JPS5945823B2 - 電子制御式燃料噴射装置の安全装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はエンジンの電子制御式燃料噴射装置の電子回路
及びセンサ等システムの故障に伴う燃料吹き出しを防止
し、かつ噴射信号を増幅する出力段以外の故障時にはア
クセル操作により少なくとも修理工場等まで走行可能に
する安全装置に関する。

従来の安全装置として吹き放しを防止する技術思想はあ
るが電子回路及びセンサ等システム全体を１つと考えす
べての演算を停止させ出力段への電源供給を停止させる
だけのものである。

ところで電子制御式燃料噴射装置では、故障の確率は少
ないがその少ない故障のうちの大半は、電子回路の複雑
化に伴う演算部及びセンサの故障であり、出力段の故障
はきわめて少い。

しかるに電子回路全体及びセンサ等システム全体を１つ
と考えて故障判定をし演算を完全に停止させたりあるい
は供給電源を停止させることば車輛の走行を完全に不能
にし修理工場が遠い場所もしくは山中等での故障の場合
危険を伴う。

本発明は上記欠点に鑑み、少なくとも演算部の故障時に
は、別途所定時間幅のパルス信号を用いて電磁噴射弁を
駆動して最小限の走行を可能とし、また出力段の故障時
ζこは燃料噴射を強制停止できる安全装置の提供を目的
とするものである。

そのために本発明では、機関の運転状態に応じた要求燃
料量に相当する時間幅のパルス信号を演算する演算部と
、この演算部のパルス信号に応じて、電磁噴射弁を駆動
する出力段とを備えた電子制御式燃料噴射装置において
、所定時間幅のパルス信号を発生するパルス発生手段と
、前記演算部のパルス信号の時間幅が所定値を越えたと
き前記演算部のパルス信号を阻止して、前記パルス発生
手段のパルス信号を前記出力段に供給する第１の手段と
、前記出力段により前記電磁噴射弁に通電される時間が
所定値を越えたときには前記出力段の作動を強制停止さ
せる第２の手段とを備えたことを特徴とする。

以下本発明を図面に示す一状施例について説明する。

全体構成を示す第１図において、１は機関の回転信号を
パルス信号で検出するためのイグニッションコイルの一
次側端子、２は前記パルス信号を誤動作防止のために波
形整形する波形整形回路、３は分周回路で、機関１回転
当りの各気筒の燃料噴射回数に対応した分周比が選定さ
れている。

４は演算回路で、分周回路３からの機関回転数に反比例
した時間幅の回転信号と吸入空気量針５からの吸入空気
量に応じた信号とによって、機関の吸入空気量を機関回
転数で割算した時間幅１１のパルス信号ＴＩを生ずる。

したがってこの時間幅ｔ１は、１つの気筒に１行程で吸
いこまれた空気量に比例する。

なお前記波形整形回路では予め設定された一定時間幅ｔ
Ｍのパルス信号ＴＭを発生するようにしてあり、パルス
信号ＴＭとパルス信号ＴＩとのＡＮＤ理論によって、ｔ
ｌはｔＭ以上にならないように構成されている。

６は乗算回路で、前記演算回路４から出力されるパルス
信号Ｔ１のパルス時間幅ｔ１に、機関の冷却水温、吸入
空気温等を検出する運転状態検出手段７からの各種信号
を乗算してパルス時間幅ｔ２のパルス時間幅Ｔ２を出力
する。

８は電圧補正回路で、前記乗算回路６からのパルス信号
Ｔ２を入力しており、電磁噴射弁１１による燃料噴射量
が電源電圧によって変化するのを補正するため、電源電
圧に応じたパルス時間幅ｔ３のパルス信号Ｔ３を出力す
る。

９はＯＲ回路で、前記演算回路４、前記乗算回路６、及
び前記電圧補正回路８からのパルス信号Ｔ１゜Ｔ２．Ｔ
３♀時間幅加算をして、パルス時間幅（１゜＋ １２＋
１３）のパルス信号Ｔ％出力段１０に供給し、各気筒
同時噴射用に接続された電磁噴射弁１１を開弁作動させ
る。

上記構成ひ公知であり、演算回路４および乗算回路６は
例えば特開昭４９−６７０１６号公報に記載された時間
幅可変のマルチバイブレークとして構成される。

、、そして乗算回路６のマルチバイブレークは前記乗算
回路４からのパルス信号Ｔ、のパルス時間幅馬、の間充
電されるコンデンサを有し、その充電終了後の放電持続
時間に等しいパルス時間幅ｔ２のパルス信号Ｔ２を生ず
るものであり、充電時に外部回路から流れ込む電流が大
きいほどパルス時間幅ｔ２は大きくなり、かつ放電時に
外部回路から流れ込む電流が大きいほどパルス時間幅ｔ
２は大きくなるよう構成されている。

更に第１図において演算回路４の出力信号（回路４の出
口は回路２の出力とのＡＮＤの出力をとりフェールセー
フになっている）のＯＮ信号により再トリが可能ケ単安
定マルチバイブレーク（公知である）２０をイリガし単
安定マルチバイブレータ２０の出力パルス時間幅を設定
時間（たとえば０．５〜１ ｓｅｃ ）に設定し次にＯ
Ｒ回路９のＯＮ信号の時間と単安定マルチバイブレーク
２０の０８時間とをＤフリップフロップで構成される時
間幅比較器２１で比較しＯＲ回路９のＯＮ信号の時間幅
がマルチバイブレーク２０の出力時間幅より長い場合シ
ステムに異常があると判定し比較器２１の出力が反転し
ゲート回路２２が作動し、ＯＲ回路９の出力をこのゲー
ト回路２２でもって阻止する。

一方前記分周回路３の出力で単安定マルチバイブレーク
２３をトリガし単安定マルチバイブレーク２３の出力時
間幅を所定の時間（エンジンの運転状態に関係のない一
定値）に設定した値（たとえば２．５〜５ｓｅｃ）をゲ
ート回路２２により出力段１０に供給し電磁噴射弁１１
を駆動する。

又出力段１０の異常の検出は前記単安定マルチバイブレ
ーク２０の出力パルス時間幅と出力段１０の出力パルス
幅とを時間幅比較器２１と同じ構成の時間幅比較器２４
で比較し出力段１０の出力の時間幅が単安定マルチバイ
ブレーク２０の出力時間幅より長い場合はバッファ２５
を介して電源供給用のリレー２６をＯＦＦし、出力段１
０を含めたシステム全体への電流供給を停止させ電磁噴
射弁１１からの噴射を停止する。

以上の構成よりシステムの異常等により電磁噴射弁１１
が長時間燃料を噴射しつづける危険を防止し、そのうち
特に、故障のうちの比較的確率の高いセンサ類、ワイヤ
系、演算部の故障時は燃料を一定量噴射することにより
、少なくともアクセル操作により走行を可能にし、また
出力段の故障時には供給電源をＯＦＦするという二重の
安全機能をもたせることができる。

次に本発明の主要部の回路構成を第２図に示しその動作
を説明する。

演算回路４のＯＮ信号の出力で公知の第１の単安定マル
チバイブレーク２０をトリ、ガし、次に単安定マルチバ
イブレーク２０の出力信号（設定時間幅）と、ＯＲ回路
９のＯＮ信号とを比較器２１をなすＤフリップフロップ
２１ａ（テキサスインストルメント社５Ｎ７４７４相当
）のＣ１ｏｃｋ端子、Ｄ端子にそれぞれ導入するとＤフ
リップフロップ２１ａの出力ＱはＯＲ回路９のＯＮ信号
の時間幅が単安定マルチバイブレーク２０で決められた
設定時間幅以下で”０゛″レベル、設定時間幅以上で゛
１′″レベルとなるそしてこのＤフリップフロップ２１
ａの出力Ｑが゛１゛レベルのときはＯＲ回路９のＯＮ信
号が異常に長い場合でありシステム的に異常であると判
定しゲート回路２２の抵抗Ｒ１を介してトランジスタＴ
ｒ１をＯＮＬ、ＯＲ回路９の出力を出力段１０に導くこ
とを停止する。

一方分周回路３の出力により第２の単安定マルチバイブ
レーク２３をトリガし単安マルチバイブレーク２３の出
力時間幅を設定時間幅２．５〜５ｓｅｃに設定する。

この単安定マルチバイブレーク２３の出力パルスは機関
の回転に同期して出力される。

比較器２１をなすＤフリップフロラフ２１ ａの出力Ｑ
が０′”レベルのときは、トランジスタＴｒ２はＯＦＦ
のためトランジスタＴｒ３はＯＮＬＮ２Ｏ２安定マルチ
バイブレーク２３の出力は出力段１０に導かれないがシ
ステム的に異常があるパ１゛レベルのときはトランジス
タＴｒ２はＯＮしトランジスタＴ ｒ ３−はＯＦＦす
るため第２の単安定マルチバイブレーク２３の出力が出
力段１０に導かれトランジスタＴ ｒ ４を駆動し電磁
噴射弁１１は２．５〜５ｓｅｃに設定されたパルス時間
幅にみ合った燃料をシリンダ内に供給する。

一方前記単安定マルチバイブレーク２０の出力と出力段
１０の出力をインバータ２７により反転させた信号つま
り噴射時間信号とをＤフリップフロップ２１と同じ構成
の比較器２４をなすＤフリップフロップ２４ａのＣ１ｏ
ｃｋ端子及びＤ端子に接続し第１の単安定マルチバイブ
レーク２０の出力よりも出力段１０の出力のほうが時間
幅が大きい場合はトランジスタＴｒ５をＯＦＦし電源供
給用リレー２６をＯＦＦし、出力段１０を含めて電気回
路への電源を遮断、つまり電磁噴射弁１１への電源供給
を停止し、燃料噴射を停止する。

以上のように本発明装置は、少なくとも演算部の故障時
には、別途パルス発生手段による所定時間幅のパルス信
号を用いて電磁噴射弁を駆動するようにしており、最小
限の走行を可能として修理工場等までの移動を可能にで
き、また出力段の故障時には燃料噴射を強制伴出して燃
料の流れ放しを未然に防止できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の基本構成を示すブロック図、第２図は
第１図の主要回路部の電気回路図である。 ４及び９・・・・・・演算回路部の主要部をなす演算回
路及びＯＲ回路、１０・・・・・・出力段、１１・・・
・・・電磁噴射弁、２０及び２３・・・・・・単安定マ
ルチバイブレーク、２１及び２４・・・・・・時間幅比
較器、２２・・・・・・ゲート回路、２６・・・・・・
電源供給用リレー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 機関の運転状態に応じた要求燃料量に相当する時間
   幅のパルス信号を演算する演算部と、この演算部のパル
   ス信号に応じて、電磁噴射弁を駆動する出力段とを備え
   た電子制御式燃料噴射装置において、所定時間幅のパル
   ス信号を発生するパルス発生手段と、前記演算部のパル
   ス信号の時間幅が所定値を越えたとき前記演算部のパル
   ス信号を阻止して、前記パルス発生手段のパルス信号を
   前記出力段に供給する第１の手段と、前記出力段により
   前記電磁噴射弁に通電される時間が所定値を越えたとき
   には前記出力段の作動を強制停止させる第２の手段とを
   備えたことを特徴とする電子制御式燃料噴射装置の安全
   装置。