JPS595255Y2 - 流量制御弁付切換弁 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、排出流体の流量を調節する流量制御弁を備え
た流量制御弁付切換弁に関するものである。

従来、弁本体に設けた圧力流体の供給通孔、取出通孔及
び排出通孔間における流体の流れ方向を弁室内に配設し
たスプール弁体によって切換えるようにした切換弁にお
いて、排出流体の流量を調節するため、その排出通孔に
ニードル弁を付設したものは知られている（例えば、米
国特許第３１９１６２６号明細書参照）。

しかしながら、ニードル弁は本来その流路を曲げて取付
ける構造を有するものであり、従って弁本体に複雑な流
路を設ける必要があるばがっでなく、その流路を設ける
ために比較的大きなスペースが必要になり、特に流量の
制御範囲を大きくしようとすると、ニードル弁自体も大
きなものとなって、それだけ弁本体が大型になる。

また、ニードル弁は２次関数的流量特性を有するため、
リニアな制御特性が得られないという難点もある。

このような問題は、上記流量制御弁としてニードル弁を
用いているために生じるものであり、その問題を解決す
るにはニードル弁に代る適切な流量制御弁構造を採用す
る必要がある。

本考案が解決しようとする技術的課題は、上記スプール
切換弁の排出通孔に流量制御弁を設けるにあたり、上記
ニードル弁に代る適切な流量制御弁構造を採用して、そ
れを排出通孔に簡単な構造で組込むことにより、弁本体
を大型化することなく、しかもリニアな流量制御特性を
持たせた流量制御弁付切換弁を得ることにある。

而して、本考案において上記技術的課題を解決するため
に講じた技術的手段は、スプール切換弁の弁本体内にお
ける排出通孔に、スプール弁体の摺動方向と直交する方
向に回転軸線を向けたバタフライ弁を、外部から回動操
作可能に配設し、このバタフライ弁の弁座を、上記排出
通孔中に対設した平面弁座と円筒面の一部によって形成
される湾曲弁座とにより構成したことにある。

このような構成を有する流量制御弁付切換弁においては
、スプール切換弁の弁本体内における排出通孔に、スプ
ール弁体の摺動方向と直交する方向に回転軸線を向けた
バタフライ弁を配設しているため、バタフライ弁の弁孔
をスプール切換弁の弁本体における他の通孔と干渉しな
い狭い空間に設けることができ、しかも排気通孔を略直
線的なものとすることができるため、弁本体を格別大型
化することなく、流量制御範囲が大きいバタフライ弁を
組込むことができる。

また、上記バタフライ弁の弁座を、平面弁座と、円筒面
の一部によって形成される湾曲弁座とによって構成し、
これらを排出通孔に対設するという簡単な構造で弁本体
に組込んでいるため、弁本体を大型化することなくその
流量制御特性を比較的リニアなものにすることができ、
即ち、バタフライ弁の回動に伴う平面弁座及び湾曲弁座
の開閉が時間的にずれることにより、バタフライ弁の回
転角度と排気通孔の有効断面積とを比較的リニアな関係
として、すぐれた流量制御特性を得ることができる。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明する
。

第１図において、１はスプール切換弁、２は該切換弁１
に取付けたサブプレートベースであって、切換弁１の弁
本体３には、圧力流体の供給通孔４、取出通孔５ａ、５
ｂ及び排出通孔６ａ、６ｂを設け、これらの通孔が開口
する弁室８内に各通孔間における流体の流れ方向を切換
えるスプール弁体７を摺動自在に挿嵌している。

弁本体３の両端に設けたパイロット電磁弁１１ ａ、
１１ ｂは、供給通孔４に連通ずるパイロット通孔９ａ
、９ｂからのパイロット流体を、スプール弁体７の両端
の圧力作用室１０ ａ、 １０ ｂに供給することによ
り、該スプール弁体７を駆動せしめるものである。

而して、上記排出通孔６ａ、Ｂｂ中に排出流体の流量を
調節可能な流量制御弁１２．．１２を設けている。

上記流量制御弁１２は、第２図に示すように、弁本体３
の一側から排出通孔６ａ、６ｂに向けて上記スプール弁
体７の摺動方向と直交する方向の弁孔１３を穿設し、こ
の弁孔１３にバタフライ弁１５を備えた弁棒１４を回動
自在に挿嵌し、該バタフライ弁の回転によって排出通孔
６ａ、６ｂの左右両壁に形設された２つの対向する弁座
１９．２０間の流路を調節するようにしたもので、上記
弁座１９，２Ｇは、第３図から明らかなように、弁孔１
３を排出通孔６ａ、６ｂの中心から一側へ偏寄せしめて
穿設し、その一方の弁座１９を平面弁座にすると共に他
方の弁座２０を円筒面の一部によって形成される湾曲弁
座に形成している。

また、弁棒１４の先端には、その回動操作を外部から行
い得るように回動レバー１６を取付け、更に該弁棒１４
の弁孔１３からの抜脱を防止すると共に該弁棒１４の自
由回転を抑制するため、弁本体３には、第４図に示すよ
うに、弁棒１４に周設した係止溝１７内に嵌合しかつ弁
棒１４の一部と係止するねじ１８を螺着している。

上記弁本体３には、回動レバー１６の回動操作を行い易
くするため、バタフライ弁１５の開閉方向とその開度な
どを表示するための標識２１を設けることができる。

なお、図中、２２はＯリングであって、液体の漏洩を防
止するシールの役目だけでなく、弁棒１４の自由回転を
補助的に抑える役目をも果している。

上記構成を有する本考案の切換弁においては、スプール
弁体７の切換えにより取出通孔５ａ、５ｂと交互に連通
ずる排出通孔ｓａ、ｓｂの開口量が、回動レバー１６の
操作によるバタフライ弁１５の回動により自由に調節さ
れる。

即ち、上記バタフライ弁を回動せしめて平面弁座１９と
湾曲弁座２０との間の開度を調節し、それによって該排
出量７Ｌ６ａ、６ｂからの流体の排出量を調節してアク
チュエータの速度制御が行われる。

このときの上記バタフライ弁１５の回転角度と２つの弁
座１９．２０の間の有効断面積との関係は、次のように
なる。

第３図において、平面弁座１９は、バタフライ弁１５が
実線で示す水平位置にあるとき、即ちその開度が０度の
とき該弁１５によって閉鎖状態を保ち、該弁１５の右方
または左方への回動により直ちに開放を始める。

また、湾曲弁座２０は、同図に鎖線で示すようにバタフ
ライ弁１５が該弁座２０の末端２０ ａまたは２０ ｂ
から離間寸前の位置、・即ちその回転角度がθ１または
一部を越えるまでの範囲内において閉鎖状態を保つ。

従って、バタフライ弁１５が右方または左方へ回動しは
じめてからその回転角度がθ１または−ぬを越えるまで
は、平面弁座１９のみが開放して該弁座１９において流
量制御が行われ、開度がθ１または−ぬを越えると湾曲
弁座２０が開放して両弁座１９．２０において流量制御
が行われることになる。

第５図には、第３図に示した構造のバタフライ弁１５を
同図において右方へ回転させた場合の流量制御特性を示
している。

同図によれば、上記バタフライ弁の流量制御特性は、空
気排出通孔の有効断面積がバタフライ弁の回転角度に比
例する理想特性に近似していることがわかる。

図中、バタフライ弁の回転角度が０度のとき有効断面積
がＯにならないのは、バタフライ弁と２つの弁座との間
に流体の漏洩が生じるためである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の流量制御弁付切換弁の断面図、第２図
はその側断面図、第３図及び゛第４図は第２図における
Ａ−Ａ線及びＢ−Ｂ線での拡大断面図、第５図は本考案
における流量制御弁の流量制御特性を示す線図である。 １・・・・・・切換弁、３・・・・・・弁本体、４・・
・・・・供給通孔、５ａ、５ｂ・・・・・・取出通孔、
６ａ、６ｂ・・・・・・排出通孔、７・・・・・・スプ
ール弁体、１２・・・・・・流量制御弁、１５・・・・
・・バタフライ弁、１９・・・・・・平面弁座、２０・
・・・・・湾曲弁座。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 弁本体に設けた圧力流体の供給通孔、取出通孔及び排出
   通孔間における流体の流れ方向を弁室内に配設したスプ
   ール弁体によって切換えるようにした切換弁において、
   その弁本体内における排出通孔に、上記スプール弁体の
   摺動方向と直交する方向に回転軸線を向けたバタフライ
   弁を、外部がら回動操作可能に配設し、このバタフライ
   弁の弁座を、上記排出通孔中に対設した平面弁座と円筒
   面の一部によって形成される湾曲弁座とにより構成した
   ことを特徴とする流量制御弁付切換弁。