JPS5951012B2 - 静止形無効電力調整装置の超動方式 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は静止形無効電力調整装置の起動方式に関する。

近年製鋼用アーク炉、溶接機などのように急激にかつラ
ンダムに変化する不平衡遅れ負荷を有す ５る産業分野
では有効な力率補償装置および無効電力調整装置に対す
る需要が非常に増大してきた。

その理由は、上記のような負荷が断続して使用されると
大きな無効電力の振動によつて電圧降下が生じ、この負
荷に給電している母線に電圧変動を生じさせ、他の一般
負荷に影響を与えるからである。電圧変動は一般にフリ
ッカ−として現われ、負荷か照明設備の場合電球にちら
つきを生じさせ、人間に不快感を与える。このフリッカ
−を減少させるためには、電源端の無効電力変動を特定
のレベル以下に維持させるように適当に制御する無効電
力調整装置が必要である。

この無効電力調整装置は固定コンデンサとサイリスタ制
御リアクトルとを変動負荷に並列に接続して負荷の無効
電力変動を吸収するように制御する装置である。第１図
は静止形無効電力調整装置を使用した交流回路図である
。

図において、交流電源１には静止形無効電力調整装置２
を介してアーク炉等の変動負荷３が接続されている。４
は電源側インピーダンスであり、前記無効電力調整装置
２から電源端子１１までのインピーダンスを等価的に表
わしている。

５は電源端子１１間に接続された固定コンデンサ、６お
よび７は逆並列接続された３端子サイリスタ（ＳＣＲ）
であり、点弧角を制御することによりこれと直列接続し
たリアクトル８に流れる無効電力を制御する。

なお６および７で構成した部分を便宜上静止形交流スイ
ッチ２０と呼ぶ。９は負荷３に流れる電流を抽出する変
流器（ＣＴ）、１０は電圧変成器（ＰＴ）である。

そして１２は前記交流スイッチ２０のサイリスタ６およ
び７に点弧信号を与えるための制御回路である。この制
御回路１２は無効電力に応じてサイリスタ６、７の点弧
位相角を制御し、リアクトル８に流れる電流を制御する
ことにより、終局的に変動負荷３、固定コンデンサ５お
よびリアクトル８の全体で消費される無効電力の値を予
定値以下に維持するために設けられている。第２図は第
１図の静止形無効電力調整装置２のサイリスタの通電パ
ターンを示す。

電源電圧ｅに対しサイリスタ６が制御角９０゜〜１８０
゜の範囲で点弧されると点弧時期φ１，φ２，φ３に対
応してサイリスタ６の電流１６は、Ｉａ，ｉｂ，ｉｃと
なる。即ち各サイリスタの通電期間は電気角で９０゜か
ら２７０゜の間にある。そして点弧角が９０゜で電流は
最大となり、１８０゜で零となる。このような静止形無
効電力調整装置２において、起動時にサイリスタ６，７
の通電角が大きい状態でサイリスタが点弧されると以下
の様な不具合が発生する。すな，わち、（１）リアクト
ルを小形にするために鉄心入で、ギヤツプを小さくする
ことがシステム全体の経済性から要求されるが、この場
合前回停止したときの励磁方向と同一方向に励磁される
とリアクトルが飽和し、過電流が流れ、リアタトル８、
サイリスタ６，７に与えるストレスがきびしい（２）リ
アクトル８が飽和した場合の高調波電流により、リアク
トル８と固定コンデンサ５との間で共振現象を引き起こ
し異常電圧を発生する。

（３）起動することにより、かえつて大きな無効電力変
動を引き起こし、電源電圧変動を大きくし、電源に与え
るシヨツクが大きい。本発明の目的はこのような起動時
の異常現象をソフトスタート方式により抑制し、機器や
電源系統に与える動揺を減少させるようにした静止形無
効電力調整装置の起動方式を提供することにある。

以下図面を参照して本発明について説明する。

．第３図は本発明の主要部である制御装置１２の詳細プ
ロツク図である。第３図において変成器１０により電圧
信号を、変流器９により電流信号を得て、無効電力検出
器１３に入力する。

検出器１３では電圧信号と電流ｊ信号により周知の適当
な方法で無効電力信号を作り、これを出力する。１４は
前記無効電力検出器１３の無効電力信号をサイリスタ６
，７の位相制御をするための位相制御電圧ＥＯに変換す
る変換器である。

ここでは無効電力検出値に対してリア４タトル８に流す
べき電流が直線的な関係とならないため、関数変換を行
う。次に１５は起動位相制御電圧Ｅ″。を発生する回路
で、その電圧Ｅ″。は第４図に示すように時間ｔに対し
て単調増加するようにした回路である。最小値優先回路
１６は前記無効電力検出器１３からの位相制御電圧Ｅ。
と起動位相制御電圧Ｅ″ｏとを比較し、最小値を出力す
る回路である。第４図にこれら２つの値と時間的な変化
を示す。縦軸は位相制御電圧で電圧が大きいと位相進み
となる。時間がｏ−ｔ１までは最小値優先回路１６の出
力はＥ″。が出力され、時刻ｔ１を過ぎるとＥＯがＥ″
ｏより小さくなるためＥ６が出力される。従つて時間が
Ｏからｔ１まではＥ″ｏによりサイリスタ６，７の点弧
角が制御され、ソフトスタート起動期間となる。なお第
３図の１７は点弧角制御回路で最小値優先回路１３で出
力された位相制御電圧よりサイリスタ６，７の点弧タイ
ミングを制御する回路である。第５図に本発明によるソ
フトスタート方式のサイリスタ６，７の起動通電パター
ンを示す。

図から明らかなようにサイリスタ６，７の電流１６，ｉ
７が時間が経つにつれて徐々に大きくなるので、リアタ
トル８の飽和現象は起らない。なお以上述べた本発明の
実施例ではリアクトル８に流れる電流を制御する交流ス
イツチ２０として３端子形サイリスタを逆並列接続した
ものを用いたが、勿論１個の両方向性サイリスタ（例え
ばトライアツク）を用いてもよい。

上述した如く、本発明によれば、起動時のリアクトルに
印加される電圧を小さくしたのでリアクトルが飽和する
ことなく、リアクトルの飽和により引き起される異常減
少が発生しない。

このため機器の経済設計が可能となり、また電源系統へ
与えるシヨツクも少なく、安価で、信頼性の高い無効電
力調整装置を提出することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は静止形無効電力調整装置を用いた交流電力回路
図、第２図は静止形無効電力調整装置の定常時の通電パ
ターンを示す図、第３図は本発明の主要部を示すプロツ
ク図、第４図は本発明による静止形無効電力調整装置の
起動時の位相制御電圧波形図、第５図は本発明装置によ
る起動時の通電パターンを示す図である。 ］・・・・・・交流電源、２・・・・・・静止形無効電
力調整装置、２０・・・・・・静止形交流スイツチ、５
・・・・・・コンデンサ、８・・・・・・リアクトル、
９・・・・・・変流器、１０・・・・・・・・・電圧変
成器、１２・・・・・・制御回路、１３・・・・・・無
効電力検出器、１４・・・・・・変換器、１５・・・・
・・Ｅｃ電圧発生回路、１６・・・・・・最小値優先回
路、１７・・・・・・点弧角制御回路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 交流電源の端子間に接続されたコンデンサと、この
   コンデンサに対して並列接続されたリアクトルと、この
   リアクトルに直列接続され、点弧角に応じて前記リアク
   トルに流れる無効電力を制御する静止形交流スイッチと
   、前記交流電源に接続される負荷無効電力を検出する無
   効電力検出器と、この無効電力検出器の出力を位相制御
   電圧に変換する変換器と、ほぼ直線的に増加すると共に
   起動時から予定時間を過ぎるまでの間、この変換器の出
   力電圧よりも小さな起動位相制御電圧を発生させる電圧
   発生器と、これら変換器および電圧発生器の出力電圧を
   比較し小さい方の電圧を出力する最小値優先回路と、こ
   の最小値優先回路の出力に応じて前記交流スイッチの点
   弧タイミングを制御する回路とから成る静止形無効電力
   調整装置の起動方式。