JPS5947058B2 - 無ひ力織機のよこ糸移動装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はよこ糸をよこ糸オサ打ち位置から、無ひ力織機
、特にグリッパ織機、のよこ糸ピッカの運動通路まで移
動させる装置に関する。

本発明は織機のバラタンの運動に同期して制御可能な移
動機構を有する移動装置に関し、この移動機構は揺動運
動を生じ自由端に糸締付具を有する移動レバーを具備し
、移動レバーの固定締付面は移動可能な締付面と協働す
る。

無ひ力織機、特にグリッパ力織機においては、従来技術
に従うとよこ糸を切断してから次のよこ糸の新しく形成
された前端をよこ糸グリッパの運動通路までもって行く
ために、よこ糸の切断前によこ糸オサ打ち位置内のよこ
糸の先端をしっかりとつかむ必要がある。

スイス特許第５３３，１９０号明細書にはそのような移
動装置が開示され、それによると移動可能な締付面が締
付あごを有し移動レバー上で移動可能な部品によって形
成され、その部品は移動レバー上で回転可能であり、そ
して装置全体はコイルばねの影響下にある。

しかしながら、このような公知の装置による締付けは十
分に制御できず、また確実でもよい。

この不確実さは締付あごの領域内にかなりの遠心力が存
在し、また締付部材が堅いために振動に対して敏感であ
るためである。

さらにこの装置の機能上の能力は移動装置内に毛羽が蓄
積することによって急速に低下することがある。

これによって十分に締付けられていない糸がよこ糸グリ
ッパのニッパまで十分に挿入されない恐れが増大する。

糸締付具を提案したオーストリア特許第 ２５８．２２８号明細書では、その移動可能な締付面が
適当な形にした板はねによって形成されているが、この
板はねは糸のひ投げ方向にその長軸が向くように働くた
めに締付条件はかなり不確実となる。

さらにこの装置は大形であるため作動通路が長くなって
不正確となる。

また締付領域が毛羽によってふさがられる危険がある。

従って本発明の目的は、前述の公知の装置の欠点を除去
し、機械振動に対して鈍感であり、移動レバーの運動に
よって影響を受けない締付は作用を有し、構造が簡単で
自浄化作用があり、前述の最初の形式のよこ糸移動装置
を提供することである。

これはよこ糸をよこ糸オサ打ち位置から無ひ力織機、特
にグリッパ織機のよこ糸ピッカの運動通路まで移動する
装置によって本発明に基づいて実現され、この装置は織
機のバラタンの運動に同期して制御可能である移動機構
を有し、この移動機構は揺動運動を行なうように配置さ
れて自由端に糸締付具を有する移動レバーを有し、この
移動レバーの固定締付面は移動可能な締付面と協働する
。

この装置の特徴は、移動可能な締付面がひ投げ方向にほ
ぼ垂直にのびている板はねによって形成され、作動レバ
ーが移動レバーに揺動可能に取付けられていて前記板は
ねの舌状部に作動的に連結されて前記の二つの締付面を
瞬間的に開き、調整可能な停止手段が前記移動レバーの
揺動運動範囲内に設けられかつ作動レバーが前記停止手
段に衝突すると前記作動レバーを相対的に反対運動させ
るように配置されていることにより、前記二つの締付面
の前記瞬間的な開きが引起される。

この手段によって簡単で機能的に信頼性が高く、異なる
糸質の全範囲に一定の締付圧力が加わる、前述の最初の
形式のよこ糸移動装置を製造することが可能である。

この装置では移動レバーがその前方端位置まで揺動運動
する間に作動レバーが停止具を衝撃することによって毛
羽などの高度な自浄化作用が生じ、また引続いて糸締付
具が最大の減速状態で開くので遠心力によってちりや毛
羽が投出される。

二つの締付面の間の締付圧力を調整できるようにするた
め、板ばねをピンに傾斜可能に取付けるのが望ましく、
移動レバーに取付けた調整手段はピンを取付けている部
分内の板はねから突出している第二の舌状部に作用する
ように配置され、この調整手段は締付方向に働くトルク
を板ばねに加える。

本発明のもう一つの好適な特徴に従うと、よこ光用の位
置決め突出部が移動レバーの固定締付面の外端から上方
にのび、該外端での二つの締付面の間のよこ糸の挿入の
深さを決定する。

これによってよこ糸は、よこ糸グリッパによって長い有
効締付範囲について確実に保持されそして締付具からて
いねいに除去されるように、傾斜した角度で後方にのび
る位置を取ることができる。

力織機のバラタンに接続されている少なくとも一個の糸
ピックアップがよこ糸を位置決め突出部に向かって押す
ように固定締付面の外端を縁どるように配置されている
のが望ましい。

もう一つの糸ピックアップを固定締付面の他の内端近く
に縁どるように配置し、また前述の第一の糸ピックアッ
プと一体と動くようバラタンに固定することができる。

第二の糸ピックアップは第一のピックアップからずれて
いてこれをバラタンのオサ打ち運動の方向に導くように
配置されているのが望ましい。

これによってよこ糸は二つの締付面の間でさらに精密に
決められた傾斜位置を取ることができる。

ノツチが第二の糸ピックアップによって締付具に引込ま
れたよと糸の停止手段として働くことができる。

このノツチは固定締付面の内端の一部の斜面によって形
成することができる。

前述の斜面が実際に締付面の突出部までのびるよう、こ
の斜面の前端から固定締付面の自由正面が傾斜した角度
でのびるように配置することができる。

この装置ではよこ糸グリッパが移動装置よりもたらせら
れた糸をつかむと、糸は糸締付具から非常にていねいに
静かに解放され、糸は斜面をすべるので、前述のように
糸を保持する働きはオサ打ち運動の直前まで有効に保持
される。

本発明に従う装置の幾つかの好適な実施態様を十分に理
解するため、次に添付図面を参照して実施例をもって本
発明を説明することとする。

第１図はグリッパ力織機の一部を示すもので、この図は
織物片２０の断面を通るもので、この織物片のひ口は上
部の一群のたて糸２１と下部の一群のたて糸２２によっ
て形成されている。

よこ糸２９の各々は図示しないよこ糸グリッパによって
二群のよこ糸の間のひ口を通される。

このよこ糸グリッパの運動通路は破線２４で示している
。

周知のように各挿入されたよこ糸２３はオサ２６によっ
て織物材料の織り前に押しつけられる。

オサ２６はバラタン（ｂａｔｔｅｎ ） １５に連結さ
れ、双頭矢印２５で指示しているようにバラタンと一体
となって往復運動可能である。

各挿入されたよこ糸は通常の切断手段（図示せず）によ
って織物片の耳で切断される。

切断作業の後に、先に挿入してあったよこ糸２３の端を
よこ糸グリッパの運動通路２４まで持ってきて、これが
次のよこ糸のはじめとなるように本発明に基づく装置は
織機のフレーム３０に取付けたシャフト３１に一体に回
転するようにしっかりと連結された移動レバー１を具備
する。

この移動レバー１はその自由端に糸締付具２を保持する
が、この糸締付具については後に詳細する。

前述のシャフト３１は図示しない手段によって力織機の
バラタン１５の往復動運動に同期して交番回転方向に１
駆動される。

これによって移動レバー１は双頭矢印３２によって指示
されているような揺動運動を生ずるようにされる。

前述の糸締付具２は移動レバー１に形成された固定締付
面３と、板はね４の一部によって形成された移動可能な
締付面４′を含む。

締付面４′から上方に曲っている板はね４はピン１１に
傾斜可能に取付けられている。

移動レバー１に取付けられている止ねじ１３はピン１１
が取付けられている部分で板はね４から突出している舌
状部１２に作用する。

この止ねじ１３によって締付方向に働くトルクを調整す
ることができ、従って板はね４の締付力を調整すること
ができる。

板はね４を固定締付面３から持ち上げて糸締付具２をあ
けるために本装置は作動レバー７を有し、この作動レバ
ーは移動レバー１に対して揺動運動をするように移動レ
バー１によって保持されたビン８に取付けられている。

この実施例では作動レバー７はＺ形をし、移動レバー１
内のみぞ穴９に座着している。

これによって作動レバー７の下部のレバーアームは移動
レバー１の揺動運動の範囲内に配置され離間している固
定の停止具１０と協働するように配置されている。

一方、作動レバー７の上部アームはぴんと張られたワイ
ヤ６によって板はね４の他端に形成された舌状部５に連
結されている。

この装置では移動レバー１を停止具１０に向けて時計回
り方向に揺動させると、作動レバー７はその運動を停止
し、その結果として作動レバーに課される運動とは反対
の相対的運動が生じ、それによって板はね４が持ち上げ
られ先締付具２があけられる。

第２図により詳細に示しているように、よこ糸２３用の
位置決め突出部１４は移動レバー１の固定締付面３の外
端４０から上方に突出している。

この位置決め突出部１４は二つの締付面３と４′の間の
よこ糸２３の外側挿入位置を決定する。

第１および２図にさらに示しているように、糸ピックア
ップ１６は固定締付面３の外端４０でよこ糸２３用の位
置決め突出部と協働している。

この糸ピックアップ１６は外端４０のすぐそばを縁どる
ように織機のバラタン１５に固定配置されている。

オサ打ち運動の間バラタンを前方に移動させると、ピッ
クアップ１６はよこ糸を二つの締付面３と４′の間に案
内して突出部１４と接触させる。

これに代わるものとして第２図に示しているように、固
定締付面３の内端４１の近くを縁どることができるよう
にバラタン１５上の第一の糸ピックアップ１６と一体に
動くように固定したもう一つの糸ピックアップ１１６を
設けることができる。

第二の糸ピックアップ１１６は第一のピックアップ１６
からずれており、バラタンのオサ打ち方向で第一のピッ
クアップより進んでいるのが望ましＧ）。

このように糸２３は第２図から明瞭に理解できるように
、位置決め突出部１４から出発し移動レバー１を横切っ
て締付面３と４ｂ間で精密に決められた傾斜位置を取る
ことができる。

これらの手段はよこ糸２３を長い有効締付範囲にわたっ
てよこ糸グリッパで確実につかむことができ、よこ糸グ
リッパのニッパまで深く挿入することができることを意
味する。

第二の、すなわち内側の糸ピックアップ１１６によって
保持されたよこ糸の停止手段として、固定締付面３の内
端４１の一部の斜面４３によって形成されたノツチ４４
を利用することができる。

斜面４３の前端から位置決め突出部１４に向かって後方
にさらに固定締付面３の自由正面４２があり、これは斜
面４３を事実上締付面３の突出部で終りとするような角
度でのびている。

この装置ではグリッパが移動装置からもたらされたよこ
糸をつかむと、このよこ糸２３は先締付具２から非常に
ていねいに静かに解放される。

なぜなら糸２３が傾斜した正面４２に沿ってすべること
ができるので、糸の締付作用が糸のひ投げの直前まで維
持されるからである。

これらの手段によって挿入されたよこ糸２３は瞬間的に
開く先締付具２の中に押し込まれてそこにしっかりと保
持され、同時に織り前すなわち織物の端に押しつけられ
る。

次に図示しない通常の手段によって切断を行なうことが
できる。

次に糸端、すなわち次のよこ糸のはじめ、は移動レバー
１の反時計回り方向の揺動運動によってよこ糸グリッパ
の運動通路２４まで戻されて、そこで前述のようにグリ
ッパにつかまれる。

本発明に基づくよこ糸移動装置は構造が簡単で機能的に
信頼性が高く、たとえ糸質が非常に変化する場合でも一
定締付圧力を得ることができ、しかも前述のように移動
装置に良好な自浄作用をもたらすものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に基づき力織機内でよこ糸を移動させる
ための装置の概略図、第２図は第１図に示している装置
に変更を加えた部分の概略図である。 １・・・・・・移動レバー、２・・・・・・先締付具、
３・・・・・・固定締付面、４・・・・・・板ばね、４
′・・・・・・移動可能な締付面、５・・・・・・板は
ねの舌状部、７・・・・・・作動レバー、９・・・・・
・みぞ穴、１０・・・・・・停止具、１３・・・・・・
止ねじ、１４・・・・・・位置め突出部、１５・・・・
・・バラタン（ｂａｔｔｅｎ ）、１６・・・・・・糸
ピックアップ、２０・・・・・・織物片、２１，２２・
・・・・・たて糸、２３・・・・・・よこ糸、２６・・
・・・・オサ、２７・・・・・・織り前、４３・・・・
・・斜面、４４・・・・・・ノツチ、１１６・・・・・
・糸ピックアップ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 織機のバラタンの運動に同期して制御可能な移動機
   構より成り、該移動機構は揺動運動を行なうように配置
   されて自由端に糸締付具を備えた移動レバーを有し、該
   移動レバーの固定締付面は移動可能な締付面と協働する
   ものにおいて、前記移動可能な締付面はひ投げ方向にほ
   ぼ垂直にのびている板ばねによって形成され、作動レバ
   ーが前記移動レバーに揺動可能に取付けられているとと
   もに前記板ばねの舌状部に作動的に連結されて前記の二
   つの締付面を瞬間的に開き、調整可能な停止手段が前記
   移動レバーの揺動運動範囲内に設けられ、かつ作動レバ
   ーが前記停止手段に衝突すると前記作動レバーを相対的
   に反対運動させるように配置されていることにより、前
   記二つの締付面の前記瞬間的な開きが引起され、よこ糸
   をよこ糸オサ打ち位置から無ひ力織機、特にグリッパ織
   機、のよこ糸ピッカの運動通路まで移動させることを特
   徴とする無ひ力織機のよこ糸移動装置。 ２ 織機のパラタンの運動に同期して制御可能な移動機
   構より成り、該移動機構は揺動運動を行なうように配置
   されて自由端に糸締付具を備えた移動レバーを有し、該
   移動レバーの固定締付面は移動可能な締付面と協働する
   ものにおいて：前記移動可能な締付面はひ投げ方向にほ
   ぼ垂直にのびている板はねによって形成され、作動レバ
   ーが前記移動レバーに揺動可能に取付けられているとと
   もに前記板ばねの舌状部に作動的に連結されて前記の二
   つの締付面を瞬間的に開き、調整可能な停止手段が前記
   移動レバーの揺動運動範囲内に設けられ、かつ作動レバ
   ーが前記停止手段に衝突すると前記作動レバーを相対的
   に反対運動させるように配置されていることより、前記
   二つの締付面の前記瞬間的な開きが引起され、よこ糸を
   よこ糸オサ打ち位置から無ひ力織機、特にグリッパ織機
   、のよこ糸ピッカの運動通路まで移動させる構成であっ
   て；前記板ばねがピンに傾斜可能に取付けられ、前記移
   動レバーに取付けられた調整手段が前記ピンの取付範囲
   内で前記板ばねから突出している第二の舌状部に作用し
   、前記調整手段が締付方向に働くトルクを前記板はねに
   作用させることを特徴とするひ力織機のよこ糸移動装置
   。 ３ よこ光用の位置決め突出部が移動レバーの固定締付
   面の外端から上方にのび、該外端での前記二つの締付面
   の間のよこ糸の挿入の深さを決定することを特徴とする
   特許請求の範囲第１項又は第２項記載の無ひ力織機のよ
   こ糸移動装置。 ４ 力織機のバラタンに連結されよと糸を位置決め突出
   部に向けて押すように配置された少なくとも一個の糸ピ
   ックアップを含み、該糸ピックアップの各々が固定締付
   面の外端を縁どるように配置されていることを特徴とす
   る特許請求の範囲第３項記載の無ひ力織機のよこ糸移動
   装置。 ５ 力織機のバラタンに連結されよこ糸を固定締何面の
   内端の停止面に向けて押すように配置されたよこ糸ピッ
   クアップを含み、該よこ糸ピックアップが前記固定締付
   面の前記内端を縁どるように配置されていることを特徴
   とする特許請求の範囲第１項、第２項、第３項又は第４
   項記載の無ひ力織機のよこ糸移動装置。 ６ 停止面が固定締付面の内端の一部の斜面によって形
   成されたノツチにより形成されていることを特徴とする
   特許請求の範囲第５項記載の無ひ力織機のよこ糸移動装
   置。 ７ 内側の糸ピックアップが外側の糸ピックアップに対
   してずれており、外側の糸ピックアップをバラタンのオ
   サ打ち運動の方向に導ひくことを特徴とする特許請求の
   範囲第４項、第５項又は第６項記載の無ひ力織機のよこ
   糸移動装置。 ８ 締付けるべきよこ糸の向かう固定締付面の自由正面
   が、前記固定締付面の突出している内端から傾斜した角
   度で前記位置決め突出部に向かって後方にのびているこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第３項、第４項又は第７
   項記載の無ひ力織機のよこ糸移動装置。