JPS5949302B2 - 耐溶融亜鉛侵食性にすぐれたFe基合金 - Google Patents
耐溶融亜鉛侵食性にすぐれたFe基合金Info
- Publication number
- JPS5949302B2 JPS5949302B2 JP757880A JP757880A JPS5949302B2 JP S5949302 B2 JPS5949302 B2 JP S5949302B2 JP 757880 A JP757880 A JP 757880A JP 757880 A JP757880 A JP 757880A JP S5949302 B2 JPS5949302 B2 JP S5949302B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- corrosion resistance
- content
- alloy
- molten zinc
- based alloy
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- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
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Description
【発明の詳細な説明】
この発明は、例えば溶融亜鉛メッキ装置などに Sおけ
るような溶融亜鉛に直接さらされる構造部材の製造に、
鋳物用、加工用、肉盛溶接用、あるいは溶射用として使
用した場合に、すぐれた耐溶融亜鋭侵食性を示すFe基
合金に関するものである。
るような溶融亜鉛に直接さらされる構造部材の製造に、
鋳物用、加工用、肉盛溶接用、あるいは溶射用として使
用した場合に、すぐれた耐溶融亜鋭侵食性を示すFe基
合金に関するものである。
従来、例えば、溶融亜鉛メッキ装置において、 、’溶
融亜鉛に直接さらされる構造部材としては、浴槽、シン
クロール、ガイドロール、およびスナウトなどがあるが
、これら構造部材は低炭素鋼やステンレス鋼(SUS3
04、309、316など)を使用して鋳造や塑性加工
により製造されている。、しかし、例えば浴槽の製造に
用いられている低炭素鋼は耐溶融亜鉛侵食性(以下耐侵
食性と略記する)がきわめて悪く、またシンクロ゛\−
ルやガイドロールの製造に使用されているステスレス鋼
も同様に耐侵食性に劣るものであるため、比較的耐侵食
性の良好なステライトをこれら構造部材の表面に肉盛溶
接あるいは溶射して使用しているのが現状である。しか
しながら、これら肉盛溶接を施した構造部材においても
、ステライト自体が十分満足するすぐれた耐侵食性を有
するものではないため、長期に亘る使用寿命を期待する
ことはできず、さらに例えば、Co:61チ、Cr:2
8チ、W:5多、Ni:1.5チ、その他の成分:4.
5Cfl(以上重量%)からなる標準組成を有するステ
ライト6に見られるように、高価なCoの含有量が高い
ため、材料費の高いものとなク、コスト高となるのを避
けることができないなどの問題点がある。
融亜鉛に直接さらされる構造部材としては、浴槽、シン
クロール、ガイドロール、およびスナウトなどがあるが
、これら構造部材は低炭素鋼やステンレス鋼(SUS3
04、309、316など)を使用して鋳造や塑性加工
により製造されている。、しかし、例えば浴槽の製造に
用いられている低炭素鋼は耐溶融亜鉛侵食性(以下耐侵
食性と略記する)がきわめて悪く、またシンクロ゛\−
ルやガイドロールの製造に使用されているステスレス鋼
も同様に耐侵食性に劣るものであるため、比較的耐侵食
性の良好なステライトをこれら構造部材の表面に肉盛溶
接あるいは溶射して使用しているのが現状である。しか
しながら、これら肉盛溶接を施した構造部材においても
、ステライト自体が十分満足するすぐれた耐侵食性を有
するものではないため、長期に亘る使用寿命を期待する
ことはできず、さらに例えば、Co:61チ、Cr:2
8チ、W:5多、Ni:1.5チ、その他の成分:4.
5Cfl(以上重量%)からなる標準組成を有するステ
ライト6に見られるように、高価なCoの含有量が高い
ため、材料費の高いものとなク、コスト高となるのを避
けることができないなどの問題点がある。
この発明は、上述のような観点から、安価にして、すぐ
れた耐侵食性を有し、しかも鋳造用、加工用、肉盛溶接
用、および溶射用として使用することができるFe基合
金を提供するもので、重量%で、C:0.01〜3チ、
Si:0.01〜2チ、Mn:0.01〜2%、Taま
たはTa+Nb:1〜6%、Moおよびwのうちの1種
または2種:1〜10%、Ni:10〜30チ、Co:
10〜30%、Cr:10〜25チ、Feおよび不可避
不純物:残ク、からなる組成を有する耐侵食性にすぐれ
たFe基合金に特徴を有するものである。
れた耐侵食性を有し、しかも鋳造用、加工用、肉盛溶接
用、および溶射用として使用することができるFe基合
金を提供するもので、重量%で、C:0.01〜3チ、
Si:0.01〜2チ、Mn:0.01〜2%、Taま
たはTa+Nb:1〜6%、Moおよびwのうちの1種
または2種:1〜10%、Ni:10〜30チ、Co:
10〜30%、Cr:10〜25チ、Feおよび不可避
不純物:残ク、からなる組成を有する耐侵食性にすぐれ
たFe基合金に特徴を有するものである。
つぎに、この発明のFe基合金において、成分組成範囲
を上記の通ク限定した理由を説明する。(a)Cその含
有量が0.01チ未満では、鋳造時および肉盛溶接時に
所望の湯流れ性を確保することができないと共に、所望
の強度を合金に付与することができず、一方3チを越え
て含有させると、合金脆化が著しく、合金に割れが多発
するようになることから、その含有量を0.01〜3チ
と定めた。
を上記の通ク限定した理由を説明する。(a)Cその含
有量が0.01チ未満では、鋳造時および肉盛溶接時に
所望の湯流れ性を確保することができないと共に、所望
の強度を合金に付与することができず、一方3チを越え
て含有させると、合金脆化が著しく、合金に割れが多発
するようになることから、その含有量を0.01〜3チ
と定めた。
(6)SiおよびMn
SiおよびMnには脱酸・脱硫作用があり、さらにSi
には湯流れ性を改善する作用が、またMnには合金を強
靭化する作用があるが、それぞれの含有量が0.01%
未満では、前記作用に所望の効果が得られず、一方、そ
れぞれ2%を越えて含有させると、Siに関しては合金
脆化が著しくなり、またMnについてはよシ一層の改善
効果がないことから、その含有量をそれぞれ0.01〜
296と定めた。
には湯流れ性を改善する作用が、またMnには合金を強
靭化する作用があるが、それぞれの含有量が0.01%
未満では、前記作用に所望の効果が得られず、一方、そ
れぞれ2%を越えて含有させると、Siに関しては合金
脆化が著しくなり、またMnについてはよシ一層の改善
効果がないことから、その含有量をそれぞれ0.01〜
296と定めた。
(c) TaまたはTa+Nb
TaおよびNbには耐侵食性を著しく向上させる均等的
作用があるが、その含有量が1%未満では前記作用に所
望の効果が得られず、一方6%を越えて含有させると、
鋳造性および塑性加工性が劣化するようになることから
、その含有量を1〜691)と定めた。
作用があるが、その含有量が1%未満では前記作用に所
望の効果が得られず、一方6%を越えて含有させると、
鋳造性および塑性加工性が劣化するようになることから
、その含有量を1〜691)と定めた。
(d)MOおよびW
MOおよびwにはTaまたはTa+Nbとの共存におい
て耐侵食性をさらに一段と改善する作用があるが、その
含有量が1%未満では前記改善作用に所望の効果が得ら
れず、一方1091)を越えて含有させても、さらに一
段の改善効果がなく、コスト高を招く原因ともなること
から、その含有量を1〜10(!iと定めた。
て耐侵食性をさらに一段と改善する作用があるが、その
含有量が1%未満では前記改善作用に所望の効果が得ら
れず、一方1091)を越えて含有させても、さらに一
段の改善効果がなく、コスト高を招く原因ともなること
から、その含有量を1〜10(!iと定めた。
(e) Ni
Niには合金組織をオーステナイト化して塑性加工性を
改善する作用があるが、その含有量が10%未満では所
望の塑性加工性改善効果を確保することができず、一方
3091)を越えて含有させると、著しい耐侵食性低下
をもたらすようになることから、その含有量を10〜3
096と定めた。
改善する作用があるが、その含有量が10%未満では所
望の塑性加工性改善効果を確保することができず、一方
3091)を越えて含有させると、著しい耐侵食性低下
をもたらすようになることから、その含有量を10〜3
096と定めた。
(f) CO
COには、Ta,.Ta+Nb,MO,およびwによつ
てもたらされるすぐれた耐侵食性を害なうことなく、N
iと共に合金組織をオーステナイト化して塑性加工性を
改善する作用があるが、その含有量が10%未満では前
記作用に所望の効果を確保することができず、一方30
%を越えて含有させても、よジ一層の改善がなされず、
コスト高を招くだけであることから、その含有量を10
〜30%と定めた。
てもたらされるすぐれた耐侵食性を害なうことなく、N
iと共に合金組織をオーステナイト化して塑性加工性を
改善する作用があるが、その含有量が10%未満では前
記作用に所望の効果を確保することができず、一方30
%を越えて含有させても、よジ一層の改善がなされず、
コスト高を招くだけであることから、その含有量を10
〜30%と定めた。
(g) Cr
Crには合金素地を強化すると共に、耐酸化性を向上さ
せる作用があるが、その含有量が10%未満では前記作
用に所望の効果が得られず、一方2596を越えて含有
させると耐侵食性が低下するようになることから、その
含有量を10〜25%と定めた。
せる作用があるが、その含有量が10%未満では前記作
用に所望の効果が得られず、一方2596を越えて含有
させると耐侵食性が低下するようになることから、その
含有量を10〜25%と定めた。
ついで、この発明の合金を実施例によ)比較合金および
従来合金と対比しながら説明する。
従来合金と対比しながら説明する。
高周波炉を使用し、通常の大気溶解法によジ別表に示さ
れる最終成分組成をもつた溶湯を調製し、砂型モールド
に鋳造することによつて、長さ100?×幅8011!
×厚さ151!の寸法をもつた本発明合金1〜10、比
較合金1〜6、および従来合金2と、直径751111
tφX高さ150?の寸法をもつた本発明合金11,1
2卦よび従来合金1をそれぞれ製造し、さらに前記本発
明合金11,12および従来合金1に対しては温度11
00にて熱間鍛造を施して、その直径を15131!φ
とした。なお、比較合金1〜6は、いずれもこの発明の
範囲から外れた成分組成をもつものであり、また従来合
金1はステンレス鋼・SUS3O9、従来合金2はステ
ライト6にそれぞれ相当する成分組成をもつものである
。ついで、この結果得られた本発明合金1〜12,比較
合金1〜6.および従来合金1.2から、直二径121
1φX長さ3511の寸法をもつた耐侵食性試験用試験
片を削ジ出し、この試験片を温度4700Cに加熱した
溶融亜鉛浴中に侵漬しながら、半径351!の円周上を
230r.p.m.の回転速度で回転し、25時間保持
後引き上げ、その平均侵.食深さを測定した。
れる最終成分組成をもつた溶湯を調製し、砂型モールド
に鋳造することによつて、長さ100?×幅8011!
×厚さ151!の寸法をもつた本発明合金1〜10、比
較合金1〜6、および従来合金2と、直径751111
tφX高さ150?の寸法をもつた本発明合金11,1
2卦よび従来合金1をそれぞれ製造し、さらに前記本発
明合金11,12および従来合金1に対しては温度11
00にて熱間鍛造を施して、その直径を15131!φ
とした。なお、比較合金1〜6は、いずれもこの発明の
範囲から外れた成分組成をもつものであり、また従来合
金1はステンレス鋼・SUS3O9、従来合金2はステ
ライト6にそれぞれ相当する成分組成をもつものである
。ついで、この結果得られた本発明合金1〜12,比較
合金1〜6.および従来合金1.2から、直二径121
1φX長さ3511の寸法をもつた耐侵食性試験用試験
片を削ジ出し、この試験片を温度4700Cに加熱した
溶融亜鉛浴中に侵漬しながら、半径351!の円周上を
230r.p.m.の回転速度で回転し、25時間保持
後引き上げ、その平均侵.食深さを測定した。
この結果の測定値を別表に合せて示したが、この測定値
は保持時間を1年に換算したものとして示した。一般に
、この種の溶融亜鉛に直接さらされる構造用部材の製造
に用いられる合金としては、流動亜鉛状態で平均侵食深
さ:20.011/年以下の耐侵食性をもつことが望ま
しいとされており、したがつて、別表に示されるように
、本発明合金1〜12は、鋳造材および鍛造材のいずれ
のものも前記条件を満足するすぐれた耐侵食性をもつこ
とが明らかである。
は保持時間を1年に換算したものとして示した。一般に
、この種の溶融亜鉛に直接さらされる構造用部材の製造
に用いられる合金としては、流動亜鉛状態で平均侵食深
さ:20.011/年以下の耐侵食性をもつことが望ま
しいとされており、したがつて、別表に示されるように
、本発明合金1〜12は、鋳造材および鍛造材のいずれ
のものも前記条件を満足するすぐれた耐侵食性をもつこ
とが明らかである。
これに対して、比較合金1〜6訃よび従来合金1,2は
、いずれも平均侵食深さ:20.0w1t/年を越えた
耐侵食性を示し、特にTaを含有しない比較合金1,お
よびTaの含有量が本発明範囲内にあるが、Crの含有
量が本発明範囲から高い方に外れた比較合金6はきわめ
て悪い耐侵食性を示し、さらにTa(またはTa+Nb
),MO,W,およびCOを含有しない従来合金1(S
US3O9)は著しく悪い耐侵食性を示すものであつた
。
、いずれも平均侵食深さ:20.0w1t/年を越えた
耐侵食性を示し、特にTaを含有しない比較合金1,お
よびTaの含有量が本発明範囲内にあるが、Crの含有
量が本発明範囲から高い方に外れた比較合金6はきわめ
て悪い耐侵食性を示し、さらにTa(またはTa+Nb
),MO,W,およびCOを含有しない従来合金1(S
US3O9)は著しく悪い耐侵食性を示すものであつた
。
Claims (1)
- 1 C:0.01〜3%、Si:0.01〜2%、Mn
:0.01〜2%、TaまたはTa+Nb:1〜6%、
MoおよびWのうちの1種または2種:1〜10%、N
i:10〜30%、Co:10〜30%、Cr:10〜
25%、Feおよび不可避不純物:残り、(以上重量%
)からなる組成を有する耐溶融亜鉛侵食性にすぐれたF
e基合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP757880A JPS5949302B2 (ja) | 1980-01-25 | 1980-01-25 | 耐溶融亜鉛侵食性にすぐれたFe基合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP757880A JPS5949302B2 (ja) | 1980-01-25 | 1980-01-25 | 耐溶融亜鉛侵食性にすぐれたFe基合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS56105459A JPS56105459A (en) | 1981-08-21 |
JPS5949302B2 true JPS5949302B2 (ja) | 1984-12-01 |
Family
ID=11669688
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP757880A Expired JPS5949302B2 (ja) | 1980-01-25 | 1980-01-25 | 耐溶融亜鉛侵食性にすぐれたFe基合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5949302B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5221372A (en) * | 1992-02-13 | 1993-06-22 | Northwestern University | Fracture-tough, high hardness stainless steel and method of making same |
JP5026831B2 (ja) * | 2007-03-22 | 2012-09-19 | 株式会社豊田中央研究所 | 衝撃吸収装置 |
-
1980
- 1980-01-25 JP JP757880A patent/JPS5949302B2/ja not_active Expired
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS56105459A (en) | 1981-08-21 |
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