JPS5951287B2 - 被包ばね装置とその製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、マツ１−レス、クッション等の弾性の芯とし
て使用される被包ばね装置に関する。

特に本発明は、四角（ｓｏｕａｒｅ）配置、即ち各ばね
が相互に直角方向の縦横列内に配置された被包ばね装置
並びにその製造方法に関し、隣接するばね入リストリッ
プ、即ち複数のばねを一連として包含する帯状体のスト
リップ間結合部分に新規なパターンを形成するものであ
る。

家具用の被包ばねを製造するには、被包ばねを一連のス
トリップとして、外見上は弾薬帯に似た形状の不定長の
ばね人すストリップを製造する。

この種のばね入リストリップは、ばねの入るポケットを
縫製によって形成すれば、１９２９年発行の米国特許第
１７３３６６０号に示された機械で製造できる。

この種のばね入リストリップを例えば長方形のマツトレ
ス等の被包ばね装置として組むためには、単数又は複数
のストリップを巻くかあるいは畳んで各列のばねを互に
接触させるようにする。

この場合、三角配置即ちばねとばねとの間の凹みに隣接
する列のばねが入る配置と、各ばね力鋪従横方向に同一
線上に並び相互に直角をなす四角配置とがある。

ところが一般に、連続するストリップは互い違いの三角
配置となって与えられたコイル数で最小のスペースをと
るような傾向がある。

通常これを互に連結してマツトレス、クッション等の家
具の芯として使用する。

例えば米国特許第２８０５４２９号を参照されたい。

この互い違い配置は長方形配置の両端では影響が大きく
、ばね人すストリップの数を偶数列゛とする必要のある
寸法のマツトレス等については隅部について何等かの処
理が必要になる。

四角配置（第１図）は周知であり、隅部縁部が直線とな
るためマツＩ・レス等には望ましい。

しかし、並列したストリップ間でばねが凹部に入り所要
最小スペースとなる傾向があるため、四角配置の形状を
保つには特別の処理が必要である。

このために使用された方法として、隣接するストリップ
の互に接触するばねの頂部及び底部を互に連結し、更に
１列のストリップ内のばねについても隣接するばねの頂
部と底部とを互に連結する方法がある。

この種のばね間連結はばね装置の頂面と底面で行ない、
リングやステープル等の金属固定具を使用する。

例えば米国特許第６９８５２９号、１２７０８４０号、
２０７１５４０号を参照されたい。

ひもを使用した例としては、米国特許第１１４０９７３
号、１７４１８４７停、１７４５９８６号がある。

これらの方法は、組立に際してばね人すストリップの両
側直角方向についてすべてのばねを直接連結するため、
著しく高価で時間のかかる作業となる。

更に、このようなばね装置をマツトレスとして使用する
場合には、被包ばねの特長である個別のばねの独立した
動きがばね間連結によって損われる。

ばね人リス１〜リップの各ばねをストリップの直角方向
に直接ばね端の巻きを連結することは、何れかのばねの
圧縮によって所定列の数値のばねを圧縮することになる
。

圧縮されるばねの数は、ばね間連結部材の剛性によって
定まる。

即ち、許容回動度、ばね端の巻きの直径、荷重に対する
ばねの剛さ等によって定まる。

更に、ばね人リス１〜リップの直角方向の列のばね間を
直接端部連結することは、樽型の両端小直径のばねの使
用ができず、樽型ばねの特長であるばねの独立した動き
が利用できない。

上述した通り、被包ばねの四角配置を保つための直接の
ばね間連結はマツトレス」二に休む人間の体型に適合し
てばね装置が動くのを妨げるので、マツトレスよりも座
席用クッションとして広く使用された。

本発明の被包ばね装置並びに製造方法は、既知のばね間
連結を使用せずにばねを四角配置とし、このためばね独
立作動の四角配置の利点が得られ、上述の欠点は生じな
い。

本発明においては、ばね入リストリップ相互間をばねの
間で結合し、従来のようにばね間を連結しないので、ば
ねを縦横列の隣接するばねと結合するにはばねを収容す
るポケツ１〜材料であるスＩ・リップの相互結合によっ
て行なう。

この配置は四角配置のは゛ねによる家具の利点を得ると
共に、既知のばね間直接連結では得られなかったばねの
独立作動が得られる。

更に、既知の被包ばねに生じたばねを半圧縮の状態に拘
束する傾向を生ずることもない。

本発明を例示とした実施例並びに図面について説明する
。

図は本発明による被包ばね装置１０を示し、マツトレス
、クッション等に使用する。

図の左右方向の一列のばね１４を収容したほぼ左右方向
のストリップ１２は、上下のストリップ１６．１８との
間を布地を相互に結合して被包ばね装置１０を形成する
。

第１図の全体図では理解困難であるため、第２，３図の
詳細図について説明すると、は゛ね入りのストリップを
隣接するばね入りのス１〜リップに結合する結合部２０
は、各スｌ−’Ｊツブの２個の隣接するばね１４の間の
部分であり、スＩ−ＩＪツブ１２の例では、第１に下側
のストリップ１６と結合し、次に上側のストリップ１８
と結合する。

かくしてすべてのストリップは一端から他端まで、交互
に上側下側のストリップと結合する。

図示の例では、ストリップ間結合部２０はばね装置の第
３図の上下端部のみである。

図示の場合、ばね１４は上下端を小直径とした樽型であ
り、ばね上下端付近はポケット間に布地の弛みがあるた
め、結合のための工具を入れるのが容易である。

上述の結合の結果、ストリップ間結合部２０の両側のば
ねは、この結合部２０によって結合するストリップの両
側のばねと共に四つ葉のクローバの形状であり、各ばね
のポケットの方向はストリップの長手即ち、図の左右方
向に対してほぼ１７８回転即ち４５°の方向である。

以下更に詳細に説明すれば、ばね１４を包むストリップ
は熱可塑性合成樹脂繊維の不織布を２枚折りにした長い
布であり、第３図に示す通り、互に離間した熱溶着部か
ら成る横方向の溶着線２２によって２枚重ね間にばねポ
ケットを形成する。

ばね１４をばねポケットに収容した後に長手方向の溶着
部２４によって２枚重ね縁部を閉じてばね１４をポケッ
ト内に封入する。

封入後にポケット内では゛ね１４が伸長すれは゛、ポケ
ットの中間の高さでポケツＩ・壁にばね形状を第３図に
示す通りに生じ、このため、２枚重ね縁のフラップ及び
ばねポケットの反対側の溶着しない端部にたるみを生ず
る。

更に２枚重ねの布をばねによって広げるためストリップ
の長さは短くなる。

このため、両端部のポケット間溶着部２２に沿う布のた
るみが生じ、図示の例の樽型ばね１４の場合は特に顕著
である。

樽型ばね１４の両端部の隣接するばね間に両端方向に広
がる空隙が生ずるため、２本のストリップのばね間部分
を溶着接合するのが容易であり、第３図に示した通り、
ばねの上端と下端の間を、ばねの端部の巻きよりも内方
で、溶着部２０によって結合する。

スＩ−リップ間溶着結合部２０は、ポケットを形成する
ための溶着部２２と同様に互に離間した複数の溶着点に
よって形成する。

但し、この場合は短い線ではなく、円形又はボタン型の
溶着点とする。

ストリップ１２等を形成する布地は図示の例では熱可塑
性合成樹脂繊維として溶着可能としたが、他の所要の布
地を使用して縫付は又はホッチキス止めとすることがで
きる。

熱可塑性繊維が開発されるまでは天然繊維に対して行な
われた結合方法を任意に採用できる。

溶着結合部２０によって上下のスｌ〜リップを結合する
ことによって、各ストリップの両側のばねは高さ方向の
中央部分において互に接触して各結合部２０を囲む４個
のばねを四つ葉のクローバ状にロックする。

ストリップの重ね縁溶着部２４は結合部２０から４５°
方向に延長する。

本発明の被包ばね装置１０は、ばね１４相互間を互に結
合することなく、ばねを包むス１〜リップを互に結合し
て形成するため、各ばねはある程度まで個別に圧縮伸長
可能であり、これを過ぎればクローバの配置の隣接ばね
を圧縮する。

かくして、人体の比較的重い部分による集中荷重又は人
が腰を下した時の重量支持の場合には４個のばねの形成
するクローバ状結合は互に共働して荷重を負担し、集中
荷重がなくなった時はポケットの許容する無荷重の高さ
に戻る。

第１〜３図に示す被包ばね装置においては、一連のばね
を収容したストリップを同じ長さとして図示の左右方向
又は上下方向に並列させて互に結合して形成する。

あるいは長い１本のスＩ・リップを折り重ねて所要のマ
ツトレスの寸法を形成する。

図に示す通り、ストリップ間結合部２０、例えばストリ
ップ１２を隣接するストリップ１８に結合する結合部２
０はばねの２個おきの位置であり、ストリップ１２を下
方に隣接するストリップ１６に結合する結合部２０は同
様にばねの２個おきの位置である。

かくして結合部２０の配置はジグザグ状となる。

この構成によって、各ばねは同時に斜方向に連結した２
個のクローバの構成要素となり、他の６個のばねと共働
することとなる。

ばね入リストリップをばねの２個おきに互に結合する構
成によって、１本の長いストリップを折リ重ねて結合し
た場合でも、縁部のばねがすべて一直線上となる。

更に各ス１ヘリツブは順次の結合部２０を形成するよう
にジグザグ状に反対側に折って上下の隣接するストリッ
プに結合することによってストリップの布地に張力を生
じ、所要のストリップを結合することによって整然とし
た形状を保持する結合構造が得られ、隅部は直角であり
、縁部は直線で平滑であり、斜方向の重ね部は筋かいと
なって製造寸法を保ち、外周を囲む保持ワイヤの必要が
ない。

各ポケット内のばねの巻きの方向は、ばね入りストリッ
プについて同じ方向であるため、長方形の被包ばね装置
のストリップの方向は長手方向又は横方向となる。

このため、隣接するストリップ内のは゛ねの中央の巻き
は同じ高さになり、は゛ね間のかみ合い又は交叉接触に
よる干渉を生ずる。

ストリップの方向が長手方向である場合には、人間がベ
ッド上で寝返りをする場合等、ばねが順次に圧縮から解
放される時に聞き取り可能のきしみ音がばね間の干渉に
よって生ずる。

しかし、ばね入リストリップの方向を横方向とすれば、
寝返り等による順次の荷重変化はストリップの長手方向
のばねに生ずるため、ばねの干渉による音は生じない。

上述の不利はあるが、ストリップの方向をマツトレスの
長手方向とすることが組立時間短縮のために有利である
。

この場合、マツトレス又はクッション等の家具用の被包
ばね装置としてばね干渉音が十分に消音されない時は隣
接するス）−１Ｊツブにおいてばねの巻線方向を反対に
する。

この構成によって、共通巻線方向のばねの夫々のストリ
ップは、隣接するスＩ・リップに対して、１本のストリ
ップ内の隣接するばねと同様な接触となり干渉音は発生
しない。

被包ばね装置の組立について説明する。

上述の構造説明で明らかである通り、組立に際してはば
ね入りのストリップを所要の列だけ並列させる。

この場合に、予じめ切ったストリップを等しい長さとし
て並列させることもでき、長いストリップを１列毎に折
って並列させることもでき、縦横の組合せ配置とするこ
ともできる。

次に隣接する列のストリップ間をポケット間の部分での
溶着等による結合部で結合する。

この時の結合は所定のストリップについては交互に隣接
するストリップに結合する。

即ち、第１に一方の測のストリップに結合し、次に他方
の側のストリップに結合して１列のストリップの結合を
終了する。

次に同様にして他の列のストリップを結合する。

図示の例では、あるスＩ・リップを隣接するストリップ
に対してばねの２個おきに結合し、反対側のストリップ
に対しても同様にばねの２個おきに結合し、結合部はジ
グザグ状となるようにする。

このパターンは上述した通り、ある列のばねを１列に並
べると共に、次々のストリップを結合することによって
、縦横の列から成る直角の配置となる。

更に、結合部はばねの２個おきであるため、各ばねは斜
方向に連結されほぼ伸長しない斜方向の控え鋼が形成さ
れてマツトレス等の形を崩す力に抵抗して長方形を保ち
、周囲を囲むワイヤ等の補助枠を必要としない。

しかし、用途に応じて、他の目的のために周囲のワイヤ
を使用することもできる。

本発明の被包ばね装置用のばねを包むスｌ−’Ｊツブは
、好適な例として熱可塑性合成樹脂シート、特に熱可塑
性合成樹脂の繊維製品、であり、単位繊維の長さ、織り
方、不織布かどうか等は任意に定めることができる。

構成素材を熱可塑性合成樹脂とすれば、ポケットの形成
、重ね縁部の接合、ス１− ｊＪツブ間の結合等の結合
部は前述の通り溶着技法を採用することが可能となる。

隣接するポケット間の接合、ばね端の重ね縁部の接合に
は短い線又は点溶着とし、樽型ばねの上下端の小直径部
によって生ずるポケット材料の弛い部分間の結合を溶着
する。

これらの溶着は通常の溶着装置によって容易に行なうこ
とができ、完成したストリップはばねのほぼ全圧縮につ
いて障害を生ずることはない。

従来の被包ばね装置の製造の歴史において、ポケット用
の材料は天然繊維を織った又は編んだ布であるため、布
の重ね合せ部及びストリップ相互間の結合は溶着法を使
用できない。

ストリップ間の結合は確実で信頼性が高く、使用間に破
損しないように行なう必要がある。

このためには、縫付け、織みこみ、リング又はホッチキ
ス等の金属固定具等の方法、又は熱又は圧力を使用し又
は使用せずに４枚の布に十分に浸透する接着剤を使用す
ることができる。

被包ばね装置の組立に熱可塑性合成樹脂の溶着を使用す
ることは現在までほとんど利用されていないが、本発明
の被包ばね装置の物理的形状の上述の利点に加えて、ス
１〜リップを横方向に結合する場合の労力を著しく軽減
する。

この溶着は手持工具で行なうこともできるが、機械的に
行なうのも容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による被包ばね装置の平面図、第２図は
第１図の装置の一隅の部分拡大図、第３図は第２図の側
面図である。 １２．１６．１８・・・・・・ストリップ、１４・・・
・・・ばね、２０． ２２． ２４・・・・・・溶着結
合部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ マツトレス、クッション等の被包ばね装置であって
   、細長のシート材料の２層間に形成するポケット内に夫
   々収容して一体的に連結した一連のばねを有する複数の
   ばね入リストリップを含み、被包ばね装置のばねは長方
   形配置となり、夫々の被包ばねは互に直角の縦横の列内
   にあって縦横列の隣接被包ばねに接触し、各ばねは縦横
   列のばねを形成する一方のばね入リストリップ内にある
   装置において、隣接するストリップの夫々の２個のばね
   間でス１〜リップのポケット材料を互に結合することに
   よって隣接するばね入リストリップ間結合部を形成し、
   上記ストリップ間結合部はスＩ−リップに沿って少なく
   ともばねの２個おきとし、ストリップ間結合部は両側の
   ストリップに対して互い違いの配置とすることを特徴と
   する被包ばね装置。 ２ 前記圧に直角となる２列は前記長方形配置の縁部に
   対して平行直角となる特許請求の範囲第１項記載の装置
   。 ３ 前記ストリップ間結合部の間隔をばねの２個分とす
   る特許請求の範囲第１項又は第２項記載の装置。 ４ 前記隣接したばね人リスｌ−’Ｊツブは一連の連続
   したばね入リストリップを折って形成する特許請求の範
   囲第２項又は第３項記載の装置。 ５ 前記隣接するばねの少なくとも両端付近において隣
   接する両ストリップを接合することによってストリップ
   間結合部を形成する特許請求の範囲第１項記載の装置。 ６ 前記ポケット材料を熱溶着可能な材料とし両スＩ・
   リップのポケット材料を熱溶着することによってス）
   ＩＪツブ間結合間荷合部する特許請求の範囲第１項又は
   第５項記載の装置。 ７ マツトレス、クッション等の一体連結被包ばね装置
   を製造する方法であって、可撓性シート材料の細長の２
   層間に形成したポケット内にばねを収容したばね入リス
   トリップを使用し、各ばねかばね装置の互に直角の２列
   内にあるようにばねを長方形配置とする方法において、
   ばねの軸線を平行となるように複数のばね入リストリッ
   プを並列させ、一方のストリップのポケット材料を他方
   のストリップのポケット材料に対して各ストリップの２
   個のばねの間で少なくともばねの２個おきに結合し、両
   側のストリップに対しての結合部を互い違いにすること
   を特徴とする被包ばね装置の製造方法。 ８ 前記隣接するストリップのポケット材料を熱溶着に
   よって結合する特許請求の範囲第７項記載の方法。 ９ 前記ポケット材料を熱溶着可能材料とする特許請求
   の範囲第８項記載の方法。