JPS5947614B2 - 着脱式金型リフタ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【産業上の利用分野】 この発明は、プレス機械のボルスタ土に適宜着脱式に取
付けることができ、かつ、流体圧により、３金型がボル
スタ土で殆ど無抵抗に移動できる状態と、金型がボルス
タ上に移動不可能に載置される状態を容易に切換選択す
ることができ、しかも、分解による補修を行ない易くし
た着脱式金型リプタに関する。

【従来の技術およびその問題点】

プレス機械のラムに取付けられる上金型と、ボルスタ上
に固定される下金型は、互いにその位置関係を正確に調
整しなければならない。 通常これらの上下の金型の位置関係は、ボルスタ上に載
置すべき下金型の位置を微調節しながら行なうのである
が、この下金型自体が相当の重量を持つているため、こ
れをボルスタ上で動かすのには相当な労力と位置合わせ
のための熟練が必要であつた。こうした問題を解決し、
ボルスタ上での下金型の移動を楽に行なえるようにした
アイデイアは種種提案されている。たとえば、実開昭５
４−５３５３２号公報に示されているものは、ボルスタ
上に設けられたＴ溝に若干上下動可能に遊芸したＴ型杆
の上面に回転子を取付け、手動操作によりプランジャあ
るいはねじをＴ型杆の下面から突出させることによりこ
のＴ型杆を若干上動させ、上記回転子をボルスタ上面に
突出させるように構成されている。しかしながら、この
例は、手動でＴ型杆を上動および下動させるのに手間ど
り、実際上役にたたない。すなわち、ボルスタ上での下
金型の位置が決ればただちにそれを固定する必要がある
のに、手動でＴ型杆を下動させている間に下金型の位置
が狂つてしまうからである。また、特開昭５０−１６０
８８２号公報には、ボルスタ内にシリンダを穿設し、こ
れに流体圧により上下駆動されるピストンを嵌装し、こ
のピストンの上部にローラを取付けることにより、上記
ピストンを上下動させるとローラの上部がボルスタ上に
突出しかつ没入するように構成されたプレス機械が開示
されている。これによると、簡単にボルスタ土で下金型
が移動できる状態およびボルスタ土で金型が移動できな
い状態を選択操作することができるため、上記実開昭５
４−５３５３２号公報に示されたものの問題は解決され
る。しかしながら、上記ピストンの土部に取付けられた
ものがローラであるため、たとえこれをボルスタ上に突
出させても金型を一方向にしか移動させることができず
、金型の位置の微調整には不適である。また、シリンダ
およびこれに嵌装されたピストンないしシリンダに圧力
流体を送り込む流路がボルスタ内に一体的に形成されて
いるため、もし多数個のシリンダおよびピストンに故障
が生じた場合、それらの補修を簡単に行なうことができ
ない。さらに、実開昭５１−１４７１４７号公報には、
半球状座面に多数個の小ボールを介して回転主球を無方
向に回転可能に支持してなる回転車をボルスタ上に穿設
した保持孔内にバネで上方に付勢しながら嵌装したボル
スタが開示されているが、このものは、金型が重すぎる
と上記バネの弾力が負け、金型をボルスタ土で移動させ
ることができず、一方、金型が軽すぎると、ボルスタ土
でこの金型を自由に移動させることができても、これを
土から押え付けてボルスタ上に固定する作業が厄介とな
るという問題がある。すなわち、この例では、一定の重
さの金型に対応して最適なバネ弾力に設定しておけばあ
る程度利用価値があつても、種々の重さの金型のすべて
にはうまく対応できない。このように、ボルスタ上での
金型の移動および位置の調整を楽に行なえるようにする
ためのアイデイアは、種々提案されてきたが、そのどれ
をとつても最適なものとはいえなかつた。

【発明の目的】

本発明者は、プレス機械においてそのボルスタ上での金
型セツテイングをあらゆる場合に楽に行なうことができ
るようにするには、次の条件が必要であることを見出し
、本発明をするに至つたものである。 すなわちその条件とは、第一に、ボルスタ上で金型を容
易に移動できる状態と金型がボルスタ上に接地する状態
とを容易に選択できること、第二に、ボルスタ上で金型
を容易に移動できる状態では、金型はあらゆる方向に殆
ど無抵抗に移動できること、第三に、そうした機構がで
きたとした場合、その補修が容易に行なえること、であ
る。本発明は、上記の条件をすべて満足し、かつプレス
機械のボルスタに着脱しうる金型リプタを提供すること
を目的とする。

【目的を達成するための手段】

上記の目的を達成するため、本発明の着脱式金型リプタ
は、次の手段を講じている。 プレス機械のボルスタ上の溝の幅と対応した幅を有する
長尺状の上部材に複数個のシリンダ孔を上下方向に貫通
させ、各シリンダ孔内に、土部半球凹面状座部に多数個
の小ボールを介して回転主ボールを支持してなるボール
支承体をその外周が各シリンダ孔内面に密着摺接して一
定距離上下にピストン移動可能に嵌装するとともに、上
記上部材と同じくボルスタ状の溝の幅の対応した幅を有
し、かつ上面に上記上部材の各シリンダ孔の下部と連通
する流体送り溝を形成した下部材を、ねじを用いて上記
土部材の下面に重ねあわせ固定し、かつ、上記流体送り
溝に圧力流体を送るためのホースを接続している。 なお、土下ピストン移動可能なボール支承体の移勤行程
は、これが土動しているとき回転主ボールの頂部がボル
スタ土に突出し、ボール支承体が下動しているとき回転
主ボールの頂部がボール上面から没入するように設定す
べきことはいうまでもない。

【発明の作用・効果】

本発明の着脱式金型リプタは、上記の手段を講じる結果
、次の作用・効果を奏する。 第一に、本発明の金型リプタは、プレス機械のボルスタ
土の溝と対応した幅を有した着脱式であるので、既存の
プレス機械あるいはそのボルスタに取付けて使用するこ
とが可能であり、プレス機械を全般的に改変することな
く、ボルスタへの金型のセツテインゲをきわめて容易に
行ないうるように改良することができる。 第二に、各シリンダ孔に圧力流体を送わ込むことにより
、容易に回転主ボールを上動させ、かつ、流体圧を下げ
ることにより容易に回転主ボールを下動させることがで
きるので、ボルスタ上の金型が移動可能な状態とするこ
と、およびボルスタ上に載置されて移動不可能とするこ
とが容易に切換選択でき、この結果、ボルスタ上での金
型の位置の微調整後その位置で金型を固定する作業を円
滑かつ容易に行なうことができる。 第三に、ボルスタ上での金型を移動可能とする手段は、
単なるローラではなく、凹球面状座体に多数個の小ボー
ルを介して回転可能に支持された回転主ボールでさるの
で、この主ボールはどの方向にでもほとんど無抵抗に回
転する。 したがつて、この回転主ボールがボルスタ上に突出して
いる状態では、主ボール上に乗る格好となる金型があら
ゆる方向に自由に移動することができ、金型の位置の微
妙な調整を迅速かつ容易に行なうことができる。また、
上記凹球面は、比較的広い平面投影面積を持つているの
で、回転主ボールが支持しうる荷重がかなり大きく、し
たがつて、小さな金型からかなり重量のある大きな金型
まで、支障なくセツテイングすることができる。第四に
、本発明の金型リプタは、基本的にピストン運動するボ
ール支承体ないし回転主ボールを組み込んだ上部材と、
下部材とを別体形成し、これらをねじで固定して構成し
ているので、ねじを外すことにより上部材と下部材を分
解し、かつ、内部のボール支承体、小ボール、回転主ボ
ールを取り出すことが容易にできる。 この結果、これらの部材の補修・交換がきわめて容易で
あり、ボール支承体のピストン運動の性能および回転主
ボールの回転性能を長期間高度に維持することができる
。

【実施例の説明】

以下、本発明の着脱式金型リプタの実施例を図面を参照
しつつ具体的に説明する。 第１図は本考案の着脱式金型リプタを取付けうるプレス
機械を示し、１は機枠、２はラム、３はプレスヘツド４
上に設置されたボルスタである。 このボルスタ３には複数本のＴ字溝５・・・訃よび凹溝
６・・・がそれぞれ交互に平行に設けられている。本発
明の着脱式金型リプタ７は、たとえば、上記凹溝６内に
着脱可能に取付けて使用される。上記着脱式金型リプタ
７は、基本的に上記凹溝６の幅と対応した幅の長尺状の
上部材１８と、同じく上記溝６の幅と対応した幅の長尺
状の下部材１９とを有する。上部材１８には、複数個な
らぶシリンダ孔２２が上下に貫通させられ、それぞれの
シリンダ孔２２の内部には、半球凹面状座部１０上に多
数個の小ボール１１・・・を介して回転主ボール１２を
回転可能に支持したボール支承体９が、所定距離上下に
ピストン運動可能に嵌装される。 図示例に訃いてこのボール支承体９の運動上端を規定す
るために、支承体９の下部１５を上部１６に比して大径
に形成するとともに、上記シリンダ孔２２を、上部の内
径が小さくして段部３２を形成した段付き孔とし、この
段部３２にボール支承体９の下部１５大径部の上面段部
３１が当接するようにしてある。また、図示例では、シ
リンダ孔２２の大径下部２３に内面に精密加工した環状
メタル２４・・・をはめ込むとともにこれと摺接するボ
ール支承体９の下部大径部１５の外周にＯリングをはめ
こみ、ピストン運動するボール支承体９とシリンダ孔２
２内面、すなわち、環状メタル２４の内面との摺動部の
シール性を確保している。なお、ボール支承体９の上部
には窓付きねじ蓋１３がねじこまれ、これの窓１４から
回転主ボール１２の頂部が若干突出するようにしてある
。一方、下部材１９には、その上面に流体送り溝２５が
設けられ、この下部材１９と上記上部材１８とを重ねる
と、流体送り溝２５が上部材１８の各シリンダ孔２２の
下部空間に連通するようにしている。 な訃、下部材１９と上部材１８は、その間にシール用シ
ート２０を介在させながら互いにねじ２１を用いて固定
される。また、上記流体送り溝２５は、上部材１８の端
部に形成されたＬ字状の流路２６、ないしその端部開口
２７に接続されたホース２８を介して図示しない流体圧
力源に連通される。上述のように構成された金型リプタ
に｝いて、上記ホース２８から圧力流体を送り込むと、
この流体圧が上部材１８の各シリンダ孔２２内にピスト
ン状に上下可能に嵌装されたボール支承体９をその上動
端まで押上げ、これにより回転主ボール１２が上動し、
反対に流体圧を下げると、ボール支承体９が下動して回
転主ボール１２が下動復帰するといつた動きをする。 なお、回転主ボール１２は、金型リプタ７に流体を圧送
しているときにはボルスタ３の上面から頂部が突出し、
一方、流体を排出しているときはボルスタ３の上面から
没入しているようにすべきであることはいうまでもない
。本発明の着脱式金型リプタ７を使用すると、たとえば
、次の方法によりプレス金型をボルスタ３上の所定の位
置にセツテイングすることができる。 まず、第４図に示すようにボルスタ３上に上下金型３４
，３５を搬入載置し、次いで金型リプタ７内に圧力流体
を送り込んで、各ボール支承体９・・・を浮上させ、回
転主ボール１２の頂部をボルス夕３の上面から突出させ
て第５図に示すように上下金型３４，３５をあらゆる方
向に無抵抗に移動可能な状態とする。この状態で所定の
位置まで上下金型３４，３５を移動させて位置決めし、
次いでリプタＴ内の圧力流体を排出する。これによりボ
ルスタ３の上面から頂部が突出していた各回転主ボール
１２はボルスタ３の上面から没下し、第６図に示すよう
に下金型３５の下面がボルスタ３上面に密着する。そし
て第Ｔ図に示すように、上金型３４をラム３６に取付け
、下金型３５をボルスタ上のＴ型溝５・・・内に配した
固定具３Ｔ・・・によりボルスタ３上にクランプする。
なお、本発明の範囲は、上述した実施例に限定されない
ことは勿論である。 とくに、ピストン状のボール支承体を上動駆動するため
には、空気圧、油圧のいずれを用いてもよい。このよう
に、本発明の金型リプタを用いれば、重たいプレス金型
の位置決めをきわめて簡単、迅速に、しかも作業者が労
力を殆ど用いることな＜正確に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の着脱式金型リプタを使用すると好適な
プレス機械の斜視図、第２図は本考案の一実施例の一部
切断斜視図、第３図はその横断面図、第４図ないし第Ｔ
図は本発明の金型リプタを用いた金型セツテイング方法
の一例の説明図である。 ３・・・・・・ボルスタ、６・・・・・・凹溝、９・・
・・・・ボール支承体、１０・・・・・・半球凹面上座
部、１１・・・・・・小ボール、１２・・・・・・回転
主ボール、１８・・・・・・上部材、１９・・・・・・
下部材、２１・・・・・・シール用シート、２２・・・
・・・シリンダ孔、２５・・・・・・流体送り溝、２８
・・・・・・ホース。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ プレス機械のボルスタ上の溝の幅と対応した幅を有
   する長尺状の上部材に複数個のシリンダ孔を上下方向に
   貫通させ、各シリンダ孔内に、上部半球凹面状座部に多
   数個の小ボールを介して回転主ボールを支持してなるボ
   ール支承体をその外周が各シリンダ孔内面に密着摺接し
   て一定距離上下にピストン移動可能に嵌装するとともに
   、上記上部材と同じくボルスタ上の溝の幅と対応した幅
   を有し、かつ上面に上記上部材の各シリンダ孔の下部と
   連通する流体送り溝を形成した下部材を、ねじを用いて
   上記上部材の下面に重ねあわせ固定し、かつ、上記流体
   送り溝に圧力流体を送るためのホースを接続したことを
   特徴とする、着脱式金型リフタ。