JPS5942019B2 - 含塩素合成樹脂組成物 - Google Patents

含塩素合成樹脂組成物

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JPS5942019B2
JPS5942019B2 JP6309682A JP6309682A JPS5942019B2 JP S5942019 B2 JPS5942019 B2 JP S5942019B2 JP 6309682 A JP6309682 A JP 6309682A JP 6309682 A JP6309682 A JP 6309682A JP S5942019 B2 JPS5942019 B2 JP S5942019B2
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勲 相馬
実 芹沢
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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Agency of Industrial Science and Technology
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、新規な含塩素合成樹脂組成物に関し、さらに
詳しく言えば、四チタン酸カリウムを含塩素合成樹脂に
配合して成る熱安定化され補強された難燃性含塩素合成
樹脂組成物に関するものである。
含塩素合成樹脂、特にその代表的なポリ塩化ビニルは優
れた諸特性を有し、低廉なプラスチック材料として極め
て広い分野に用いられている。
しかし、ポリ塩化ビニルは、一般に衝撃強度が低く、熱
安定性の劣る樹脂であり、特に高温に長時間保つたり火
災時の火炎により容易に分解して有毒な塩化水素ガス及
び多量の有機ガスを発生し、煙を形成するので建築材料
などに使用する際に問題とされている。ところで、チタ
ン酸カリウムは、本来、エンジニアリングプラスチック
ス用の補強フィラーとして開発されたものであるが、化
学的に安定で耐熱性に優れた六チタン酸カリウム(に2
O・6TlO2)と化学的に不安定な四チタン酸カリウ
ム(に2O・4TlO2)とが知られている。
四チタン酸カリウムは、上記のように化学的に不安定な
ため、フィラーとしてではなく、例えば触媒などの分野
における利用が図られている。これに対し、六チタン酸
カリウムは、長さ20〜30ttm)アスペクト比約1
00の針状もしくは繊維状の形態を有する白色の粉体で
、化学的にも熱的にも優れた安定性を有するため、プラ
スチック補強フィラーとして極めて好適であり、各種プ
ラスチックの強化フィラーとして用いられている。本発
明者らは、チタン酸カリウムのプラスチツクスヘの充て
ん効果について種々検討し、特に含塩素合成樹脂に対し
て四チタン酸カリが六チタン酸カリと同様なフィラー補
強効果を有するのみならず、その化学的に不安定な性質
が好都合に作用して熱安定化効果を示し、また架橋を促
進して、耐熱性や耐燃焼性を向上させるなど優れた添加
効果を有することを見出し、この知見に基づいて本発明
をなすに至つた。
すなわち、本発明は含塩素合成樹脂100重量部及び四
チタン酸カリウム1〜100重量部から成る含塩素合成
樹脂組成物を提供するものである。
本発明において含塩素合成樹脂とは、分子中に塩素原子
を有する合成樹脂類であつて、代表的なものは塩化ビニ
ル系樹脂である。また、この塩化ビニル系樹脂は、ポリ
塩化ビニル、塩化ビニルを主成分とし、これと他の共重
合しうるモノマーとの共重合体及びこれらと他の合成樹
脂との樹脂ブレンドであつて、塩化ビニル単位を50モ
ル%以上好ましくは70モル%以上含有する樹脂類を包
含するものである。また、本発明の組成物に用いる四チ
タン酸カリウム(に2O・ 4Ti02)は、含塩素合
成樹脂に、該樹脂100重量部に対し1〜100重量部
の範囲で添加配合される。
四チタン酸カリウムは、該合成樹脂100重量部に対し
1〜5重量部程度の少量を添加するとき、好ましくは常
用の熱安定剤と併用するときその熱安定性の改善効果が
顕著に認められ、また、それ以上の量を添加したものは
、いつそう高い熱安定化効果が得られるとともに、強化
用フイラ一としての優れた樹脂補強効果が得られる。さ
らに、四チタン酸カリウムを本発明の含塩素合成樹脂組
成物は、例えば170〜21『Cの加熱溶融条件下で含
塩素樹脂の切断、分解が抑制されるのみならず、樹脂の
高分子間架橋が進行し、引張破断強さ、曲げ強さ、衝撃
強さなどの機械的強度がさらに向上するとともに燃焼性
も抑制され、特に火炎による燃焼において、その発煙量
が大巾に低減するので実用的に極めて望ましいものであ
る。この好ましい四チタン酸カリウムは、含塩素合成樹
脂100重量部に対し1重量部未満では熱安定化効果も
不十分であり、また100重量部を超えても、添加量に
見合つた添加効果が得られず、むしろ機械的強度を低下
させる恐れがあるので、実用上1〜100重量部が有利
に採用される。四チタン酸カリウムの含塩素合成樹脂に
対する作用機構は、その化学的不安定性に由来するもの
である。
すなわち、四チタン酸カリウムは、その結晶においてカ
リウムイオンがオープンパツキングされた構造を有し、
そのため熱などによつて活性化されたカリウムは容易に
動き、反応することができることによるもので、このよ
うな結晶構造を有する四チタン酸カリウムが含塩素合成
樹脂と接触状態で加熱されると、塩素とカリウムが容易
に反応して塩化カリウムを形成し、酸化チタンはアモル
フアス状態となつて遊離する。
一方、脱塩素された高分子は相互に結合して架橋が進行
するものと考えられる。通常、含塩素高分子化合物の脱
塩素反応は、分子鎖の切断や共役二重結合の形成など望
ましくない現象をひき起こして着色するが、本発明の四
チタン酸カリウムを含有する組成物には、そのような不
都合な現象は実質的にみられず、脱塩素反応によつて励
起された個所が分子間で架橋反応して、効果的に架橋樹
脂を形成し、より物理的性質の優れた成形物が形成され
る。四チタン酸カリウムのこの塩素補促効果と架橋効果
は、これノまで知られていない極めて特異的なものであ
り、その特異的機能によつて共役二重結合連鎖の生成や
分子鎖の切断などが抑制されて熱安定性や燃焼抑制、特
に発煙抑制効果が現われるものと考えられる。
また、四チタン酸カリウムは、六チタン酸カリウムと同
様に、長さ約20p,m、アスペクト比が約100の針
状結晶であつて、六チタン酸カリウムと同様にフイラ一
として比較的大量を樹脂に配合すると、その引張り強さ
と弾性率を顕著に増大させるが、六チタン酸カリウムで
は衝撃強さが著しく低下するのに対し、四チタン酸カリ
ウムの場合、衝撃強さも増大するという優れた補強性能
を有することは全く予想外のことであつた。
その理由は全く不明であるが、この不測効果は、後記実
施例により十分確認することができる。通常、樹脂にあ
る量以上の大量のフイラ一を配合するときは、衝撃強さ
は低下するが、塩化ビニル樹脂に等重量もの四チタン酸
カリウムを充てん配合したものは、樹脂自体の有する衝
撃強さと実質的に同等程度であつて、他のフイラ一に比
べて極めて高く、また例えば樹脂との親和性ないし結合
性を増大させるような表面処理を四チタン酸カリウムに
施すことによつて衝撃強さをさらに増大させることがで
きるので、四チタン酸カリウムは優れたフイラ一特性を
有する。四チタン酸カリウムは、含塩素合成樹脂のフイ
ラ一として充てん使用するとき、上記のような諸改善効
果が得られるが、本発明の含塩素合成樹脂成形用組成物
には、通常配合使用される安定剤、滑剤、架橋剤、可塑
剤、その他の添U口剤を所望に応じて配合することがで
きる。
含塩素合成樹脂に対して本発明で用いる四チタン酸カリ
ウムは、上記のように熱安定化効果と架橋効果を有する
が、例えば耐熱性、耐薬品性及び可塑性のブリード防止
などを目的として行われる樹脂の架橋化において使用さ
れる架橋化剤、例えは有機過酸化物系、アミン又は硫黄
含有化合物系などの架橋化剤と併用すれば、さらに高い
架橋効果を得ることができる。本発明の組成物の架橋度
は、加熱処理温度と時間によつて容易にコントロールす
ることができ、四チタン酸カリウムの添加量、併用する
他の架橋剤の種類及び量によつて適切な温度と時間を選
択して、所望の架橋度の成形物を得ることができる。架
橋化処理温度は、通常170〜210℃程度であるが、
そのコントロール及び処理時間を考慮するときは180
〜200℃の範囲が好ましく、低すぎては長時間を要し
、高すぎると短時間に溶剤に溶けない程度に架橋分子化
してしまう。また、本発明の組成物は前記したように、
さらに後記実施例から明らかなように強制燃焼に対して
も燃焼速度が極めて遅く、煙の発生量が極めて少ないと
いう望ましい特性を有し、火災時に最も恐れられる塩化
水素ガス及び不完全燃焼ガスあるいは分解有機ガス煙の
発生が極度に抑制されるので、建材ないし内装材用とし
ての用途にも好適なものである。
含塩素合成樹脂は、一般にそれ自体燃えにくし巾己消火
性物質であり、不燃性のフイラ一を配合するときはいつ
そう難燃化されるが、火炎により強制的に高温加熱ない
し燃焼させるとき、樹脂成分が分解し、塩化水素ととも
に多量の芳香族系のガスが有毒ガス煙として発生する。
しかし、四チタン酸カリウムを含有する本発明の含塩素
合成樹脂組成物は、このような従来のものとは全く異な
り極めて発煙量が少なく、これも四チタン酸カリの特殊
な塩素補促能及び架橋化能に基づくものと推定される。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
実施例 1 ポリ塩化ビニル(日本ゼオン社製103EP)100重
量部に四チタン酸カリウム25〜100重量部配合し、
これに滑剤としてポリエチレンワツクスとステアリン酸
モノグリセリド1:1の混合物を1〜2重量部及び安定
剤としてジブチルスズマレートとジブチルスズメルカプ
チドとの1:1混合物を2〜3重量部を添加して、フイ
ラ一含量の異なつた各種組成物を調製し、各組成物を1
65℃の温度でロール混練し、それぞれのロールシート
を得た。
得られたロールシートを所定の大きさに切断し、切断片
を4枚重ねて厚さ3m7nの板をプレス成形したのち、
引張試1験、曲げヤング率試1験及びシヤルピ一衝撃試
験用の各試験片を切削加工してつくり、室温23゛C1
湿度50%の空調室で谷試験の測定を行なつた。各試料
の試験結果を第1表に示す。この表より、引張強さと弾
性率は四チタン酸カリウムの充てん配合量とともに増大
することがわかる。
また、衝撃強さは、フイラ一配合量が約25PHRまで
は増大し、そのピーク値は塩化ビニル樹脂自体(充てん
量0)のそれの約3倍に強化され、その補強効果は極め
てユニークであり、特異的であることがわかる。実施例
2 ポリ塩化ビニル(日本ゼオン社製103EP)100重
量部に四チタン酸カリウム2重量部、ステアリン酸カル
シウム0.5重量部及びステアリン酸亜鉛0.5重量部
を添加混合し、165℃の温度でロール混練してシート
を製造した。
得られたロールシートを細断し、185℃のオーブン中
に入れて60分間加熱し、その着色変化状況を10分ご
とに調べた。なお、加熱着色テストに供したロールシー
トは、ステアリン酸カルシウムによる呈色で僅かにピッ
クがかつたものであつた。加熱テストの結果は、加熱1
0分後にやや赤昧が増し、20分、30分及び40分で
は、これに少しずついくらか黄昧が加わる程度で、60
分後に薄茶色への変色が見られた。一般に、ポリ塩化ビ
ニルに亜鉛配合した場合、亜鉛安定剤の熱安定化効果は
弱く、185℃の加熱条件では、10〜20分程度で黒
変(ジンクパーツ)し、助安定剤として多価アルコール
を添加併用すると安定化効果は向上するが、それでも1
時間後には暗茶褐色に変色する。
しかし、四チタン酸カリウムをステアリン酸亜鉛安定剤
と併用するときは、上記結果から明らかなように、1時
間の加熱で淡い茶色ないし淡黄赤色への僅かな変色が見
られるだけで、顕著に改善された熱安定性が得られるこ
とがわかる。
実施例 3 実施例1で作成した試料について小型燃料試験装置を用
いて、着火時間、燃焼速度(燃焼による重量減少を燃焼
時間で割つた値)及び発煙量(最高発煙時の光透過率で
示した)を測定した。
それらの結果を第2表にまとめて示す。なお、燃焼温度
は約65『Cである。この表から明らかなように、四チ
タン酸カリウムの充てんによつて、燃焼性は大巾に抑制
され、特に発煙抑制に顕著な効果が認められる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 含塩素合成樹脂100重量部及び四チタン酸カリウ
    ム1〜100重量部から成る含塩素合成樹脂組成物。
JP6309682A 1982-04-14 1982-04-14 含塩素合成樹脂組成物 Expired JPS5942019B2 (ja)

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JP6309682A JPS5942019B2 (ja) 1982-04-14 1982-04-14 含塩素合成樹脂組成物

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JP6309682A JPS5942019B2 (ja) 1982-04-14 1982-04-14 含塩素合成樹脂組成物

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JPS58179253A JPS58179253A (ja) 1983-10-20
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JPS60226541A (ja) * 1984-04-25 1985-11-11 Dairoku Leather Kk フイルム、シ−ト、レザ−、プレ−ト等ポリ塩化ビニ−ル製品
JPS6163184A (ja) * 1984-09-05 1986-04-01 Matsushita Electric Ind Co Ltd テレビジヨン受像機
US5055512A (en) * 1989-05-04 1991-10-08 Kerr-Mcgee Chemical Corporation Ultraviolet light stable polymeric compositions
US4987164A (en) * 1989-05-04 1991-01-22 Kerr-Mcgee Chemical Corporation Ultraviolet light stable polymeric compositions

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