述の範囲内に限らす殆んどの場
合に適用できることが確認されている。

したがって、ρＦ／ρ８とＦ／Ｂをほぼ等しくすること
により、従来のように表面単板および裏面単板に同樹種
の単板を用いることなく、裏面単板′３に安価な単板を
用いて反りの殆んど起らない合板４を得ることができる
。

つぎに実施例についで説明する。

〔実施例１〜５〕次表に示す芯材の表面および裏面に、それぞれ同表に示
す樹種、厚みの表面単板および裏面単板を貼着して三層
合板をつくった。

この場合、表面単板および裏面単板の比重を、それぞれ
それらの厚みとほぼ同一に設定した。

以上の実施例で得られた三層合板は、水分変化による反
りが起らなかった。

〔実施例６〕実施例１で得た三層合板を第３図に示すように基板に貼
着した。

図において、５は芯材、６は表面単板、７は裏面単板、
８は三層合板、９は基板である。

このように構成した結果、三層合板８の表面に水等がか
かつて表面単板６のみが吸水して伸長し、それによって
三層合板８が下向きに反ろうとしても、基板９の剛直性
によりそれを抑制することができる。

〔実施例７〕実施例１で得た三層合板８を第４図に示すように四角状
に切断して複数の四角小板１０をつくり、これらを図示
のように表面単板６の繊維方向が相互に逆向きになるよ
うにして基板１１に貼着して反りの発生を防止している
。

それ以外の部分は第３図と同じである。

この場合、基板１１としては、比重０．８以下であって
曲げ強度１００％以下、好ましくは比重０．１５〜０．
４、曲げ強度１０〜５０陥のものを用いることが望まし
い。

このように構成した結果、表面単板６に水等がかかつて
表面単板６のみが吸水して伸長し、それによって全体が
下向きに反ろうとしても、基板１１によってそれを抑制
することができる。

この場合、三層合板８からなる四角小板１０は繊維方向
が相互に逆向きになるように貼着されているため、反り
方向が相互に逆方向になり、反り力が緩和される。

そのため、一層反りの発生が防止される。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の合板の基本構成を説明する説明図、
第２図は表面単板と裏面単板の比重の比（ρＦ／ρ８）
および厚さの比（Ｆ／Ｂ）と反りとの関係を説明する説
明図、第３図はこの考案の一実施例の構成国、第４図は
他の実施例の構成国である。・・・芯材、２・・・表面単板、３・・・裏面単板。

【実用新案登録請求の範囲】

芯材の表面および裏面に、相互に樹種の異なる表面単板
および裏面単板をそれぞれ貼着し、表面単板および裏面
単板の厚さの比を表面単板および裏面単板の比重の比に
等しく設定したことを特徴とする合板。