JPS5953320B2 - 固形状油性物質の製造法 - Google Patents

固形状油性物質の製造法

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JPS5953320B2
JPS5953320B2 JP53047204A JP4720478A JPS5953320B2 JP S5953320 B2 JPS5953320 B2 JP S5953320B2 JP 53047204 A JP53047204 A JP 53047204A JP 4720478 A JP4720478 A JP 4720478A JP S5953320 B2 JPS5953320 B2 JP S5953320B2
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JP
Japan
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oil
substance
nitrogen
drying
oily substance
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文夫 小野
康雄 青山
伸生 斉藤
信義 井口
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KITSUKOOMAN KK
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KITSUKOOMAN KK
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、冷水に容易に溶解または分散し、かつ保存安
定性のすぐれた新規な固形状油性物質の製造法に関する
近時食生活の多様化と高度化に対応して、食品形態は多
岐にわたり、これとともに食品加工原料や添加物の面に
おいてもより高度な品質特性と機能が要請されている。
そして特に例えば精油類、オレオレジン類、油脂類など
の油性物質においては特殊な用途を除いては、水もしく
は水溶液に対する溶解性または分散性を有することが、
使用効果ならびに製品としそての均質性を保つ上で重要
視される。これらの目的を達成するために液状乳化型製
剤の導入はその一つの対応であるが、しかし乳化型製剤
は水中油型の液状形態を呈しているため、その用途は主
として液体食品に限定される。かくして油性物質を粉末
化又は顆粒化することは、粉末食品又は乾燥食品への適
性の付与のほか、取扱上及び輸送上の簡便性の面からも
有効である。
しかし油性物質を粉末形態とすることは基本的に空気と
の接触がさけられないため、保存中に油性物質の酸化変
敗、蒸気損失等の品質劣化がさけられず、このため油性
物質を被覆化する必要性があり、これに関する種々の試
みがなされてきた。
そして従来公知のものとしては、乳化剤を用いて、ゼラ
チン、アラビアガム又はデキストリンなどのコーティン
グ剤を含有する溶液中に油性物質を乳化状態で分散させ
た後、噴霧乾燥したもの、硬化油中に熱時オレオレジン
を溶解し、ついでこれを噴霧冷却したもの等があり、こ
れらはコーティング油、コーテイングスパイス、カプセ
ル化油などと呼ばれている。しかしこれらの方法は被覆
処理が簡単にできる点で広く利用されているが、単位重
量あたりの油性物質の被覆率が低く、被覆油性物質の水
溶液に対する溶解性、分散性、さらに含有する油性物質
の有効濃度および被覆物の保存安定性は未だ満足される
状態には至つていないのが現状である。
そこで本発明者等は、被覆油性物質における上記した諸
欠点を解消すべく種々研究を重ねた結果、水溶性の糖類
の濃度が30重量%(以下、%はすでて重量%を意味す
る)以上で、水溶性の界面活性を有するタンパク質また
はペプチドを主成分とする含窒素物(以下、単に含窒素
物と称する)の濃度が水溶性窒素として0.8重量%(
以下、%は重量%を意味する)以上である混合水溶液に
、被覆すべき油性物質を浸透溶解状に安定分散させ、つ
いでこれを加熱乾燥、減圧乾燥、溶剤脱水後乾燥のいず
れかで乾燥すると、共存する水分が選択的に除去されて
乾固し、その際加えられた油性物質が遊離することなく
、しかも減圧条件下であつても油性物質の蒸散損失はほ
とんどなく、糖類と含窒素物の形成するマトリツクス(
鋳型)中に高濃度に保持されたまま固定化され、またこ
の乾固物を解砕しても、油性物質を包蔵したまま、サラ
サラ状の粉粒体となり、更にこのようにして得た固形状
油性物質は、被覆物質が水溶性の糖類及び水溶性の界面
活性を有する含窒素物であるため、冷水に容易に溶解し
て油性物質が乳化状に分散し、また長期間の保存に対し
ても酸化安定性、蒸散安定性が良く、極めてすぐれた品
質特性ならびに機能を有するという新知見を得、これに
基づいて本発明を完成したものである。すなわち本発−
は.!k湊性糖類の濃度が加%以上、水溶性の界面活性
タンパク質またはペプチドを主成分とする含窒素物の濃
度が水溶性窒素として0.8%以上である混合水溶液に
、油性物質を、該混合水溶液の攪拌下に加えて均質分散
させ、これを加熱乾燥、減圧乾燥、溶剤脱水後乾燥のい
ずれかにより乾固物とした後、解砕することを特徴とす
る固形状油性物質の製造法である。
以下、本発明について詳細に説明する。
亭発明に使用される糖質としては、水溶性であることが
必要であり、たとえばプドウ糖、果糖、蔗糖、乳糖、マ
ルトース等の単糖類、二糖類、三糖類などのほか、デキ
ストリンあるいは水あめなどの澱粉加水分解物またはシ
ラツプ等が挙げられ.る。
これらの糖類は製品に期待される用途、物性などの面か
ら、糖類の性質たとえば甘味性、吸湿性及び結晶性等を
考慮して1種または2種以上を適宣選択して使用するこ
とができ、またこれらの糖類を含有する果汁、みつ類を
使用することをで,きる。次に含窒素物としては、各種
のタンパク質原料たとえば動物、植物又は微生物蛋白質
の熱水抽出物、又はこれらの蛋白質を軽度に加水分解し
て得る水溶性のペプチド区分が用いられ、具体的には例
えば動物肉等を88℃以上の熱水中に5〜15時間保持
し、戸別して不溶物を除去した熱水抽出工キズ、又は蛋
白分解物のAPL(Averagepeptids,l
ength:平均ペプチド鎖長で通常フオルモール窒素
F.N.に対する総窒素T.N.の比で示す)が5〜2
0の範囲となる程度に蛋白質を酵素的に部分分解するか
、酸、アルカリにより部分分解したのち中和し、必要に
より脱色、脱臭等の精製処理、淵9過、濃縮、粉末化な
どの処理を施して得られたペプチドを主成分とする工キ
ズ等が挙げられる。
実用的には種々の動物起源の熱水抽出物が香味的にも無
味、無臭であつてコスト的にも低廉であるので好適であ
るが、植物又は微生物蛋白質を同7様に処理して得られ
る含窒素物も用いることができる。上記のようにして得
た含窒素物は通常分子構造上、疎水基を有して界面活性
を示し、油性物質を分散安定化するための水相条件を与
える。
I 次に上記糖類と含窒素物の混合水溶液に油性物質を
添加し、油性物質を分散安定化した含油粘稠物を得るた
めには、糖濃度として30%以上とすることが本発明の
目的を達成する上で極めて重要であり、特に好ましい濃
度は50〜70%である。
そしてこの30%以上の高濃度糖類水溶液は、それ自体
では油性物質を分散安定化した含油粘稠物とすることは
できないが、含窒素物を共存させることにより、はじめ
て著量の油性物質を包容して分散安定し含油粘稠物を得
ることができる。そしてこの糖類水溶液に共存させる含
窒素物の濃度は水溶性窒素)以下、SNと称する)0.
8%以上とすることが本発明の目的を達成する上で又極
めて重要である。即ちこれより低い濃度では均質かつ安
定な含油粘稠物を得ることができず、乾燥段階で油性物
質を遊離し、もしくは蒸散損失が著しく大となる。そし
て通常含窒素物の濃度はSNl.O〜1.2%位が好ま
しい。次に被覆される油性物質としては、例えば油溶性
香料、油溶性色素、水蒸気蒸溜によつて得られる各種の
精油類、溶剤抽出香辛料としての各種のオレオレジン類
、油脂類が挙げられ、これらはそのまま用いることが出
来るが、必要により液状の油性溶剤、たとえば食用に供
し得る油脂、具体的には綿実油、大豆油、トウモロコシ
油等で溶解稀釈し用いることもできる。
又油溶性の固形物、たとえばβ一カロチン等であつても
適宜油性溶剤に溶解後溶液状として用いることが出来る
。そして糖類、窒素物混合水溶液に対する油性物質の添
加量は、油性物質添加後の含油量が5〜50%であるの
が好適である。
そして上記糖類、含窒素物混合水溶液に油性物質を添加
分散させる場合、油性物質を急激に添加すると油性物質
が単に油滴状に水相中に懸垂するので短時間で分離し、
また例えば高速攪拌機、コロイドミル、ホモゲナイザ一
等の分散質を破断する乳化機のような機械による方法で
は、高粘稠性であるために均質化が不十分となり、以後
の乾燥段階で乾固しなくなつたり、油性物質を遊離し、
逸散するので好ましくない。
それ故に油性物質の添加分散方法としては、例えばフツ
ク型、スクリユ一型、リボン型等の回転攪拌翼を有する
混和機、混捏機等による低速攪拌下で前記混合水溶液を
攪拌しながら油性物質を除々に加えるのが好ましい。次
にこのようにして得られた含油粘稠物を乾燥又は脱水す
るには、加熱乾燥法(直接加熱法、熱風乾燥法、回転ド
ラム乾燥法、泡沫乾燥法等)、または一般的な減圧乾燥
法、 (凍結乾燥法、真空乾燥法等)が用いられるが、
該含油粘稠物は耐熱性を有するため、特に実用的な迅速
乾燥法として加熱減圧乾燥法が好適である。
たとえば含油粘稠物をトレイに拡げ、50〜80℃の温
度に加熱しながら5mmHg程度の真空度で乾燥すれば
共存水分の蒸散にともない含油粘稠物は膨化して多孔性
組織をもつた状態となり、短時間で乾固でき、その間油
性物質の遊離をまつたくきたすことなく蒸散損失も極め
て少なく、共存する水分のみを選択的に除去できる。こ
のほかの脱水または乾燥方式としては、溶剤脱水後乾燥
する方法がある。
すなわち油性物質を添加して得た含油粘稠物を、たとえ
ば窒素ガスを用いて細孔から押出すというように、攪拌
下の脱水溶剤に落して、表面の付着油の除去とともに水
分を除去し、次いでこれを乾燥する。このようにして得
られた多孔状組織をもつた乾固物(油性物質が上記水溶
性糖類及び含窒素物で被覆されたものが連結した状態と
なつている)は、これを解砕(上記の連結を解放)し、
必要により適宜の粒度になるように篩別して本発明の固
型状油性物質を得ることができる。
しかし解砕に際し、油性物質が内包されているので、被
覆構造を崩壊しないように軽く解砕する方法、たとえば
フエザーミル等を用いることが好ましく、特に溶剤脱水
乾固物の場合には軽く攪拌することによりその目的を達
成することができる。なお解砕された粉粒表面には微量
の油性物質が付着することもあるので、これが固形状油
性物質とし品質上、保存安定性の障害になるときには除
去することが望ましく、その除去方法としては、解砕物
をメチルアルコール、エチルアルコール、ブタノール、
ヘキサンなどの溶剤で洗浄し、ついで脱溶剤のために再
乾燥処理を施すか、被覆される油性物質として低沸点の
揮発性を有する油性物質を用いるときには再乾燥のみで
も充分目的を達することができる。
ここで、精油類、オレオレジン類、および油脂類などの
油性物質を被覆するための糖類と含窒素物の混合水溶液
の各組成と乾燥後の被覆される油性物質との関係につい
て検討した実験の一例を実験例1として示す。
なお糖としはグラニユ一糖を用い、含窒素物には肉熱水
抽出乾固物を使用した。
また被覆率は乾燥前の含油粘稠物中の全油性物質量に対
する、乾燥後解砕し、ヘキサン洗浄して得られた固形状
油性物質すなわち被覆油性物質中の油性物質量の比(%
)で表示し、油性物質は比色法により282mμの波長
で測定した。実験例 1 (1)含窒素物をSNとして1.0%含有する第1表に
記載の各糖濃度の糖水溶液8gを除々に攪拌しながら、
該混合溶液にオイゲノール(グローブ油に相当) (東
京化成工業製)2gを添加した。
ついでこれを60℃に保持した真空乾燥器中、5mmH
g下で10時間乾燥を行い、乾燥後、軽く砕いたのち2
4〜32メツシユ区分についてヘキサンでくり返し洗浄
して遊離のオイゲノールを除き、さらにヘキサンを溜去
して固型状油性物質を得、第1表に示す如き結果を得た
。(2)糖濃度60%の糖を含有する第2表に記載の各
SN濃度の含窒素物水溶液8gに、攪拌しながらオイゲ
ノール2gを添加し、上記(1)の場合と同様にして固
形状油性物質を得、第2表に示す如き結果を得た。
これらの実験結果から、糖単独溶液および含窒素物の単
独溶液を用いる場合には、油性物質を添加して攪拌して
も均質状態とならず、液面に遊離し、そのまま乾燥する
ときには乾燥処理の過程でそのほとんどが蒸散して被覆
率は極めて低いこと、また両者の混合溶液においすも、
糖濃度が30%未満又はSNが0.8%未満の場合には
、オイゲノール添加後の溶液は一旦は均質状態を示して
も不安定であるために乾燥の段階で次第に遊離し、乾燥
洗浄後の被覆率は第1表及び第2表に示されるように低
く実用性を示さないが、この組成条件を境として高濃度
側にある混合溶液は添加されたオイゲノールが完全に浸
透溶解して均質粘稠化し、このものは乾燥処理において
も遊離することなく、共存水分の蒸散にともなつて膨化
し、多孔状組成として乾固し、これを解砕ならびにヘキ
サン洗浄して得られる被覆物(固形状油性物質)におけ
るオイゲノールの残存量は極めて高い値を示し、被覆率
のすぐれていることが認められる。
次に油性物質としてサラダ油を用い、糖類及び含窒素物
混合水溶液の油脂含有量について実験例を挙げて説明す
る。実験例 2 肉の熱水抽出物をSNとして1%及びコーンシラツプを
用いて糖濃度60%とした混合溶液に、第3表に記載の
各%のサラダ油を添加して均質状態とし、60℃で減圧
乾燥後、解砕し、24〜32メツシユ区分についてヘキ
サン洗浄を行い、生成した乾燥粒(固型状油性物質)の
含油量を測定し、第3表に示す如き結果を得た。
なお、単にコーンシラツプ粉末にサラダ油をまぶす場合
には、15%(W/W)の含油量以上では粉体としての
性状を失い、粉体が互に付着し合うようになり、またこ
れをヘキサンで洗浄するときには完全に油は洗浄除去さ
れた。
これに対し、本発明によつて得られた乾燥粒(固形状油
性物質)は、へキサン洗浄によつても表面の遊離油が除
去されるだけであり、除去される油量は僅かであつて、
極めて流動性に富む含油量20〜50%強の高含油量の
固形状油性物質であることが上記の実験結果より認めら
れる。
次に本発明によつて得られた固形状油性物質の保存安定
性について実験例を挙げて説明する。
実験例 3粉末水あめ(DE35)15kgと精製肉工
キズ粉末(SNl4)1.78kgを水8.22kgで
十分溶解し(糖濃度60%、SNl.O%)、該混合溶
液10kgに対し、オイゲノールを1kgおよび3kg
を別々に加えて2種類の均質なオイゲノール分散液を得
、60%で真空乾燥(5mmHg)を8時間行なつた後
、解砕し、溶剤洗浄し、オイゲノール含量がそれぞれ1
1.0%および26.70%の粒状物(固形状油性物質
)を得た。
これをシヤーレ中に層厚約5mmに拡げて開放状態で6
0℃の通気乾燥器内に放置し、経時的にオイゲノール含
量を測定した結果を第4表に示す。
なお対照としては、コーンシラツプ粉末にオイゲノール
を吸着させた吸着型オイゲノール粉末を供した。第4表
の結果から、単に粉体表面にまぶした型の吸着型オイゲ
ノール粉末の場合には、60℃、通気条件のもとで3日
後においてオイゲノールは1割程度に急減し、10日後
には痕跡程度の残存量となるが、本発明によるものでは
、いちじるしくオイゲノールの残存量は高く、保存中の
蒸散性の油性香味物質の損失は顕著に抑制されることが
認められる。
また油性物質として、酸化安定性の低いサラダ油を用い
、本発明によつて得た固形状油性物質の酸化抑制効果に
ついて実験例を挙げて説明する。
なお過酸化物価はWheeler改良法に従つて測定し
た。実験例 4 粉末水あめ及び肉の熱水抽出物を用いてつくつた糖濃度
60%及びSNl.O%の混合溶液にサラダ油を添加後
、厚さ約1cmに拡げて60℃で8時間乾燥して得られ
た乾固物を解砕したのち、ヘキサンで洗浄し第5表に示
す含油量の被覆物(固形状油性物質)を得た。
対照としては85部の粉末水あめと15部のサラダ油を
混和ししものを用いた。各試料を60℃の恒温器中に保
存し、経時的にサンプリングして過酸化物価を測定した
。その結果は第5表に示すとおりである。第5表の結果
から、対照としての吸着型粉末に較べて本発明によつて
得られた被覆物(固型状油性物質)の場合には、過酸化
物価の増加傾向はゆるやかであり、本発明による被覆物
(固形状油性物質)における酸化安定性に対する被覆処
理の効果は顕著であることが認められる。
なお、第5表の結果から、本発明による被覆物(固形状
油性物質)は、その含油量が高くなると、酸化が早めら
れる傾向を示すが、これは被膜物質となる糖類と含窒素
物の含量が相対的に低下するためであり、酸化安定性を
増強する目的においては、本発明において糖類と含窒素
物混合溶液の高濃度条件を用いるが、被覆される油性物
質の量を相対的に減少すればよい。
つぎに従来の噴霧乾燥法で得た油性物質の被覆処理物の
品質を検討した実験例を示す。
実験例 5 乳化剤としてシヨ糖脂肪酸エステル、被覆物質としてデ
キストリンを用い、綿実油をシヨ糖脂肪酸エステル水溶
液中に乳化分散させ、これにデキスンリンを溶解して乳
化液を得、該溶液を噴霧乾燥法で粉末化して綿実油含量
60%の粉末油脂を調製した。
このものは湿潤状の粉体をなし、エーテルを用いて表面
付着油量を測定した結果、粉末100g当り20gであ
り、綿実油の1/3強が被膜面にしみ出た状態であつた
。このものはさらに60℃で保存試験を行つた結果、5
日目で、その抽出油の過酸化物価(POV)は100を
越し、強い酸化臭を示した。次に前記と同様にして、綿
実油のかわりに揮発性の油性物質としてオイゲノールを
用いて全固型物当り10%量になるよう調製した乳化液
を噴霧乾燥したところ、使用したオイゲノールのうち7
0%が排気として損失され、粉末として回収されたオイ
ゲノールは30%量にすぎなかつた。
また、この粉末を開放状態で60℃の通気乾燥機に保存
したところ、5日後でさらに半減して安定性として好ま
しいものではなかつた。本発明で得られる固形状油性物
質は、乳化剤や界面活性剤といわれる添加物を使用しな
いという特徴を有するとともに、水溶性物質を被覆物質
として用いるため、冷水に容易に溶解し、微滴状に分散
L1食用油脂を用いたものぱ乳湯してミルク、様の外観
と凰味を示し、まだ精油類↓゛オレオレジン類、各種油
性フレーバ一等を用いたものは、微細な油滴として分散
して香味が発現するので、粉末スープ類、粉末ソース類
、粉末飲料などの粉体,食品に、粉末クリーム、または
着香料、香辛料もしくは着色料などとして添加し、その
粉体性状や香味、品質を著しく改善し、これらの有する
すぐれた酸化安定性、退色安定性、蒸散安定性にもとづ
いて商品寿命を従来製品に較べて顕著に長くすることが
できる。
又本発騎により得られる被覆安定化された固形状油性物
質は、粉末食品のみならず、ハム、ソーセージなどの畜
脚製晶や液状の各種ソース類、スープ類、飲料等にも従
来の液体原料に代るものとして広範に使用出来、極めて
作業を簡便化することができるとともに、均一に着香味
、着色することができる。
次に本発明の実施例を示す。
実施例 1 豚ひき肉を1N塩酸中で90℃、1時間加熱ののち、中
和し、不溶物質を濾別しし。
この濾液をエバポレーターで濃縮してSN3.O%の含
窒素物を得た。ついでこのものをコーンシラツプ粉末(
DE:30)とともに水で溶解して糖濃度が60%(W
/W)、SNが1.0%(W/W)の混合溶液0.8k
gを得た。
この混合溶液をケンウツドミキサ一 (KenwOOdMFG.Ltd製)を用いて80r.
p.m.の攪拌下にオレンジ油0.2kgを加えて均質
状とした。
ついでこれをトレイに流し込み、乾燥室内温度80℃で
真空度5mmHg下で6時間、真空乾燥を行つて膨化、
板状の乾固物870gを得た。ついでこれを乳鉢中で軽
く砕いて篩別し粒度14〜32メツシユ区を得、さらに
上記条件で真空乾燥3時間を行い、被覆オレンジ油0.
78kgを得た。本品は残存水分3%、オレンジ油含量
20.2%で、さらさらした顆粒であり、冷水に容易に
とけて微細な油滴として分散し、強力なオレンジ香を発
現した。
このものは室温下に6ケ月保存によつても何ら変質が認
められず安定であつた。実施例 2 市販の肉工キズ(SN:7%、全固形分50%)(大日
本製薬製)29.5kg及び水飴(糖度;67%、DE
35)158.5kgを合し、40℃に加温溶解して糖
濃度56.5%、SNl.O98%の混合溶液を得た。
該混合溶液188kgをホツトニーダ一(八重洲食機製
作所製)を用いて120r.p.m.で攪拌しながらこ
れにパーム油212kgを除々に加えて透明、均質な高
粘稠性の含油均質物400kgを得た。該含油均質物を
厚さ約1C]nになるようにトレイにのばし、柵型の真
空乾燥機で60℃に柵温を保持しながら5mmHgで1
0時間乾燥して多孔状の乾固物を得た。ついでこれをフ
エザーミル(細川鉄工製)で解砕し14メツシユのシフ
ターを用いて粒度を揃えた。本品は含油量64.04%
(水分4%)の顆粒状の被覆油性物質であつて、遊離油
がほとんどなく、サラサラした性状で、温水によく分散
溶解してミルク状の香味を示した。またこのものをプラ
スチック容器に詰めて室温保存1ケ年を経たものは、香
味に異常なく、その抽出油の過酸化物価は28ミリグラ
ム当量であつて食品に供しうる良品質であつた。実施例
3 糖としてデキストリン(DE:20)を用い、含窒素物
として市販牛肉工キズ(大日本製薬製)を一旦加水溶解
ののち、これにアルコールを加えて50〜80%(W/
W)のアルコール濃度下で沈降した区分を分取しそ得ら
れた精製肉抽出物粉末(SN:14%)を用いて、糖濃
度90%(W/W)、SNl.O%(W/W)である糖
及び含窒素物混合溶液を調製した。
本液1kgに対し、グローブ油成分であるオイゲノール
を300g加えて含油均質物とし低温真空乾燥を60℃
、2mmHgで6時間行つて乾固物を得た。
この乾固物を解砕し、篩別して14〜32メツシユ区を
得、これに2倍量のエチルアルコールを加えて付着油を
除いたのち、エチルアルコールを溜去して被覆オイゲノ
ール油約950gを得た。本品のオイゲノール含量は2
6%(W/W)であり、本品は冷水に乳濁状に分散溶解
し、強力なグローブ香味を示した。
実施例 4 デキストリン(DE:25) 6kgと豚肉の熱水抽出
濃縮物(SN:7%)1.43kgに水2.57kgを
加え、加温溶解ししのち(糖濃度60%、SNl.O%
)、これにパプリカオレオレジン1kgを攪拌下に加え
て均一な着色物とした。
ついでこれを厚さ約1cmになるようにトレイに拡げ、
60℃に加熱しながら真空乾燥(2mmHg)を8時間
行つて乾固物とした。この乾固物を解砕および篩別しそ
て24〜32メツシユ区の粒状物とした。本品は比色法
により470mμで定量しときパプリカオレオレジンを
12.48%含有し、また、ベンゼンで洗浄除去される
衰面付着のパプリカオレオレジン量は0.62%で残り
の11.86%は被覆状態であつた。
本品は60℃および光照射下に保存したとき、保存1ケ
月後においても殆んど褪色なく、安定性の高い被覆パプ
リカオレオレジンであつた。
これに対し、15gのハブ0プリカオレオレジンをデキ
ストリン85gに吸着させた吸着型粉末の場合には、1
〜2日で完全に褪色して香味を消失した。さらに本品は
冷水にとけてパプリカオレオレジンの均一な着色分散液
をなし、香味を発現した。
実施例 5 実施例4と同様にして、デキストリンと豚肉の熱水抽出
濃縮物を用いて、パプリカオレオレジンを均一に含有す
る粘稠物を得、ついで、これをさらに室温下で強カカに
攪拌して小気泡を全体にいきわたるように含有させたの
ち、プラスチツク製のトレイに厚さ約1mm程度になる
ように薄く拡げ、これを50℃にセツトした通気加熱乾
燥機中で18時間かけて乾固し、板状物とした。
ついでこれを割砕して14〜32メツシユ区の粒状物を
得た。このものは実施例4で得たものと同様の性状であ
り、溶解性はすぐれ、また光および熱に対する褪色はほ
とんど示さず安定であつた。実施例 6 分離大豆蛋白質を1Nの塩酸で5%の分散液とし、90
℃加熱下で1時間分解を行つたのち、冷却および水酸化
ナトリウムによる中和を行い、これに活性炭を加えて沢
過しし。
次いでこれを濃縮して析出した食塩を除去してSN3%
の濃厚大豆タンパク分解液を得た。このものはAPL:
8を示した。本液の0.5kgとコーンシラツプ(固形
分75%) 1kgをよく混合し(糖濃度50%、SN
l%)、これに5%のβカロチン含有綿実油0.2kg
を加えて均質粘稠液とした。ついで、これを細孔から窒
素ガスを用いて攪拌下の冷アルコール(99%)中に糸
状に落して脱水固化させた。この固化物を減圧乾燥して
アルコールを除去し、後軽く攪拌し円柱状の被覆粒状物
約1kgを得た。このものは室温保存下で3ケ月間、全
く褪色を示さなかつた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 水溶性糖類の濃度が30重量%以上、水溶性の界面
    活性タンパク質はペプチドを主成分とする含窒素物の濃
    度が水溶性窒素として0.8重量%以上である混合水溶
    液に、油性物質を、該混合水溶液の攪拌下に加えて均質
    分散させ、これを加熱乾燥、減圧乾燥、溶剤脱水後乾燥
    のいずれかにより乾固物とした後、解砕することを特徴
    とする固形状油性物質の製造法。
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