JPS5953393B2 - フイラメント形態・組織不均一性観測方法および装置 - Google Patents

フイラメント形態・組織不均一性観測方法および装置

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JPS5953393B2
JPS5953393B2 JP13069276A JP13069276A JPS5953393B2 JP S5953393 B2 JPS5953393 B2 JP S5953393B2 JP 13069276 A JP13069276 A JP 13069276A JP 13069276 A JP13069276 A JP 13069276A JP S5953393 B2 JPS5953393 B2 JP S5953393B2
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純 古山
孝治郎 伊藤
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【発明の詳細な説明】 合成繊維、ガラス繊維等の連続フィラメント製造工程に
おいて、生産中の糸あるいは製品としての糸に関する品
質を多角的に評価し、その向上策を講じることは極めて
大切である。
1 特にそれらフィラメントの形態、組織的不均一性を
表わす特性値として従来は繊度斑、切糸毛羽(発生率)
、熱収縮率、染色斑、色差等の品質管理情報をそのまま
観測していたが、これらの情報を工程の改良に結びつけ
るためにはその発生原因となる構造因子を握むことか必
要である。
その内でも重要な因子としては単糸経分布、断面形状等
の形態因子、クラック、マクロフィブリル間隙、内部歪
等の組織因子が挙げられる。
ところが、これら特性因子の観測は真に有効なる手段が
ないが、たとえあっても多大の労力と時間を費している
のが現状であり、しかもこれらの観測はほとんど静止状
態で行うので、製造工程中の走行糸についての情報を得
ることができなかった。
本発明者らはかかる現状に鑑み鋭意研究を重ねた結果、
本発明に到達したものであって、製造工程中あるいは製
品としての糸についてその構成フィラメントの形態およ
び組織に関する不均一性を単一装置により迅速かつ容易
に観測せんとするものである。
すなわち本発明の方法は、フィラメントに直交するよう
にレーザー光線を照射し、該フィラメントより回折した
光にて構成される繊維軸に対して直角方向にひろがった
ストライブ状縞模様(メイン回折像)をつくり、(1)
該縞模様の繊維軸方向のひろがり幅A、あるいは(2)
該Aと繊維軸に対して直角方向の縞間隔Bを観測するこ
とにより、フイラメントの形態、組織不均一性を観測す
るもので、そのための観測装置として光源、照射部およ
び受像部よりなり、光源部はフィラメントに対して実質
的に変質を起こさせない程度の低容量レーザー光ビーム
発生装置を主構成要素とし、照射部は移動あるいは静止
フィラメントをレーザー光ビーム(以後レーザービーム
と略称)の中心近傍に設定する機構を備え、受像部はメ
イン回折像の繊維方向ひろがり幅A検知機構、あるいは
該Aと繊維軸に対して直角方向の縞間隔Bを同時に検知
するA、 B同時検知機構およびそれらの機構により
検知光電変換された電気信号を映像信号処理し、A値あ
るいはA値とB値を出力するデータ処理機構とよりなる
フィラメント形態、組織不均一性観測装置を用いるもの
である。
従来、線条体の非接触線径計測方法としては線条に直角
にレーザービームを照射し、その結果得られる回折縞よ
り線径を求める方法が知られていた。
当然、回折像の解析も種々されてきたが、そのいずれも
関心は線径と結びつけて解釈することにあり、本状の目
的とするとうな形態、組織の不均一と関連づけて解析せ
んとする試みは全くなかった。
本発明者らは、該回折像をあらゆる角度から検討した結
果、回折像の乱れ具合とフィラメントの形態、組織不均
一性との間に密接なる関係が存在することを見出し、そ
の不均一性の定量的尺度として回折像を利用することに
成功したものである。
以下、本発明の構成を実施態様に基づいて詳細に説明す
る。
第1図に示したようにレーザー光源1より発生したレー
ザービーム(入射光) blをフィラメント4に対して
直交するように照射し、フィラメント4から回折された
光(回折光)b2を入射光軸から一定の角(回折角)の
位置に配置した受像体3により受像する。
回折光はフィラメントに直交した入射レーザービーム光
軸b1を含む平面の近傍にてフィラメント軸に対して3
60°の全角にわたってひろがっており、該軸を中心軸
として円柱状にスクリーン面2を配置するとストライブ
状の縞模様や写し出される。
このスクリーン面は原理の説明のため便宜的に描いたも
ので、実際の観測に際しては必ずしも用いる必要はない
が、この仮想したスクリーン面内の一定回折角の位置に
受像体、たとえばカメラを置きその像を写真にとると、
第2図のような回折像が得られる。
ここで以後の解析のために強度の弱い波形の模様が表れ
た領域(周辺領域)をサブ回折領域S、強度が強くスト
ライブ状の縞模様が表れた領域(中心領域)をメイン回
折領域Mと定義する。
サブ回折の模様はフィラメント表面の微細な凹凸等の構
造を表しており、メイン回折の模様はフィラメントの直
径と断面形態および内部組織の不均一性を表している。
これらの模様はフィラメントの観測場所によって様々に
変化する。
メイン回折を繊維軸と直角方向(第2図X−x’軸方向
)にみるとほは゛等間隔の縞がみえる。
この縞はフラウンフォーバー回折反射光と屈折光との干
渉、レーリー散乱等様々の要因が重なって発現するもの
と考えられるが、本願ではそれらを全て含めて回折縞と
いう表現を用いた(繊維軸方向のひろがりも回折以外に
散乱が関与しているものと考えられるが、全て回折とい
う用語にてそれらを表現することにした)。
この縞の間隔すなわちBは回折の次数の高い所(たとえ
ば次数6以上)ではほぼ等しく、フィラメント直径に反
比例する。
一方、メイン回折を繊維軸方向(図2Y−Y′軸方向)
にみると一本の縞のみしか現われない場合もあるが、大
部分は複数本の縞が観測され、このひろがりの幅すなわ
ち該縞の束の幅は試料の種類およびサンプリング位置に
よって様々に変化する。
そしてこのひろがり幅Aは以下に挙げた構造因子によっ
て左右される。
1、断面形態:真円からのかたより (断面異形度) 2、内部組織:屈折率の断面内および繊維軸方向の不均
一 (たとえば内部歪、マクロフィ プリル間隙、クラック、気泡、 異物等) そして断面形態に基づく回折のひろがりは前記直径に基
づく回折縞を消す方向に作用する。
この効果を利用して1,2両因子を識別することができ
る。
ところで、メイン回折のひろがり幅Aを表す尺度として
種々の方式が考えられるが、一定の回折角、受像距離に
おけるメイン回折像の幅をもって表すのが実用上便利で
ある。
たとえばある回折角、受像距離における回折像を繊維軸
方向に走査した強度分布は第3図のような波形(y−z
曲線)となり、メイン回折の特徴的なピークが表れるが
、このひろがり幅を規定するのに強度Zに対して次式(
1)にて規定されるスレッシュホルドレベルLrを設け
、そのレベルにより切り取られた全ピーク波形の全幅を
もって繊維軸方向のメイン回折縞ひろがり幅Aを定義す
る。
(第3図参照) Lr=R(La−La)(1) La:最高ピークの波高:メイン回折の強度La:ビー
ム中心から一定距離Nだけ離れた点から内側に向って測
った数ピークの最高波高:サブ回折の強度 にニレベル設定係数:0.05〜0.5 NおよびKは観測しようとする対象試料の回折像に応じ
て決定する。
Nは通常、受像体の位置(受像距離)および受像範囲が
決まればその範囲の最外点(スキャンニング開始点)を
選ぶようにすればよい(第3図参照)。
ところで、該回折強度分布曲線は第4図に示したように
試料によって種々な形を示すが、スレッシュホルドによ
って切りとられたピーク波形が2つ以上できるときには
第5図に示したように全ピークのひろがり幅(第5図−
bの山と谷の幅合計)をAとして定義する。
本願の装置は第6図にその一実施態様を示すように光源
部■、照射部II、受像部IIIよりなる。
同図において工はビーム光源、5は暗箱、3は受像体、
6はガイドロール、7は光源冷却用送風機、blは入射
ビーム、b2は回折ビーム、4はフィラメントを表す。
なお暗箱5は光源1を納め照射部から隔離する光源室5
′とフィラメントに対する光照射中、外界からの光を遮
断する照射室5″とから構成され、さらに照射室には光
源より光を導き余分な光をカットするアーマチャー5”
−1、回折光を受像体に伝播する回折光伝播管5″−2
およびフィラメントを照射室内に導く導糸孔5”−3が
設けられている。
該照射室の筒身は共軸の可動内筒5″iと固定外筒5″
Oとからなり、後者に対して前者を回転させることによ
り導糸孔を開閉することができ、ガイドロールに対する
糸がけが容易になし得るように工夫されており、しかも
照射中は内筒を閉じて外光を完全遮蔽することが出来る
ような機構になっている。
光源としてはフィラメントに対して実質的に変質を起こ
させない程度の低容量レーザービーム発生装置、たとえ
ば出力容量0.5〜3QmwのHe −Neガスレーザ
ー装置が好適である。
) 照射部は移動あるいは静止フィラメントをレーザー
ビームの中心近傍に設定する糸道設定機構を備え、該フ
ィラメントよりの回折光を受像部に伝播する空間を構成
している。
該糸道設定機構としては連続走行糸等の移動フィラメン
トを対象とするときは第6図のように少なくとも1対の
ガイドロールを用い、また少量の断片試料を対象とする
ときは第7図に記したようにサンプルホールダー8′と
、これを一定間隔で移動させる変位機構8″およびその
駆動装置8″′を用いて糸道設定を行う。
なお、生産機、試験機等で糸道の変動が実質的に無視で
きる場合はそれらの機器の糸道設定機構をそのまま杢糸
の糸道設定機構として用いてよく、上記したような特別
の設定機構を必要としない。
受像体は回折光を集光、検知、光電変換し、電子回路に
て増幅映像信号化処理して、該映像信号をそのままの形
であるいは前記A値、A−B値あるいはその2次処理値
(統計処理値等)等のデータ処理した形で経済的に出力
するもので、観測対象、試料の種類、データの利用法に
応じて下記のように種々の方式を選択することができる
1、 A値のみを観測対象をする場合 (1)線形受像素子 第B−a図に示したように光源1よりレーザービームを
フィラメント4に照射して得られた回折光の一部を柱状
集光レンズ9にて集光し、線形イメージセンサ−の受光
素子アレー10上に結像させる。
フィラメントと柱状集光レンズおよびイメージセンサ−
の中心軸は互いに平行かつ同一面内に配置されており、
回折光が繊維軸方向はそのままの射影条件で該軸と直角
方向は集光されてイメージセンサ−上に射影結像される
ようになっている。
この際集光柱状レンズ面での第8図−すなる回折像は受
光素子アレー面上では同図−〇のような像となる。
ここで柱状集光レンズとは円、楕円、紡錘形等の凸形断
面を有する柱状レンズのことである。
また線形イメージセンサ−とはフォトダイオードアレー
、チャージカップルトチ のような自己走査形個体受光素子を用いた線形(一次元
)光像の受像光電変換センサーのことで、上記射影像を
電気信号パルス列の強弱パターンに変換して以後の信号
処理系に伝送する機能を有する。
上記したようにメイン回折はストライブ状の縞模様とな
っているので、回折像をそのまま線形イメージセンサ−
にて繊維軸方向に線状にスキャンニングすると、たまた
ま縞と縞との間の暗部をスキャンニングしたときには出
力が得られないことがあるが、杢糸のように柱状集光レ
ンズにてあらかじめ集光した場合には該レンズ面内に入
射した複数個の縞が集光され、受光素子内に結像され、
該素子の幅方向には単一の光点として受像するので、レ
ンズ面に射影した像の平均のひろがり幅が観測されるこ
とになる。
本観測系は高速走行糸を高精度で観測する必要のある場
合に適する。
(2)点状受光素子系 第9図に示したように光源1よりレーザービームb1を
反射鏡11を介してフィラメント4に照射し、得られた
回折光の一部b2を柱状集光レンズ9にて繊維軸と直角
方向に集光し、該ビームを多面回転鏡12にて繊維軸方
向に変角振動させ、該ビームが遮光板13にうかった窓
13′をスキャンニングするようにし、該窓を通過した
光を光電管、光電子増倍管、フォトダイオード、フォト
トランジスター、太陽電池等の点状受光素子14にて受
光し、繊維軸方向の回折強度分布を経時的な電気信号の
変化に変換して電子回路にて以後の映像信号処理化を行
う。
上記の多角回転鏡の代りにオプティックファイバーを用
い、その一端より回折光を入射させノコギリ歯形振動子
にて繊維軸方向にスキャンニングし、他端に接続した上
記点状受光素子により回折強度分布曲線を求める方法を
採用するのも有効である。
杢糸は高速の観測には適さないが、安価でしかも高精度
を要求される観測に適する。
2、 A値とB値の同時観測を行う場合 (1)線形受像素子系 第10図に記したように光源1よりのレーザービームb
1をフィラメント4に照射し、回折光の1部b2をハー
フミラ−、ビームスブリットプリズム等のビームスプリ
ッタ−16にて分割し、その一方のビームb2′を1
−(1)に記したメイン回折ひろがり幅観測系にて受像
する。
ここで9は柱状レンズ、17は線形イメージセンサ−で
、両者の中心軸はフィラメント4に対して平行で同一平
面(重回折角面)に配置されている。
これと同時にもう一方のビームb2″は該平面と同一面
内で反射鏡11にて変角し、繊維軸と直角方向に配置し
たもう一つの線形イメージセンサ−17にて受像する。
かくてb2′のビーム系からはメイン回折ひろがり幅A
値がb2″のビーム系からはメイン回折縞間隔B値が同
時に観測される。
杢糸はAB両値を高速かつ高精度に観測する場合に適す
る。
(2)平面形(2次元)受像素子系 第6図の装置系において受像体3としてビジコン、プラ
ンビコン、イメージオルシコン、高感度撮像管等の電子
ビーム走査型撮像管(テレビカメラ)、イメージダイセ
クター、平面形(2次元)イメージセンサ−等の平面形
受像素子を用いた受像装置を用い、2次元像情報をその
まま映像信号化し、該信号の映像処理によりA, B両
イ直を算出し出力する。
テレビカメラ(特にITV)は高速で高精度を要求され
る系には適さないが、安価でしかも高感度であり、また
イメージダイセクター、平面形イメージセンサ−は高価
であるが、高速かつ高精度を要求される観測に適する。
いずれの受像体を用いる場合にもA幅を精度よく観測す
るためには外光を完全に遮蔽する必要があり、そのため
の暗箱設計には工夫を要する。
たとえば第6図にその一実施態様を示したが、レイアウ
ト的制約から光源部と照射部および受像部を切離する必
要のあるときは、照射部のフィラメントを通過した入射
ビームが射影する壁面にライトトラップを設けることが
好ましい 前記したようにA値は種々の構造因子情報を含んでいる
が、たとえば内部歪、マクロフイブリル間隙あるいはク
ラック等の巨視的不均一組織の繊維軸に対する傾きある
いはその分布を観測の対象とするときは、フィラメント
と光源との間および/あるいはフィラメントと受像体と
の間に光軸に直角に偏光板を設け、該光軸を種々回転さ
せて回折像を観測することにより各種の解析が可能とな
る。
また、糸ゆれが大きくてビームの直径を拡大する必要が
あるときは、光源とフィラメントの間に対物レンズ、ピ
ンホール板、コリメータレンズをこの順に設置する。
受像体から出力された映像信号は生産工程における制御
、監視情報としてそのまま利用することもできるが、ま
たこれをミニコンピユータ−、マイクロコンピュータ−
等のデジタル処理装置に入力し、各種高次のデータ処理
を行って工程管理あるいは品質管理に利用することによ
り、数々の優れた効果を発揮することもできる。
たとえば次のような利用例が挙げられる。
1、゛ 紡糸工程監視 スピンヘッドより紡出されたメルト紡出糸に連続的にビ
ームを照射し、A値の変動を監視することにより系中に
混入する酸化物、異物、気泡等の欠点を検知する。
この際B値の変動も同時に監視すると直径異常部分(太
糸、細糸、虫)を同時に検知することができる。
この際、A(直あるいはB(直そのものを出力するより
は、むしろそれらの値がある設定値を越えた場合、その
出現をパルス信号にて警報あるいはプリント出力する方
式がより実用的である。
2、品質管理 未延伸糸、延伸糸、各種加工処理系等の中間製品、製品
について一定長のフィラメントをサンプリングし、数点
以上のビーム照射テストを行いA値あるいはA値とB値
を求める。
この際には前項の物質的な欠点以外に断面異形、内部歪
、マクロフィブリル間隙、クラック等の形態組織的不均
一性がA値に表現されるのでこれらの値、あるいはその
統計処理値を時系列的に出力することにより、各製品の
形態組織的不均一性を品質管理資料として評価できる。
これらの値は繊度斑、毛羽特性、形態安定性(熱収縮率
、放縮率、熱セット性)、強伸度特性および染色性と密
度な関係にあるもので品質管理上重要な知見を提供する
3、切糸、毛羽分類と発生要因解析 従来、切糸、毛羽について構造、物質的観点から分類し
、その実態を定量的に把握すると共にそれらの発生要因
を解析することは合繊生産技術研究上最大のテーマであ
ったが、現状は極く表面的な観察に限られていた。
その理由は適格な観測手段がなかったからであるが、本
発明者らは従来の顕微鏡による観測と本法とを併用して
各種モデルテストを重ねた結果、次のよう7 な分類法
を確立した。
すなわち、従来の観測法では泥、3と4との区別したが
って要因識別は困難であったが、本法ではこれが可能と
なった。
4、構造化学的解析 従来の電子顕微鏡、X線、赤外線、NMR1力学試験等
の機器分析試験装置を用いた構造化学的手法では、結晶
、非晶構造のような微細組織(構造単位数百オングスト
ロームまで)の観測あるいは顕微鏡的外観観察は可能で
あるが、本願の対象とするようなミクロンオーダーの目
視組織で、しかも全断面分布のような特性値は観測が困
難であるか、あるいは観測し得ても定量化が容易ではな
かった。
特に内部歪に関してはほとんど直接それを評価する手段
がなかった。
本法ではこのような観測の目の届かなかった領域を特性
値として表現するもので、構造化学研究に活用すれば多
様な知見が得られる。
たとえば、延伸糸を熱処理すると微細組織は変質するが
、それと同時に延伸中に発生し残留していた内部歪も解
消する。
本発明では微細組織の変化は直接表れず、内部歪の解消
効果(A値の減少)のみ表れるので両者を分離して評価
できる。
さらにこの現象を逆用すると素性の判明した試料では熱
処理の際の熱履歴を推定する[ことができる。
[また、引張試験において荷重−伸長関係の予測と平行
してA、 B値を同時観測することにより次の知見が得
られる。
1、荷重−伸長−直径関係およびそれから算出される伸
長巾のポアッソン比変化 2、伸長巾の組織不均一性変化 3、切断時の形態、組織不均一性変化 なお、本発明はレーザー光線をフィラメントに直交する
ように照射するものであるが、本発明でいう直交とは9
0°に限定されるものではなくその前後の角度をも含む
ものである。
以下、本発明の実施態様を詳細に説明する。
実施例 1 第6図の装置系にて以下の仕様の観測装置を製作した。
光源;He−Neガスレーザー装置 出力容量5mw 受像体;第8図に図示したA値観測装置 線形イメージセンサ−;MOSフォトダイオードアレー
128素子 ビームスプリッタ−;ハーフミラ−(50: 50)柱
状集光レンズ;紡錘形柱状レンズ(f=100mm) 受像条件、回折角;63゜ 受像距離: 283mm 受像データ処理系 第11図に示したように受像部I、モニタ一部II、映
像処理部III、データ処理出力部IVよりなっている
ここで17は線形イメージセンサ−118は17より出
力されたパルス列信号(主映像信号Vi)を積分増幅す
るアンプ、19はスレッシュホルドレベルTに比較して
映像信号■が大きいか小さいかにより1または0に2値
変数化するコンパレーター、20はスキャンニング開始
パルスSとスキャンニング停止パルスeにより同期をと
り、17.18,19,22間の信号のタイミングをと
るタイミング回路、21はタロツクパルスCを計数し、
スキャンニング開始パルスを発生するクロックカウンタ
ー、22はテ′ジタルテ゛−夕を一時スドアーするラッ
チ、23はクロックゼネレーター、24は映像信号の波
形およびスレッシュホルドレベルを監視するモニター用
CRT、25はイネーブル信号および入力によって入力
したデータ出力のタイミングを表すパルスによりA値カ
ウンターのカウントインターバルを変更するアブデート
回路、26は受像部より伝送されてきた第5図−bのよ
うなデジタルテ゛−夕を同図−〇のようなデータ区間に
わたってパルスカウントし、A値をBCD出力するA(
直カウンター、27は該A値をCPUに伝送するに際し
てデータを一時スドアーするホールドアンド・シストレ
ジスター、28は映像信号の1スキヤンニングにおける
最大値LαおよびLβを検出し、デジタル値に変換する
最大値検出装置、29は30より入力したスレッシュホ
ルド電圧のデジタル値をアナログ値に変換するD/A変
換装置、30は28,29とCPUとの間でデータの受
渡しを行うインターフェース装置、31は映像処理部よ
り伝送されてきたA値について数値変換、統計処理等の
演算を行い、プリントとして出力すると共に受像部より
入力した映像信号最大値に対してスレッシュホルド電圧
を設定するコンピューター中央処理装置CPU、32は
同上の出力デ゛−夕を出力するデータ出力装置である。
またLは線形イメージセンサ−に射影する回折光、Oは
処理データを出力したプリントである。
なお、A値カウンター26は第12図−aに示したよう
なシステム構成になっている。
ここで32はデジタルデータを入力しそれに含まれる同
期信号をフィルターし、映像のみにするデジタルデータ
フィルター回路、33は32より伝導されたデジタルデ
ータを微分し、立上り点を正パルス(アップパルス)、
降下点を負パルス(ダウンパルス)に変換する微分回路
、34は33より入力したパルス列信号を正パルス列と
負パルス列に分離する正負パルス分離回路、35は正パ
ルスをセット端子に入力し、その最初のパルスにより0
→1出力し、以後リセット端子にイネーブルパルスが入
力するまでその値を保持する正入力RSフリップフロッ
プ スを正パルスに変換するパルスインバーター、37はイ
ネーブル信号Eを微分し立上り点を正パルスとして取出
し、負パルスをフィルターするイネーブル信号パルスコ
ンバーター、38は35の出力をセット端子に入力して
クロックパルスをベースにカウントを開始し、リセット
端子に入力されたイネーブル信号によりカウントを停止
、クリヤーするパルスカウンター、39は36より伝導
されたパルスをトリガ一端子に入力し、該パルスC入力
のたひ゛にパルスカウンターのカウント値をイネーブル
トリガードラッチに伝送するダウンパルストリガードラ
ッチ、40は39より伝送され六カウント値をストアー
し、前のストアー値を後ゲスドアー値が次々に更新し、
トリガ一端子に入丈されたイネーブルパルスにより最終
ストアー値を出力するイネーブルトリガ−ドラッチで゛
ある。
本回路において、パルスカウンターはテ゛ジタルデータ
Dの最初の立上りで0→1転移する方形波dの入力によ
りカウントを開始し、第12図−bに示したように0〜
IVとカウントを続けてイネーブルパルスCによりカウ
ントを停止し0にクリヤーする。
このカウント値(BCD)は刻々とダウンパルストリガ
ードラッチに伝送されるが、ダウンパルスbがトリガ一
端子に入力したときのみタウンパルストリガードラッチ
にストアーされそのストアー値が順次i、 ii、
iiiとイネーブルトリガードラッチに伝送され、そこ
にストアーされる。
そしてイネーブルパルスCがトリガード端子に入力する
と、そのときの最終ストア値iiiが系外に出力される
この値は第12図−CのA値とクロックパルスペースに
カウントしたカラントイ直をBCD信号にて表現したも
のである。
映像処理 デ゛−タ処理 モニターCRTにより数点の波形を観察し、スレッシュ
ホルドのレベル設定係数にの値を決定しこれをCPUに
入力する。
以後の映像処理、データ処理は以下の手順で行われる。
伸来(1)受
像部の映像信号を映像処理部に送りメイン回折強度Lα
およびサブ回折強度Lβを求める。
これを1〜数回繰返しその平均値を算出する。
(2)この値をCPUに送り(1)式によりスレッシュ
ホルドレベルLrを算出し映像処理部を経てコンパレー
ターにスレッシュホルド電圧を供給する。
(3)コンパレーターによりテ゛ジタルデータ化した信
号を映像処理部に送1) A値を算出する。
この1〜数10回のスキャンニング分をCPUに送り平
均値を求める (4)次々と異なった測定点の観測を行い、平均値、標
準偏差値等の統計値を計算し、一定時間間隔で゛テ゛−
夕を出力する (5)以後、上記のサイクルを繰返す。
試料および観測条件 衣料用ナイロン6繊維を用い次の条件で観測した。
スキャンニング繰返回数:12回 (Lα値、Lβ値 4回、A値 8回) フィラメント速度: 100cm/secサンプリング
ケース A サンプリング数 4本×50点=200点 20本×
10点=200点 サンプリング間隔 20cm 0cm 結果 この結果からも明らかなように、異常糸はAの絶対値お
よびそのばらつきが大きく、特にフィラメント間のばら
つきが著しい。
このようにA値はフィラメントの個性をよく反映してい
る。
実施例 2 第7図に示した観測装置を用い、受像、映像処理、デー
タ処理等の受像、信号処理機構は実施例1と全く同じも
のを使用して多数の毛羽部分の観測を行った。
毛羽先端3mm以内に瞬間接着剤をつけ導糸にてつない
でサンプルホルダーにセットした。
観測は毛羽先端から5mm〜15mmの間の数点につい
て行った。
測定条件は次のとおりである。試料:ナイロン6 衣料
用糸 100d/24fスキヤンニング繰返回数:12
回 (Lα値、Lβ値4回 A値8回) サンプリング数:86本×(4〜6)点 サンプリング間隔:2mm 結果 第3表 この結果からも前記した分類により毛羽の要因を推定で
きることがわかる。
実施例 3 実施例2に用いた装置を用いてナイロン6衣料用糸の熱
処理効果を調べた。
試料:ナイロン6 衣料用糸300d/15fスキヤン
ニング繰返回数:24回 (Lα値、Lβ値4回 A値20回) サンプリング数:10本×20点 サンプリング間隔:5mm 熱処理条件:セット時初荷重300mg 沸騰水 30分間 風 乾 1時間 (サンプルホルダーにセットした ままで処理) 結果 第4表 この結果から熱処理により内部歪が解消されたことがわ
かる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の詳細な説明する概念図、第2図は受像
体として写真カメラを用いて撮影した回折像の概略図、
第3図は繊維軸方向の回折強度分布およびスレッシュホ
ルドレベルとA値との関係を示す説明図、第4図は種々
の繊維軸方向回折強度分布曲線を描いたグラフ、第5図
は一般的なメイン回折ひろがり幅Aの定義およびそれを
表す映像信号を図示する説明図、第6図は本発明の一実
施態様を例示する観測装置の概要図で、aはす。 x−x’面で切断した断面正面図、bはaのY−Y′面
で切断した断面側面図、第7図は第6図の一部を改造し
た断片試料測定用の装置を示す断面側面図、第8図は上
記装置系のA値観測型受像部の一実施態様を示す概念図
で、aはその構成を表す立体図、bは柱状集光レンズ面
でのメイン回折像、Cは線形イメージセンサ−面でのメ
イン回折像を表す、第9図は本発明装置のA値観測型受
像部のもう一つの例を示した概要図、第10図は第9図
と同型式のA、 B値同時観測型受像部の例を示した
概要図である。 第11図は本発明の受像、映像データ処理系を例示した
構成ブロック図、第12図は第11図装置の構成要素で
あるA値カウンター27の回路および信号の流れを例示
する構成ブロック図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 フィラメントに直交するようにレーザー光線を照射
    し、該フィラメントにより回折した光にて構成される繊
    維軸に対して直角方向にひろがったストライブ状縞模様
    (メイン回折像)をつくり、該縞模様の繊維軸方向のひ
    ろがり幅Aあるいは該Aと繊維軸に対して直角方向の縞
    間隔Bを観測することを特徴とするフィラメント形態、
    組織不均一性観測方法。 2 レーザー光による回折現象を利用したフィラメント
    観測装置において光源部、照射部、受像部よりなり、光
    源部はフィラメントに対して実質的に変質を起こさせな
    い程度の低容量レーザー光ビーム発生装置を主構成要素
    とし、照射部は移動あるいは静止フィラメントをレーザ
    ー光ビームの中心近傍に設定する機構を備え、受像部は
    メイン回折像の繊維軸方向ひろがり幅A検知機構あるい
    は該Aと繊維軸に対して直角方向の縞間隔Bを同時に検
    知するA、 B同時検知機構およびそれらの機構によ
    り検知充電変換された電気信号を映像処理し、A値ある
    いはA値とB値を出力するデータ処理機構を有すること
    を特徴とするフィラメント形態、組織不均一性観測装置
JP13069276A 1976-10-30 1976-10-30 フイラメント形態・組織不均一性観測方法および装置 Expired JPS5953393B2 (ja)

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