JPS5942927B2 - 熱動形過負荷継電器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は熱動形過負継電器の動作電流調整機構に関す
る。

従来の熱動形過負荷継電器は、第１図に示すように絶縁
材料からなるケースＣの内部に３相各相毎にヒ：り１９
を設け、このヒータの端子を継電器端子Ｔに接続しかつ
ヒータ１９の内部にバイメタル２０を装着して負荷電流
によりヒータ１９を介してバイメタル２０が加熱され−
るようにし、またバイメタル２０の下端部はそれぞれシ
フタ６に連結してバイメタル２０の湾曲によりシフタ６
が右方に移行するよう構成されている。

一方、前記ケースＣの上部内面に受台１を固着し、この
受台１に設けられためねじ３に調整ねじ１６の先端部を
螺挿する。

前記受台１の他端部の切込部には、第２図に示すように
、Ｔ字状のシーソ４を傾動自在に懸装し、このシーソ４
の側面に調整板４１を水平方向に突設して、その先端部
の上面に調整ねじ１６の先端部が当接して調整ねじ１６
の螺回によりシーソ４が受台１との係合線を支点として
傾動するように構成する。

前記シーソ４の下端部は円弧状に湾曲してその先端部に
補償バイメタル７を傾動自在に懸装し、補償バイメタル
７の係合点７１の上部にはケースＣの隔壁部との間にス
プリング８を装着する。

また、補償バイメタル７の下端部は、シフタ６の先端部
に当接してシフタ６が右方に駆動された際補償バイメタ
ルＩがその係合点７１を中心として傾動するよう構成さ
れている。

一方、ケースＣの内面に突設したピン９にレバー１０を
枢着し、このピン９にねじりばね１７を囲繞してその一
端をケースＣに固着すると共に他端をレバー１０に固着
してレバー１０に常時反時計方向の回転力が作用するよ
う構成する。

また、レバー１０の一方の端部に補償バイメタル７の上
端部と係合する爪部１１を設け、この爪部１１と補償バ
イメタル７との係合状態においてレバー１０が反時計方
向に回転するのを阻止するようにする。

レバー１０の端部に可動接点１３を装着し、この可動接
点１３の両側に夫々固定接点１２，２１を対向配設する
。

さらに、レバー１０の他方の端部に長孔１４を穿設し、
この長孔１４にはリセット棒１５の側面に突設した保合
ピン１５１を遊嵌してレバー１０が反時計方向に回転し
た際、リセット棒１５がケースＣ上に突出するよう構成
する。

このように構成された従来の熱動形過負荷継電器におい
て、負荷電流が所定の許容値以下の場合には、可動接点
１３は固定接点１２と接触した状態にあり、かつリセッ
ト棒１５は突出しない状態に保持される。

いま、負荷電流が所定の許容値を越えて増加すると、バ
イメタル２０の湾曲度が増加してシフタ６を右方に移行
させる。

このとき、シフタ６の先端部はスプリング８に抗して補
償バイメタル７（周囲温度補償用）の先端部を右方に１
駆動し、補償バイメタル７は係合点７１を支点として傾
動し、しかも補償バイメタル７の上端部とレバー１０の
爪部１１との係合を解くため、レバー１０はねじりばね
１７の作用によりピン９を支点として反時計方向に回転
し可動接点１３が固定接点２１側に切換わると共に、レ
バー１０に設けた長孔１４に遊嵌された係合ピン１５１
が上方に駆動されてリセット棒１５はケースＣの上部に
突出して過負荷継電器の作動を表示する。

この場合、過負荷継電器の動作電流を例えば減少するよ
う調整するには、調整ねじ１６をその先端部が調整板４
１を押圧する方向に線画すれば、シーソ４は受板３との
係合部を中心として時計方向に傾動し、補償バイメタル
Ｔとレバー１０の爪部１１との係合度が減少してバイメ
タル２０の僅少な変位により過負荷継電器が作動するよ
う調整される。

また、作動した過負荷継電器を復帰させるには、ケース
Ｃの上部に突出したリセット棒１５を押下げることによ
り、係合ピン１５１を介してレバー１０がピン９を軸と
して時計方向に回転し、可動接点１３が固定接点２１か
ら固定接点１２に切換わると共に、スプリング８の作用
により補償バイメタル７の上端部とレバー１０の爪部１
１とが再び係合して鎖錠される。

従来の熱動形過負荷継電器は上述のように構成されてい
るが、このような構成による場合は特に動作電流調整機
構に次のような問題点がある。

すなわち、補償バイメタル７が受台１に懸装されたシー
ソ４に懸架され、このシーン４を調整ねじ１６に操作す
る所謂シーン方式であるため、動作電流調整機構として
調整ねじ、受台、シーンを必要とするので部品点数が多
くコスト高となる欠点があった。

また、受台１に懸装されたシーソ４は傾動自在でなけれ
ばならないが上下方向および横方向にずれてはならず、
これらを満足するには組立作業に時間がか５ると共に歩
留まりが悪いという欠点を有する。

そこで本発明の目的は、従来装置の欠点を除去し、部品
点数が少なく動作電流調整機構の構成が簡単で容易に組
立てることが可能な熱動形過負荷継電器を提供すること
にある。

この目的は本発明によれば、一端に爪部と他端に補償バ
イメタルとを一体的に結合したレバーと、動作電流調整
用の偏心カムを有する調整バンドルとを設け、この調整
バンドルの操作により直接レバーに一体的に結合した補
償バイメタルの位置を調整可能とすることにより達成さ
れる。

以下、第３図乃至第５図に示す一実施例により本発明の
詳細な説明する。

第３図乃至第５図の実施例において、３０はケースで、
このケース３０内の下部にはヒータ３１の内部に設けた
バイメタル３２の湾曲によって動かされるシフタ３３が
備えられている。

３４は前記ケース３０の動作電流調整機構室Ａに植設し
たピンで、このピン３４には長孔３５を形成したレバー
３６が回動自在かつ長手方向に移動自在に枢支されてい
る。

前記レバー３６の先端部には爪部３７が形成され、後端
部には固定接点３８．３９に選択的に当接し常時は固定
接点３８に当接する可動接点４０を作動させる突起４１
が形成されている。

４２は前記レバー３６の一部をなす補償バイメタルであ
る。

４３は前記ケースに対し回動操作可能な調整ハンドルで
この調整ハンドル４３には偏心カム４４が固定され、こ
の偏心カム４４の端面に前記レバー３６の爪部３７が係
合しており、またその側面にレバ一端部が接触している
。

４５は前記レバー３６の爪部３７が偏心カム４４に常時
押圧するようにレバー３６を押し上げるスプリングであ
る。

４６はリセット棒、４６１はリセット棒４６に植設した
係合ピンである。

上記構成にあっては調整ハンドル４３の偏心カム４４に
レバー３６の爪部３７を係合させておくことにより、負
荷電流が所定の動作電流を越えて増加した際バイメタル
３２の湾曲作用によるシフタ３３からの変位量を補償バ
イメタル４２が受はトリップ可能となると、スプリング
４５の作用によりレバー３６が上に飛び出し、レバー３
６の突起４１により可動接点４０を固定接点３８から固
定接点３９へ切換える。

レバー３６の上方への移動によりレバー３６に設けた三
角状の孔を穿設した連結板３６１によって保合ピン４６
１を介してリセット棒４６が押し上げられケース３０か
ら突出する。

作動した過負荷継電器を復帰させるには、リセット棒３
６を押し下げることにより係合ピン４６１、連結板３６
１を介してレバー３６が下方に移動し、レバー３６の爪
部３７が偏心カム４４に係合すると鎖錠状態となる。

ここで動作電流調整機構は、調整ハンドル４３を回転さ
せることにより偏心カム４４を介してレバー３６に一体
的に結合した補償バイメタル４２の位置を直接調整する
ことができる。

このとき調整ハンドル４３の回転による補償バイメタル
４２の移動量は次のようにして決定される。

すなわち、本発明の一実施例の模型図を示す第５図にお
いて、偏心カム４４の偏位量をｂ、補償バイメタル４２
の移動量をｄｌ レバー３６の爪部３７と偏心カム４４
との係合点からピン３４までの距離をａ１ピン３４から
補償バイメタル４２とシフタ３３との接離点までの距離
をＣとすると、補償バイメタル４２の移動量ｄはｄ ＝
ｃ ／ ａ Ｘ ｂにより決定する。

従って偏心カム４４の偏位量すをレバー３６のレバー比
（＝ｃ／ａ）により拡大して補償バイメタル４２を移動
させることができる。

以上の説明から明らかなように本発明にあっては一端に
爪部と他端に補償バイメタルとを一体的に結合したレバ
ーと、動作電流調整用の偏心カムを有する調整ハンドル
とを設け、この調整ハンドルの操作により直接レバーに
一体的に結合した補償バイメタルの位置を調整可能とし
たことにより、偏心カムの偏位量を直接レバーのレバー
比により拡大して補償バイメタルの位置を調整すること
ができるので、動作電流の調整を容易に行なえるという
利点を有し、また従来のシーン方式の動作電流調整機構
に対して部品点数が少なくコストの低減を図ることがで
きる。

さらに動作電流調整機構の構成が簡単であるので、組立
が容易であるという優れた利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置を示す正面図、第２図は従来装置の主
要部を示す分解斜視図、第３図は本発明の一実施例を示
す正面図、第４図は本発明の主要部を示す斜視図、第５
図は第４図の模型図である。 ３０：ケース、３１：ヒータ、３２：バイメタル、３３
ニジフタ、３４：ピン、３５：長孔、３６：レバー、３
７：爪部、３８，３９：固定接点、４０：可動接点、４
１：突起、４４：カム、４５ニスプリング。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 負荷電流によりバイメタルを加熱し負荷電流が所定
   の動作電流を越えて増加した際前記バイメタルの湾曲作
   用によりレバ一部材を作動させて継電器接点の切換えと
   共にリセット棒を移動させるように構成した熱動形過負
   荷継電器において、動作電流調整用の偏心カムを有する
   調整ハンドルと、略中夫に設けた長孔がケースに植設し
   たピンに挿入されて回動自在かつ長手方向に移動自在に
   支持されるとともに一端に三角状の孔を有する連絡板と
   前記偏心カムに係合する爪部を他端に継電器接点の可動
   接点を作動させる突起と前記バイメタルの変位を伝達す
   るシフタに接離する補償バイメタルを一体的に結合した
   レバーと、前記偏心カムに爪部を押圧するように前記レ
   バーを付勢するスプリングおよび前記連結板の孔に挿入
   される係合ピンを有し調整ハンドルに並置されたリセッ
   ト棒を備え、前記調整ハンドルの操作により直接レバー
   に一体的に結合された補償バイメタルの位置を調整しう
   るようにしたことを特徴とする熱動形過負荷継電器。