JPS5941910B2 - エレベ−タのスピ−ドガバナ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、エレベータの昇降スピードを制御するスピー
ドガバナに関する。

〔発明の技術的背景とその問題点〕

エレベータのガバナ系の構成を第１図に示ス。

上部機械室１にある捲上機シーブ２に懸垂した吊ローブ
３の両端に乗りかと４とつり合いおもり５を吊って、捲
上磯の作動でこれら両者を昇降する。

一方機械室１にはガバナシーブ７が並置され、これと昇
降路ピットにある張り車８との間に張設されたガバナロ
ープ９の一部を連結子１０と連結棒１１によって乗りか
と４に連継し、乗りかと４の昇降に応じてガバナロープ
９を上下動させ、同時にガバナシーブ７を駆動する。

捲十機２の駆動源である電動機などの故障などによって
、エレベータの速度が通常定格速度の１２０〜１３０％
の異常速度に増大すると、ガバナシーブ７の速度も増大
し、これを過速検知スイッチで検出して、エレベータは
停止する。

第２図は従来のガバナシーブ構造の詳細図であり、ガバ
ナシーブ７は回転軸１４に回転自在に支持される一方、
その腕部に支軸１５で軸支された一対のフライウェイト
１６ａ、１６ｂが備えられ、両フライウェイト１６ａ、
１６ｂは両方向に回転するように連杆１７で連結され、
かつスプリング１８を弾装して先端部Ａが求心方向に引
かれるよう付勢されている。

そして重心は支軸１５より先端Ａ寄りにあり、遠心力が
働くと先端Ａは外方に開くようになっている。

この先端への画く軌跡円に近接してリミットスイッチ１
９ａがフレームなどに定置され、その動作レバーなどに
連継するレバー２０ａの先端に調整ねじ１９ａを設け、
これがフライトウェイト先端Ａに対向する。

上記したように、ガバナシーブ７は乗りかと４と同速度
の周速度で回転し、過速度状態においてスプリング１８
の力と遠心力とがバランスする先端Ａの開きによって先
端Ａが調整ねじ２０ａの先端を蹴り、リミットスイッチ
１９ａを開略し、その信号で捲上磯の電動機電源を切る
。

その設定速度を調整ねじ２１ａを上下して調整する。

しかし、上記ガバナ装置の機構上の欠陥によって所定の
過速度に至らないのにリミットスイッチを回路する、い
わゆる誤動作がよくある。

この誤動作の原因の一つとして、一対のフライウェイト
の寸法差、シーブの回転軸１４、フライウェイト支軸１
５間の寸法差、連杆１７の寸法のばらつきなどの累積に
よる先端Ａの偏差が挙げられる。

この偏差は調整ねじ２１ａの調整によっては補償できな
い。

次に上記一対のフライウェイト先端の偏差がどの程度、
停止の速度に誤差を生じるか考えてみる。

乗りかと４の定格速度が６０ｍ／―で、その１３０チで
リミットスイッチが開路する場合開路時の速度は７８
ｍ ／７ｒｌｉ！ｔである。

フライウェイト１６ａ、１６ｂはスプリング１８の作用
で、通常かご速度が定格速度の６０ｍ／―を越えたとこ
ろから開き始めるように規則しであるので、フライウェ
イト先端Ａと調整ねじ２１ａの先端との間隔が始め３朋
であるとすると、１朋当り４〜６ｍ／−の速度に相応す
る。

したがって一対のフライウェイトに偏差があり、シーブ
回転軸１４に近い力の先端でセットすると、セット以下
の速度で他方のフライトウェイトがリミットスイッチを
開路して誤動作が起きてしまう。

〔発明の目的〕

本発明は上記した点に鑑みてなされたもので。

ガバナ装置に備えられる一対のフライウェイトの偏差に
関係なく、規定の過速度で検知スイッチを動作させ、ガ
バナの誤動作を防止することのできるエレベータのスピ
ードガバナを提供することを目的とするものである。

〔発明の概要〕

上記目的を達成するため本発明に係るエレベータのスピ
ードガバナは、ガバナシーブに遠心力によって先端が外
方へ開くように設けられた一対のフライウェイトの先端
に、このフライウェイト先端の画しく軌跡円に近接して
設けられた検知スイッチとの間隔を調整する調整ねじを
添設して構成されており、上記調整ねじにより両フライ
ウェイトの偏差を補償するようになされている。

〔発明の実施例〕

以下、本発明の実施例を第３図乃至第９図を参照して説
明し、第１図および第２図と同一部分には同一符号を付
してその説明を省略する。

第３図および第４図は本発明の一実施例を示したもので
、一対のフライウェイト１６ｃ、１６ｄの先端にねじを
切り、そこに調整ねじ２２ａ。

２２ｂを取付け、ナツト２３ａ、２３ｂでロックするよ
うになされている。

本実施においては、フライウェイト１６Ｃ２１６ｄ先端
の調整ねじ２２ａ、２２ｂとして、第５図に示すような
円筒頭部を持つボルト、調整ねじ２１ｂとして普通の六
角ボルトを示した力ζ第６図に示したような半球頭部を
持つボルトを含め、その他どのような形状のものを用い
ても差支えない。

本実施例の場合、エレベータの定常走行時には第７図に
示すように、各調整ねじ２１ｂ、２２ｂの間に隙間Ｓが
保たれており、エレベータの速度が増大すると第８図に
示すように各フライウェイ）１６ｃ、１６ｄの先端が外
方に開き始め、エレベータの速度が異常速度まで増大す
ると第９図に示すように各フライウェイト１６ｃ＊１６
ｄの先端はさらに開き、調整ねじ２２ｂの先端が調整ね
じ２１ｂの先端に衝突する。

これにより、調整ねじ２１ｂとともにレバー２０ｂが回
動し、リミットスイッチ１９ｂを開路するため、エレベ
ータカ停止する。

したがって、本実施例においては調整ねじ２２ａ、２２
ｂの操作により、調整ねじ２２ａ。

２２ｂの先端とレバー２０ｂに設けた調整ねじ２１ｂの
先端との間隔を両者等しく設定することができ、実質的
にフライウェイＮ６ｃ、１６ｄの各種寸法差の集積によ
る偏差を補償することができ、誤動作を完全に防止する
ことができる。

また検知スイッチを構成するリミットスイッチ１９ｂ側
のレバー２０ｂや調整ねじ２１ｂを省略し、調整ねじ２
２ａ、２２ｂによって直接リミットスイッチ１９ｂの作
動レバーに作用させてもよいＯ ｒ発明の効果〕 以上述べたように、本発明に係るエレベータのスピード
ガバナは、ガバナシーブ上の遠心力で開く一対のフライ
ウェイト先端に調整ねじを添設し、この先端で検知スイ
ッチを動作させるようにしたので、極めて簡単な構造に
よって両フライウェイトの偏差を実質的に補償し、所定
のセット速度において精度よくエレベータを停止するこ
とができ、ガバナとしての誤動作を防ぎ、エレベータの
安全性、信頼性を増大する大きな効果を有するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はエレベータガバナ系の構成図、第２図は従来の
ガバナの正面図、第３図は本発明ガバナの正面図、第４
図は同一部の拡大した正面図、第５図は調整ボルトを示
す図、第６図は調整ボルトの他の態様を示す図、第７図
、第８図および第９図はそれぞれ９′ミツトスイツチレ
バーの調整ねじとフライウェイトの調整ねじとの当接状
態を示す説明図である。 １・・・・・・機械室、２・・・・・・捲上機、３・・
・・・・吊ロープ。 ４・・・・・・乗りかご、５・・・・・・つり合いおも
り、７・・・・・・ガバナシープ、８・・・・・・張り
車、９・・・・・・ガバナロープ、１０・・・・・・連
結子、１１・・・・・・連結棒、１４・・・・・・回転
軸、１６ａ＝ １６ｂ＊ １５ｃ、１６ｄ−−−−−
フライウェイト、１７・・・・・・連杆、１８・・・・
・・スプリング−１９ａｐ １９ｂ・・・・・・リミ
ットスイッチ、２０ａ、２０ｂ・・・・・・レバー、２
１ａｐ２１ｂ・・・・・・調整ねじ、２２ ａ 、 ２
２ ｂ ・・”調整ねじ、２３ａ。 ２３ｂ・・・・・・ナツト。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 乗りかとまたはつり合いおもりに連結したガバナロ
   ープで回転されるシーブを設け、このシーブに遠心力に
   よって先端を外力へ開くようにした一対のフライウェス
   トを備え、フライウェスト先端の画く軌跡円に近接して
   検知スイッチをフレームなどに定設し、フライウェスト
   先端に検知スイッチとの間隔を調整する調整ねじを添設
   したことを特徴とするエレベータのスピードガバナ。