JPS595373B2 - 金型固定装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はブレス機のベッドやラムに設けた取付台の取
付面に複数の上下の金型を取付けて、プレス加工を行う
金属板などをラムの１往復毎に１ピッチ移動させて複数
工程のプレス加工を順次行うようにしたトランスファプ
レス機などに用いる金型の固定装置に関するものである
。

上記のようなプレス機の場合、従来では多数の金型を取
付面上に個々に固定していたので固定作業に著し〈手数
がかかる欠点があつた。

また、金型取付面上に複数の金型を並べて押え金具によ
り固定する場合、左右の金型の押え金具で押えられる部
分に厚みの差がある場合、押え金具が傾斜して両側の金
型を押え付けるようにしたものとして実開昭５３−１６
３３４５号公報に記載されたものがある。

この公知の考案は油圧シリンダのような昇降駆動機構に
より昇降されるクランプ駒本体の上部に首振り駒を設け
、この首振り駒の傾斜により厚みの異なる左右の金型を
押えるようにしたものである。

上記のような公知の装置の場合、首振り駒が前後に長い
ものであるため、左右の金型の首振り駒で押えられる部
分の厚みが前方向にも変化している場合、前後方向の全
長に亘つて均一に押えられない。

この問題を解決するため、首振り駒を短か〈分割して前
後方向に並べた場合、各首振り駒毎にクランプ駒本体を
設けてそれぞれのクランプ駒本体を別個の昇降駆動機構
により昇降させないと金型を均一に押えられないという
問題がある。この発明は上記のような公知の金型固定装
置の問題を解決することを目的とするものであつて、前
後にならべた複数の押え金具を貫通する１本のカム軸を
回動することにより、左右に配置した金型を同時に取付
面上に押え込むようにした金型固定装置を提供するもの
である。以下にこの発明の詳細を添附図面に基づいて説
明する。

第１図において、１はプレス機のベッド上に固定した下
部金型取付台、２はプレス機のラムの下面に設けた上部
金型取付台である。

３，４は取付台１上の取付面に固定した前後一対の軸受
で、この軸受３，４に前後端を固定した支軸５Ｖｃは交
互に配置した複数の押え金具６，７が左右に傾斜し得る
ように取付けてある。

また、この各押え金具６，７の両側には左右に張り出す
押え部８，９がそれぞれ形成されている。一方の押え金
具６は第３図のように支軸５の上方に円形の開口１０を
形成し、同金具６の下側右端に突部１１を設け、同じ〈
左端には押上げバネ１２を取付けてある。

また、他方の押え金具７は第４図のように、支軸５の上
方に右側が斜面ａとなつた台形のカム嵌合用の開口１３
を形成し、同金具７の下側左端に突部１４を設け、同じ
〈下側右端には押上げバネ１５を取付けてある。

１６はカム軸で、この軸１６には第３図のように金具６
の開口１０にはまる等角螺旋カム１８とが交互に形成さ
れ、カム軸１６の先端にはカム軸回動用のハンドルが係
合する角軸１９あるいは角孔を形成する。

な｝、円形部１７の外径をカム１８の部分の最大径と等
しいか、それより大として組立時にカム軸１６が開口１
０，１３に容易に入り得るようＫする。上記の実施例に
卦いて、カム１８が第４図の実線の位置にあるときはバ
ネ１５により金具７の突部１４が台１上の取付面に圧着
し、このとき金具６の突部１１もバネ１２により台１上
の取付面に圧着して、金具６，７の押え部８，９と取付
面の距離は全て等しくなつている。

上記の状態で台１上の取付面上に金型２０を載せ、その
両側の突部２１を各押え部８，９の下側へ入れたのち、
各摘まみ２２を回して図示省略してあるノツクピンを上
昇させて金型２０を位置決めし、ついで角軸１９にハン
ドルを係合させてカム軸１６を第４図に向かつて左回転
させる。

これにより、各等角螺旋カム１８は第４図の鎖線のよう
に回るとともにその外側で開口１３の斜面ａを右へ押す
ので金具７は第４図の鎖線のように支軸５を中心に金具
６に対して右へ傾斜し、右側の押え部９で右側の金型２
０の突部２１を取付面上へ押し付ける。カム軸１６がさ
らに同方向に回り、カム１８が斜面ａを押すとともに金
具６は反力で支軸５を中心に左へ傾斜し始め、第３図の
鎖線のように左側の押え部８で左側の金型２０の突部２
１を取付面へ押し付ける。

こうして押え金具６，７により左右の金型２０を固定し
たのち、プレス作業を行い、その後金型２０を外すには
カム軸１６を前記の逆に回すと各金具６，７はバネ１２
，１５により元の位置に戻される。

な卦、上部の取付台２の下部の取付面にも同じ押え金具
６，７を下向きに取付けて、上部の金型２３の両側の突
部２４を、下部の場合と同様の操作で固定するものであ
る。

この発明は上記のように支軸５を中心に左右に傾斜する
複数の押え金具６，７を設け、この金具６，７を共通の
カム軸１６の回動により相反する方向に傾斜させて左右
の金型２０，２３を取付台１，２の取付面に固定するも
のであるから、１本のカム軸１６を回動するだけで左右
の金型２０，２３を簡単に固定できるものであるが、特
に２種の押え金具６，７が複数設けられ、この押え金具
６，７をカム軸１６の円形部１７と等角螺旋カム１８の
ような２種の部分で左右に傾斜させ、金型６，７の突部
２１，２４を押えるさい、イコライジング作用で金具６
，７の左右の押え部８，９が金型２０，２３の突部２１
，２４を均一に取付面に押し付けるようにしたので左右
の金型２０，２３に多少の寸法の違いがある場合は勿論
、同じ金型に｝いても押え金具で押えられる部分の前後
に厚みの若干の違いがある場合でも確実に固定され、ま
た、左右の押え金具６，７の数は無制限に増加でき、か
つ金型取付時には左右の押え金具６．７がガイドとなる
ので金型の取付けが容易となるなどの効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の固定装置の正面図、第２図は同上の
一部縦断側面図、第３図、第４図は各押え金具の拡大正
面図、第５図はカム軸の斜視図である。 １，２・・・取付台、５・・・支軸、６，７・・・押え
金具、８，９・・・押え部、１０，１３・・・開口、１
６・・・カム軸、１７・・・円形部、１８・・・等角螺
旋カム、２０，２３・・・金型、２１，２４・・・突部
。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 金型取付面上に左右に傾斜し得る押え金具を設け、
   金型取付面上に載せた左右の金型の一部を、前記押え金
   具の両側の押え部により押えたとき左右の金型の一部の
   厚みの差に応じて押え金具が傾斜するように構成した金
   型固定装置において、前記押え金具を複数に分割し、前
   後にならべて配置するとともにこの各押え金具を、前記
   取付面上の前後に設けた軸受に前後端を固定した支軸に
   よつて、それぞれ別個に左右に傾斜し得るように支持さ
   せ、一つおきの押え金具の円形の開口にはカム軸の各円
   形部を、回動自在でかつ、カム軸とこの押え金具とがと
   もに左右に移動するように取付け、前記カム軸の各円形
   部に隣接して設けた等角螺旋カムを他の各押え金具に設
   けたカム嵌合用の開口に遊嵌して、カム軸の回動に伴つ
   てカムがカム嵌合用の開口の斜面を押動し、このカム嵌
   合用の開口を有する押え金具を傾斜させるとともに他の
   押え金具を反対方向へ傾斜せるように構成したことを特
   徴とする金型固定装置。