JPS5942001Y2 - 体腔鏡における彎曲管部形成用彎曲傾動装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、所謂体腔鏡の彎曲管部形成用の主構成要部を
なし、探索用先端硬質部を立体角の範囲において所望方
向への傾動用に供せられる略同形同大の節輪を配してな
る彎曲傾動装置の改良に関するものである。

周知のように、医科器機としての一般内視鏡および必要
に応じて検診部の写真撮影等をも行ない得る胃カメラ類
をも合わせ称する体腔鏡については、従来より幾多の改
良改善が施され、今日に至っている。

今、体腔鏡における可撓管に連接せしめられている彎曲
管部だけを例にとってみても、その彎曲方向は、当初一
平面内に限定されていたのが、現在では略同形同大の多
数の節輪を相互に適当な間隔をおいて一列に連繋すると
いう技術手段により何れの方向へも彎曲傾動可能となり
、体腔内の所望個所の検査、診断あるいは治療等の的確
化が計られるようになってきている。

上記、倒れの方向へも彎曲傾動させられるようにした節
輪の連繋の仕方をみるに、先ず節輪の周辺部を利用して
連繋する形式の技術が開発され、最近に至っては、長さ
に比べて彎曲傾動角を大きくするため、節輪の中心部、
またはその近傍において連繋する形式の技術、例えば実
公昭４９−１３０３３号、特開昭４８−８６３９３号お
よび特開昭４９−１０６１８４号等の各公報に記載され
た如き技術が考案されるに至った。

上記後者の技術は、さらに改良され、第１図のイと口に
示したが如く、節輪形成用主体１の前面または後面側の
一面の中央部には半球状先端部となされた突部２を、後
面または前面側となる他面の中央部には前記突部２の半
球状先端部を回動自在に支承し得る如き凹入部３を形成
すると共に、その中心部には連繋用ワイヤー５の挿通孔
４を穿設して節輪となし、との節輪を第２図に示す如く
一列に配し、連繋用ワイヤー５つ継着できるようにした
節輪が案出されるに至ったが、この形式の連繋にあって
は、その彎曲傾動操作時、第３図に示すが如く、挿通孔
４が互にずれ、これによって彎曲傾動の度合により操作
ワイヤー１の挿通孔６内項配した操作ワイヤー１の牽引
力に変動を生じさせたり、あるいは連繋ツイヤ−５を損
傷せしめたりする難点なり欠点なりがあった。

かような難点なり欠点なりに鑑み１本考案者は第４図の
如く、挿通孔４の口径を一方が広くなるように段付の挿
通孔４′、またはテーパー付の挿通孔（図示省略）とし
て、これを避けようとしたが、この改良案は突部２等が
極めて小径などの理由により、加工が著しく困難で、煩
雑な作業となり、実用に供し得る案ではなかった。

よって、本考案者はさらに改良改善の歩を進め、節輪形
成用主体の対向面となる前後各面の中央部またはその近
傍に部分球面状の凹入部をそれぞれ施し、さらに両凹入
部の中央部を連繋用ワイヤーの挿通孔で連通せしめてな
る多数の節輪を共通の仮想中心軸線に沿って配列し各節
輪間に前記凹入部の部分球面に滑動自在に面接触すると
共に、前記挿通孔と一連状に連通し得る連繋用ワイヤー
の挿通孔を備えた一個の球形スペーサーを配して連繋用
ワイヤーで継着し、各節輪の傾動塵に応じて球形スペー
サーを追従させ、連繋用ワイヤーの挿通孔相互間のずれ
の度合の減少化を計り得るという技術的手段を開発する
に至って、彎曲傾動の度合によって挿通孔内に配した操
作ワイヤーの牽引力に変動を生じさせたり、あるいは連
繋用ワイヤーを損傷せしめたりする前述の如き難点なり
欠点を悉く一掃し得た体腔鏡における彎曲管部形成用彎
曲傾動装置の提供を可能になし得たもので、以下本考案
を要部のみを図示した各実施例によって詳細に説明する
こととする。

先ず、各節輪の継着用部を各節輪の中央部に形成した実
施例を図示した第５図において、１０は節輪を示し、こ
のそれぞれの節輪１０は、この節輪１０で彎曲管部を形
成するさいに、多数の節輪１０を共通の仮想中心軸線に
沿って配置したときの各節輪１０の対向面１１．１２の
中央部、すなわち対向面１１．１２の対向位置に部分球
面状の凹入部１３．１４が施されていると共に、各節輪
１０においては前後の面となる対向面１１，１２に施さ
れた両凹入部１３，１４には連繋用ワイヤー３０を挿通
せしめる挿通孔１５が穿たれ、両凹入部１３，１４の中
央部を連繋用ワイヤー３０の挿通孔１５で挿通せしめら
れている。

なお、図示は省略したが、前記節輪１０には、凹入部１
３゜１４および挿通孔１５の外、光像伝達用光学繊維束
、照明光伝達用光学繊維束、操作ワイヤーや送気送水管
等をも公知の節輪の如く内装、挿通し得る如く構成され
ている。

また、２０は球形スペーサーを示し、この球形スペーサ
ー２０は上記節輪１０における凹入部１３゜１４の部分
球面を完全に備えた球体をなし、その直径方向には前記
挿通孔１５と一連状になし得る挿通孔２１が施され、各
節輪１０を一列に配列する際、各節輪１０の凹入部１３
．１４を利用して各節輪１０間に装着され、各挿通孔１
５，２１を挿通せしめた連繋用ワイヤー３０による連繋
継着と、各節輪１０の最大傾動角の規整用に供せられる
。

そして、連繋用ワイヤー３０の一端は先端硬質部に連結
された節輪１０に、他端は他方端の節輪１０に、この種
従来のものと同様に結着され、体腔鏡における彎曲管部
形成用彎曲傾動装置が構成されるのである。

上述の如く構成された彎曲管部形成用彎曲傾動装置を備
えた体腔鏡における彎曲管部を、手許操作部における操
作によって操作ワイヤー４０を操作させ、彎曲管部を何
れかの方向へと彎曲傾動させた際には、球形スペーサー
２０を介しての各節輪１０の傾動につれて連繋用ワイヤ
ー３０も彎曲せしめられ、この彎曲動作に伴って球形ス
ペーサー２０も当然回動せしめられ、各節輪１０とその
間に介在せしめられた各球形スペーサー２０の挿通孔１
５と２１との間のずれの度合は著しく減少せしめられる
こととなるので、彎曲管部を如何様に彎曲傾動させても
、手許操作部□おける操作力、すなわち牽引される方の
操作ワイヤー４０の牽引力は変動を生じさせることも、
また同等の操作力による彎曲管部の彎曲傾動の度合に変
動を生じさせることなどがなくなることは勿論のこと、
各挿通孔１５と２１との間におけるずれによって連繋用
ワイヤー３０が損傷せしめられるようなことは皆無とす
ることができた。

このことは、体腔鏡の操作を容易にし、体腔内における
検査、診断あるいは治療等を要する所望位置の探索を迅
速容易ならしめると共に、所望個所の検査、診断あるい
は治療等の適確化をも必然的にもたらすものであり、ま
た体腔鏡において最も損傷の受は易い彎曲傾動装置の持
久力を著しく増大せしめられることとなった。

次に、各節輪の継着用部を各節輪の中央部を外しで形成
し、一方向への彎曲傾動の度合を大きくなし得るように
した他の実施例を図示した第６図において、前の実施例
における構成と同一構成部分、または同一呼称部分には
同一符号を付して説明するに、１０は節輪を示し、各節
輪１０においては前後の面となる対向面１１．１２の中
央部を外れた対向位置に部分球面状の凹入部１３，１４
を施すと共に、該両凹入部１３，１４の中央部間には連
繋用ワイヤー３０を挿通孔１５を穿って、両凹入部１３
，１４の中央部を挿通孔１５で連通せしめている。

また、各節輪１０における対向面１１，１２の一部は面
取りされて面取面１６，１７が形成され、相隣なる節輪
１０の傾動角を大きくすることができるようになってい
る。

これによって、彎曲管部の一方向への彎曲傾動の度合を
他方向への彎曲傾動ノ度合より大きくなし得るようにな
っている。

さらに、２０は球形スペーサーを示し、この球形スペー
サー２０の構造、および前述の節輪１０ｎ個とｎ−１個
の球形スペーサー２０とによる彎曲管部形成用彎曲傾動
装置の構成の仕方は、前の実施例と同様なので、その説
明は省略します。

この実施例の作用効果は、前の実施例の作用効果を備え
ている外に、特に一方向へ比較的数多く、しかも彎曲傾
動の度合を大きくする必要のある体腔鏡にとっては有利
であり、しかもその方向への彎曲傾動に有する操作トル
クを小さくすることができる特色がある。

以上の記載から明らかなように、本考案に係る体腔鏡に
おける彎曲管部形成用彎曲傾動装置にあっては、 ａ 彎曲管部形成用彎曲傾動装置の構成上の最上要部で
ある多数の節輪を、その中央部またはその近傍で連繋継
着するという手段を採用することによって、彎曲管部の
彎曲傾動の曲線を円弧状にして、何れの方向へも自由に
彎曲傾動し得ると共に、大きくなし得るようにしたので
、彎曲管部の長さを短かくなし得ることとなった。

このことは、狭い体腔内での体腔鏡の操作を著しく容易
ならしめ、体腔内における検査１診断あるいは治療等を
要する所望位置の探索を迅速容易ならしめると共に、所
望個所の検査、診断あるいは治療等の適確化をも必然的
にもたらすこととなった。

ｂ そして、彎曲管部の彎曲傾動にあたっては、各節輪
は球形スペーサーを介して連繋継着されているので、そ
の彎曲傾動はスムーズであり、しかも連繋用ワイヤーが
挿通せしめられる各節輪と各球形スペーサーの挿通孔間
のずれは著しく減少せしめられる結果、当然の帰結とし
て、彎曲管部を如何様に彎曲傾動させても、手許操作部
における操作力、すなわち牽引される方の操作ワイヤー
の牽引力に変動を生じさせることも、また同等の操作力
による彎曲管部の彎曲傾動の度合に変動を生じさせるこ
となどがなくなることは勿論のこと、最も損傷の受は易
い連繋用ワイヤーの最大の損傷原因を除去し得ることと
なった。

とうゆうことは、上記ａの作用効果と相乗的に作用し、
ますますその作用効果の達成度を完全ならしめると共に
、体腔鏡自体の持久力の増大化をもたらすこととなりｔ
も などの優れた作用効果を奏するをもって、本考案はこの
種体腔鏡の実用性をより一層強化向上せしめたものとい
うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図のイと口は本考案の体腔鏡における彎曲管部形成
用彎曲傾動装置に使用する節輪な工夫案出するに至る前
段階の節輪の上面側よりと下面側よりみた斜面図で、第
２図はその節輪を使用して構成した彎曲傾動装置の一部
の部分切欠側面図、第３図はその一部拡大図、第４図は
第一改良案の節輪の部分切欠側面図、第５図は本考案に
係る体腔鏡における彎曲管部形成用彎曲傾動装置を中央
部に継着用部を備えた節輪で構成した実施例の一部の部
分切欠側面図で、第６図は同じく本考案に係る体腔鏡に
おける彎曲管部形成用彎曲傾動装置を中央部を外した位
置に継着用部を備えた節輪で構成した実施例の一部の部
分切欠側面図である。 第１〜４図において、１：節輪形成用主体、２：突部、
３：凹入部、４，４’、６：挿通孔、５：連繋用ワイヤ
ー、Ｔ：操作ワイヤー。 第５，６図において、１０：節輪、１１，１２：対向面
、１３，１４：凹入部、１５，２１：挿通孔、２０：球
形スペーサー ３０＝連繋用フイヤー ４０：操作ワイヤー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 光像伝達用光学繊維束、照明光伝達用光学繊維束、操作
   ワイヤーおよび送気送水管等の内装、挿通し得る如くな
   された各節輪形成用主体の対向面の中央部、またはその
   近傍に部分球面状の凹入部をそれぞれ施し、さらに各節
   輪形成用主体においては前後の面となる対向面にそれぞ
   れ施された両凹入部の中央部を連繋用ワイヤーの挿通孔
   で連通せしめてなる多数の節輪を共通の仮想中心軸線に
   沿って配列し、各節輪間に前記凹入部の部分球面に滑動
   自在に面接触すると共に、前記挿通孔と一連状に連通し
   得る連繋用ワイヤーの挿通孔を備えた球形スペーサーを
   配して連繋用ワイヤーで継着し、各節輪の傾動度に応じ
   て球形スペーサーを追従させ、連繋用ワイヤーの挿通孔
   相互間のずれの度合の減少化を計り得る如くなしたるこ
   とを特徴とする体腔鏡における彎曲管部形成用彎曲傾動
   装置。